サブリース契約のメリットとデメリット

アパート・マンション経営の方法の1つに、サブリースと呼ばれるものがあります。サブリースはアパートやマンションのような建物をまるごとサブリース会社に貸し出し、サブリース会社から賃料を受け取る契約方法です。そのため、アパート・マンション経営の経験がなくても始めることができます。

しかし、だからと言って気軽にサブリースを行うのは危険です。まったく知識がない状態で始めると所有者にとって不利な契約となり、ローンの返済で赤字となってしまう可能性が高くなります。

そこでこちらでは、サブリースのメリットとデメリットについて詳しく説明致します。サブリースのメリットを最大限に活かしてデメリットに対処し、安定したアパート・マンション経営を行ってください。

1. サブリースとは

サブリースとは、転貸借のことです。アパート・マンション経営では、物件の所有者が入居者に部屋を賃貸して家賃を受け取ります。この場合、家賃はすべて自分の収入となり、その中からアパート・マンションの経営に必要な維持管理費を支払い、残ったお金が自分の収入となります。

一方でサブリースとは、アパート・マンションの建物を1棟まるごと不動産会社に貸し出し、不動産会社が入居者に部屋を賃貸して家賃収入を得たり、維持管理に必要な費用を支払ったりします。そしてアパート・マンションの所有者は、不動産会社から一定の賃料を得るのです。

このような又貸しによるアパート・マンション経営のことをサブリースと呼びます。

 

1-1. 家賃保証が魅力

サブリースでは、不動産会社が家賃保証をしてくれるのが魅力です。通常であれば、アパート・マンションに空室があれば、その部屋からは1円も家賃収入がありません。しかし、サブリースなら不動産会社が、空室の家賃収入を保証してくれるのです。

家賃を保証してもらうことにより、より安定したアパート・マンション経営を行うことができるのがサブリースの魅力です。

 

1-2. マスターリースとサブリース

本来サブリースという言葉は、不動産会社が入居者に部屋を又貸しする行為だけを指します。しかし、一般的には「所有者が不動産会社に物件を貸し出し、不動産会社がアパート・マンション経営を行う」という広い範囲をサブリースと呼ぶことがほとんどです。そのため、このページでサブリースという言葉は、後者の一般的に言われるアパート・マンション経営の方法全体を指して使用します。

ちなみに、本来の言葉の意味としては、アパート・マンション所有者が不動産投資に物件を一括して貸し出すことをマスターリースと呼びます。

 

1-3. サブリースの依頼方法

サブリースを不動産会社に依頼したい場合、アパートやマンションを取得するときに、サブリースに応じてくれる不動産会社に相談します。もし更地を購入してアパートやマンションを新築するなら、土地の購入手続きから工事、アパート・マンションが完成した後の運営まで、とてもスムーズに進めることかできます。

しかし、すでに建っている中古アパート・マンションを購入してサブリースを依頼したい場合や、これまで所有者自身が経営していたアパートやマンションをサブリースしたい場合、応じてくれる不動産会社は少なくなってしまいます。不動産会社としてもサブリースにより利益を出したいと考えているので、家賃保証や維持管理に必要な費用などに慎重になるからです。

しかし、中古アパート・マンションであってもサブリースに応じてくれる不動産会社がないわけではありません。いくつかの不動産会社に依頼してみましょう。

 

1-4. サブリースの契約期間

サブリースができるのは、基本的には建物の耐用年数よりも短い期間となります。耐用年数期間とは、法律で定められた建物の使用可能年数のことです。耐用年数期間は建物の構造により異なり、木造なら建築されてから22年、軽量鉄骨造は27年、重要鉄骨造は34年、鉄筋コンクリート造は47年と定められています。

不動産投資会社の中には、もっとも長いもので耐用年数と同じ期間、サブリース契約ができる場合があります。しかし一方で、耐用年数を超えるサブリースに応じてくれる不動産会社は、存在しないと考えて間違いありません。

また注意が必要なのは、耐用年数と同じ期間のサブリース契約であったとしても、2~5年で契約更新があることです。契約更新に際には、不動産会社から所有者に支払われる賃料が下がる可能性があります。その結果、アパートやマンションのローンが払えなくなることもあり得ます。

このように、サブリース契約自体は建物の耐用年数まで結ぶことができますが、当初の契約内容が数十年にもわたって有効となるわけではないことに注意が必要です。

 

1-5. サブリース会社が保証する金額は?

