中古マンションには売れにくい月があるので注意が必要です

マンションを売り出した時に、中々、購入希望者が現れないと不安になってしまうのではないでしょうか。私はこれまでにマンションが売れない理由をいくつも並べ立てて、ネガティブになってしまうお客様を何人も見てきました。

確かに売り出し方が悪いと売るどころか内覧などの引き合いすらやってきません。しかし、売り出し方に問題が無くても非常に売り難い月があります。

そんな時に焦って値段を下げるのはもったいないですし、値下げをしたところで効果が少ないです。無意味に大きなお金を失ってしまうことになるかもしれません。

そんなことになったら、悔やんでも悔やみきれないことになります。そこで、マンションを売り出したのに、内覧などの引き合いが来ない場合に考えられる原因と売り難い月についてお知らせいたします。

1. 中古マンションが売れない理由

中古マンションが売れない理由はいくつ考えられますが、内覧などの引き合いすら無いのであれば、可能性はかなり絞られます。概ね次の3つが問題となっていることが多いです。

①高い
②需要がない
③不動産会社が情報を止めている

まず、最初の高いですが、相場をキチンと確認せずに、希望額で売りに出した場合に起こります。ローンの残額が多い場合や自分が綺麗に使っているという自負がある場合に良くおこる問題のひとつです。

自己資金が少ない状態で購入すると、ローンの額が増えることになります。通常、ローンは元利均等返済とすることが多いので、最初の内は利息分を払っているばかりで、元本は遅々として減っていきません。

この為、思ったよりもローンの残金が減っていないため、少しでも高く売りたいという気持ちになってしまうことが多いのですが、世間相場よりも高い金額で出しても引き合いを掴むのは難しいです。

もうひとつ高く出してしまうことが多いのが、自分の物件は特別だと思ってしまう場合です。デザインに凝った方に多いのですが、こんなに素晴らしいデザインなんだから、他よりも高くて当然と思ってしまうのです。

しかし、本人が思っているように他の人が思うとは限りません。また、いくら素晴らしいインテリアでも、家具は通常付きませんし、壁紙は張り替えが前提ですので、デザイン性で高く売れると考えるのは無理があります。自分の欲目が入っていないか、客観的に判断してみましょう。

次の需要がないには、いくつかパターンがあります。

まず、ひとつ目は、その地域に需要がない場合です。マンションが建っているくらいなので、過疎ということはないと思いますが、イメージとしてはそんな感じです。その地域に住みたい人がいない場合です。日本では炭鉱くらいしか聞きませんが、海外では企業の移転で街がさびれてしまうことはあるようです。

ふたつ目は、そのマンションに魅力が無くて需要がない場合です。新築の安いマンションがたくさん出来ているような場合におこります。ひとつ目の問題とは逆の現象で人が多くなったことによって起きる問題です。ただ、この場合は人口は増加傾向にあるため、価格を下げれば売ることはできると思います。

みっつ目は、2つ目と少し似ていますが、ライバルがたくさんいる場合です。中古マンションで市場が飽和しているような状態です。このような場合には、同じマンションで別の部屋が売り出されていることもあります。

同じマンション内で売り物件が出ていると、築年数は同じで、部屋の間取りも似ていて、使っている設備も大体同じとなりますので、価格の叩き合いとなってしまうことがあります。このような時は、一旦、売り出すのを中止して、時期をみてもう一度売り出す方が良い場合が多いです。

最後の不動産会社が情報を止めている場合というのは一番厄介です。不動産会社との仲介契約には、専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3つの方法がありますが、最初の2つの専属専任媒介契約、専任媒介契約を選択した場合に起こる可能性があります。

これらの契約の内容と違いについては、こちらのページで詳しく説明していますので参照してください。

一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約のメリット・デメリット
http://tochikatsu.site/baikyakukeiyakushurui/

