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Category 不動産
2018年06月28日 更新
不動産の広告料とは?不動産の消費税について徹底解説!
家探しをするとき、どのように行っていますか?
おそらく多くの方が、仲介業者を利用して探していることでしょう。
不動産仲介業者は、契約完了時に仲介手数料を受け取っているのは皆さん知っているでしょう。しかしこれ以外にも広告料というものを受け取っている場合もあります。
今回は、そんな不動産の広告料について詳しく解説していきます。
この記事でわかること
1. 不動産の広告料に消費税はかかるのか
不動産の賃貸契約の場合には、様々な費用がかかります。その中には、課税対象となるもの、非課税対象となるものが事前にわけられています。
不動産の広告料はどちらに分類されているのでしょうか。
法律上、不動産の広告料は消費税の課税対象になっています。仲介手数料も課税対象ですので、同様に広告料も課税対象となっているのです。
2. 不動産における広告料とは
不動産における広告料とは、不動産会社が入居者を仲介し契約を結んだ際に、貸主が仲介した不動産会社に支払うお金のことです。
借主を探す行為は、非常に大変な仕事になります。そこで、貸主が不動産会社に広告料を支払い、代わりに借主を見つける営業をしてもらっています。
2-1. 仲介手数料との違いは上限がないこと
仲介手数料は、仲介業者が借主、貸主の両方から受け取ることができるもので、仲介業者の大きな収入源です。
仲介業者が受け取る手数料という意味では、広告料と仲介手数料は非常に似ていると言えます。
しかし正確には全く異なるものであり、明確な違いもあります。
広告料と仲介手数料の違いは、もらえるお金に上限があるかないかという点です。
仲介手数料
仲介手数料としてもらえる金額には、宅地建物取引業法という法律によって以下のように定められています。
・仲介手数料としてもらえるお金の上限は、契約した家の家賃1か月分まで
・借主から仲介手数料として家賃の50%を受け取った場合、貸主から受け取れる仲介手数料は家賃の50%まで
・借主が仲介手数料を家賃1か月分支払った場合は、貸主から仲介手数料を受け取ってはいけない
広告料
広告料には、上限がありません。
そのため、広告料を家賃の2か月や3か月としている業者もあります。
しかし、実はこの行為、違法な行為だと言えます。詳しくは後から解説します。
仲介手数料と広告料は、目的こそ似ていますが上限があるかないかという点で大きく異なります。
2-2. 「AD」とは何か
不動産業界の業界用語に「AD」というものがあります。
実はこれ、広告料と同じ意味で使われています。広告を英語で言うと、Advertisementで、その略語としてADというワードが使われています。
管理会社から不動産会社に送られてくる書類には、AD100やAD50、AD200といったものがかかれています。これは、広告料がいくらになるのかを示しています。
・AD100→広告料は家賃の1か月分
・AD50→広告料は家賃の半月分
・AD200→広告料は家賃の2か月分
基本的にADはお客さんにはばれないようにされています。そのため、私たちが見る書類には記載されていないことが多いです。
不動産会社としては、ADが多ければ多いほど自社の利益になるため、ADが多い物件を優先的に紹介している会社もあります。
3. 広告料の相場
広告料はいくらくらい支払うのが相場なのでしょうか?
一般的に言われている広告料の基準が、家賃1か月分です。しかしこれは周囲の相場によって変わってきます。
例えば、誰もが住みたいと思う人気エリアなら、比較的容易に借主を見つけることができますね。そのため貸主は、高い広告料を払うことはないため、広告料の相場は少なくなるでしょう。
一方不人気エリアの場合は、仲介業者に一生懸命営業してもらわなければいけないため、広告料は高めに設定されます。
このように、広告料は周囲の相場によって変化しますが、基本的に家賃の1か月分というのが相場になっています。
4. 広告料は誰に払われているか
広告料は貸主から不動産仲介業者に支払われています。
貸主が管理会社の場合がほとんどなので、一般的には管理会社から不動産仲介業者に支払われるものという認識で問題ありません。
5. 広告料はグレーゾーン?
不動産仲介業者が間に入って、不動産の賃貸借契約を行う場合、不動産仲介業者は貸主、借主両方から仲介料を受け取っています。
その仲介料とは、借主からは仲介手数料として、貸主からは広告料として受け取るのが一般的となっています。実はこれ、黒に近いグレーゾーンだと言えます。
5-1. 広告料の本来の形式とは?
