事例紹介
生えてきた雑草を処理する、あるいは成長を阻害する方法には様々なものがあります。ですがそれぞれに一長一短があり万能と呼べるものは存在しません。コストや労力、さらには使われていない土地の活用方法などを多角的に考慮して選択する必要があるでしょう。
それぞれの方法のメリットとデメリットを合わせて紹介していきます。
1.更地の雑草対策7選
1-1.防草シート
日光を通さない処理が施されている大きなシートを土地全体に覆い被せます。
1-1-1.メリット
使用方法や事前の処理を正しく行うことができれば最も高い効果を発揮するのがこの防草シートです。入念に除草した上で隙間なく設置すれば、何年間も雑草が生えるのを防いでくれます。また、水分は通す作りとなっているので水はけなどについての心配も必要ありません。
1-1-2.デメリット
防草シートで一番ネックになるのが価格です。安易に低価格の防草シートを選んでしまうと、その品質の低さから劣化しやすく破れてしまったり、目が粗く作られているために隙間から雑草が生えてきたりしてくることもあります。
また、除草した上で設置する必要があったり、設置自体も複雑ではないにせよ楽な作業とは言えません。
最大限の効果を得るには最適な商品選びと正確な設置が欠かせず、それだけのコストと労力をかけなければこの対策の本領が発揮できないのです。
1-2.除草剤
雑草を枯らす作用のある薬品を土地に散布します。
1-2-1.メリット
撒くだけで簡単に雑草を駆除できる手軽さもさることながら、最近では様々な種類の除草剤が発売されており、それぞれの用途に合わせた商品を選ぶことができるようになっています。また、除草剤には液体のものと粒剤のものがあり、それぞれを組み合わせて使うことでより効果を高めることができます。液体の除草剤はその時生えている雑草を駆除し、粒剤の除草剤はこれから生えてくる雑草を枯らす効果があります。粒剤タイプは商品によっては6ヶ月も効力を発揮するものもあるので、土地の手入れの手間を大きく減らすことができます。
1-2-2.デメリット
除草剤を撒く際に気をつけなければならない点は、雑草以外の植物も枯らしてしまうということです。もし同じ敷地で植物を育てていたりする場合には使用を控えたほうがいいでしょう。また、除草剤を撒く際には近隣の住民に悪影響を与えないよう気を配る必要があります。現在では食物成分由来の除草剤なども出てきており、人体への影響が少ないものが多いですが、近隣の住民からするとどういった成分なのかはわからないので、事前に断りを入れるなどして関係性が悪化しないよう注意しましょう。
1-3.砂利
大量の小石を土地全体に敷き詰めていきます。
1-3-1.メリット
砂利を敷き詰めることで日光が届かないような環境を作り、雑草の成長を止める効果があります。狙いとしては防草シートと同じですが、こちらの方が金銭的な負担は少なくて済むので、そういった面では取り組みやすい対策です。
1-3-2.デメリット
日光が届かなくなるほど十分な厚さの砂利を敷くためには、最低でも5cm以上の厚さが必要になります。これは1平方メートルあたり60kgほどの重さになってしまうため、土地全体に敷き詰めるためには相当な労力を必要とするでしょう。
また、小石は風で飛んだり、人が歩くと移動しやすいので剥がれやすく、時間が経つと効果が薄れてしまう可能性もあります。砂利を敷くだけでなく、他の対策と合わせて取り入れなければ効果的ではなくなることが多い方法です。
1-4.コンクリート
道路などに使用されているコンクリートで土地を丸ごと固めてしまいます。
1-4-1.メリット
とにかく雑草の抑制に絶大な効果を発揮します。土地全面を完全に覆ってしまうので雑草が生えてくる余地がありません。
1-4-2.デメリット
効果は覿面ですが、施工にかかる費用が非常に高額になってしまうのが大きな問題となります。また、経年劣化によってひび割れが発生してしまったら、その部分は全くの無防備な状態となり雑草が生えてきてしまうので新たな対策が必要になります。
そして撤去するのが困難なため、数年後には更地に戻さなければならないといった場合は選択肢から外しておいたほうが無難でしょう。
1-5.グランドカバープランツ
植物を植えることで雑草を抑制するという雑草対策です。
1-5-1.メリット
雑草ではない植物で土地を満たすため、非常に見た目が良くなります。本来雑草が生える場所だった土を別の植物で使用してしまうという感覚なので、雑草の生えてくることのできるスペースが減ります。土地自体を完全に覆ってしまう訳ではないので多少は雑草が生えてきてしまいますが、あまり目立つようなことはありません。
1-5-2.デメリット
こちらもあらかじめ除草したり、植える植物の生育時期などを確認したりと下準備に多少の手間を要します。また、どんな植物を植えるにせよ手入れは定期的にする必要があるので
時間と体力のある方向けの方法になります。
北海道などグランドカバーに向いていない土地もあるので、事前の下調べはしておきましょう。
1-6.手作業
最も原始的で地道な作業です。
1-6-1.メリット
作業に必要な費用がほぼ必要ありません。