上記で、サブリースの場合は不動産会社が家賃を保証してくれると書きました。具体的にどれだけの金額を保証してくれるのでしょうか?一般的には、実際に見込まれる家賃収入の8~9割程度と言われています。残りの1~2割は、不動産会社の利益となります。

ただし、アパートやマンションの立地条件や建物構造、地域の環境によってさまざまなので、上記の割合は参考として考えてください。

 

1-6. 敷金・礼金・更新料の扱いは?

サブリースでは、アパート・マンションの所有者が不動産会社に物件を一括して貸し出します。そのため入居者の家賃は、一旦すべて不動産会社が受け取ることになります。それでは、家賃以外の敷金や礼金、更新料のような収入は一体どうなるのでしょうか?これらについては、契約内容によりますが、多くの場合はすべて不動産会社が受け取り、所有者には入ってきません。

実際にサブリース契約をするときに、契約内容を確認するようにしましょう。

 

1-7. サブリース以外のサービス

冒頭で説明したとおり、サブリースとは、アパート・マンション経営そのものを不動産会社が行い、所有者は不動産会社から賃貸料を受け取るという方法です。

なお、サブリースを依頼せずにアパート・マンション経営を行う場合、アパート・マンション経営の業務の一部をサブリース会社に委託することができます。代表的なものとして、管理委託、滞納保証、空室保証の3つがあります。以下ではこれらについて詳しく説明します。

 

1-7-1. 管理委託

入居者の苦情対応や共有部分の掃除、家賃回収のような、アパート・マンションの管理を委託する方法です。アパート・マンションの管理は、最も手間がかかる業務です。管理委託をすれば、家賃収入はすべて所有者が受け取ることができる上、管理業務を直接行う必要がありません。

 

1-7-2. 滞納保証

滞納保証とは、保証会社に保証料を支払うことにより、滞納家賃を保証してもらう保険のようなものです。これにより、家賃滞納があったときに収入が得られないリスクを避けることができます。

滞納保証は多くの場合、入居の条件として所有者が保証会社を指定し、入居者に保証契約を結んでもらいます。ですから、アパート・マンション所有者が滞納保証の保証料を負担することはまずありません。

 

1-7-3. 空室保証

空室保証とは、保証会社に保証料を支払うことにより、家賃収入が一定以下となったときに保証してもらうことができる保険のようなものです。ただし、上記で説明した管理業務を別途契約する必要があります。

 

1-7-4. サブリースとそれ以外のサービスとの主なちがい

サブリースとサブリース以外のサービスとのちがいについてまとめます。

まず費用について、サブリースはアパートやマンションを一括してサブリース会社に貸し出すため、所有者は基本的に経営に関する必要を支払う必要はありません。固定資産税や都市計画税、ローン返済のみを支払うことになります。

一方で管理委託や滞納保証、空室保証は、所有者がそれぞれ委託料や保証料を支払います。管理委託料は1部屋につき1万円~1万7,000円(アパートやマンション1棟で何部屋あるかにより異なります)、滞納保証は月額家賃の30%程度、空室保証は満室時家賃の3~5%が相場です。

なお、滞納保証については上記のとおり、入居者に所有者が指定する保証会社と契約を結んでもらった上で負担してもらうことがほとんどです。ですから、所有者が支払うことはまずありません。

家賃や敷金、礼金の受け取りは、サブリースの場合はサブリース会社が受け取ります。一方で管理委託や滞納保証、空室保証を利用している場合は、所有者が直接受け取ります。

空室保証は、サブリース契約を結んでいるか、所有者が空室保証の保証料を支払っている場合に受けることができます。管理委託や滞納保証には空室保証は含まれていません。

滞納保証が受けられるのは、サブリースまたは所有者が滞納保証の保証料を支払っている場合です。管理委託や空室保証には含まれません。

そしてアパート・マンション経営の維持管理費(修繕費や共用部分の光熱費)を支払うのは、サブリースであればサブリース会社です。一方、管理委託や滞納保証、空室保証を利用している場合は所有者が支出する必要があります。

