太陽光発電でモニタリング管理をするメリット

2017年4月より新しい固定価格買い取り制度(改正FIT法)が始まりました。

この法律では,メンテナンス(O&M)の実行が義務づけられました。メンテナンスをきちんと行っておらず,発電量が低下していた場合には認定が失効し,売電ができなくなる恐れがあります。

空き地など,自宅から離れた場所に太陽光発電システムを設置した場合,その管理やメンテナンスはどうしたらよいでしょうか?毎日現地に行って,故障はないか,発電はしているか,どのくらい売電できているかなどを確認するのは大変ですね。

そこで,遠隔操作でモニタリング管理をすることをおすすめします。

1. 太陽光発電の効率をモニタリング

太陽光発電は,一度設置すれば何もしなくても日中は発電をし続けます。しかし,太陽光発電は20年~30年と長い間使用する物ですから,その間には何らかの原因で発電が止まってしまったり,発電量が低下してしまったりすることがあります。

モニタリング管理をするとパソコンやタブレット,スマホなどで発電効率をいつでも確認することができます。発電が止まってしまったり,発電量が低下したりした場合,すぐに気づくことができ,その原因を調べ対応することができます。

もし,発電量が著しく低下してしまい,しばらくそれに気づかなかったとすると,売電金額が減り,その分損失が生じることになります。電力会社から送られてくる検針票は1ヶ月ごとですから,それを見て異常に気づいたとしても,最悪1ヶ月分は損することになります。

また,発電量が極端に減っていれば気づくかもしれませんが,多少の低下では検針票だけでは気づかない場合もあります。その間の損失を考えると,事業計画に大きな誤算が生じてしまいます。

2. モニタリングで複数の太陽光発電所の管理が楽になる

発電所を複数所有している場合,それを一括して管理するシステムも開発されています。1カ所ずつモニタリングする場合に比べて,機器代などが節約できるため,大変効率的です。

3. モニタリングで太陽光発電量が低下した場合に原因がわかる

発電量が低下する原因には,日照時間の低下の他,機器の故障や植物の生長による影など,様々な原因が考えられます。

発電所全体の発電量をモニタリングするシステム,パワーコンディショナーごとにモニタリングするシステム,パネルごとにモニタリングするシステムがあります。もちろん細かくモニタリングできた方が原因は特定しやすいと言えますが,その分費用は多くかかります。

3-1. モニタリングで機器の故障がわかる

太陽光発電システムは可動部がなく,ソーラーパネルはシリコンやCISなど,非常に安定的な物質で作られているため,あまり故障が起こらないと考えられています。しかし,20年~30年と長期間使うものですから,その間には様々な要因により故障が起こってきます。

3-1-1. 太陽光発電の不具合をモニタリングで確認

太陽光パネルが落石などによって破損したり,飛来物によって覆われてしまうといったことが起こりえます。また,パネルの一部に落ち葉などが付着し,その部分がホットスポットとなってパネルが破損してしまう場合もあります。

ホットスポット現象とは,パネルに何かが付着して一部分だけ完全な影になると,その部分に熱がたまって発熱し,パネルが破損してしまうという現象です。ハンダ不良による製造不具合による場合もあります。

また,施工不良や,台風・地震などが原因でパネルが外れてしまう場合もあります。

3-1-2. パワーコンディショナーの不具合をモニタリング

20年から30年は使えるパネルに比べて,パワーコンディショナーの寿命は短く,約10年と言われています。もちろん電化製品ですから,それより早く故障してしまうものや,長く使えるものもあります。

きちんとメンテナンスをしていないと,パワーコンディショナーを冷却するための空気を取り込むフィルターが目詰まりし,冷却ができずに停止してしまうケースも多発しています。初期段階の接続不良による端子台の焼損や,ヒューズ切れなども故障の原因になっています。

パワーコンディショナーが故障すると,せっかくパネルで発電しても売電ができなくなりますから早く発見することが大事になります。

3-1-3. 接続箱の不具合をモニタリング

接続箱が水没したり,施工時の締め付け不足などが故障の原因となることがあります。また,接続箱内にカエルなどの小動物や昆虫が入り込み,ショートして焼損することもあります。最悪の場合,漏電や感電,火災などの原因になることもあります。

3-1-4. ジャンクションボックスの不具合をモニタリング

落雷等により,パネル裏のジャンクションボックスが焼損してしまう場合があります。

また,バイパスダイオードが故障することもあります。太陽光パネルはセルを複数つないでグループを作り,それが直列に接続されています。そのうち1つでも不具合が生じたり,影によって発電しなくなったりすると,その直列につながれた全体の回路に影響が生じ,出力が低下します。そこで,発電量が低下したセルを含んだグループをバイパスダイオードにより迂回させ,正常なセルが発電した電気は生かされるようになっています。しかし,それによってバイパスダイオードにたくさんの電流が流れ続けると故障し,場合によっては焼損したり,火災になったりする恐れがあります。

3-2. 太陽光発電のその他の不具合をモニタリング

機器の故障の他にもパネルの汚れや草木の生長,侵入者,日照量の低下などがあります。

3-2-1. パネルの汚れをモニタリング

長年使用しているとパネルに汚れが付着し,発電量が低下する場合があります。この場合はクリーニングをしてくれる業者もあります。

3-2-2. 草や樹木の生長による影の影響をモニタリング

パネルの周囲や間から草や樹木が生長し,パネルへの日射を遮り,発電量が低下する場合があります。

3-2-3. 太陽光発電所の侵入者をモニタリング

不審な侵入者により,パネルやケーブルなどが盗難に遭ったり,子どもによるいたずらにより,異常が起きたりすることもあります。また鳥獣などが侵入し,汚損や破損が起こる場合もあります。

そのような対策として,監視カメラや赤外線センサー設置し,常時監視することができます。

3-2-4. 日照量の低下をモニタリング

これは自然現象ですので避けがたいことですが,発電量が低下した場合,それが日照量によるものなのか,それとも他の要因によるものなのか判断することは簡単ではありません。

そのために日射計を設置して計測する方法があります。

4. 太陽光発電所が遠隔地でもスマホなどでモニタリング

もし,異常が見つかった場合には,携帯電話の通信回線を使ってメールなどにより知らせてくれるサービスを行っている業者もあります。

また,発電量をグラフ化し,一目で異常が見つけやすくなっていたり,データをCSV形式で取り込み,保存・管理できたりするシステムもあります。

5. 太陽光発電のモニタリングのまとめ

このように太陽光発電システムを遠隔でモニタリングすることにより,様々なメリットがあります。

もちろん,モニタリングシステムの導入には費用がかかります。しかし,例えば50kWのシステムが1ヶ月停止していたとすると売電価格にもよりますが,約20万円ほどの損失になると言われています。

メンテナンスは改正FIT法で義務づけられていますから,モニタリングシステムを導入していち早く異常を発見し,メンテナンスの一助にされてみてはいかがでしょうか。