太陽光発電のメーカーを選ぶ基準とは

太陽光発電メーカーの数は国内と海外を合わせるとビックリするほどたくさんあります。各メーカーを比較してご自身に合った最適なメーカーを選ぶ必要がありますが、太陽光発電について調べたとしても、どのポイントを基準にしてメーカーを選べば良いのかわからない方が多いのではないでしょうか。

太陽光発電メーカーを選ぶ際の基準となるポイントを可能な限り挙げましたので、一つずつ確認していきましょう。太陽光発電メーカーを選ぶ際の参考にしていただけますと幸いです。

1. コストで選ぶ

太陽光発電メーカーを選ぶ際の基準として、まずコスト面を重視して選ぶ方も多いでしょう。しかし、コストで選ぶといっても、太陽光発電にかかるコストは複数存在します。太陽光発電導入の際に掛かるコストにはどんなものがあるのか見ていきます。

 

1-1. 初期費用で選ぶ

現在、太陽光発電を導入するにあたり、海外メーカーも含むと1kWあたりの相場は大体30〜35万円と言われております。このことから、太陽光発電を設置する際、住宅用であれば大体100万〜200万円くらいかかると考えて良いでしょう。

産業用の場合は、システム容量の幅が広いですが、50kW未満であれば、大体1kWの相場は30〜40万円あたりとなりますので、約1500〜2000万円ほど初期費用が掛かると考えられます。
固定価格買取制度によって掛かった費用の回収が可能とはいえ、導入するには最初に大きな額を用意しなくてはなりません。太陽光発電向けのソーラーローンを利用するのもありですが、それを考慮してもなるべく手の届く範囲で購入することをお勧めします。

さて、太陽光発電に掛かる大まかな費用を確認したところで、初期費用の「内訳」についてみていきましょう。

 

1-1-1. システム総額

太陽光発電を導入する際に掛かる初期費用はさまざまなもので構成されており、大きく分けて周辺機器・工事費・諸経費で構成されています。太陽光発電の初期費用(システム総額)の内訳を細かく分解してみると以下の通りになります。

  • ソーラーパネル
  • パワーコンディショナー
  • リモコン・ケーブル・その他
  • 発電量モニター
  • 架台工事費
  • 太陽電池モジュール設置工事費
  • 電気配線工事費
  • 諸経費

 

これらの費用の合計金額が「太陽光発電の初期費用」となります。
では、実際に複数の太陽光発電業者から出された見積もりの合計金額を比較し、一番コストの安いメーカーを選べば良いのでしょうか。しかし、その考えでメーカーを決めるのは適切ではありません。

見積もりの作り方は業者によって異なる上に、合計金額から値引きされていることがほとんどなので、各費用項目の価格が不透明になりがちです。ゆえに、見積もりの合計金額のみを基準にしてメーカーを決めてしまうのは早計といえます。

では、太陽光発電の見積もりをどう比較するのが正しいのでしょうか。次のセクションでご紹介する「キロワット単価」という指標は、太陽光発電の価格が適切か否かを判断する一般的な指標となっていますのでこれについて詳しくみていきます。

 

1-1-2. キロワット単価

太陽光発電を購入する際、その製品がお買い得なのか否かを判断するメジャーな指標が「キロワット単価」です。キロワット数とは太陽光発電の性能部分にあたる出力量のことで、この値が大きいほど性能が良く、価値の高い太陽光発電といえます。

見積もりで出る合計金額に対して、1kWあたりの単価を出すことで、太陽光発電がお買い得なのかを判断することができるのです。キロワット単価は、支払う費用総額をkW数(システム容量)で割ることで計算できます。

計算式は以下のとおりになります。

太陽光発電キロワット単価計算式

メーカーによってキロワット単価の差が出るので、各メーカーの見積もりを貰った際には必ず計算して比較するようにしましょう。

 

1-2. ランニングコストで選ぶ

太陽光発電のコストの内の一つであるランニングコストは、太陽光発電を運用していく上で欠かすことのできない費用となっています。具体的には、以下のようなランニングコストが掛かってきます。

  • 電気代
  • 点検や清掃関係の費用
  • 交換/修理にかかる費用
  • 保険料
  • メーカー保証延長
  • 税金(固定資産税、所得税)

 

資源エネルギー庁の資料によると、太陽光発電の維持費は住宅用で年間3600円/kW、産業用では6000円/kWというデータが出ています。1年間で計算すると、住宅用だと平均14400円、産業用だと平均60万円になります。

また、特に注目したいのは修理や交換に掛かるランニングコストです。メーカーの無償製品保証期間を過ぎたあとに故障及び性能改善のために修理に出そうとすると自腹で平均数万円~20万円ほど掛かるとされています。保証が充実・高い耐久性があるメーカーを選ぶことでランニングコストを下げることできるので留意しておいてください。

 