ただ、サブリースであっても、契約内容によっては大掛かりな修繕などに限っては、所有者が負担することがあります。

入居者の管理を行うのは、サブリースと管理委託を行っている場合は、それぞれサブリース会社や管理委託会社です。一方滞納保証や空室保証だけを利用している場合、入居者管理は所有者が行う必要があります。ただし、滞納保証や空室保証が入居管理の一環として行われる場合は、当然ながら管理会社が管理を行います。

入居契約に関しては、サブリースの場合は入居者とサブリース会社との間で結ばれます。一方、管理委託や滞納保証、空室保証を利用している場合は、入居者と所有者との間で入居契約を結びます。

最後にそれぞれの契約期間について、サブリースは2年~15年程度、管理委託や滞納保証は2年、空室保証は1年~数十年であることがほとんどです。

ただし、サブリースや空室保証が長期の契約だからといって、当初結んだ契約のままであることはまずありません。数年ごとに契約変更や見直しが行われるものです。

そして、管理委託や滞納保証は2年のような短い期間で契約し、管理料や保証料をはじめとする契約内容を見直した上で更新契約する形がほとんどです。

 

2. サブリースのメリット

ここまで、サブリースとは一体なんなのか?そしてサブリース以外のサービスについて紹介しました。では、サブリースにはどのようなメリットがあるのでしょうか?それは、空室リスクの回避、家賃滞納リスク、管理業務を一括で任せることができる、入居者とのトラブルに巻き込まれない、確定申告が簡単になる、の5つです。以下ではサブリースのメリットである5つについて説明します。

 

2-1. 空室リスクの回避

サブリースの1つ目のメリットは、空室リスクの回避です。サブリースであれば、空室があったとしても収入を得ることができます。なぜなら、サブリース契約は所有者が不動産会社に物件を貸し出しているので、契約通りの賃料を受け取ることができるからです。サブリース契約では、多くの場合空室かどうかに関わらず不動産会社は一定の賃料を支払うことが盛り込まれています。

具体的には、家賃7万円の部屋が空室だったとします。通常であれば、空室では家賃を支払ってくれる入居者がいないため、この部屋からの収入はゼロです。しかし、サブリースであれば、家賃7万円の8割である5万6,000円などの家賃収入があったものとして扱われるのです。

サブリースでは不動産会社から所有者に対して、毎月賃貸料が支払われます。これは、アパートやマンション所有者が不動産会社に対して物件を一括して賃貸しているからです。このため、空室であっても不動産会社が家賃を補填して賃貸料を支払ってくれます。

このようにサブリースでは、借り手である不動産会社が空室の家賃を8割程度保証してくれるため、空室リスクを回避できるのが1つ目のメリットです。

 

2-2. 家賃滞納リスクの回避

サブリースの2つ目のメリットは、家賃滞納リスクの回避です。先ほど、空室であっても不動産会社が一定の賃料を支払ってくれると書きました。しかし、もし入居者がいたとしても、家賃を支払ってくれない恐れもあります。このような場合でも、上記の空室の場合と同様に、サブリースしている不動産会社が賃料を支払ってくれるのです。

入居契約は入居者と不動産会社との間で結ばれているので、家賃滞納はアパート・マンションの所有者にとっては関係のない問題なのです。

ちなみに、不動産会社としては家賃滞納が増えると損失になってしまうため、督促や強制退去など、法的な措置を行います。

このように、サブリースであれば、家賃滞納のリスクを回避することができます。

 

2-3. 管理業務はすべて不動産会社が行う

サブリースの3つ目のメリットは、アパートやマンションの管理業務をすべて不動産会社が行うことです。所有者は不動産会社に対して物件を1棟丸ごと貸し出しています。ですから、入居者からの家賃の回収はもちろん、共用部分の掃除や修繕、入居者からの要望や苦情への対応のような建物の維持や保全は、すべて不動産会社が行います。

