中古マンションが売れない6つの理由とその対処法とは

転勤が決まったり家族が増えたりして現在のマンションを売らなくてはならない場合があります。また、相続した中古マンションを売りに出している人もいるのではないでしょうか。売却にだしていて、不動産会社に宣伝もしてもらっているのになかなか売れないとなると、固定資産税や管理費用などのお金もかかり、とても悩ましいと思います。

中古マンションが売れないのには理由があり、少しのポイントを理解するだけで物件の価値が上がり買い手が見つかる可能性があります。対処法が分かれば、あっさりと売れてしまうかもしれません。見落としがちなポイントについて、説明していきます。

1. 中古マンションが売れない6つの理由

現代では核家族化が進み、世代を同じく戸建てに住んでいた頃と比べると世帯数としては増加していてもマンションが売れない状況が続いています。都心部だけでなく郊外でも新築マンションの建設は行われているにも関わらず、中古マンションが売れない理由としては、大きく分けて6つの理由があります。

1-1. マンションは過剰供給となっている

マンションは一度建設されると40年~50年以上使われることがほとんどです。新築時にはマンションの購入希望者が多かったとしても、古くなってくると人気がなくなってきます。また、現在の情勢に照らし合わせてみると過剰供給になっている感が否めません。需要と供給のバランスが崩れるとマンションは売れなくなります。売れるタイミングで確実に売ることが大切です。

1-1-1. マンション建設は続いている

取り壊されているマンションは少ないのに、新しく建設されているマンションが多いと感じることはないでしょうか。マンションは一度建設されると戸数が一気に増えるため、空き室の数が増えます。近隣に空き室が多いと競争率も上がりますし、飽和状態であれば売る事も難しくなります。

1-2. 価格が見合っていない

自分が気に入って購入し住み続けてきたマンションですし、次の住居のことも考えるとできるだけ売却価格は高くしたいと思ってしまいます。売却価格を高く設定しすぎてしまうと、売れるものも売れなくなってしまいます。

1-2-1. 売主が物件を過大評価している

思い入れのある物件ですから、知らず知らずのうちに自分では過剰に評価してしまっているかもしれません。価格の設定は客観的にすることが大切です。契約した不動産会社の担当の方に相談するなどして適正に設定するようにしましょう。

1-3. 管理費や修繕積立金が高い

マンションを購入する際に大切なのは実際の購入価格だけでなく、そのマンションに住み始めてからの管理費や修繕積立金も購入を決める要素になります。ほとんどのマンションは、住んでいる間ずっと管理費と修繕積立金を支払う必要がありますので、ここが高いと感じるとなかなか購入に踏み切れません。

1-3-1. 年数が立つほど修繕積立金が高くなる

管理費や修繕積立金は築年数が経過すればするほど、金額が上がっていきます。とはいえ、これらの出費はマンションの資産価値を高め、将来的にデメリットになるものではありません。このマンションのこの部屋に住むのであればこのくらいの管理費や修繕積立金は仕方がない、と納得してもらえるよう、マンションの価値を理解してもらうことが大切です。

1-4. 同じマンション内での競合

あまり発生しない条件ではありますが、同じマンションの別の部屋が売りに出されている場合、競争が発生してしまいます。売却希望のままで交渉すると当初の希望より大幅に値下げされてしまうこともあるので、いったん引いて様子を見てもいいでしょう。

1-4-1. 比較しやすいため値下げ合戦となることも

買い手からすると、マンション自体の構造や立地が同じ条件の中で部屋の比較ができるため、交渉の中で値下げが発生することが多いです。価格競争に巻き込まれてしまうと、買ってもらうために値下げ合戦になる恐れがあります。値下げすると、再度の値上げは難しいのでできるだけ避けたい状況です。

1-5. 内覧で失敗している

中古マンションは築年数が経過しているため、エントランス部分やエレベーター、廊下などの共用スペースについてはどうしようもありません。その分、部屋の中が大切になってきます。築年数を感じさせないくらいに部屋綺麗でなければ、購入してもらえる可能性は低くなります。

1-5-1. ある程度のリフォームは必要

売却するマンションに対して新たな出費をするには抵抗があるかもしれませんが、内覧で気に入ってもらうために必要な費用であると割り切りましょう。大掛かりなものでなくても、水回りの補修やクロスの張替などを行うだけで部屋の印象は変わります。

