玄関リフォームのメリットと具体的な内容

玄関は「家の顔」と言われるほど重要な場所です。玄関によって、家族はもちろん、来客された方に与える印象は大きく変わるものです。

また、玄関リフォームを行うことにより、印象だけでなく住宅としての機能を大きく高めることができます。こちらでは、玄関リフォームのメリットと具体的な内容について、詳しく説明致します。


1. 玄関リフォームのメリット

玄関リフォームには、主に5つのメリットがあります。その5つとは、防犯対策と通気性がよくなる、採光がよくなる、空間を有効活用できる、高齢者のケガを防止できる、です。以下ではこれら5つの玄関リフォームのメリットについて、詳しく説明します。

 

1-1. 防犯対策

玄関リフォームの1つ目のメリットは、防犯対策です。玄関ドアは、ほとんどの場合鍵で施錠できるようになっています。しかし、中には鍵を勝手に開けられて住宅内に侵入されることを防ぐため、2つの鍵が必要だったり、ドアをこじ開けられないように対策がされていたりするドアがあります。

また、鍵の閉め忘れを防ぐため、ホテルのようにドアが閉まると自動的に施錠されるオートロックされるドアもあります。

もしも住宅内に侵入されたり、鍵の閉め忘れに不安があるなら、防犯性の高いドアに交換すれば安心です。このように、玄関リフォームには防犯対策を強化することができるというメリットがあります。

 

1-2. 通気性がよくなる

玄関リフォームの2つ目のメリットは、通気性がよくなることです。特に梅雨の時期だと、玄関に湿気がこもり、臭いが気になります。しかし、湿気や臭いを解消するために玄関のドアを開けたままにするのは、防犯の面から見て抵抗があるものです。

このような湿気や臭いの悩みは、通気性のよい玄関ドアに交換することにより改善できます。玄関ドアの中には、閉めたままでも通気ができるものがあります。玄関の風通しがよくなれば、玄関の湿気や臭いを大幅に抑えることができます。このように、玄関リフォームには通気性がよくなり、玄関の湿気や臭いを抑えられるというメリットがあります。

 

1-3. 採光がよくなる

玄関リフォームの3つ目のメリットは、採光がよくなることです。玄関は、方角やドアの種類によっては暗くなりがちです。

しかし、ガラス開口が大きい玄関ドアに交換すれば、外の光を取り込むことができます。自然に太陽の光が差し込めば、日中は玄関の電気をつけなくても十分な明るさを確保できます。

 

1-4. 空間を有効活用できる

玄関リフォームの4つ目のメリットは、空間を有効活用できることです。玄関には靴や傘、掃除用具、ゴルフバッグなどのスポーツ用品、場合によってはレインコートなどで雑多に、また狭くなりがちです。

このような玄関に置かれているさまざまな物を効率よく収納できるようにリフォームすれば、玄関の空間を有効活用できます。また、玄関に鏡を取り付けるだけで、玄関が広くなったように感じることができます。

もちろん、実際に玄関スペースを広くすることにより、使い勝手をよくすることも可能です。このように、玄関リフォームでは住宅という限られたスペースを有効に活用することができます。

 

1-5. 高齢者のケガを防止できる

玄関リフォームを行う5つ目のメリットは、高齢者のケガを防止できることです。高齢の方にとっては、玄関の段差や靴の脱ぎ履きは大きな負担です。また、段差や靴の脱ぎ履きで転倒し、ケガを負うことも珍しくありません。このようなケガの原因をリフォームで解消すれば、住宅内で安全に、そして快適に過ごすことができます。

具体的には、玄関の段差を解消したりスロープを設置することにより、つまずいて転倒する危険性を低くすることができます。また、玄関に手すりを取り付けたり、座れるようにベンチを設置したりすれば、比較的少ない負担で靴の脱ぎ履きができるのです。

さらには、車椅子でもストレスなく利用できよう玄関ドアを引き戸に変更したり、玄関で車椅子が回転できるスペースを確保するには、玄関リフォームは欠かせません。このように、玄関リフォームでは高齢の方のケガを防止したり、車椅子でも比較的快適に住宅への出入りができるようになります。

以上のとおり、玄関リフォームを行うことにより、防犯対策や通気性、採光の改善、そして空間を有効活用できたり、高齢の方のケガを防止できるというメリットがあります。

 