1-3. 実発電量を確認する

各メーカーのカタログには太陽光発電の予測発電量が提示されていますが、それはあくまで予測の数値でしかありません。実際に太陽光発電を設置してどれくらいの発電量を得ることができるかは、太陽光発電を設置する環境によって変化します。実際どれほどの発電量を望めるのかは、同じ地域・方角・屋根に設置された太陽光発電の発電データをみるのが一番参考になりますが、そのデータを入手するのは困難です。

しかし、経済産業省 資源エネルギー庁が提供している発電量シュミレーターを使えば、地域、設置面積などの条件を踏まえての発電量の予測が可能となります。実際の発電量が分かるわけではありませんが、設置環境を考慮した数値がでるため、参考程度にみてみると良いかもしれません。

経済産業省 資源エネルギー庁発電量シュミレーターダウンロードページ

 

1-4. 耐久性で選ぶ

太陽光発電は外に出して発電するため、天候の影響を受けやすく故障する場合もあります。保証が切れてしまっているときに故障してしまうと高額な修理代を支払うことになりかねません。そこで重要視したいのは太陽光発電の耐久性です。耐久性が高ければ高いほど、故障しづらく、また長期間の稼働が可能となります。

太陽光発電の耐久性にこだわっているメーカーは多く、三菱電機・ソーラーワールド・カナディアンソーラーあたりがおすすめとなっています。

 

1-4-1. 三菱電機

三菱電機の太陽光発電パネルは難燃性・耐久性・耐候性・耐湿性・密封性・耐蝕性に優れており、あらゆる状況下に耐えられる強いパネルとなっています。

 

1-4-2. ソーラーワールド

独自の厳しいテストによって世界基準以上の高品質と長期耐久性を保証しています。非常に高い品質を保っているため、太陽光発電業界関係者からの信頼はとても厚いです。

 

1-4-3. カナディアンソーラー

カナダの厳しい冬に耐えられるパネルになっており、雪がたくさん積もったとしても、5400Paの荷重にも耐えられる頑丈作りになっているので安心です。雪が多く降る地域の設置におすすめです。

 

耐久性がある太陽光発電は修理コスト削減や長期稼働を可能にするので、メーカー選びの基準として耐久性を重視するのは非常に大切なことです。

 

1-5. 保証期間、保証対象で選ぶ

太陽光発電システムは高額な製品なため、故障してしまうと高い修理費が必要になってしまいます。そこで、各メーカーが用意している無償の保証は非常に重要であり、購入する前に保証期間、そしてどの範囲まで保証の対象になるのかを必ず確認しておきましょう。

保証が手厚いメーカーとして、長州産業とソラキューブ、サンテックパワーなどが挙げられます。

 

1-5-1. 長州産業

出力保証:25年間
(雨漏り補償を含む)施工保証:10年間
システム保証:15年間

雨漏り補償を行っている唯一のメーカーが長州産業です。また、他メーカーは大体システム保証を10年間にしていますが、長州産業は無償で15年間保証をつけています。長州産業の保証は太陽光発電メーカーの中でも一番良いとされているので、保証重視の方はチェックしておくと良いでしょう。

 

1-5-2. ソラキューブ

出力保証:25年間
機器保証:10年間
モジュール製品保証:10年間
(盗難を含む)自然災害補償:15年間

他の大手国産メーカーより安価で購入できると評判のソラキューブですが、他メーカーとの差別化を図れるほどの手厚い保証も魅力です。まだ新しい会社なので実績はあまりないですが、保証は充実していますのでぜひ見てみてください。

 

1-5-3. サンテックパワー

出力保証:25年間
製品保証:15年間
(台風などの自然災害など)自然災害補償:10年間

自然災害が原因による故障を補償してくれるオプションがついているのがポイントです。日本は台風や地震などの自然災害が多い国なので、自然災害補償がついていると安心ですね。

 

1-6. 実績で選ぶ

太陽光発電メーカーを選ぶ上で、実績に着目してメーカーを選ぶというのも良いでしょう。国内メーカーだと東芝・パナソニック・京セラ・シャープ・ソーラーフロンティア・三菱・カネカの7社は、多くの実績があるので信頼度が高く選ばれやすいです。

また、長州産業のように全国的に知名度はあまりなくとも、技術力でのし上がってきた実績があるメーカーのパネルも魅力的といえます。逆にまだ歴史が浅く、実績があまりない比較的新しいメーカーは注目されにくいですが、それぞれ独自の戦略によりじわじわとシェアを伸ばしているので、一度みてみると良いかもしれません。

 

1-7. 外観で選ぶ

特に住宅用太陽光発電パネルを屋根に設置する際、気になってしまうのは外観を損なうことではないでしょうか。太陽光発電メーカーの中には、太陽光発電パネルの外観にこだわって開発しているメーカーがいくつかあります。