1-6. 不動産会社の対応が問題

物件自体に問題はなくても売れない場合、不動産会社の対応に問題がある可能性があります。広告方法に問題はないか、契約内容に見直す点はないか、しっかりと吟味する必要があります。マンションの売却は、依頼する不動産会社によって大きく変わってくるので、誠実に対応してくれる不動産会社を選びましょう。

1-6-1. レインズにのっているか確認する

不動産会社と売却契約した物件は、契約方法にもよりますがほとんどの場合レインズと呼ばれるシステムに登録されます。これにより、様々な不動産会社が売却予定マンションの情報を共有できるようになります。レインズに登録されていれば購入希望者が見つかりやすくなりますので、登録されているかどうかを定期的に確認するようにしましょう。

2. 中古マンションを売るためには

前項では中古マンションが売れない理由について説明しましたが、すべての中古マンションが売れないわけではありません。中古物件を売れやすくするためのポイントについて、以下で見ていきましょう。

2-1. 売却価格の見直し

不動産の取引は最終的に買い手側と売り手側の交渉で決定されますが、最初に提示している金額があまりに高いと購入希望者が現れないことがあります。安すぎて損をする金額でもなく、高すぎて敬遠される金額でもない適正をしることが大切です。

2-1-1. 同じマンションで競合している場合

同じマンションの部屋が同時に売りに出されている場合、競争が起こります。間取りや部屋の位置、階数によって価格に差はでますが、立地や築年数などのマンション自体の条件は同じになります。価格競争に巻き込まれる可能性があるため、できれば時期をずらすなどして様子を見た方が得策の場合があります。

2-1-2. 一旦売却を取りやめる

チラシにずっと同じマンションがずっと掲載されていたり、検索するたびに同じ物件がヒットすると、売れ残っているという印象を与えてしまいます。そうなると買い手側もなんとなく買いづらくなります。なかなか難しい判断になると思いますが、一度売却を取りやめてしばらく期間を空けてから再度広告を出すという方法もあります。

すると新規の売却案件になるので、ホームページなどでは新着情報として掲載され、目につきやすくなるメリットもあります。

2-1-3. 査定価格に問題がある

売却価格は基本的に契約した不動産会社に査定してもらった価格をもとに決定することが多いですが、多くの場合は、近隣の相場よりも高く設定されます。売り主としては高く見積もってもらい、高く売りたいという希望があるので売り主への受けが良くなるためです。

しかし、相場より高い売却価格では購入希望者は現れません。相場を確認するには近隣で同じような条件の物件がどれくらいの売却価格になっているかを調べたり、別の不動産会社に再査定を依頼したりしてみましょう。

実際にどのくらいの金額で不動産取引が行われたかを調べることができる「レインズ・マーケット・インフォメーション」というサイトもありますので、そちらの利用もおすすめします。

2-2. 販売価格を下げる

マンションがずっと売れない場合は、思い切って販売価格を下げるということも大切です。いつまでも売れ残っているよりは、許容できる範囲で価格を下げてでも購入してもらった方が最終的に利益になります。

ただ単に販売価格を下げるだけではなく、買い手側に興味を持ってもらえる値下げのコツを紹介します。

2-2-1. キリのよい数字から少し下げる

例えば、1000円と聞くよりも980円と聞いた方が安く感じた経験はないでしょうか。大手玩具メーカーやスーパーなどでも取り入れられている手法ですが、値下げをする際にはキリのいい数字から少し下げて設定した方がお得感を伝えることができます。

また、不動産情報のサイトで検索する際、価格の絞り込み設定にもヒットしやすくなります。

2-2-2. 購入希望者側の「値ごろ感」を考える

購入者としては、やはりできるだけ安く、お得に買い物をしたいと思うはずです。例えば、近隣にある条件が似ているマンションがあった場合、少しでも安い価格の方が魅力的に感じるでしょう。

また、当初出していた販売価格から値下げをした場合、お得に買い物ができる、割引で得をしたと思う人も多いと思います。購入希望者に「値ごろである」と感じてもらうために、値下げは有効な手段の一つです。

3. 物件の質を上げる

販売価格や不動産会社を変えても、物件を売却する上で一番大切になってくるのはその物件の価値です。いくら自分が売りたいと思っていても、買い手が見つからなければ売れません。買い手側に「この物件がいい」と思ってもらえるように物件の価値、質を上げることが大切になってきます。

3-1. 買主の視点で考える

自分が気に入って購入したマンションですから、売り主が気に入っているのは当然ですね。しかし、いくら自分が気に入っていても、買い手側にそう思ってもらわなければ意味がありません。

