住宅の解体費用と廃材の処分費用の相場はどのくらい?

住宅の解体は、壊すだけにも関わらずお金がかかってしまいます。壊すだけだから、できるだけ費用は安く抑えたいけれど、安すぎると粗悪な工事をされるかもしれないし、悪徳業者の可能性もあると、心配になっている人も多いです。

このような不安を解消するためには、解体工事にかかる費用の相場を知ることが大切です。

今回は、解体工事に必要な解体費用や処分費用とその相場ついて見ていきましょう。

1. 単価×坪数では計算できない

解体工事にかかる費用は、単純に単価×坪数では計算することができません。ある程度の目安にすることはできるかもしれませんが、実際の費用とはかなりかけ離れていることも多いです。

これは、実際の費用が、建物の構造や大きさ、立地条件、住宅設備の有無など、1軒1軒の状況を考慮して計算されるからです。

例えば建物の構造であれば、どんな構造かによって解体のしやすさが変わります。色々な構造がありますが、頑丈な構造の住宅ほど、解体は大変になり、費用も高くなります。

現場の立地条件も非常に重要で、工事車両が入れるか、機械を置いておくスペースがあるかなど、工事のしやすい環境かどうかが費用に影響します。この条件は、実際に工事業者に確認してもらわないと、正確な判断は難しいです。工事がしにくい環境の建物は、単価×坪数で計算した費用よりも、かなり高くなることがよくあります。

このような立地条件による影響もあり、価格相場は都市部では高く、地方では低くなる傾向があります。地方の方が、道路状況や周辺環境など工事しやすい環境であることが多く、人件費も都市部に比べると安いことが理由だと考えられます。

この他にも、撤去する住宅設備が増えれば、処分費用や人件費も高くなります。廃棄物の処分費用は、廃棄するものの種類や処理場までの距離をもとに業者が自分で決めているので価格は様々です。

また、同じ解体業者でも、それぞれの業者で所属している職人や保有している機械、処分場との関係性が異なります。この違いよって工事内容にも得意不得意がうまれます。依頼する工事内容を得意としている業者であれば費用は安くできる可能性も高いですし、逆に苦手としている業者に依頼してしまうと費用は高くなる可能性もあります。

このように、解体工事の費用には、単価や坪数以外にも、様々なことが影響を与えます。正確な費用を知りたいのであれば、実際に業者に依頼し、現場を見た上で見積りを出してもらうことが大切です。

2. 構造別の解体費用

解体費用の相場を確認するためには、まず建物の構造を把握する必要があります。色々な構造の建物がありますが、構造によって解体工事のしやすさが異なり、それにより費用にも差が出ます。

2-1. 木造住宅

日本の住宅の半数以上が木造住宅だと言われおり、最も解体しやすい構造でもあります。目安となる坪単価は2万円~3万円です。

2-2. 軽量鉄骨造(プレハブ)住宅

鉄骨住宅は、構造に使用する鋼材の厚さによって2種類あり、6mm未満であれば軽量鉄骨住宅、6mm以上であれば重量鉄骨造住宅となっています。

軽量鉄骨造住宅には、強度を増すためにたくさんの鉄骨が使用されており、その分解体工事が大変になります。木造住宅よりも工事がしにくいので価格も高くなり、坪単価の平均は3万円~4万円となっています。

2-3. 鉄筋コンクリート(RC)造・重量鉄骨造住宅

鉄筋コンクリート造住宅や重量鉄骨造住宅は、耐震性や耐火性に優れている分、解体工事がしにくい構造であるといえます。木造住宅に比べると、廃棄物の処理にも費用がかかってしまうので、坪単価は3.5万円~5万円と高くなっています。

2-4. 外構など付帯設備の撤去費用

住宅以外にも、付帯設備を撤去する場合には、その撤去費用も追加されます。規模によっても費用は大きく変わるので、できるだけ解体業者に直接見てもらうことが重要です。

2-4-1. 塀の解体

一般的に塀の撤去費用は、面積を基準に計算されます。1㎡あたり2000円程度が撤去費用の目安です。追加で廃材の処分費用がかかることもあります。

2-4-2. カーポート・物置の解体

カーポートや物置の解体は、その面積や大きさを基に費用が出されます。業者によって差がありますが、1つあたり約3万円からの追加料金がかかります。

2-4-3. 庭木・庭石の撤去

庭木や庭石の撤去には機械だけでは難しく人の手を必要とすることもあります。木の大きさや石の重さ、それぞれの量によっても費用は様々です。

庭木は1本あたり2万円~5万円、庭石は1㎥あたり3万円~5万円程度が目安です。庭木の処分は、切り倒すか根っこから引き抜くかによっても費用が変わります。処分方法によっては、費用がさらに高くなることもあります。