その内の一つであるカネカは、屋根と一体化できる太陽光発電パネルの開発に成功しました。口コミを見てみても、近所の人から太陽光発電パネルを設置していると気づかれないほど屋根と一体化していると評判です。

他にも、京セラや東芝もパネルデザインにこだわっているので、ぜひ調べてみてください。

 

2. 設置面積と形状によって最適なものが変わる

太陽光発電を導入する際にまず確認しなくてはならないのが、設置する場所もしくは屋根の面積と形状です。メーカーによってパネルの形や大きさが異なりますので、メーカーを決定する前に設置予定の場所・屋根の確認を行っておきましょう。

おすすめなのは、パネルの種類が豊富で様々な形の屋根や設備に設置可能なメーカーを前提にして選ぶことです。

設置場所の確認を終えたら、次に考えるべきは発電量とコスト、どちらを重視するかを決めましょう。発電量を増やしたい方とコスト重視の方、それぞれにおすすめのメーカーを選出しましたので参考にしてください。

 

2-1. 発電量重視型

とにかくたくさん売電したいという発電量重視の方は、発電量を売りにしているメーカーを選ぶと良いでしょう。東芝のパネルは公称最大出力345Wでモジュール発電効率は21.2%と発電量が業界トップクラスの優秀なパネルです。

また、どのような屋根にも合うように様々な形のパネルを開発しています。発電量重視の方には、ぜひおすすめしたいメーカーとなっていますので、チェックしてみてください。

 

2-2. コスト重視型

発電量よりも初期費用を安く抑えたい方は、安価なパネルを販売しているメーカーを選ぶと良いでしょう。京セラは、コストの安い多結晶をいかに高性能にするかに特化して開発を進めてきたので、多結晶については比較的安価で購入が可能です。

また、パネルの種類も豊富で、日本の複雑な屋根に対応することができるようになっています。とにかく費用を抑えたい方は、一度京セラ製品をみてみると良いでしょう。

 

3. 重視するポイントで最適なものが変わる

太陽光発電を購入する際に、発電量・初期費用の早期回収・初期費用節約、どのポイントを重視するかで最適なメーカーが変わります。

 

3-1. 発電量重視型

とにかく太陽光発電にたくさん発電してもらい、売電収入をどんどん増やしたいという方は、発電量重視型のメーカーを選ぶと良いでしょう。見るべきポイントは、「キロワット数」と「モジュール変換効率」です。キロワット数が大きければ大きいほど発電性能が高くなり、またモジュール変換効率が高いほど、多くの発電量を期待することができます。

発電量を売りにしているメーカーは、主要大手国内メーカーの東芝・シャープ・パナソニックなどになりますのでぜひ調べてみてください。

 

3-2. 早期回収型

太陽光発電を導入するにあたり、かかった費用をなるべく早い段階で回収しておきたい方は、早期回収型のメーカーを選ぶと良いでしょう。初期費用が安く、かつ発電量が比較的高いメーカーは早めに初期費用回収が望めます。

早期回収型のメーカーでおすすめなのは、カナディアンソーラーです。安定して多くの発電量が期待できるにもかかわらず、国内メーカーに比べると低価格で購入することができるのでおすすめです。

 

3-3. 初期費用節約型

とにかく最初にかかるコストをなるべく減らしたい方は、初期費用が安く済むメーカーを選ぶと良いでしょう。太陽光発電パネルのセル種類を多結晶に絞るという手もあります。多結晶パネルは単結晶よりも安価で購入できるため、費用を安く抑えたい方にはおすすめです。

費用が安く済むと評判のメーカーは、トリナソーラーとインリーソーラーです。トリナソーラーはとにかく安さを売りにしてシェアを拡大しているメーカーで、インリーソーラーもトリナソーラーと同等の価格で製品を購入することができます。

中国のメーカーは太陽光発電の生産を全て自社で行っているところが多く、比較的安価で購入することが可能です。初期費用を節約したい方は中国のメーカーに目を向けてみると良いかもしれません。

 

4. まとめ

太陽光発電を導入するにあたって悩むのがメーカー選びですが、様々な基準があることがお分かりになったと思います。今一度、ご自身が一体どういった目的で太陽光発電を設置するのか、また設置するにあたって重視するポイントは何なのかを洗い出してみることをおすすめします。

あなたのニーズに沿ったメーカーを選ぶためにも、上記の基準を踏まえた上で最適なメーカー選びをしていただけると幸いです。

監修general editor

藤岡聖大

平成4年のバブル末期に大手住宅メーカーに就職し宅建の資格を取得する。そこで不動産の基礎を学ぶ。入社半年でバブルが崩壊し、ローンの返済にあえぐお客様、相続税対策でアパートを建てて失敗し、家や土地を失ってしまった人など、大変な思いをしている人に遭遇し、一般の方であっても最低限の不動産の知識が必要であることを痛感する。 それら経験を元に、ユーザー視点の不動産の情報を提供する当サイトを運営。