不動産の一括査定依頼時に不動産会社が訪問査定を望むわけ

最近は一括査定が流行っていますね。ラジオを聞いていると、ひっきりなしに中古車の一括査定サイトの広告が流れています。少しでも、高く売りたいという消費者のニーズを上手く捉えた戦略だと思います。

一括査定サイトは不動産業界でもメジャーな存在になっています。一括査定サイトのホームページで必要な事項について簡単に書き込むだけで、たちどころに手持ちの不動産の価格がわかるので人気が出るのも頷けます。

一見良いことばかりに思える一括査定サイトですが、意外な落とし穴があったりもしますので、何が問題になるのかについてお話します。

1. 不動産の一括査定サイトとは

中古車の一括査定サイトをご存知の方ならわかると思いますが、あるサイトで必要な情報を入力すると、それを受け取った提携している業者から回答がくるというものです。不動産売却の一括査定サイトであれば、そのサイトに登録している不動産会社から価格が回答されてきます。

中古車と違うところは、不動産の場合は仲介だということです。仲介というのは、間に入って取り持つということですので、連絡があった金額で買ってくれるという意味ではありません。中古車の場合は提示された金額で買い取ることが前提となっていますので、その点が大きく異なります。

つまり、一番高い金額を付けた会社に依頼するのが良いということにはなりません。どんなに高い査定を付けてもらっても、その金額で買いたいという人が現れない限り、その金額で売ることはできません。この点をちゃんとと理解しておく必要があります。

また、登録するサイトによって情報が飛ぶ不動産会社が変わります。あなたの所有する不動産に適した会社に連絡がいくとは限りません。なんでもOKの大手の不動産会社もありますが、戸建住宅、マンション、賃貸用物件の売買、土地のみとそれぞれの特定の得意分野を持っている不動産会社もあります。

特化している分、広く浅くの不動産会社よりも、物件が合えば売れやすいとも言えますが、合わない場合は売りにくくなります。そうなるとそれが原因で安くしなければならないかもしれません。どんな会社に依頼するかは、売買に大きな影響を与えますので慎重に検討するようにしてください。

一括査定サイトを使う一番のデメリットがこの依頼する不動産会社を選べないという点だと思います。とはいえ、一括査定サイトを利用する目的で一番多いのは、誰にも会わずにおよその金額がわかるという点ではないでしょうか。

今のところ売るつもりはないけど価格だけ知っておきたいとか、将来転勤がありそうだから今のうちに価格を把握しておきたいという程度の気持ちだったら、わざわざ、不動産会社に出向くのは面倒ですよね。

また、一度でも会ってしまうと、契約してくれとずっと付きまとわれそうで怖いという方もおられるかもしれません。そのような煩わしい関係がないのが、インターネットの良い点だと思います。

しかし、実態はというと、多くの不動産会社が訪問して見てみないと価格を回答できないといいます。なぜでしょうか。それには不動産会社側の都合があるのですが、その理由について見ていきます。

 

2. 訪問査定にこだわる理由

不動産会社の担当は、建物の状態を確認しないと判断ができないといいますが、実はそんなことはありません。実際に見てみたところで、壁の中がどうなっているのか確認することはできません。

表面的な綺麗、汚ないを見たところで、その後クリーニングをすることを考えれば意味がないとわかります。実際に購入した人のほとんどが壁紙を交換しています。

日本建築で柱に傷があると価値が下がる、という場合はあるかもしれませんが、そんな些細なことは買主が気にした時に値引きの材料になるくらいです。査定金額に大きな影響はありません。

特に売りたい物件がマンションの場合は、もっと見に行く必要がありません。マンションの場合は、部屋番号がわかれば新築時の間取りを調べることができるデータベースがあるためです。マンションの構造は築年数が分かれば、それで傷み具合を判断することができます。

マンションの価格は、築年数、間取り、立地環境でほぼ決まります。それらはわざわざ出向かなくてもわかる情報です。

また、不動産については、国土交通省が実際の売買価格をデータベース化しています。このデータは誰でも見ることができますし、実際の売買価格ですので査定よりもずっと確かな数字となります。

さらに不動産会社であれば、同じマンションで売り物件が出ているかどうかもすぐに調べることができます。同じマンションで売り物件が出ていれば、どのくらいで売れそうかは簡単に予想することができます。

では、そこまで情報を持っている不動産会社の営業が、なぜ訪問査定にこだわるのでしょうか。

それは、なぜかというとあなたに会うためです。正確には家の所有者に会うためです。多くの人が訪問査定時に仲介の媒介契約を結んでいます。

これは、不動産屋なんてどこでも、誰でも同じというように思っている人が多いからだと思います。実際には違うんですけどね。ですので、会ってみて感じの良い人と思ったら、言われるままに契約をしてしまうことが多いのです。

正に先手必勝。ライバルよりも先に会うことが勝利の秘訣という訳です。これをわかっているので、誰もかれもが訪問をしたがるというわけです。

ここまでお話したので、ついでに不動産会社の営業マンがどんな点を見ているのかについてと営業を見極めるポイントについてもお話しましょう。

 

3. 訪問査定に来た営業がチェックするポイント

先ほど、不動産会社の営業は建物には興味がないとお話しました。

では、まったく何も見ないかというとそうではありません。あちこちをしっかりと見てお客の性格などの情報を集めて、少しでも有利に運ぼうと考えています。少しですが具体的な例を挙げて説明をします。

 

3-1. 掃除の具合

普段から掃除をしているのか、営業を迎えるために急いで形だけ掃除をしたのかをチェックします。部屋の隅とかエアコンの上とか普段掃除しないようなところまで綺麗になっていると、普段からきれいにしている几帳面な人なのかなと思います。あるいは、他人が来るときだけきちんと掃除する見栄っ張りな人の可能性も考えます。

