土地活用詐欺の実例と5つの防止策

詐欺のニュースがテレビなどで時々話題になります。ATMの前には詐欺の注意を促す案内がしつこいくらい書かれています。土地活用などの不動産投資でも詐欺は多いと言わざるを得ません。しかし、土地活用の場合は詐欺として検挙されることは少ないように思います。

これは詐欺の手口が巧妙なことから、立件が難しいことが原因として考えてられます。口頭で説明された内容と実態が違っていたとしても証拠が無いため警察が動きようがないこともありますし、契約書を取り交わすようにしているので、契約書に押印している以上、納得ずくで行ったと判断されてしまうからです。契約書はわざとわかりにくく書かれていますが、良く読めば相手に非がないように書かれています。

このような詐欺の被害に遭わないためには、詐欺の手口を理解して自己防衛をはかるしかありません。上手い話に気を付けろと良く言われますが、詐欺をする人またはグループは巧妙に人の心理をついてきますので、その程度の意識では身を守るには不十分です。

ここでは、土地活用の詐欺の手口とそのような詐欺に遭わないために注意をする点について説明をして参ります。

1. 土地を高く売る方法があると詐欺に遭ったケース

土地を相続した際に相続税が払えなくて困っている方が引っ掛かりやすいのが、「私に任せて頂ければ土地を高く売ることができます。」という手口です。普通に売出したのでは高く売れないので、開発の許可をとって付加価値を付けると良いなどと勧めてきます。素人には何のことか良くわからないので、言われるがまま書類に押印してしまいます。

例えば、開発の申請をするために必要だからと所有権を移転させてしまいます。もちろん、土地の代金は払いません。土地の代金の代わりに便宜上の移転であると念書を入れて安心させておきます。その間にその土地を勝手に売ってしまうか、その土地を担保に多額の借金をして、お金と共に消えてしまいます。

土地を売られてしまった際には、念書があるくらいでは、土地を取り返すことができません。勝手に借金をされてしまった場合には、お金を貸した金融機関が競売にかけてしまいます。この際も念書程度では太刀打ちできません。念書は当事者間では有効でも、それを知らない第三者(善意の第三者といいます)への対抗要件としては弱いためです。

買主の立場で考えると真っ当な手続きで買ったものを、ただ返してくれといわれても、「はいそうですか。」とは言えません。買主が払った購入代金や登記などの諸経費をすべて払うなら応じてくれる可能性があると思いますが、そのようなお金がないケースがほとんどです。

これだけでもひどい話ですが、このような状況で困っていると、新たに親切そうな人が現れて、解決してあげると言葉巧みに言い寄り、業務委託契約を取り付けようとしてくるケースもあります。事件の解決のために必要だと言われて、包括委任状などを渡してしまい、自宅など残った不動産をすべて売られてしまったという悲惨なケースもあります。

このような被害に合わないためにも、土地を売却する際の業者選びには最新の注意を払いましょう。詳しくは「不動産の売却を依頼する営業を選ぶポイント」こちらでお伝えしていますので後悔しないようにぜひご確認ください。

2. 共同名義人が詐欺に遭うケース

不動産を相続した場合などは相続人が複数いるケースが多いです。父親が亡くなって、奥さんと子供が相続する場合や、子供が複数人いる場合などがそれにあたります。このような場合に、共同名義人がターゲットとされてしまうことがあります。

土地を担保に金銭を借りさせることは、土地所有者全員の承諾が必要となるため、直接土地に関わる詐欺ではありませんが、支払いができないような金額の借金をておいて、「○○さんが借りたお金を返さないので、あなたからも返すように言って欲しい。」と執拗に迫ってきます。

相手は嫌がらせをして土地を売らせるのが目的なので、職場や取引先など来て欲しくない場所に常に現れます。あなたに借金を肩代わりしろと迫ってくる訳ではないので、警察に行っても中々解決は難しいです。

その結果、心労から土地を手放してしまうというケースがあります。こんな昭和の地上げ屋のようなことが実際に起きています。このような時は、警察よりも弁護士などに相談をする方が解決できる可能性が高いです。親身に相談にのってくれる人を探すようにしてください。

3. 詐欺まがいの賃貸住宅土地活用事例

先ほどまでの例は、立件できるかどうはともかく、明らかに詐欺行為でしたが、すぐには詐欺と言い切れない微妙なものも存在します。例えば、賃貸マンションやアパートなどの賃貸住宅経営で良くある詐欺は下記のようなものです。