3. 廃材の処分費用

解体工事にかかる費用の中でも、工事中に出た廃材の処分費用は、大きな割合を占めることになります。

この処分費用の見積もり方は、業者によってかなり異なり、廃材の種類ごとに分けるところ、1㎡あたりの単価を基準に計算するところ、坪単価の計算の中に処分費用も含めているところなどがあります。

見積書で処分費用が確認できない場合は、改めて請求されるか、不法投棄の可能性もあります。トラブルになる前に、きちんと確認をとりましょう。

3-1. 処理場までの運送費

処理費用とは別に運送費が必要になることもあるので、処分費用の中に運送費が含まれているのかは確認しておく必要があります。

基本的に運送費はトラックの種類と移動距離によって変わってきます。積載量が多いトラックほど料金は高くなりますし、運び込む処理場が遠ければ運送費も高くなります。廃材の量にもよりますが、大きなトラックで運ぶ回数を減らした方が割安になります。

3-2. リサイクルできるものが多いと安くなる

廃材の処分費用は、自分で処理できそうなものはできるだけ処分しておくことで、費用を抑えることができます。資源ごみや粗大ごみとして廃棄できるものは自分で廃棄しておきましょう。冷蔵庫や洗濯機などのリサイクル家電は、解体業者から自分での処分を依頼される場合もあります。

自分で廃棄が難しいものは解体業者に依頼することになります。中でも、木造の家具やプラスチック製品、金属製品は、解体業者に任せると良いでしょう。これらの廃材は再利用できるので、処分費用を安くできる可能性も高く、無料で処分してくれるところもあります。

4. 現場に合わせた追加費用

構造や廃材の処分費用に加え、現場の立地条件に合わせて追加費用がかかります。この追加費用を考慮しておかなければ、見積りと実際の費用に大きな差が出ます。

4-1. 重機が入らない

建物に接している道路が狭い場合、重機が入らないことも考えられます。

解体工事は、内装や屋根の解体が終わると、重機で一気に解体していくのが基本です。重機が使用できないとなると、その作業を人の手でやらなければならないので、時間がかかります。作業日数が増えるほど人件費がかさむので、追加費用も高くなります。

4-2. 駐車スペースがない

周辺に駐車スペースがない場合は、有料の駐車場を探し、利用料金を支払う必要があります。工事車両は1台では済まないこともあるので、日数が増えると高額になる可能性も高いです。

都心部や多くの家が立ち並ぶ住宅地などは、周辺に駐車場自体が少ないこともあります。その場合、駐車場を確保するためにお金がかかる可能性もあります。

4-3. 交通整理などのガードマン

周囲の道路状況によっては、交通整理などのガードマンが必要になることもあります。地域差はありますが、1人あたり1日1.5万円前後の人件費がかかります。

4-4. 養生シート・足場代

解体工事を行う際には、高い場所での作業があるので足場を組む必要があります。また、ちりやほこりが舞ってしまうので、全体を養生シートで被う作業も必要です。

この養生作業をきちんと行わないと、ちりやほこりが周辺に広がり、近隣の住宅に住む人から、苦情がくる可能性もあります。防音効果も期待できるので、周辺への影響を最小限にするためにも必要な作業です。

費用は、養生作業と足場組みを合わせて、だいたい1㎡あたり1000円前後です。周辺の建物と距離が十分にある場合は養生が不要になり費用がかからないこともあります。逆に、隣の建物が近すぎると足場を組んだり養生を施したりするのにも手間がかかってしまうので、費用が高くなる可能性もあります。

5. 住宅設備機器関係の撤去

住宅の解体では、キッチンやトイレ、お風呂など住宅設備の撤去が必要になります。この他にも照明や家具などを残している場合には、別途費用がかかる可能性もあります。見積書への計上の仕方は業者によって様々なので、丁寧に確認しましょう。

5-1. キッチン

キッチンの撤去では、撤去費用は約2万~、処分費用は約3万円~が目安となっており、キッチンの構造や大きさによって費用も異なります。壁や天井などに使用されているタイルやクロスにも撤去費用がかかることがあります。

5-2. お風呂・洗面台・トイレ

お風呂の撤去は、撤去費用は約2万円~、処分費用は約3万円~が目安となっており、キッチンと同様、構造や大きさによって費用が変わります。洗面台は撤去と処分あわせて5万円前後、トイレは2~3万円前後が目安になります。

住宅全体を解体する場合は、リフォーム時の解体と比べると、個別の養生や再設置への配慮がいらないので、比較的安い価格での解体が可能です。

5-3. 照明

一般的な照明であれば2500円前後、シャンデリアなどの大型の照明は5000円前後が撤去・処分費用の目安となります。特に高い位置にある照明の撤去には、別途費用がかかる場合もあります。数が多ければ1つあたりの撤去・処分費を安くしてくれる業者もあります。

