家を売る時に営業を味方にしてスムーズな売却をするには

家を売る時に考えることは、なるべく高い価格で、短期間で、スムーズに、ではないでしょうか。考えるべき要素はいくつもありますが、その中では優先順位が高いと思われることの1つに担当の営業マン(女性の場合はウーマン)があります。

彼を知り己を知れば百戦殆からずという故事がありますが、担当の営業は大切な資産を任せる相手となります。まず、相手がどんな風に働いているのか、労働時間、給与などの条件を知ることで、考えていることや望みを理解しましょう。

私見になる部分も多いと思いますが、私の経験から得たお話しをしますので、参考にしていただけますと幸いです。

1. なぜ営業担当が重要か

人は自分を理解してくれている人のためには頑張りたいと思う生き物です。仕事という義務感だけで行動している人と、あなたのために少しでも良い条件で売りたいと活動してくれる人と、どちらが良いか言うまでもないと思います。

あなたのために最善の方法を考えて、そのために知識や人脈などのリソースをすべて使ってくれるような営業が担当者になってくれたら、とても心強いと思います。

家を売る際には、多くの専門的な知識が必要となります。また、買い手となるお客様以外にも、司法書士や土地家屋調査士、銀行の担当者など多くの人の協力も必要となります。これらすべての人との調整をして進めないとスムーズな売却はできません。

関わる人の多くは短時間の付き合いとなります。例えば、土地家屋調査士は最初の鑑定の時だけですし、銀行の担当者も融資の関係時だけです。最初から最後まで関わることになるのは、担当の営業だけです。

この担当の営業が段取り良く運んでくれればスムーズな売却となりますが、そうでなければ、悲惨なことになりかねません。実際に段取りが悪くて内覧に来る人が減ってしまったり、銀行の融資が遅れて決済できず、余分な費用が発生した事例はたくさんあります。

そのような事態を避けることができるかどうかは、担当の営業による部分が大きいです。家を売ることは一生の間に何度もあることではないので、ほとんどの人にとって初めての経験となります。そのため、わからないことだらけです。

特に法律関係についてはわからないことが多いと思います。不動産に関する法律はすごくたくさんあるので当然です。法務だけなく、税務、融資などすべての相談役が営業です。営業と良い関係を築くことが成功へのカギだと言っても過言ではないと思います。

では、どうやってそんな優秀な営業担当者を見つければ良いのでしょうか。単に見つけるというよりも育てることが重要になってくるのですが、その方法について順番にお知らせいたします。

 

2. 不動産会社の営業マンの状況

まず、営業担当者の置かれている状況を知ることから始めましょう。状況を知ることで相手の気持ちがわかるようになります。相手の気持ちがわかれば、どんな風に接すれば良いか見えてきます。では、早速お話を始めます。

お聞きなったことがある方も多いと思いますが、不動産会社の離職率は他の会社よりも高いと言われています。しかし、厚生労働省の発表したデータを見ると不動産業界の離職率はそんなに高くはありません。

ホテルや旅館などの宿泊業や居酒屋、ファーストフードなどの飲食チェーンなどが、離職率の高い業種のトップになっています。これらの業界は平均収入が168万円(2014年調査)とかなり低い水準になっています。所得の低さから長く続けるのが難しいのではないかと思います。

5年、10年と働いても勤続年数に応じて賃金が上がる可能性が低いことから、将来の見通しが立たないため不安になってしまうことも理由のひとつだと思います。総じて離職率が高い業種は、賃金が低く、労働時間が長く休みが取れないなどの共通点があります。

一方、不動産業界はというと、賃金の面では平均額だけを見ると悪くはありません。歩合制をとっている会社が多いため、高給取りもいれば薄給の人もいるという感じす。このため、平均すると悪くはないことになります。

不動産業界は高額の物件を扱うことから1件あたりのインセンティブが大きいという特徴があります。このため、稼ぐ人は大きく稼ぎますが、稼げない人は本当に僅かしか収入がないことが多いです。このため、安定しているとは言いにくい業界です。