・契約時に聞いた利回りがとても高い
・家賃保証や空室時の対策がされない
・修繕費などの維持管理費の説明がされていなかった
これらについて少し詳しく説明をいたします。

3-1.  契約時に聞いた利回りがとても高い

利回りについては、表面利回り、実質利回り、想定利回りなど、知識のない人には良くわからないものがあります。わからないと良く知っている人に頼ってしまいますが、その人が詐欺師であれば目も当てられません。利回りは見せ方次第で良くも悪くもなる要素があります。良くわからないからと安易に流したりしないで、理解できるまで確認するようにすることが大切です。

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3-2.  家賃保証や空室時の対策がされない

家賃保証は、一見、あればそれだけで安心と思ってしまものですが、家賃保証がされる条件が決められていることが多いです。言葉だけ聞くと、例え空室ができても収入が入ると思ってしまいますが、実際には違います。

家賃保証は、数か月にわたって空室が続いた場合に数か月間お金が出るというものが多いです。しかも、家賃全額ではなく、家賃の半分くらい金額のことも多いです。

家賃保証があるから安心と安易に考えずに、保証がされる要件など、家賃保証の内容をきちんと精査することが大切です。

3-3.  修繕費などの維持管理費の説明がされていなかった

修繕費などの維持管理費は予想以上に掛かるものです。例えば、給湯器の耐用年数は10~15年程度しかありません。早ければ、10年くらいで1台数十万円の給湯器を部屋数分購入することになります。

もっと費用の掛かるものでは、屋根や外壁のリフォームがあります。こちらも10年~15年くらいで工事をする必要があります。建物の大きさによって金額が変わりますが、数百万円以上の出費になる可能性があります。

その他にも、日頃の掃除や植栽の手入れなどの費用も必要となります。見た目が悪くなると、新規の入居者が来なくなったり、現在の入居者が出て行ってしまうかもしれません。見た目の維持は家賃を下げないためにも必要なことです。

これらの問題については、事前に確認をするなど説明を聞いておけば回避できるものばかりです。実際に相手に騙す意思が無い場合もあります。騙されたという前に、慎重に判断するようにしてください。

4. 詐欺まがいの土地売却

土地を売ることを土地活用と思っていない方がおられますが、資産の形が変わっただけですので、売ることも立派な土地活用となります。少しでも高く売って資産を増やすことが大切ですが、不当に安く売られてしまうことがあります。

複数の不動産会社に依頼をすれば、簡単に避けることができるのですが、少しの手間を惜しんだ結果として安く売ってしまったという残念なケースがあります。これは詐欺に遭ったというよりは、確認不足が原因のように思います。

このように、単なる土地売却でも詐欺に遭ってしまうケースがありますので、注意をしてください。

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5. 土地活用で詐欺に遭わない為の注意点

いくつか土地活用に関する詐欺の実態について見てきました。次にこれらの詐欺に遭わないために注意をする点について考えていきます。次のようなことを確認すると詐欺まがいのことから身を守ることができると思いますので参考にしてください。

・土地活用の過去の失敗事例を確認する
・土地活用に失敗した時の保証や対応策を確認する
・土地活用している物件を見せてもらう
・担当者の保有している資格を確認する
・見当違いなことを言って様子をみる
これだけではわかりにくいと思いますので、それぞれの項目について補足説明をします。

5-1. 土地活用の過去の失敗事例を確認する

どの業者も過去の成功事例などの良いことは盛大に吹聴してきます。そこで、過去の失敗事例についても質問をしてみましょう。同じ失敗をしないためには、過去の失敗事例から学ぶことが一番良いです。どんな業者でも一度も失敗がないということはまずありません。

失敗したことがないという業者はそれだけで、信頼すべきではありません。また、過去の失敗をさもたいしたことがないように話す業者も信用してはいけません。その失敗でオーナーさんがどうなったのか突っ込んで確認してください。

失敗事例があまりにも少ないとか重大な失敗がないという場合には隠している可能性あるかもしれません。過去の行政処分などを確認できるサイトがありますので、そのようなサイトで確認をした方が良いと思います。

行政処分の履歴などを確認する方法については「「不動産を売る時の不動産会社を選ぶポイント」こちらのページで説明していますので参考にしてください。

5-2. 土地活用に失敗した時の保証や対応策を確認する

土地活用に限らずどんな計画でも失敗をする可能性はあります。その際に役に立つのは過去の経験です。例え過去に失敗がないことでも、予め失敗をした時の想定をして対策を練って置くことで、被害を最小限に抑えることができます。