通常は付け焼き刃で隅々まで掃除するのは難しいので、普段から綺麗にしている方なんだなと判断することが多いです。おそらく、几帳面で性格が安定している可能性が高いと考えます。

一方、まったく掃除をしていない場合には、ちょっとヤバいかもと考えます。見ず知らずの他人がくるのが分かっていて、掃除をまったくしないのは、相手を軽んじている可能性が高いからです。そのようなお客様と仕事をすると振り回されて泣くことになるので、できれば避けたいと考えます。

単にオープンな人という場合もありますが、そのような人もお客様にすると苦労させられるので、できれば勘弁して欲しい相手となります。

 

3-2. 本棚の中身

どんな本を読んでいるかで性格を読み取ろうとします。仕事の関係による影響も多いと思いますが、難しい本が目立つ人は理屈っぽいことが多いです。営業によっては、感覚で色々言われるよりもわかりやすくて良いというケースもあると思います。

自己啓発とかスピリチュアル系の本が並んでいる場合は、メルヘンな人かもしれないと考えます。この話題は深掘りするとはまりそうなので、この辺でやめさせていただけますが、どんな本を読んでいるかは性格を考える上で非常に参考になる部分です。

相手にだけ情報を取られて、上手く乗せられてしまうことの無いように注意をしてください。わざわざ相手に知らせる必要はないので、目につかないようにしておくと良いと思います。

 

3-3. 置物、絵画

置物や絵画も性格を判断する材料に使われます。他人が見た時にあなたの意図と違う風に取られる可能性があるものについてはしまっておくと良いでしょう。

相手は百戦錬磨の営業かもしれません。たくさんの情報を与えてしまうと、上手に転がされて相手に有利な内容にされてしまうかもしれません。

 

4. 訪問査定時に担当営業を評価する

不動産会社の営業にとって訪問査定はお客様を見るチャンスですが、実は売主にとっても同じように営業を見極めるチャンスとなります。相手の人となりと知識の有無を確認しましょう。

まず、人となりですが、信頼できる人かどうかを考えてください。この後で質問についてお話しますが、質問にキチンと答えようとしているか誤魔化そうするかで人間性をチェックすることができます。

あなたの大切な資産を任せる相手ですから、慎重に選ぶようにしてください。ちょっとした話の持って行きかたで、大きく金額が変わることもありますし、税務の知識があるかないかで節税効果が何十万円も変わることもあります。

営業の知識の量は売却金額だけでなく、その後の手数料や諸費用、税金などの節約にも影響を与えます。

不動産に関して知っておくと良いことは範囲が広いので、きちんとしたアドバイスを行うことは本当に難しいことです。実際にひとつひとつ経験して覚えていくことが多いので、ある程度経験していないと知らないことが多いです。

売主としては自分の時に失敗して勉強してもらうよりも、既に経験している営業を選びたいですよね。経験しているかどうかは質問をすればわかります。どんなことを質問したら判断できるのか知りたいと思いますが、まずはご自身の知りたいことをリストにすることから始めると良いと思います。

家を売るとなれば、残っているローンの決済の方法だったり、登記に関すること、媒介契約の種類による違い、税金のこと…など、たくさんのわからないが出てくると思います。それをひとつずつ質問するのが良いと思います。

これはあなたが本当に困っていることなので、営業にとっても解決してあげたい事柄となります。一方でこんな質問をすると良いとネットなどで書かれたことを聞くと営業によっては自分を試めしているんだなと気が付きます。

想像がつくと思いますが、このようなことをされると気分の良いものではありません。まったく不動産のことを知らない素人から、プロが試されるのですから腹を立てられても仕方がありません。

あなたがパートナーに選びたいと考えるようなベテラン営業なら、本当に知りたくて聞いてきた質問か、力量をはかるための質問かはすぐにわかります。一番、信頼を得たい人を失う可能性があるので、自分の知りたいこと以外を質問するのはやめた方が良いと思います。

 

5. まとめ

一括査定サイトという人に会わなくても済むサービスを使っても、営業が訪ねてくる可能性が高いことについてお知らせをしました。また、その営業がやってくる目的についてもお知らせしました。

売主のあなたはお客様ですが、でも素人です。高く、早く、売るためにはパートナーが必要です。そのパートナーが税務の知識も持っていれば、節税できて余分に税金を払うことをしなくても良いかもしれません。

売れる営業はこのことを良く知っているので、横柄だったり、わがままを言うお客とは仕事をしないようにします。依頼があっても、同僚や部下に振ってしまいます。良いパートナーが欲しければ、あなたも選ばれる必要があります。

直接お金を払うわけではありませんが、コンサルタントを雇うような感覚でいると良いかもしれません。コンサルタントを雇った経験をお持ちの方は少ないかもしれませんが、経験のない方は想像をしてみてください。

あなたの手元に残るお金が多くなるか少くなるかは担当しだいかもしれません。良い相手を見つけて、その人に選ばれるように考えてみてください。

 

監修general editor

藤岡聖大

平成4年のバブル末期に大手住宅メーカーに就職し宅建の資格を取得する。そこで不動産の基礎を学ぶ。入社半年でバブルが崩壊し、ローンの返済にあえぐお客様、相続税対策でアパートを建てて失敗し、家や土地を失ってしまった人など、大変な思いをしている人に遭遇し、一般の方であっても最低限の不動産の知識が必要であることを痛感する。 それら経験を元に、ユーザー視点の不動産の情報を提供する当サイトを運営。