労働条件の方も不動産業界はあまり良くありません。一般の方を相手にする仕事ですので、土日や平日の夜にお客様と応対することが増えるからです。こんなことを言うと叱られるかもしれませんが、個人のお客様はかなり自分勝手な人が多いです。

会社同士の付き合いであれば、自分の会社の看板を背負って応対することになります。そのせいかどうかはわかりませんが、とんでもない無茶を言う人は少ないです。例えば、会社同士であれば相手の営業時間を尊重して電話する時間を考えたりしますが、不動産会社に電話をする際に、営業担当の都合を考えて時間を選ぶような人は少ないと思います。

これは世の中のサービス業について全般的に言えることですが、24時間対応のサービスが増えていることが原因かもしれません。しかし、シフトを組んだり、ネットを使ったりして24時間対応ができるような仕組みができている業界とは違いと不動産会社は違います。

ほぼすべての不動産会社で個人の力だけで対応が取られています。よく個人商店などと皮肉交じりに言われることがありますが、実際に担当の営業しかお客様のことがわからないというケースは良くあります。このようなことから、いかに個人の力に頼っているかがわかります。

優秀な営業マンはたくさん稼ぐとさきほど書きましたが、それでも個人で行うのに比べれば稼ぎは少ないです。どうせ売れない限り稼げないなら、会社組織の中で上前を撥ねられるよりも自分で全部やった方が良いと考える人が多いです。

実際に会社に対する忠誠心のようなものを持っている人は少ないです。優秀な人は独立してやめてしまうので、仕事ができない人が残ります。人が減った分、他所から人を引っ張ってきて補充をします。大体が中途採用の社会人経験者で新卒の人が採用されることは少ないです。

元からいた仕事ができない人達は、後から来た人に優秀な成績を上げられてしまうと、自分が無能だということになってしまうため、新人の足を引っ張ることが多いです。基本的に育てるようなことはしませんし、資料を隠したり、データを消したりとかなりえげつないことをする人もいると聞きます。

こんな環境なので会社に忠誠心を持つ人は少ないのです。たまに営業担当者は、たとえ知識が少なくても若くて熱意のある人の方が良いという話を聞きますが、これは先輩社員が新入社員のフォローをしてくれるような会社の場合だけです。不動産会社によっては、先輩に足を引っ張られることはあっても、手伝ってもらえないことがあります。

不動産業界に限ったことではありませんが、独立心があって、自己責任で頑張れる人だけが成功する世界です。人一倍知識が必要な業界にも関わらず、教えてもらえることの少ない過酷な職場だとわかっていただけましたでしょうか。

もちろん、すべての不動産会社がこのようなところだという訳ではありません。ですが、このような会社が多いのは事実ですし、よく名前を聞くようなテレビコマーシャルをやっているようなところでもそれは変わりません。

では、不動産会社の営業担当者の状況が分かったところで、対処の仕方について考えていきましょう。

 

3. 営業担当者と接する最良の方法

最初のところで書きましたが、人は自分を理解してくれる人のためなら頑張ることができます。つまり、あなたが営業担当者の一番の理解者となることができれば、営業担当者はあなたのために精一杯頑張ってくるはずです。

営業担当者と接する方法ですが、特別に難しいことはありません。他人と接する時の基本的なことをするだけで十分です。何も菓子折りを持って行くとか、特別ボーナスを個人的に支払うなどということは必要ありません。そういったことを喜ぶ人もいるかもしれませんが、基本は人として大事にすることを考えてください。

お客様と営業の間に上下関係はありません。営業担当者は、あなたの知らないことを教えてくれて、あなたのできないことをやってくれるありがたい存在だと認識してください。

この気持ちがあれば、それだけでも十分だと思いますが、念のため、もう少し詳しくお話しします。

 

4. 営業担当者を大切にする

プライベートの時間を尊重するようにしてください。寝ている時間に電話をするようなことはないと思いますが、食事の時に電話がかかってくるのは嫌なものです。

営業担当者は、基本的に時間が不規則ですので、いつ食事をしているかはわかりません。ですので、厳密には食事の時間には電話はしないというのは不可能です。

ですが、お昼どきに電話するとか、いかにも食事の時間に電話するのは避けた方が良いでしょう。また、世間一般的に昼休みとされている時間帯に電話をしなければならない時は、相手を気遣うひと言を添えるようにしてください。

