事例紹介

Category  不動産

2018年07月03日 更新

不動産の売却を大手に依頼した時に陥るワナ

家やマンション、土地などの売却を大手の不動産会社に依頼したけれど、中々売れないという場合は、不安になるものです。売れない期間が2ヶ月、3ヶ月と続いてくると、有名な大手の会社なんだから大丈夫!と思ってみても心配は拭いきれないですよね。

売れない理由には、大手ならでは問題がその裏にある可能性があります。○○のリハウス、○○不動産販売といった大手の不動産会社は自社のホームページを充実させています。このホームページが充実していることが、売れない原因になることがあります。

どんな問題があるのか、一緒に見ていきましょう。

1. 不動産売却の広告

不動産を売却する場合に使う広告は、雑誌、チラシ、インターネット広告の3つがありますが、現在はチラシとインターネット広告が主流となっています。

まずチラシですが、チラシによる広告には、新聞の折り込みとポストに直接投函するいわゆる投げ込みという方法の2つがあります。

新聞への折り込み広告は新聞の発行部数が下がって現状を考えると効果が薄くなってきていると考えた方が良さそうです。チラシ広告には新聞への折り込み以外にも、個人宅のポストへ直接投函するポスティングという方法があります。

これらの広告は、昔から「せんみつ」と呼ばれています。せんみつとは、千枚配って3つ反応があれば上出来というところからついた名前です。わかりやすく言うと、反応率0.3%ということになります。

チラシ広告は古くからある方法で実績も十分あるため、現在でも良く使われていますが、主力の方法とするにはちょっと難しいかもしれません。

 

2. インターネットの不動産広告

雑誌やチラシに変わって主流となっているのが、インターネット広告です。これは不動産業界に限ったことではありませんが、特に不動産業界では顕著だと思います。以前は雑誌に力を入れていたリクルートも、現在はウエイトをインターネットにおいています。

トライベック・ブランド戦略研究所が行った調査によると、2年連続でSUUMOという情報ポータルサイトが今の住まいを決めるきっかけとなったサイトとして1位となっています。これには賃貸住宅の結果も含まれていますので、不動産売却に関してもイコールとは言えないかもしれませんが、傾向は見て取れると思います。

現在の不動産関係のインターネット広告について参考になると思いますので、もう少し、この調査について掘り下げてみたいと思います。

今の住まいを決めるきっかけとなったサイトの調査をしたトライベック・ブランド戦略研究所は、オウンドメディア(企業が自社の為に作っているホームページなどWEB上にあるもの)が企業のブランド価値にどのような影響を与えるのかを調査することを専門にしている会社です。

同社の調査はインターネットを使って集計したものとなりますので、インターネットを使わない人達の動向は反映されません。また、アンケートに回答する層にも偏りがあると思われるため、その点でも調査内容に偏りがある可能性があります。

しかし、今回のようにインターネットを使う人を対象にした調査では、かなり信頼できるものと考えて良いと思います。それでは、どんな調査を行ったのか見ていきます。

この調査は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県、栃木県、茨城県の関東地区と大阪府、京都府、奈良県、兵庫県、滋賀県、和歌山県の関西地区に住む20歳以上の男女の中で、調査前の1年以内に住み替えを行った人に対して行われました。

上記の中で住居を探すための情報収集先として、SUUMO、HOME’S、at home、O-uccinoの中で2つ以上のサイトを参考にしていることも条件になっています。

調査内容は、
・今の住まいを決めるにあたり、最もきっかけになったサイトはどれか
・サイトを閲覧後の問い合わせ、訪問状況
・そのサイトをまた使いたいと思うか
・サイトの使いやすさ
・サイトの信頼性
などの項目で行われました。

調査をした期間は、2016年12月の3日間で、2,599人から回答があったそうです。たった3日間でこれだけの回答が集まることからもインターネット広告が浸透していることが伺えます。

また、母数として2,599人のサンプルがあれば、正しい傾向が掴めていると考えて良いでしょう。

 

3. 大手の不動産会社のインターネット広告

インターネット広告が現在の不動産業界でとても大切な役割を担っていることはお判りいただけたと思います。もちろん、先ほど例に出したような大手の不動産会社もSUUMO、HOME’S、at home、O-uccinoなどに広告を出しています。

しかし、基本は自社サイトへの掲載に止まっているのです。これは、業界の中にいないとわからないことだと思います。驚かれましたでしょうか。もちろん、誰でも知っているような大手の不動産会社ですから、その会社のサイトにアクセスして物件を探す人がいても不思議ではありません。

しかし、SUUMOやHOME’Sなどに比べるとアクセス数は各段に少なくなります。アクセスが少なければ、それだけあなたの物件が購入希望者の目に留まる可能性が少なくなります。つまり、売れにくくなります。

通常、家や土地を探している方は、SUUMOやHOME’Sなどの情報ポータルサイトで、まず物件を探します。その点を良く覚えておく必要があります。

あなたが、○○不動産販売や○○のリハウスなどの会社を使って売却しようとする場合は、SUUMOやHOME’Sなどのサイトを確認して、あなたの物件が載っているかどうか確認をするようにしてください。

不動産会社の方にも事情があって行っていることですので、不動産情報サイトに載っていないとクレームを言うのではなく、有名どころの情報サイトに載せるように依頼をすると良いでしょう。

引き合いの多さが高く売ることにもつながりますので、媒介契約を結ぶ際にどこにどんな広告が出るのかキチンと確認をしておくことをお勧めします。最初から、自社のホームページ以外にも、情報ポータルサイトに掲載する契約にしておくことで売りやすくなります。

 

4. まとめ

現在はインターネットが私たちの生活の中にガッツリと入り込んでいます。それは不動産業界でも同じです。

ひと昔前のように、不動産会社の店先に物件情報を貼っていた時代は過ぎ去りました。そんなことをしていては売ることは非常に難しいです。

しかし、インターネット広告を使ってもそれだけではまだ足りません。どこにインターネット広告を出すかが重要です。

人気の情報サイトに出すことは人通りの多い街頭でビラをまくような効果があります。しかし、いくら大手の不動産会社であっても、いち企業のホームページでは、そこまでの効果は期待できません。

大手の不動産会社に依頼することと、多くの人に知ってもらうことは、まったく別のことですので、人の集まる場所に広告を出すようにしましょう。