自分が買主だったらどう思うかを考えてみましょう。例えば、リフォームを行う際には、客観的に見て使いやすいかどうか、自分の好みが出すぎていないかを注視しましょう。

3-2. クリーニングで印象を改善する

いくら綺麗に使用していたつもりでも、その物件を買うつもりの人からすれば中古物件であることに変わりはありません。第三者が見ても綺麗だと思えるよう、室内のクリーニングは重点的に行っておいた方がいいです。

ハウスクリーニング業者に依頼して綺麗にしてもらったら、不動産会社にしっかりと「ハウスクリーニング済み」であることを伝えて広告媒体にも記載してもらうようにしましょう。ハウスクリーニングを行っている物件と行っていない物件では、印象もかなり変わってきます。

3-2-1. 水回りを重点的に綺麗にする

日当たり、立地などマンションを購入する際に重要になってくる項目は様々ありますが、部屋の中で重要視される部分はやはりキッチンや洗面台などの水回りです。中古マンションですから新築同様の期待はしないにしろ、水垢がついていたりカビが目立っていたり、排水溝から匂いがしている部屋は買いたいと思いませんよね。

水回りは他の部分よりも汚れが目立つので、重点的にクリーニングしておくことが大切です。

3-3. 内覧で買いたいと思わせる

内覧を希望してきてくれる人はその物件に興味を持って見に来てくれています。購入を決めて来ているわけではないため、内覧の時に物件をいかにアピールできるかがポイントになってきます。

興味があるから買いたいへ意識を変えてもらうために注意しておきたいポイントを以下に紹介します。

3-3-1. スケジュールを合わせる

内覧を希望してくれる人がいた場合、内覧日はできるだけ希望者に合わせて設定しましょう。日程のタイミングを逃してしまうと、内覧希望者の心理的にも購入意欲が少し低下してしまう可能性があります。

せっかく興味をもって見に来たいと言ってくれているのであれば、極力日程を合わせた方が印象が良くなります。

3-3-2. 見せ方次第で広く見える

部屋の間取りは決まっているので、部屋自体を大きくすることはできませんが、見せ方次第では実際の大きさよりも広く感じさせることができます。狭いと感じられるより、広いと感じでもらった方が購入に近づきますね。

使用していないものは取り除き、収納に入るものはすべて収納スペースにしまいましょう。天井の高さも広さを感じる大きなポイントになるので、吊り下げ式の照明を使用している場合は、天井付けの照明に変えるだけでも印象が変わります。

3-3-3. あえてシンプルな内装にする

ごてごてと飾った内装より、シンプルに統一された内装の方が整って見えます。中古マンションを購入しようと思っている人は、購入後に自分でリフォームを考えている人も多いので、できるだけシンプルに見えるように家具などを工夫すると良いでしょう。

3-3-4. 人気があると思わせるテクニック

人は、競争すると手に入れたくなり人気があると分かると手に入れたくなる傾向があります。普段の生活でも、例えばスーパーでコーヒーが2つ置いてあったとして一方はたくさんあるが、もう一方は残り個数が少ない場合、個数の少ない方を選ぶ人が多いのではないでしょうか。

希少であると思わせることで、希望者の購入意欲を刺激することができます。内覧の際に「他の方からあった質問なのですが~」と言うなど、他にもこの物件に興味を持っている人がいるということを伝えるのも有効です。

3-3-5. 内覧時に語りたいエピソード

マンションの購入は大きな買い物ですので、誰もが失敗したくないと思っています。実際にそのマンションに住んだ場合にどうなるのか、不安に思ったままでは購入してもらえません。自分が今まで生活してきた中で、このマンションに住むとどういうメリットがあるのかを説明することがとても大切です。

不動産会社の人に聞いたりクチコミサイトを見るよりも、実際にそこに住んでいた人の経験談を聞いた方が実感がわきます。近所におすすめのスーパーがある、犬を飼っている場合のお散歩ルートはここがいい、などその土地ならではのエピソードを用意しておくといいでしょう。

3-3-6. 内覧をしても買わなかった理由を確認する

内覧に来てくれているということは、先ほども述べたようにその物件に興味を持ってくれているということは間違いありません。内覧希望者がそこから購入に踏み切らなかった理由を知れば、次回からの改善が図れます。

購入を決めきれなかった理由を聞いてもらえるよう、仲介してくれている不動産会社に一度依頼してみるのもいいでしょう。

4. 不動産会社の再選定を考える

物件の宣伝をしたり広告をだしてもらったりと、マンションの売却には不動産会社に仲介してもらうのが一般的ですが、仲介してもらう不動産会社がどのように営業してくれるかの影響は非常に大きいです。