2. 玄関リフォームの具体的な内容

ここからは、玄関リフォームの具体的な内容とその効果について説明します。玄関リフォームはドアの交換をはじめ、収納棚の設置やフロアータイルの交換、バリアフリー化、また玄関スペースを広げるという方法があります。

特にフロアータイル交換やバリアフリー化、玄関スペースの拡張は大掛かりである上、玄関だけをリフォームしても目的が達成できません。たとえば、バリアフリー化であれば玄関だけでなく住宅全体をリフォームする必要があります。

そのため、フロアータイル交換やバリアフリー化、玄関リフォームの拡張は、ほかのリフォームと合わせて行うことがほとんどです。以下で玄関リフォームの具体的な内容について、詳しく説明します。

 

2-1. 玄関ドアを交換

具体的な玄関リフォームの1つ目は、玄関ドアの交換です。玄関ドアは、古くなると隙間風が入り、冬場は玄関が冷える原因となります。また、ガラス開口部が広いと採光がよくなったり、通気口があるドアに交換すれば、玄関の湿気や臭いを解消できます。

そしてガラス開口部や通気口とは逆に、断熱扉にすれば玄関の冷えを防ぐことができます。このように、玄関ドアを目的に応じたものに交換するリフォーム方法があります。以下では玄関ドアを選ぶポイントについて紹介します。

 

2-1-1. 開き戸

玄関ドアには、開き戸と引き戸があります。(引き戸についてはこの次の章で詳しく説明します)

開き戸とは、ドアの片側を固定し、押したり引いたりして開けるドアのことです。開き戸の特徴として、玄関のスペースが狭くても設置でき、ドアの閉めたときの気密性が高くなっています。

また、住宅のドアとして広く使用されているため、交換するときに多くの種類から選ぶことができます。具体的には、色や材質、デザイン、機能などあらゆる面でさまざまな製品が用意されています。

一方で、玄関を広く取れないという欠点があります。親子ドアのように必要なときだけ入り口を広くできるドアもありますが、それでも大きな荷物を住宅内に運んだり、ベビーカーや車椅子を使用する場合には不便です。

親子ドアとは、大小それぞれ大きさの異なるサイズで観音開きになったドアのことです。普段の住宅への出入りでは大きいドアのみ使用し、小さなドアは鍵をかけて開かないようにしておきます。

そして、住宅内から大きな荷物や家具を出し入れしたいときだけ、小さな同アを開けて開口部を広くできるという特徴があります。このように、玄関ドアの1つには、開き戸という種類があります。

 

2-1-2. 引き戸

玄関ドアには、開き戸ともう1つ引き戸があります。引き戸とは、2枚もしくは3枚の扉を、左右どちらかに滑らせて開閉するドアのことです。引き戸の特徴として、限られたスペースの中でも開口部を広く取ることができ、扉を開けたままでも邪魔にならないことが挙げられます。そのため、車イスやベビーカーを使用する場合には特に便利です。

また、上記で説明した開き戸とくらべると、開閉が容易で、また指をはさむなどでケガをする危険性が低く、高齢の方や小さな子どもにも安全です。一方で、引き戸を設置するには住宅の玄関スペースがある程度必要になること、そして複数の扉には隙間があったり、開閉時間が長かったりするため、気密性が劣るという欠点があります。

引き戸は、和風の住宅で主に使用されます。しかし、洋風の住宅にも適したデザインのものがあるので、広い開口部や安全性に魅力を感じるなら、玄関リフォームで引き戸に変更するのも1つの選択肢です。

 

2-1-3. 防犯性能

玄関ドアは、留守のときなどに空き巣や不審者に侵入されないよう、施錠できるようになっています。しかし、ある程度の築年数が経過している住宅のドアだと、バールでのこじ開けやピッキングで、鍵がなくても簡単にドアを破られてしまいます。

バールでのこじ開けとは、閉まっているドアの隙間にバールと呼ばれる鉄製の工具を差し込んで鍵のカンヌキをスライドさせて鍵を開けることです。住宅内に侵入されるだけでなく、ドアも壊れてしまいます。

そしてピッキングとは、鍵穴に針金やピンのような専用の道具を差し込み、鍵を開ける行為です。古いドアは鍵の構造が単純なので、ピッキングで解錠されてしまう可能性が高くなります。