5-4. 造作家具

住宅と一体になっている造作家具は、自力での処分が難しいことも多いです。

木造のものであれば、建物と一緒に解体してくれて、追加料金がかからないという解体業者もいます。ガラスやプラスチックが含まれる場合には、その部分の分別の手間がかかるので、別途費用がかかる可能性もあります。

できるだけ費用を抑えたい場合には、木材以外の部分をあらかじめ自分で処分しておくとよいでしょう。

5-5. 屋根材

屋根の撤去費用は、使われている材料と屋根の大きさよって異なります。一般的には1㎡あたり1000円~2000円を目安に計算されますが、使われている材料によってはこれよりも高額になる可能性があります。

一度、屋根のリフォームを行っている住宅の中には、カバー工法という方法でリフォームをしたことにより、屋根が二重構造になっている住宅があります。屋根の解体は基本的に手作業で行われるので、二重構造になっていると作業が大変になり費用がかさむ可能性が考えられます。

また、素材にアスベスト(石綿)が使われている屋根であれば、産業廃棄物として処分しなければならず、撤去や処分に手間や時間がかかるので、費用が高額になります。

5-6. 内装

クロスやガラス、石膏ボードなど、内側の壁や床、天井を撤去する作業です。内装の解体も手作業が基本なので、費用が高くなる傾向があります。キッチンやトイレ、お風呂なども、内装としてまとめて計算する業者もあります。

処分費用も込みで1坪あたり5000円~1万円が目安となります。

6. 地中埋設物の撤去

工事業者に現地確認をしてもらった上で見積りを出してもらい、工事を始めたとしても、工事中に地中から埋設物が見つかり、撤去が必要になることがあります。中には、廃棄物が埋められているケースもあり、これらはきちんと撤去しなければ、次に建物を建設する際に邪魔になってしまいます。

事前に分かっている場合は問題ありませんが、工事中に見つかった場合は、すぐに撤去作業に入らず、業者から見積りをもらってから工事を進めるようにしましょう。見積りを確認する前に作業を進めてしまうと、後から高額請求を受けることになる可能性もあります。

6-1. 浄化槽

浄化槽の撤去は汲み取りを済ませておくことが前提なので、事前に専門の業者に依頼して汲み取りと消毒を済ませておきましょう。古いもので、汲み取りが終わっているか分からないものは、撤去工事前に業者に依頼し、確認を済ませておく方が良いでしょう。

浄化槽の汲み取り作業を行うことができる業者は限られているので、市町村の下水道を管理している部署に問い合わせ確認をしてください。汲み取りにかかる費用はおよそ1万円~2万円です。

撤去と処分にかかる費用は、一般的な住宅用のもので3~5万円が相場です。浄化槽のみの撤去は高額になることもありますが、建物の解体と同時に行えば安く抑えることもできます。

6-2. 井戸

井戸の埋め立ては、井戸の直径や深さ、撤去に使用する材料によって費用が変わりますが、だいたい5万円~10万円が目安となっています。直径が大きいもの、深さがあるものは作業が大変になるので費用も高くなります。

解体工事の途中で井戸が発見された場合は、解体作業に出た廃材を再利用して埋めることで費用を安くするという方法がありますが、この方法では不法投棄になる可能性があり、井戸を埋めるのには向いていない素材の可能性もあるので、解体業者にしっかり確認をした上で判断しましょう。

地域によっては、井戸を埋め立てる際に、お祓いをするところもあります。費用は地域によって異なるので、必要かどうかも含めて、親族や周囲の人に相談して決めると良いでしょう。

7. まとめ

このように、解体工事にかかる費用は、単価×坪数では計算できず、様々な条件が影響してくることが分かりました。それぞれの工事にかかる費用に相場はありますが、これらはあくまでも目安です。地域によっても差がありますし、繁忙期であれば高くなる可能性があることも把握しておきましょう。

また、相場を把握する上で最も大切なことは、実際に見積もりを依頼し、自分で確かめてみるということです。1社では相場を把握することは難しいです。複数の業者の見積りを依頼し、丁寧に内容を比較することで、より正確な価格を把握することができます。

監修general editor

藤岡聖大

平成4年のバブル末期に大手住宅メーカーに就職し宅建の資格を取得する。そこで不動産の基礎を学ぶ。入社半年でバブルが崩壊し、ローンの返済にあえぐお客様、相続税対策でアパートを建てて失敗し、家や土地を失ってしまった人など、大変な思いをしている人に遭遇し、一般の方であっても最低限の不動産の知識が必要であることを痛感する。 それら経験を元に、ユーザー視点の不動産の情報を提供する当サイトを運営。