現在は、携帯電話でのやり取りが基本ですので、相手が何をしているかに関係なく呼び出すことになります。相手が電話に出たら、いきなり要件から入るのではなく、まず、話せる余裕があるのかどうかを確認しましょう。

こんなことは当たり前のことで少しも特別なことではありませんが、こんな当たり前のことをしない人がとても多いです。残念なことに普段は親切で丁寧な人なのに、自分がお客になったとたんに上からになってしまう人がいます。

あなたにはそんな心配は必要ないと思いますが、ちょっと振り返ってみても良いかもしれません。少しの気遣いがとても嬉しいものです。少しの気遣いで他の人よりも大事にしてもらえたらとってもお得ですね。

 

5. 最良の営業担当者を見つけるには

こんな方法がありますと簡単に説明できれば良いのですが、それは難しいです。実際にたくさんの営業にあって見つけるしか方法はありません。たくさんの人に会って、面倒見の良い、誠実な人を選ぶことをお勧めします。

知識の多い人ほど良い気がすると思いますが、実際には知らないことを知らないと正直に言ってくれる人の方が安心できます。もちろん、知らないで終わってしまっては困りますので、知らないことはきちんと調べてくれることが前提となります。

意外に思われるかもしれませんが、私は不動産の知識の量が多い人よりも、WEBについて詳しい人の方をオススメしたいです。不動産関係の知識については、必須のことについてはある程度理解していると思いますが、WEBについては知らない人はまったく知りません。

今のご時世では広告を窓ガラスに貼ってお客を待つなんてことはしません。もちろん、テレビやラジオなどの広告も使いません。使うのは雑誌の広告とWEB広告です。雑誌とWEBでは比べるまでもなくWEBの方が重要です。

WEB上にどんな広告を出したら売れやすいのか、どんな見せ方が一番効果的な方法なのか知っている人は本当に貴重です。別のページで広告に使う写真のお話をしたことがありますが、そういう写真の使いかたなどWEBマーケティングに詳しい人が、不動産業界をリードしていくことになるのではないかと思います。

これを入れるかどうか少し迷ったのですが、宅地建物取引士の資格を持っている人を選んだ方が良いと思います。持っていなくても仕事はできるのですが、入社1~2年の新人営業マンならともかく、3年以上の経験者で宅地建物取引士の資格すら持っていないのは仕事に対する姿勢に疑問を感じるからです。

プロとして真剣に取り組んでいる人なら資格は持っていて当たり前だと思います。また、相場くらいの金額で売りたいのにそれを無視して、あからさまに安い金額ですぐにまとめようとする人も避けるべきです。また、深夜にもかかわらず平気で電話をかけてくるような常識のない人も避けるべきです。

あなたが相手を大事にするのと同じくらいあなたのことを大切にしてくれる人を選びましょう。

 

6. まとめ

先ほどもお伝えしましたが、あなたと営業担当者に上下の関係はありません。

どちらも上で下でもないのです。WIN-WIN以外の関係はすべて負けだと考えてください。その気持ちで相手と接すればきっと良い関係が築けると思います。

もちろん、良い関係を作るためには、相手にあなたを尊重してもらうこともとても大事です。あなたのことを大切にしてくれる、誠実な人を選ぶようにしてください。

良い営業担当者と出逢って、家の売却がスムーズに進むことを願っています。

 

監修general editor

藤岡聖大

平成4年のバブル末期に大手住宅メーカーに就職し宅建の資格を取得する。そこで不動産の基礎を学ぶ。入社半年でバブルが崩壊し、ローンの返済にあえぐお客様、相続税対策でアパートを建てて失敗し、家や土地を失ってしまった人など、大変な思いをしている人に遭遇し、一般の方であっても最低限の不動産の知識が必要であることを痛感する。 それら経験を元に、ユーザー視点の不動産の情報を提供する当サイトを運営。