住宅のドアの見た目が古いだけで、空き巣などに狙われてしまう危険性もあるのです。そこで、玄関リフォームではバールでのこじ開けやピッキングで簡単に解錠することができないドアに交換できます。

具体的には、鍵のカンヌキが簡単にスライドしにくい構造になっていたり、さらに1枚のドアで2か所を施錠して解錠を難しくしたりしています。また、ピッキングでも解錠したり、合鍵を作ったりするのが難しい構造になっています。

そして、防犯対策に効果が高いのが、オートロックです。オートロックとは、ドアを閉めると自動的に施錠されるしくみのことで、ホテルの部屋では一般的に採用されています。

警視庁による平成28年中の住宅対象侵入窃盗の発生状況によると、空き巣や忍び込みの住宅への侵入手段では、ガラス破りに次いで無締りの割合が意外と多くなっています。

参考:警視庁ホームページ 平成28年中の住宅対象侵入窃盗の発生状況
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/higai/akisu/ppiking_house.html

つまり、玄関ドアの施錠を忘れると、空き巣や忍び込みのような被害に合う危険性が大幅に上がるといえます。オートロックであれば施錠を忘れることがないので、防犯対策への効果が大きいと言えます。

そして、ドアの鍵がホテルの部屋のようにカードになっていたり、専用のリモコンをポケットやカバンに入れていればドアノブに触れるだけで解錠できたりと、防犯対策に加えて利便性が向上する玄関ドアもあります。

 

2-1-4. ガラス面積

玄関ドアには、多くの場合ガラス部分があります。玄関は暗くなりがちなので、ガラスから光を取り込むことにより明るくすることができます。玄関ドアのガラス部分は、ドアの種類によって大開口や腰窓、スリットのように面積が異なります。

大開口とはガラス部分がドアのほぼ全面、腰窓とは上半分、そしてスリットとはドアの一部に縦長になっているものを指します。玄関ドアのガラス面積が広くなればなるほど、多くの光を取り込むことができるため、玄関を明るくすることができます。

しかしその半面、断熱性は落ちてしまいます。玄関ドアの断熱性については後ほど詳しく説明致しますが、ドア内部に断熱材が入っているものがあります。しかし、ガラス部分には断熱材を入れることができないため、ガラス面積が広くなるほど断熱性が落ちてしまうのです。

とは言え、ガラス部分でも一定の断熱効果が期待できるよう、二重ガラスにするなどの工夫はされています。また、空き巣などにガラスを割って内側から解錠されることがないよう、もしガラスを割れられても手を入れることができない構造になっており、防犯対策も考慮されています。

 

2-1-5. 通気口

地域や季節によっては、玄関は湿気や臭いが特に気になります。これらを改善するため、玄関ドアを閉めたまま通気できるものもあります。玄関ドアに開閉式の通気口がついており、通気したいときだけ開けることにより、湿気や臭いを解消することができます。

通気口は格子になっているため、玄関ドアを施錠して通気口を開けていたとしても、外から侵入されるとはありません。また、網戸になっているので虫が入ってくることもありません。

もしも玄関の湿気や臭いが気になっているなら、このような通気口がついたドアに交換することにより、玄関を新鮮な空気で保つことができます。

 

2-1-6. 断熱扉

上記で少し触れましたが、断熱の玄関ドアがあります。もし冬場など玄関が寒く悩んでおられるなら、中に断熱材が入った玄関ドアに交換することをお勧めします。ただ、上記でも説明したとおり、断熱性を高めようと思うと、必然的に採光のためのガラス面積は小さくなります。

そのため、断熱性と採光性、どちらも完璧に求めることはできません。どちらを優先すべきか?またどのようなバランスで取り入れるか?事前に検討するようにしましょう。

 

2-1-7. 1日で交換できるものもある

ここまで、玄関ドアの交換について詳しく説明しました。もしかしたら、現状のドアに不満や不安があるため交換を考えているものの、玄関ドアの工事中の防犯対策が不安で躊躇しておられるかもしれません。

玄関ドアの工事中は玄関の戸締まりができないからです。しかし、玄関ドアの中には1日で交換が完了できるものもあります。そのため、日曜日などの1日だけ家族のどなたかが自宅にいるようにすれば、防犯にも大きな不安なく玄関ドアの交換が行えます。

