家の売却で一般媒介契約と専任媒介契約の営業のモチベーションの違い

自分が住んでいる家やマンションなど中古住宅を売る際には、不動産会社に仲介を依頼することが一般的です。この時に、不動産会社と仲介のお願いをする契約をするのですが、それを媒介契約と呼びます。媒介契約には、専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3つの種類があります。

どれを選ぶかは売主がメリットとデメリットを比較して決めることになりますが、一般媒介契約のデメリットとして良く上げられる「一般媒介契約にすると営業マンのモチベーションが下がるので、真剣に売ってくれない。」というものがあります。

そこで、営業マンのモチベーションの点から、どのような媒介契約を結ぶと良いのか考えてみたいと思います。

1. 一般媒介契約時の営業のモチベーション

一般媒介契約を結んだ場合の営業担当者のモチベーションは、専属専任媒介契約や専任媒介契約を結んだ時と比べると低くなると思います。ほとんどの不動産営業は歩合給を持っているので、売れば売るほど収入が増えます。逆に言えば、売らないと収入は激減します。

この為、どんな物件でも売りたいと考えています。一般媒介契約となれば、他社よりも早く行動して自分が売らない限り、自分の報酬とはなりません。どのくらいの歩合給かは、不動産会社やその人と会社の契約によって大きく変わりますが、歩合の要素がない会社はないのではないかと思います。

つまり、不動産業界の仕組みにより、営業マンはどんな契約方式であっても否応なく売るしかないのです。一般媒介契約と専属専任媒介契約や専任媒介契約を比較すれば、一般媒介契約の方がモチベーションは低いかもしれませんが、売りたいという気持ちが無くなるほどモチベーションが低いケースは少ないと考えられます。

営業マンの立場からすると、契約の方式よりも売りやすさの方が重要です。簡単に買い手が見つからないような難しい物件の場合の方がモチベーションが上がりません。短期間で売れればそれだけ楽に稼ぐことができるからです。

それなら、仲介手数料の額が少ない安い物件はモチベーションが上がらないのでは?という疑問が湧くかもしれません。確かに一件で大きく稼ぐこの出来る物件は魅力的ですが、すべての営業がそれを好むとは限りません。大きな物件は関わる人が多くなることもあるので、個人の報酬という点で見ると、それほど大きな収入とはならないケースがあるからです。

多くの人が関わると、自分のペースで進めることができないので、それを嫌がる営業も多いです。一概には言えませんが、ベテラン営業マンの方が自分だけで完結できる案件を好む傾向が強いように思います。

また、営業の売買件数に対してのインセンティブも用意している不動産会社もあります。このような会社では、1件でも多く売買契約をまとめることが必要なため、例え金額が低くて実入りが少ないとしても、売る為に頑張る営業はいます。

このように不動産会社の営業マンは会社に属してはいますが、内情は個人商店の場合が多いです。ここに不動産会社ではなく、営業マンで依頼する先を決めなければならない理由があります。会社で選んでしまって失敗をした例についてお話をします。

 

2. 専任媒介契約がメリットとなるのは売れる営業の時だけ

先ほどお伝えしたように、不動産会社の営業マンはほとんどの場合が個人商店となっています。もちろん、会社としてのルールなどはありますが、物件の管理をするのは営業マン個人の場合が圧倒的に多いです。

このため、売れる人に依頼をしないといつまで経っても売れません。年間数件しか売ることができない営業は珍しくありません。2ヶ月も3ヶ月も1件も売れない営業マンがいます。このような人に依頼をしてしまうと、かなりの確率で残念な結果となります。

あなたの依頼した営業マンが売れない人だったらどうでしょうか?そんな人と専属専任媒介契約や専任媒介契約を結んでしまっていたとしたら…。とても怖いですね。このようなリスクを避けるためには、一般媒介契約を結んだ方が良いと思います。

専属専任媒介契約や専任媒介契約を結んでも問題がないのは、相手が売れる営業マンの時だけです。売れない営業マンのモチベーションを上げるメリットがないことはお分かりいただけると思います。私の経験からすると、売れない営業マンはモチベーションに関係なく売れないことが多いです。

しっかりと営業マンを見極められるなら、問題ないと思いますが、そうでないなら、自分から窓口を狭めてしまうような専任媒介契約はもったいないと思います。

 

3. 一般媒介契約でも囲い込みはある

囲い込みというのは、仲介物件で売主と買主の両方の代理人となるために、他社に情報を出さないことを言います。囲い込むことで、1つの物件で2倍の仲介手数料を稼ぐことができることになります。

倍稼げると言っても手間は倍にはなりません。倍になるどころか、他の不動産会社とやり取りをする必要がないので、決裁の段取りなど手間が減ることも多いです。このようにメリットの多い取引のことを両手取引と言います。

不動産会社にとって美味しい両手取引をするために、物件の情報を外に出さないのが囲い込みとなります。一般媒介契約にすれば、囲い込みはできないのでは?と思われる方がおられるかもしれませんが、実際には一般媒介契約でも囲い込みは行われています。

こちらのページ(レインズへの登録を確認するようにした方が良い理由: http://tochikatsu.site/rains-registration/#3)でお話をしていますが、法律で決まっている仲介手数料率を超える率で契約をしている実態があります。繰り返しになりますので、こちらでは詳しく説明はいたしませんが、2016年の不動産売買仲介実績を見ると上位の会社の手数料率はすべて3%を軽く超えています。

2016年の第1位は、三井不動産リアルティで、手数料収入773億円、平均手数料率5.2%でした。法律で決まっている仲介手数料は、3%プラス6万円ですので、片手取引でこのような手数料率になることは考えられません。

誤解の無いようにお話すると、この数字が囲い込みを示唆しているものではありません。単に両手取引が多いということしか証明していませんが、両手取引は世間の人が考えるよりもずっと多いということです。

囲い込みを防ぐ方法については、先ほどご紹介したページで説明していますので、参考にしていただけますと幸いです。

 

4. 一般媒介契約を選ぶと営業のモチベーションは上がらないのかまとめ

田舎の土地など極端に需要がない場合を除けば、相場で出しても買い手が付かないというのは、何かしらの問題があります。

広告の内容、広告を出す先、不動産会社の囲い込み、営業マンの力不足etc…たくさんの理由が考えられます。その中のひとつである営業のやる気についてお話をしました。結論から言いますと、どんな契約方法であっても、営業は契約が取れれば嬉しいものです。

確かに一般媒介契約よりも、他社に持って行かれる可能性がない専属専任媒介契約や専任媒介契約の方がモチベーションが上がる人は多いですが、だからといって、一般媒介契約だとやる気が出ないということにはなりません。私は媒介契約の方法よりも、どんな人を営業として選ぶかが重要だと思います。そして、営業と良い関係を築くことです。

不動産を売却する時の営業の選び方や営業と良い関係を築く方法についてこちらのページで紹介をしていますので、併せて参考にしていただければと思います。

 

不動産の売却を依頼する営業を選ぶポイント
http://tochikatsu.site/sales-of-real-estate-sales/

家を売る時に営業を味方にしてスムーズな売却をするには
http://tochikatsu.site/house-selling-business/