これらの管理業務を所有者自身が行うとなると、手間がかかり、法律の専門知識が必要な場合もあります。しかし、サブリースであれば、これらの管理業務は一括して不動産会社が行います。建物の維持、保全や入居者への対応は、専門的な知識と経験がある不動産会社がすべて行ってくれるのです。

管理業務をすべて不動産会社が行うのであれば、アパートやマンションから不労所得を得ることができ、なかなか行くことができない遠方の物件であっても所有することができます。

 

2-4. 入居者とのトラブルに巻き込まれない

サブリースの4つ目のメリットは、入居者とのトラブルに巻き込まれないことです。通常のアパート、マンション経営では、所有者と入居者が賃貸借契約を結びます。ですから、もし管理業務を管理会社に委託していたとしても、大きなトラブルがあれば所有者自身が対応しなければなりません。

一方でサブリースであれば、入居者は不動産会社と賃貸借契約を結んでいます。ですから、どのような場合であっても所有者と入居者が関わることは絶対にありません。

たとえば、入居者がアパートの階段から落ちて大怪我をしてしまったとします。そしてその入居者は、階段の管理が行き届いていなかったとして損害賠償を求める裁判を起こしました。このような場合、通常アパートの所有者は被告として裁判に対応しなければなりません。

一方でサブリースであれば、入居者から裁判で訴えられたり賠償金を求められたりするのは、すべて不動産会社になります。不動産会社は所有者からアパート1棟をまるごと借り、それを入居者に又貸ししているため、アパートで起こるすべての責任を負うからです。

もしも入居者が裁判を起こしたとしたら、不動産会社が被告として準備を整えて対応することになります。所有者は一切関わる必要がないのです。

このように、サブリースでは入居者とのトラブルを完全に避けることができるというメリットがあります。

 

2-5. 確定申告が簡単になる

サブリースの5つ目のメリットは、確定申告が簡単になることです。確定申告では、每年1月から12月までのアパートやマンション経営で得た家賃収入と支出した経費を申告しなければなりません。多くの場合税理士に依頼しますが、税理士が完全にすべてを行ってくれるわけではありません。なぜなら、アパートやマンションからの家賃収入や必要となった経費は、所有者が税理士に必要な書類を提出しないと確定申告ができないからです。

そのため、所有者自身が1年分の家賃収入がわかる書類であったり、修繕に必要となった費用と内容がわかる領収証だったりを整理する必要があります。この作業は、とても面倒なものです。

しかし、サブリースであれば、このような手間を大きく軽減することができます。所有者は、不動産会社から賃貸料を受け取るだけだからです。1年分の賃貸料による収入さえ把握すれば、確定申告を行うことができます。

不動産会社は毎月入居者から家賃を回収し、必要な費用を支出して残ったお金から手数料を差し引いて所有者に入金します。そのため、家賃収入や必要経費は、不動産会社が計算をした上で確定申告を行うのです。サブリースでは意外と面倒な確定申告が簡単になるというメリットがあります。

サブリースには空室リスクの回避、家賃滞納リスク、管理業務を一括で任せることができる、入居者とのトラブルに巻き込まれない、確定申告が簡単になる、これら5つのメリットがあります。

 

3. サブリースのデメリット

ここまで、サブリースのメリットを挙げてきました。しかし、当然ながらデメリットもあります。

具体的には、サブリースは基本的に業者側が儲かる仕組み、家賃収入が最大化できない、サブリースの契約を更新する度に収入が下がる、入居者を選ぶことができない、サブリース会社の選別が難しい、サブリースの契約中途解約を申告される可能性がある、サブリースの契約終了後の管理が難しい、サブリース会社の倒産リスク、家賃減額請求や長期保証の打ち切り、以上9つのデメリットがあります。

ここからはこれらのデメリットについて詳しく説明します。

 

