貸倉庫経営で土地活用をする際のメリット・デメリット

貸倉庫は比較的少ない初期投資額で始めることができるため、参入しやすいと言われています。

アパートやマンションを建てるのに比べれば、初期投資額は何十分の一、何百分の一で済むことに加えて、駐車場経営よりも高収入が見込めるからです。貸倉庫経営は高利回りと言われる理由がここにあります。

一見良いことばかりのように見える貸倉庫経営ですが、土地による向き不向きもありますし、貸倉庫経営ならではのデメリットも存在します。貸し倉庫経営を検討する際に知っておきたいメリットとデメリットについて考えていきます。

1. 貸倉庫とは?トランクルームの違い

最初に貸倉庫とトランクルームとの違いについて確認しておきましょう。一見、同じように見える貸倉庫とトランクルームですが、以下のような区別がされていることが多いです。

但し、人によって解釈が異なることがありますし、線引きが曖昧なこともありますので、この説明が絶対というわけではありません。ひとつの例として参考にしていただければと思います。

貸倉庫とは場所の提供です。オフィスや住宅の賃貸と同じようなものと考えると良いと思います。一方、トランクルームは荷物を預かるサービスと捉えられることが多いです。どちらも荷物を置くという点では同じですが、貸倉庫の場合は場所の提供ですので、置かれた荷物についての責任はありません。

盗難については一概に言えませんが、例えば温度管理をしないといけないようなものが管理不良でダメになってしまったとしても、貸倉庫であれば、貸倉庫の経営者に責任はありません。

しかし、トランクルームの場合は、荷物を預かるサービスですので、経営者にはきちんと保管をする義務があります。このため、盗難にあった時は弁済をしなくてはなりません。また、先ほどのように温度管理が必要なものについては、預からないか預かった場合には物品の保証をする義務が生まれます。

国土交通省が定める基準をクリアしているトランクルームには、国土交通省が優良トランクルームの認定をする制度もあります。詳しくは下記の国土交通省のホームページを参照してください。

国土交通省 倉庫業法のページ:http://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/butsuryu05100.html

このように貸倉庫の場合は管理責任を負う必要がないことがメリットと考えられます。もちろん、貸倉庫経営のメリットは他にもたくさんありますので、次の章で確認していきます。

 

2. 貸倉庫経営で土地活用をするメリット

先ほど荷物の管理責任がないことをメリットとしてお伝えしましたが、他にもいくつもメリットがあります。こちらは冒頭でお伝えしましたが、初期投資額が少ないことがあげられます。基本的に柱と壁だけで、水回りなどの設備がないため、アパートやマンションとは比較にならないほど、設備費用は少なくて済みます。

土地活用の中では駐車場に続くくらいの初期投資額の少なさです。初期投資額が少ないということは、失敗した時のリスクがそれだけ低いことになりますし。金融機関からの借入れも抑えることができます。また、原状復帰をする際にも、アパートやマンションに比べて解体工事の費用が少なくて済みます。

管理の手間が掛からないこともメリットのひとつです。先ほどお伝えしましたように荷物の管理責任がないことに加えて建物の維持管理や借主との応対などの管理も少ないです。倉庫の場合は、基本的に雨漏りさえしなければ、大きな補修工事は必要ありません。アパートやマンションと違って壊れるような設備がないからです。

屋根と外壁の塗装だけは行う必要がありますが、10年くらいは手付かずでいけます。また、一棟丸ごと貸してしまえば、共用部分の管理もありませんので、清掃作業も不要となります。電灯の交換くらいは必要となりますが、契約の方法によっては借主の範囲とすることもできます。

立地の影響が少ないこともメリットのひとつです。倉庫の場合は、駅から近い必要はありません。アパートやマンションには向かないような不便な土地でも倉庫の場合は問題ありません。特に工業地域に土地を持っている場合には、近隣の環境に影響されない倉庫はメリットが大きいです。

アパートやマンションなどの住居系の運用の場合は、近隣の環境に左右されることが多く、騒音や臭いなどの問題が発生することがあります。工業地域にアパートやマンションを建てた場合には、当初は良くても後からできた工場によってこれらの問題が発生する可能性がありますが、倉庫であれば、音は臭いの問題は住宅のように深刻なものとはなりません。このように嫌悪施設と呼ばれるものがあっても影響を受けにくいのが倉庫業です。

広い倉庫を必要とするような会社は経営が比較的安定していると考えられるので、長期間の貸し付けができることが多く、安定した収入になるというメリットもあります。

他にも相続税が節税できるメリットがあります。貸倉庫用地は貸家建付け地となります。このため、相続時には更地よりも低い評価となります。さらに小規模宅地を利用すれば200㎡以下の敷地部分については、50%の評価減が受けられる可能性があります。

まとめると下記のようになります。

・初期投資額が少ない
・借入れが少なくて済む
・原状回復が比較的簡単
・管理の手間が少ない
・近隣に嫌悪施設があっても影響が少ない
・相続税対策となる

このようにたくさんのメリットがありますが、デメリットもあります。次の章で貸倉庫経営のデメリットについてお話をします。

 

3. 貸倉庫経営で土地活用をするメリット

貸倉庫経営で土地活用をする際のデメリットは主に下記の3つです。

・借り手を見つけるのが難しい
・固定資産税の節税効果がない
・住宅地には向かない

それぞれについて説明をしていきます。

まず、貸倉庫は宣伝手段の少ないことが問題です。インターネットを使うとしても、有力と言えるようなサイトがないため、効率の良い広告の打ち出し先がありません。不動産会社に依頼をして探してもらうくらいしか方法がなく、こちらから直接に見込み客に対してアプローチができないことが難点です。

アパートやマンションの場合は、固定資産税の軽減措置を受けることができるので、最大で固定資産税が1/6に軽減されます。しかし、倉庫の場合は適用できる軽減措置がないため、税率通りの固定資産税を払う必要があります。

ただ、これはアパートやマンションと比較をした場合の話で、駐車場経営と比較する場合にはどちらも固定資産税の軽減措置は受けられないので同じとなります。もちろん、更地で活用していなくも同じ額の税金を納める必要があります。ですので、必ずしも不利になるという訳ではありません。

貸倉庫は住宅地にはあまり向きません。2つポイントがあります。ひとつは、騒音の問題です。特に深夜や早朝に出し入れが必要となるような業種に貸す場合には、近隣から苦情が来る可能性が高いです。また、住宅地の場合にはあまり高い建物は建てられない場合が多いので、貸出先に制限が掛かる可能性があります。

もうひとつのポイントは、住宅地であれば、倉庫よりもアパートやマンションなどの住居にした方が収入が多くなる可能性が高いことです。初期投資額やリスクとの兼ね合いとなりますが、もっと効率の良い土地活用が考えられるという点でデメリットと考えられます。

 

4. 貸倉庫経営で土地活用をする際のまとめ

このように貸倉庫経営にはメリットとデメリットがあります。しかし、土地の状況や地主さんの状況によっては、デメリットがなくなることもあります。例えば、古くからの地主で近隣に知り合いがたくさんいるなど、借り手を自分で簡単に見つけられる場合などです。

このような場合には借り手が見つけにくいという点はデメリットにはなりません。固定資産税の軽減措置についても、現状が更地で軽減されていないのであれば、今と変わらないので特にデメリットにはなりません。

場所も工業地域など倉庫に適したところであれば、デメリットにはなりません。このように条件が整えばメリットばかりになることも考えられます。

どんな土地活用でも同じことですが、その土地とあなたに合った活用方法を見つけることが大切です。