しかし、いい加減な会社ほど、もしもの時の対策を考えて置くことをしません。例え失敗したとしても自分の懐が痛むわけではないからです。失敗してしまえば、自分の収入も減ってしまいますが、損をする訳ではないので、言い方が悪いですが、次のカモを探しに行けば良いと考えているのです。

失敗のことなんて心配しなくて大丈夫です、というような業者は信頼してはいけません。

5-3. 土地活用している物件を見せてもらう

現在運用している別の物件を見せてもらいましょう。できれば、一番新しい物件と一番古い物件を見せてもらうと良いと思います。一番新しい物件を見せてもらうことで、現在の建物のセンスが良いか見ることができますし、現在進行形で土地活用をしていることがわかります。最新の物件が半年~1年も前の場合は、なぜ、最近は物件がないのか確認をするようにしてください。

また、一番古い物件を見ることで、先々の自分の物件がどんなふうになっていくのかわかります。例えば、賃貸住宅であれば、その年数になった時でも借り手が付くような物件なのかどうかを知る参考になります。

築年数の割に傷みが激しいようであれば、手抜き工事や、材料に粗悪品を使っている可能性が考えられます。良心的な多くの不動産会社は、過去の物件を見て欲しいと言ってきますので、物件を見せたがらないような不動産会社は信頼してはいけません。

5-4. 担当者の保有している資格を確認する

土地活用は計画から運用まで担当者の力量によって、その成否が大きく変わります。どれだけの知識を持っているかでアドバイスの内容がまったく違ったものになることは珍しいことではありません。担当者の知識の量は経験によるものが多いのですが、経験は年齢だけでは判断できません。

そこでひとつの目安としてどんな資格を持っているか確認をしてみると良いでしょう。土地活用の資格としては、宅地建物取引士やファイナンシャルプランナーなどがあります。他にも、業界団体が認定している土地活用プランナーなどの資格もあります。

どの資格を持っていると良いかは、あなたの土地活用の内容によって変わりますが、宅地建物取引士のように国家資格のものもあれば、認定団体が発行する資格もあります。資格証を持っていると聞くと、それだけでスゴイ人と思ってしまう人がおられますが、わずか数時間の講習を受ければ取れるような価値の低い資格もあります。

講習中寝ていても関係なく、だれでもできるような試験を受けて、資格を交付されているケースもあると聞きます。このような、団体がお金儲けの為に発行しているような資格を持っていても役には立ちません。単に資格を持ってというだけでなく、どんな資格なのかまで確認をするようにしてください。

5-5. わざと話の腰を折って様子をみる

詐欺まがいの業者は人当りが良いのが特徴ですが、あくまでも演技です。内心ではイライラしていることが多いです。こちらが黙って聞いていれば、気分を良くしてペラペラと吹聴しまくりますが、そんな時に話の腰を折られることを極端に嫌う人が多いようです。

ですので、わざとちょっと話題を変えて、話の腰を折ってみてください。本当に優しい親切な人なら、変わらず気持ち良く接してくれますが、猫を被っている場合は、そんな些細なことでも化けの皮が剝がれることがあります。これだけでも、相応しくない人を見つけることができる可能性があります。

もちろん、気持ちの良い対応をしてくれたからといって、それだけで信用できることにはなりません。単に当たり前のことが出来ているだけのことですので、勘違いをしないようにしてください。

6. 土地活用詐欺の実例と5つの防止策まとめ

これまであった詐欺の被害の内容と詐欺に遭わないようにするために注意をすると良い点についてお話をしてきました。詐欺に引っかかるのは心にスキがあるからだというようなことを言う人がいますが、とんでもないことだと思います。確かに被害に遭われた側にも問題はあったかもしれませんが、それ以上に詐欺師は言葉巧みに丸め込んできます。このような被害に合わないためにも土地活用の方法についてはよく吟味して失敗や後悔のないようにしてください。

土地活用における税制入門マニュアル

2017.12.02

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土地活用は相続対策に適していると言われていますが、実はそれ以上に「黒字経営」させることが重要です。

収益性を考えた時に重要になる、

・投資分析の視点
・市場分析の視点
・ファイナンスの視点
・財産継承の視点
・タックスプランニングの視点

という5つの視点の解説など、ブログでは公開できない土地活用のコツをお伝えいたします。