現在、不動産業界で一般的となっているのは、あらかじめ広告料を決めておいて、契約がまとまればその金額を支払うという形式です。
宅地建物取引業法では、広告の料金を受け取ることは禁止されています。そのため、広告料を請求した場合、宅地建物取引業法によって処分を受けることがあります。
しかし、広告料が受け取れるケースが1つだけあり、これを満たしている場合には処罰の対象とはなりません。そのケースとは以下の2つに当てはまる場合です。
・依頼主の依頼によって行う広告業務であること
・広告の料金に相当する額であること
そのため、広告料の本来あるべき姿とは、依頼主から依頼され実際に広告を行うにあたってかかった費用だということになります。
5-2. 広告料の現状とは?
不動産業界で一般的となっている広告料は、あらかじめ決められた広告料(家賃1か月分や家賃2か月分など)を契約が完了した際に支払われています。
これは、たとえ依頼主からの依頼であったとしても、適切な金額とは言えませんね。
実際に広告にかかった費用には、印刷代や人件費などが考えられます。これは、契約が決まったときにはじめてわかる金額であり、事前にわかるものではありません。
さらに家賃1か月分に偶然なるともいえません。現在は黙認されている状態ですが、いつ違法行為になってもおかしくないと言えるでしょう。
5-3. 広告料の有無は仲介手数料にも関係している
家探しをするときに、不動産仲介業者を利用して探す方は非常に多いでしょう。
そして、そのまま契約する事になれば、ほとんどの場合仲介手数料を支払うでしょう。
仲介手数料は、不動産仲介会社にとっては重要な収入源であり、仲介手数料を無料にすることはめったにありません。
しかし、数は少ないですが仲介手数料無料の物件もあります。
これは、貸主が借主の負担を軽減するために代わりに払ってくれている場合もありますが、広告料が設定されている物件である可能性が非常に高いです。
広告料だけで十分利益が出る場合は、このように仲介手数料を無料にして、早く借主を見つけるのが狙いです。
また広告料について知っておくのは、私たちにもメリットがあります。それは、仲介手数料を無料にする交渉の材料に使えるということです。
広告料が設定されている物件ならば、仲介手数料を無料にすることも難しくはないでしょう。そのため、広告料をネタに仲介手数料の交渉をする人もいます。
6. 不動産の広告料は払わなくてもいい
貸主は、不動産の広告料を支払わなければいけないというわけではありません。しかし現状、不動産仲介業者に自分の物件をより積極的に紹介してもらうために、広告料をたくさん払う貸主はたくさんいます。
ここからは、不動産の広告料を支払わずに借主を集める方法について考えていきます。
6-1. 広告料をたくさん払っても・・・
広告料をたくさん払ったからといって、それが確実に物件を借りてくれることにつながるかといえば、そうはいえません。
本当にいい物件ならば広告なしでも入居したい人は見つかりますし、いくら広告料を払っても入居しない物件もあります。
そのため、貸主は広告料に使うお金を違った使い方をすることで、より広告としての効果が高まるケースもあります。では、どのような方法があるのか、ここではいくつか紹介します。
6-2. 広告料でこんなことができる
自分で広告する
不動産業界では、広告料を払って不動産仲介業者に広告をしてもらうというのが一般的な考え方になっています。しかし、自分で広告をすることも十分にでき、固定観念に縛られることなく柔軟な発想が大切です。
例えば、広告料を6万円支払うとすれば、以下のようなことが6万円でできます。
・ネットでチラシの作成&ポストインを手配(約8000部)
・チラシの印刷&新聞折込依頼(約9000部)
・自主賃貸募集サイトで掲載(1か月20件まで掲載可能)
・バス、電車での車内広告
・近隣のスーパーでの広告掲載
このように、6万円でできることはたくさんあります。場合によってはこれらの広告の方が、効果が高い場合もあるため、自分で広告をするという発想も、貸主には必要です。
プレゼントや施設設備に使う
入居してくれたらこんな特典がありますよといった、入居者プレゼントの費用に充てることで、入居者を募ることも場合によっては効果があります。
また、長い目で見れば物件をきれいにする、室内の設備を新しくするといったことも効果があります。
入居者がなかなか集まらないというのは、広告だけの問題ではありません。
アクセスが悪いならば、自転車を設備に組み込んだりできますね。また部屋が汚い、設備が古いのならば新しいものに取り換える事もできます。
短期で見ればお金がかかりますし、広告料を支払ったほうがいいと考えるかもしれません。
しかし、物件が魅力的でなければいつ入居者が集まらなくなるかわかりません。そうなる前に、広告料を抑え、自分の物件を魅力的な物件にすることにお金を使ったほうが賢明だと言えます。
7. まとめ
いかがでしたか?
不動産の広告料について説明してきました。
不動産業界には、貸主が不動産仲介業者に支払う広告料というものがあり、現在の広告料システムは、従来の広告料システムから逸脱しており、いつ違法となっても不思議ではなありません。
広告料は必ず払わなければいけないわけではないので、貸主側は発想を転換して違うことにお金を使うことも考えてみてくださいね。