専属専任媒介契約と専任媒介契約を結んだ場合は、契約した不動産会社しかその物件を扱うことはできません。

レインズという不動産業界のネットワークに早々に登録をしなくてはならないのですが、登録したふりだけをしたり、実際に登録をしても、すぐに登録を消してしまうこともあります。また、引き合いが入ったことにして、新規の問い合わせをブロックしてしまうような悪徳不動産業者もいます。

このようなことをする目的は、両手取引のためであることが多いです。両手取引とは、売主と買主の両方の代理を同じ会社で行うことで、両方から仲介手数料を得る方法です。違法ではないのですが、売主の代理として少しでも高く売る責任があることと、買主の代理としてなるべく安く買えるようにする責任があることを考えると利害が矛盾してしまうので良いことではないと思います。

※厳密には代理ではなく取次なのですが、現実には代理人となっていることが多いのと代理と認識されていることが多いので、代理と書かせていただきました。

このように両手取引をするために、物件の情報を表に出さないことを囲い込みと言います。

囲い込みは許せない行為ですが、同様に単に売る気がない不動産会社の場合もあります。このような会社に当たったら残念としか言いようがありません。

このようなことを避けるためには、不動産会社を選ぶ際に下調べをしっかりとおこなって信頼できる業者かどうか見極めることが重要です。

中古マンションが売れないどころか、問い合わせすらない場合は、だいたいこのような問題があることが多いので、当てはまるものがないか確認をしてみてください。

 

2. 中古マンションが売れない月とは

公益財団法人不動産流通推薦センターがまとめた2017年の資料からお話をします。

下の数字は、東京、埼玉、千葉、神奈川の首都圏の中古マンションの成約件数を合計したものです。各県ごとに件数が多い月が入れ替わっているケースもありますが、全体的にみると同じような傾向が見てとれます。

参照:2017不動産業統計集
http://www.retpc.jp/wp-content/uploads/toukei/201703_3ryutsu.pdf

1月  2,861件
2月  3,461件
3月  3,590件
4月  3,294件
5月  3,001件
6月  3,069件
7月  3,190件
8月  2,384件
9月  3,150件
10月 3,339件
11月 2,993件
12月 2,993件

1月も少なめですが、8月がダントツで少なくなっています。1番多い3月に比べると、1,206件も少なくなっています。このような月に売ろうとしても難しいことがわかります。

ですので、8月に売り出しても反応がない場合には、すぐに価格の見直しなどを考えるのではなく、近隣の物件の動きを確認して、他の物件も動いていないようなら様子を見ることが大切になります。

念のため関西地区の中古マンションの成約件数についても確認をしたところ、月別の成約件数の違いは首都圏ほど大きくなく、8月よりも1月の方が少し少なくなっていました。それでも8月も非常に少ないので、8月は売り難いと考えて間違いなさそうですが、いくらか地域性があるということもわかりました。

あなたのお持ちの物件がどのエリアにあるのかを確認して、地域毎の特色があるのかどうかについても併せて検討するようにしてください。

 

3. まとめ

私は売り難いマンションはあっても、基本的に売れないマンションはないのではないかと考えています。

最近ではリノベーションが人気です。行政もリノベーションを後押ししている関係から、現在、問題となっている資金調達についても、今後改善していくことが期待されています。

現在は中古マンションを購入して、リノベーション工事を行う場合は、住宅ローンとリフォームローンをそれぞれ借りる必要があり、それぞれに手数料がかかります。また、金利や返済期間にも違いがあります。

これらの問題が解決していくことで、リノベーションがもっと受け入れられるようになると思います。現状でもリノベーション工事の前年比の伸び率は2割と言われています。リフォーム工事の伸び率に比べるととても大きな数字となっています。

現在はまだ、工事内容と価格の関係が不透明だとか工事の内容に不安を感じるという方が多いと言われていますが、工事の件数が増えていけば、心配される方が減ってますます普及が加速していくものと思われます。

今後、中古マンションの市場が拡大することが見込まれていますので、売れないと悲観的になるのではなく、ネックとなっている部分を解消すること考えてください。