物件の質や希望売却価格の設定に問題がないにも関わらず売れない場合、売却を依頼している不動産会社を再度検討してみるもの一つの手です。

4-1. 媒介契約の種類

売却するマンションを不動産会社に仲介してもらう場合の契約には3つの種類があります。それぞれの契約によって特徴が異なってきますので、契約方法の見直しも視野に入れて考えてみましょう。

4-1-1. 専属専任媒介契約の場合

専属専任媒介契約の場合、レインズへの登録は契約してから5日以内、定期報告は1週間と決められています。専任媒介契約の場合は、レインズへの登録は契約してから7日以内、定期報告は2週間に1回と決められています。

専任媒介契約はレインズへの登録期間や報告義務にゆとりがありますが、自分自身で購入希望者を見つけた場合の直接取引が可能です。どちらの契約も、他の不動産会社への依頼は禁止されているため、1社に決めて対応を依頼することになります。

4-1-2. 一般媒介契約の場合

一般媒介契約の場合は複数の不動産会社への依頼が可能ですが、レインズへの登録義務がなく、定期報告の義務もありません。不動産会社としては、仲介手数料で利益を出したいので、他の不動産会社とも契約を結んでいる物件について熱意をもって売り込んでくれる可能性は低くなります。

4-2. 両手取引に注意する

両手取引とは、売り主と買い主の両方から仲介手数料を取る事を言います。不動産会社は、仲介手数料で利益を得ているため、できれば売り主からだけでなく買い主からも仲介手数料を受け取りたいと考えています。

不動産会社からすれば、他の不動産会社に買い主を仲介された場合、その手数料は自社ではなく他社に支払われるため、利益を上げるためには自社で売り主と買い主を仲介したいと思います。

他社からきた買い主に対しては物件を紹介しないといった会社もあり、両手取引のために物件を紹介してもらえないとなると、売却できる確率はぐんと下がってしまいます。自分の物件が不動産会社に囲い込みされていないかを確認するために、一度別の不動産会社に自分のマンションの登録情報を参考として見せてもらうといいでしょう。

そこで囲い込まれているようであれば、不動産会社を変えるか契約を見直す必要があります。

4-2-1. レインズに登録されているか確認する

両手取引をするためには、他社と物件情報を共有せず、その物件を自社でできる限り持っておく必要があります。レインズに登録すると不動産情報を共有できてしまうため、両手取引をしたいがために登録しない悪質な不動産会社もあります。

自分のマンションがレインズに登録されているか、定期的に確認すると安心です。

4-3. 自分のマンションの広告を確認する

契約した不動産会社によって、ホームページへの掲載・チラシやポスティング・地元の地域情報誌への掲載など広告の出し方は異なります。不動産会社から広告についての確認がなかった場合も、こちらで事前にどのような広告媒体になるかを確認しておく必要があります。

ほとんどの購入希望者は、広告を見て内覧に行くかどうかを決めると思います。自分のマンションのメリットを十分に伝えてくれている広告か、売り込みたい部分を記載してくれているかを確認しましょう。

4-3-1. 写真を変える

まずはマンションを探している人に興味を持ってもらう必要があります。そのためには、写真を変えてみるのもいいでしょう。撮り方と角度によっては広く撮れますし、カラーで広告に出してもらえるのであればその方がいいと思います。

自分がマンションを購入した時の気持ちになって写真を見直してみましょう。

5. まとめ

中古マンションが売れない理由と対処法について説明してきました。自分が最初に希望した価格や条件で売却できることが一番理想的ではありますが、売れなければ意味がありません。

今の条件のままで本当に売る事ができるのか、売るために改善するべき箇所がないかを確認してできる限りのことをして準備をすることが大切です。切り口を変えてみることで状況が変わる可能性も大いにあります。

家を購入する側からすると大きな買い物になることを忘れず、買い手の気持ちも考えたうえで気持ちのいい取引を心がけましょう。

監修general editor

藤岡聖大

平成4年のバブル末期に大手住宅メーカーに就職し宅建の資格を取得する。そこで不動産の基礎を学ぶ。入社半年でバブルが崩壊し、ローンの返済にあえぐお客様、相続税対策でアパートを建てて失敗し、家や土地を失ってしまった人など、大変な思いをしている人に遭遇し、一般の方であっても最低限の不動産の知識が必要であることを痛感する。 それら経験を元に、ユーザー視点の不動産の情報を提供する当サイトを運営。