3-1. サブリースは基本的に業者側が儲かる仕組み

サブリースの1つ目のデメリットは、サブリースという仕組みは業者が儲かるものだということです。つまり、収入だけで言うと、所有者が損をします。

ここまでサブリースのメリットとして、家賃保証や滞納保証を挙げてきました。これらは所有者に得をさせる仕組みではなく、業者がサブリースを魅力的なものに見せて契約してもらうことが目的なのです。ですから、空室や滞納で損をしたくないと考えて所有者がリスクを下げるほど、業者に支払う手数料は大きくなっていきます。

リスクを避けて大きな利益を得たいという気持ちは、所有者だけでなく業者も同じだからです。

ですから、アパート・マンション経営で最大限の利益を出すためにサブリースを利用するという考え方は、あまり得策ではありません。そもそも、サブリースという仕組みは業者が儲かるものだということを覚えておきましょう。

 

3-2. 家賃収入が最大化できない

サブリースの2つ目のデメリットは、家賃収入が最大化できないことです。サブリースであれば、アパート・マンション経営で生まれた利益から、業者の利益が差し引かれたものを所有者が受け取る形だからです。そのため、家賃収入を最大化して効率的な資産運用をしたいのであれば、サブリースは有効な選択肢ではありません。

 

3-3. サブリースの契約を更新する度に収入が下がる

サブリースの3つ目のデメリットは、契約を更新する度に収入が下がることです。サブリースでは、アパートやマンションを新築したり、購入したりしたときに契約を結びます。そして、ほぼすべてのサブリース契約は、数年で契約内容を見直して更新されます。

その契約更新の度に、通常収入が下がっていきます。その理由は、アパートやマンションが古くなるにつれて家賃を値下げしなければ入居者が確保できないからです。それに伴い、不動産会社から所有者に支払われる賃料も下がっていきます。

業者によっては「サブリース30年契約」のような長期契約を謳い文句にしているところもあります。一見30年間まったく同じ契約内容で、安定した収入が得られるよう感じますが、そうではありません。契約自体は30年契約であっても、その契約において数年単位で金額の見直しをすることが明記されています。

このように、サブリースでは契約更新の度に収入が変わる可能性があります。アパートやマンションを購入したときとまったく同じ金額を、その後も受け取り続けることができると勘違いしないようにしましょう。

 

3-4. 入居者を選ぶことができない

サブリースの4つ目のデメリットは、自分が所有するアパートやマンションであるにも関わらず、入居者を選ぶことができないことです。入居者を選定するのは不動産業者です。所有者は業者にアパートやマンションを1棟まるごと貸しているため、入居者を選ぶことはできません。

 

3-5. サブリース会社の選別が難しい

サブリースの5つ目のデメリットは、サブリース会社の選別が難しいことです。サブリースに応じてくれる会社は多くあります。選択肢が増えることは一見メリットですが、どのように会社を選べばよいのか難しくなります。

サブリース会社ごとに家賃保証や滞納保証、契約期間などの契約内容が幅広く異なります。そのため、サブリース会社の単純に比較検討することができないのです。

それぞれのサブリース会社の契約内容について細かく確認し、譲れるところと譲れないところを良く考えて希望に一番近い業者を選定する必要があります。

 

3-6. サブリースの契約中に途中解除を申告される可能性がある

サブリースの6つ目のデメリットは、契約を途中で解除される恐れがあることです。通常であれば、サブリース会社は少なくとも契約期間が終了するまではアパートやマンションを賃借してくれます。しかし、途中解除の恐れもあります。

中途解除など、契約違反ではないのか?と思われるかもしれません。しかし、契約の中に、何らかの理由で契約を途中解除できることが明記されていることがほとんどです。

サブリース会社が契約を中途解除する理由としては、サブリース会社にとって利益が予想以上に少ない物件だったことがわかったときがほとんどです。

契約を解除されてしまうと、所有者自らがアパート・マンション経営を行うか、別のサブリース会社を探す必要があります。所有者自らが経営を行うことはあまり現実的ではありませんし、新たなサブリース会社を探すにしても、経営を始めてからある程度の期間が経ったアパートやマンションをサブリースしてくれる会社は少なくなります。

また、サブリースしてくれる会社があったとしても、所有者にとってとても不利な条件での契約となってしまうことがほとんどです。

 