1-6-2.デメリット
最も体力を消耗する方法です。ただ雑草を手で引っこ抜くだけのやり方だと時期によっては1週間程度で新しい雑草が生えてきてしまうので、頻度も高くなってしまい作業に拘束される時間も莫大になってしまいます。草刈機などを導入すれば時間を大幅に短縮できますが、それでも広い範囲に渡る場合は他の対策を取った方が効率的です。
1-7.塩
塩を撒くことで植物は枯れますが、この方法は絶対に取ってはいけません。
1-7-1.デメリット
塩分が土壌に残留することで、植物が二度と育たない土地になってしまい、さらには土地の価値を下げることになってしまいます。また、地下に水道管や建物の基盤などが埋まっている場合はその素材を腐食させてしまうので、本来の機能を果たさなくなります。近隣の土地にも悪影響を与えてしまうため、自分の土地だけでなくその近辺一帯が同じような状況に見舞われてしまいます。
2.使わない土地を更地にしておく4つのデメリット
2-1.固定資産税が減額されない
土地などの不動産にはその評価額に応じて毎年固定資産税が算出され、所有者にはこれを支払う義務があります。しかし、もしもその土地を何かしらの用途で使用していればこの固定資産税を減らすことができる可能性があります。土地を手付かずのまま保有し、放置し続けるのは余計に税金を支払うことと同じなので、更地のままにしておくことは節税の権利を放棄しているということになってしまいます。
2-2.周辺の住民との関係悪化に繋がる可能性がある
長い間使われることなく放置され続けている土地にはよくないものが溜まりがちです。路上生活者が住み着いてしまうかもしれませんし、悪徳業者に不法投棄のための場所として利用されてしまうかもしれません。こういった状況は近隣の人にとって大変な迷惑を被り、治安を悪化させる要因となりかねないため、苦情が殺到することでしょう。
2-3.土地の値段が下がっていく
よほどの市街地か、今後開発が進んでいく地域でなければ順調に土地の値段が高騰していくということはあり得ません。それでなくとも更地のまま長期間放置されているということは誰かにとって需要のある土地ではないということなので、土地の値段そのものが下がり続けてしまう可能性の方が高いのです。
2-4.投資機会の損失
土地を持つということは、大きな資産を持っているということです。不動産は様々な知恵を出して活用していくことで利益を生む素晴らしい可能性を秘めています。
この土地を遊休地として持て余している間は土地が持つ可能性の大部分を潰してしまい、所有者の生活を充実させるチャンスも失ってしまっていると言えます。
3.更地を有効活用する方法とは?
使われていない土地を活用していくための代表例としては駐車場がまず考えられます。
市街地であれば土地が少ないため、田舎の場合も車の利用率が高いために駐車場の需要は様々な地域で高くなりがちです。更地のまま自由に駐めてもらうといったやり方も可能なので、かかる手間も少なく済むシンプルで低リスクな活用方法です。
同じく、スペースを提供するといった意味でトランクルームを経営するという方法もあります。コンテナや物置などを土地に並べ、貸し倉庫として賃料を取っていきます。もし近隣に生鮮食品以外の商品を陳列して販売するタイプのお店などがあれば、在庫を保管しておく場所として重宝されるのでお勧めです。コンテナなどは比較的撤去もしやすいため原状回復が容易で、リスクとしては低めに抑えることが可能です。
ビジネスをしたいという人に土地を丸ごと貸してしまうのも一つの手です。土地を借りてそこに事業用の建物を建て、商売を始めたいという経営者に土地を貸せば借地料を得ることができます。この場合、一般借地権ではなく定期借地権での契約を結ぶことで、最初に設定した期限が終了したら土地を間違いなく返してもらうことができるようになります。
思い切って投資をして利益を狙いたいという方には太陽光発電があります。ソーラーパネルを設置して、作った電気を電力会社に買い取ってもらうという方法で、日当たりの良い土地であれば有効な活用方法になります。パネルの設置に数百万の出費は必要になりますが、国によって定められている固定価格買取制度によって安定した収入を期待することができます。
さらにリスクをとって大きなリターンをということであればアパートを建てて賃貸住宅の経営をすることもできます。これは土地の活用方法としては一般的ではありますが、立地にさゆされる部分が大きいので十分な近隣の調査と検討が必要になります。また、住居用の建物を建っている土地は住宅用地としてみなされ、固定資産税を大幅に節税することができるのでその点もこの活用方法の利点として挙げられます。
4.更地の雑草対策と活用方法まとめ
これまで更地に対する様々な対策を紹介してきましたが、一つの方法に捉われることなく組み合わせることでより効果的な手法になっていくものも多くあります。
防草シートの上に砂利などを敷き詰めておくことでより効果の高い雑草対策ができたり、コンクリートで固めた土地を駐車場として使用すれば近隣の駐車場との差別化が図れる可能性もあります。
自身の所有する土地と、周辺の事情などを踏まえた上で最適な方法を選び出すことが重要です。