玄関ドアは、既存のドアだけを取り外し、ドア枠をそのまま利用して新たに取り付けることができるものがあります。(このような工事方法を、カバー工法といいます)このような工事なら、1日で交換工事が行え、工事費を抑えることができます。

しかし、玄関ドアを開き戸から引き戸にするなど、ドア枠のサイズが明らかに異なる場合は、カバー工法では対応できません。このような場合、ドア枠から交換しなければならないため、数日の工事期間が必要です。

 

2-2. 収納棚を設置

具体的な玄関リフォームの2つ目は、収納棚の設置です。玄関に用途に合った収納棚を取り付けることにより、靴や傘、ゴルフバッグのようなスポーツ用品を効率よく収納できるようにします。

これにより、雑然としていた玄関を整理することができ、以前よりも玄関を広く活用することができます。収納棚を設置するスペースが必要ですが、棚を浮かせたり、コの字型にしたりして玄関スペースを活用できます。

 

2-3. フロアータイルの交換

具体的な玄関リフォームの3つ目は、フロアータイルの交換です。玄関は屋内でありながら、フロアータイルは土足で使用します。そのため、こまめに掃除をしても劣化が激しくなりがちです。この劣化したフロアータイルを交換することにより、玄関の見栄えがよくなります。

また、フロアータイルをすべらない床材に変更して利便性を向上させることもできます。すべらない床材は、特に高齢の方の転倒を防止するなど、バリアフリーにもつながります。なお、フロアータイルの交換は多くの場合、廊下、リビングや外壁などのリフォーム、住宅全体のバリアフリー化と合わせて行うことがほとんどです。

 

2-4. バリアフリー化

具体的な玄関リフォームの4つ目は、バリアフリー化です。バリアフリー化とは、高齢の方や障害のある方が住宅を快適に利用できるよう、段差をなくしたり開けやすい扉に交換したり、廊下や階段、トイレ、浴室に手すりを取り付けるなどを行うことです。

玄関リフォームのバリアフリー化とは、手すりやスロープの取り付けや先ほど説明したすべらない床材、そして靴の脱ぎ履きを行いやすいようベンチを設置したり、収納棚を無理なく使えるものに交換したりすることを指します。

ただ、玄関だけをバリアフリー化しても、高齢の方や障害のある方にとって快適な住宅とはなりません。そのため、一般的にバリアフリー化は、住宅全体を行います。

 

2-5. 玄関スペースを広げる

具体的な玄関リフォームの5つ目は、玄関スペースを広げることです。今の玄関が狭いと感じていたり、車イスでも快適に利用したいと考えていたりする場合、玄関スペースを広げるリフォームを行います。

玄関スペースを広げると、玄関の使い勝手がよくなることはもちろん、たとえば廊下と一直線とすることによって住宅全体がこれまでより広く感じることができるという特徴もあります。ただ、住宅の面積は限られているため、玄関を広げるには廊下やほかの部屋のスペースを削る必要があります。そのため、玄関を広げるリフォームは、住宅全体など比較的大規模なリフォームで行うことが多くなっています。

 

3. まとめ

こちらでは、玄関リフォームのメリットと具体的な内容について、詳しく説明致しました。

玄関リフォームには、防犯対策や通気性、採光、空間の有効利用、高齢の方のケガ防止のようなメリットがあります。特に防犯対策や通気性、採光は玄関ドアを交換すれば改善できることがほとんどです。玄関ドアの交換は、1日の工事で完了できる場合もあるので、比較的手軽に行うことができます。

ただし、開き戸から引き戸など、ドア枠のサイズが異なる玄関ドアの場合は1日では工事はできません。玄関の間口を変更する工事が必要だからです。

玄関リフォームの具体的な方法には、先ほど説明した玄関ドア交換をはじめ、収納棚の設置やフロアータイルの交換、バリアフリー化、玄関スペースの拡大があります。ただ、フロアータイルの交換やバリアフリー化、玄関スペースの拡大は、ある程度の規模のリフォームとなるため、ほかのリフォームと合わせて行うのが一般的です。

外壁や住宅内のリフォームと合わせて玄関リフォームを行うことにより、工事費を抑えることができるからです。そのため、外壁やリビング、浴室、トイレなどのリフォームを行う際には、合わせて玄関リフォームも検討してみましょう。