3-7. サブリースの契約終了後の管理が難しい

サブリースの7つ目のデメリットは、サブリースの契約終了後の管理が難しいことです。サブリースの契約が終了すれば、入居者との賃貸借契約は、サブリース会社から所有者に移ります。つまり、所有者自身が経営を行わなければならなくなるのです。

これまで行っていた家賃回収やアパート・マンションの維持管理を所有者が行う必要があります。これはとても手間ですし、難しいものです。

契約終了後は、管理会社に管理料を支払って建物の維持管理などを依頼すれば、家賃回収やアパート・マンションの維持管理を行ってもらうことはできます。ただし、サブリースとは異なり家賃保証はしてくれないことに注意が必要です。

 

3-8. サブリース会社の倒産リスク

サブリースの8つ目のデメリットは、サブリース会社が倒産してしまうことです。サブリース会社が倒産すると、本来受け取るはずの家賃収入を受け取ることができない恐れがあります。また、入居者が払った敷金や礼金もサブリース会社が受け取っています。敷金は入居者が退去するときにいくらか返金する必要がありますが、この返金は所有者が持ち出して行わなければなりません。

サブリース会社が倒産までいかなくとも、経営状態が悪化して資金繰りが苦しくなると、毎月の家賃収入の一部をきちんと支払ってもらえない恐れもあります。

また、サブリース会社は、家賃の回収だけでなく、アパートやマンションの維持管理も行います。会社が倒産してしまえば、今後建物の維持管理を行う管理会社を探すか、所有者自身が行わければならなくなってしまいます。

このようにサブリース会社が倒産してしまうと、家賃収入や今後の維持管理で大きな不都合が生じてしまいます。これを避けるため、サブリース会社を選ぶときは将来にわたって健全な経営状況なのかを確認するようにしましょう。

 

3-9. 家賃減額請求や長期保証の打ち切り

サブリースの9つ目のデメリットは、サブリース会社から家賃減額請求や長期保証を打ち切られてしまう恐れがあることです。サブリースでは、空室があったとしても所有者はサブリース会社から決まった賃料を受け取ることができます。しかし、この賃料を、当初の契約よりも下げられてしまう恐れがあるのです。

サブリース会社から得られる賃料が当初の契約よりも悪い条件になれば、得られる収益は当初見込んでいたよりも少なくなってしまいます。また、サブリース会社から賃料の引き下げがあるということは、空室が多く家賃収入が少ない物件であることがほとんどです。そのため、賃料が下がれば損をしてしまう可能性が高くなります。

このように、サブリース会社から家賃減額請求や長期保証を打ち切られる恐れがあります。

 

4. サブリース契約時の注意点

サブリース会社との契約は、会社ごとに内容が大きく異なります。そのため、契約する前に主に次の点についてよく確認することをお勧めします。

 

4-1. 家賃保証について

家賃保証については、何割の金額を、契約からどれだけの期間保証してくれるのかを十分確認しましょう。できるだけ高い金額を、長い期間保証してくれるに越したことはありませんが、そのアパートやマンションはどれだけの入居率が見込まれ、サブリース会社にどのような保証をしてもらえば収入が得られるのかを十分検討しましょう。

 

4-1-1. 賃料の値下がりが考慮されているか

アパートやマンションの家賃は、建物の経年劣化とともに通常下がってしまいます。たとえば、築20年のアパートが新築と同じ家賃設定であれば、入居したいと思う人がほとんどいないからです。

サブリース会社の家賃保証では、このような賃料の変更が考慮されているかどうかを確認するようにしましょう。賃料の変更はアパート・マンション経営では絶対に避けられないことなので、これが考慮されていない契約内容であれば、更新や見直しという形で、賃料の条件が極端に悪くなったり、打ち切られたりしてしまう可能性が高くなります。

 

4-1-2. 人口減少が視野に入っているか

日本では一部の大都市を除き、将来的に人口が減少し続けると予想されています。サブリース会社から支払われる賃料が、そのような人口減少が視野に入っているかを確認する必要があります。

 

4-1-3. 免責期間が妥当か

免責期間とは、新築時や入居者が退去した後の一定期間はサブリース会社が家賃保証をしなくてもよい期間のことです。免責期間は、新築時の入居者募集期間や退去直後は空室となるのは当然であるという考え方から設けられています。

しかし、免責期間があまりに長いと所有者にとって不利な契約であると言えます。ですから、免責期間はできるだけ短い期間となる契約を結ぶようにしましょう。

 

4-2. 契約の解除条項がどうなっているか

サブリースの契約を解除するときは、トラブルになりがちです。それは、契約期間が満了すれば自動的に解除になると思っていたにも関わらず、所有者が違約金のような費用を支払わなければならないことがあるからです。これは物件の所有者とサブリース会社との間の契約にも、通常の入居者との契約と同じように借地借家法28条が適用されるからです。

この為、相手が契約の更新を望む限り、特段の正当な理由なく契約を解除することができないためです。

一方で、サブリース会社による契約解除は、違約金など発生せずに成立します。契約を結ぶ前に、契約満了時も含めて解除する場合はどのような契約内容になっているのか確認するようにしましょう。

 

4-3. 現状回復費用と修繕費用

入居者が退去した後の原状回復費用や、新築から10年や15年が経ったときの大規模な修繕費用は、契約内容によっては所有者の負担で行わなければならないことがあります。

ここで注意しなければならないことは、サブリース会社の指定するとおりに工事をしなければならない場面があることです。具体的には、修繕を依頼する業者を指定されます。もしサブリース会社の指定どおりに行わない場合、契約違反としてサブリースを解除されてしまう恐れもあります。

そのため、サブリース契約の段階で原状回復費用と修繕費用は所有者とサブリース会社のどちらが負担するのか、もし所有者が負担するのであれば、どのような条件なのかを十分確認する必要があります。

 

4-4. 新築時の工事費について

更地にアパートやマンションを建設して経営をはじめる場合、サブリース会社が物件の建築も引き受けてくれることがあります。アパート・マンション経営の経験と実績があるサブリース会社が間取りやデザインを考えてくれるので、建築後のアパートやマンションでは高い収益が期待できます。

このとき、建築費用が相場よりも高いと、空室保証やリフォーム費用、修繕費用に充てる費用を工事費に上乗せされている恐れがあります。このようなことを避けるため、工事費の内訳について十分に確認し、もし相場よりも高ければ、サブリース会社にその理由の説明を求めるなどしましょう。

 

5. サブリースを上手に活用する方法

ここまでサブリースのメリット、デメリットを説明しました。それでは、サブリースを上手に活用するにはどのようにすればよいのでしょうか?

サブリースの活用方法としては、収益計算は自分で考えることです。サブリース会社から提示された事業計画書を鵜呑みにするのではなく、想定される家賃収入や費用な費用が現実的なものとなっており、その上で所有者にとって極端に不利な契約内容になっていないかを、所有者自身で確認することが大切です。

その上で安定した収益が見込めると判断すれば、サブリースを活用することをお勧めします。

 

5-1. サブリース会社とは利益相反関係

サブリース会社とアパート・マンションの所有者は、どちらも入居者からの家賃収入から利益を得ています。つまり、サブリース会社と所有者は、家賃収入を分け合っているだけなのです。

サブリースを利用してアパート・マンション経営を行う場合、このことを忘れないようにしましょう。

 

6. まとめ

こちらでは、サブリースとは一体何なのか、そしてサブリースのメリットとデメリットについて詳しく説明した上で、活用方法を紹介しました。

サブリースとは、アパート・マンション所有者が物件を1棟まるごと不動産会社に貸し出し、不動産会社が入居者募集や家賃回収、維持管理の一切を行い、所有者に賃貸料を支払うという方法です。

サブリースでは、不動産会社が空室や滞納家賃を一定の割合で保証してくれることが最大のメリットです。一方で、サブリース会社の取り分が差し引かれるため、所有者の取り分が通常よりも少なくなってしまうというデメリットがあります。

サブリースで運用する場合も、サブリース会社にすべてを任せるのはトラブルの原因です。アパート・マンションの想定される家賃収入や必要な費用を所有者自身が計算し、安定した利益を生む投資なのかどうかを判断する必要があります。