事例紹介
更地を所有している人にとって、土地を活用方法を考えるのは大変なことです。活用するならばなるべくリスクのない方法を選びたいものです。
今回の記事では、更地の有効活用する方法を紹介します。また更地を放置しておくことのデメリットや活用を始めるときに覚えておきたいことも紹介します。
この記事でわかること
1.更地になっている土地を有効活用する5つの方法
更地の活用方法として最も一般的なのが、賃貸マンションや賃貸アパートを建築するという方法です。しかし、大きな建物を建てれば莫大な費用もかかりますし、空室のリスクや建物の維持のリスクもあります。
そこで、建物を建築するのではなく、別の方法で更地を有効活用をするのをおすすめします。おもな有効活用として以下の方法があります。
1-1.駐車場
更地を駐車場として利用することの1番のメリットは、他の方法と比べて1番リスクが低いという点です。更地にロープなどを使って駐車スペースを区切れば、すぐにでも月極め駐車場として利用できます。
更地のスペースが狭い場合でも、1〜2台分の月極め駐車場として使えます。また更地のスペースが広い場合には、アスファルト舗装をしたり、時間貸しのコインパーキングにしたりして本格的な駐車場経営をすることも可能です。
駐車場の運営後に難しいと感じた場合でも、一カ月前に契約の通知をすれば、元の更地として戻すことができるというメリットもあります。
1-2.トランクルームの設置
更地をトランクルームとして利用することのメリットは、設置が簡単で手軽な費用で土地の有効活用ができるという点です。トランクルームの設置で必要なものは、物置のようなコンテナの購入と防犯カメラの購入のみです。
コンテナは一台当たり20〜30万円で購入できます。また防犯カメラも数台そろえておけば問題ありません。都心や住宅地が密集した地域では、趣味の物や夏場や冬場のシーズンしか使用しない物の置き場に困っている人も多いため、かなりの需要があります。
1-3.太陽光発電
更地を太陽光発電として利用することのメリットは、安定した収入を確保できることです。太陽光発電を行うために必要なものはソーラーパネルです。更地の広さにもよりますが、数百万円程度でソーラーパネルの購入と設置ができます。
太陽光発電で行う上で最も大事なことは、太陽の光です。そのため、太陽光発電を行う場合には、日照時間が長く、光を遮るものが周辺にない更地であることが条件になります。
1-4.自動販売機の設置
あまり広くない更地については、自動販売機としても活用できます。自動販売機のあ設置については、飲料メーカーに相談すれば、無料で自動販売機を貸し出ししてもらえます。また、商品の補充や空き缶の回収、代金の回収や釣り銭の補充などについてもメーカーにお任せできます。
年間当たりの利益は数万円から数十万円程度ですが、初期投資が全くかからず何もしなくても収入を得られます。また、数カ月様子を見て、利益が得られない場合には撤去できるため非常に手軽です。
1-5.事業用定期借地
事業用定期借地とは、居住用ではなくビジネスのために土地を貸すという方法です。全国にあるコンビニエンスストアやドラッグストアなどは事業用定期借地を利用して運営しています。
事業用定期借地の場合には、貸し出しの期限や、契約期間が終了したら元の更地の状態にして返すという条件が設けられています。そのため、土地を貸したら永久に帰ってこないというリスクはありませんし、土地を返してもらっても建物を解体しなければいけないというリスクもありません。
ただし、事業用定期借地として契約を結ぶ場合には、公正証書が必要です。そのため、検討するときには、まずは専門家に相談することをおすすめします。
2.更地を有効活用せずに所有するデメリットとは?
土地を更地として持ち続けると収益は出ないもののリスクもないので安心だと考える人もいます。しかし、更地については持っているだけでもリスクはあります。更地を有効活用せずに所有していることのデメリットとして以下のものがあります。
2-1.近隣トラブル
更地にしたからといって、いつまでもきれいな状態で保たれるとは限りません。更地は、雑草が生い茂ったり、一般のゴミや粗大ゴミなどが不法投棄されたりするという危険性があります。また犬の散歩コースとして利用されている場合には、糞などの放置によりクレームが入ることもあります。
また防犯上の観点からでも、更地を放置されるのを嫌がる近隣住民もいます。更地が原因で近隣住民とのトラブルを抱えないためにも更地の有効活用は大切です。
2-2.維持費用
近隣住民と揉めないために定期的な清掃や除草できますが、かなりの手間がかかってしまいます。更地が自宅から近い場合には、定期的に監視できますが、更地が自宅から離れたところにある場合には、更地の状態をチェックするだけでも交通費やガソリン代がかかります。
業者に草刈りや除草を依頼できますが、更地の草刈りの場合には、春と秋に1回、夏場には2回の草刈り作業が必要となり、それなりの費用もかかります。そのため、無駄な費用を減らすためにも更地の有効活用は大切です。
2-3.税金
更地を放置していることの1番のデメリットは税金です。更地の状態でも固定資産税や都市計画税は毎年かかります。特に固定資産税については、更地については建物がある土地に比べて数倍の税金がかかります。そのため、税金を回収するためにも更地を有効利用するのは大切です。
3.更地の有効活用の始め方
更地を有効活用する方法を紹介しましたが、全ての更地が有効活用できるとは限りません。更地の活用が難しい場合には、土地の売却方が良いこともあります。そのため、更地の有効活用を検討するときには以下の点を考慮に入れましょう。
3-1.法規制に問題はないか
更地が市街化区域にある場合には問題はありませんが、市街化調整区域の場合には、建物の建築ができないこともあります。そのため、事業用定期借地としての利用を望んでいても条件に合わないことがあります。
同じように更地の広さによっては、建物の大きさが限られてしまうこともあります。そのため、どのくらいの大きさの建物が建設可能なのかを確認する必要があります。
3-2.周辺の状況
手軽に有効活用するために更地を駐車場として利用すること検討しても、周りに住宅地がない場合には収益は望めません。同じように自動販売機の設置を考えていても人の通りがない地域では、わずかな収益しか望めません。そのため、更地の有効活用を検討するときには、どのような使用が1番収益が上がるのかを考えなければなりません。
周辺の状況を把握するためには、不動産会社やコインパーキングの業者や飲料メーカーなどの専門家に相談するのがベストです。相談するときには、1つの業者だけに相談するのではなく、いくつかの業者の話を聞きながら、自分に合った有効活用を選択することが重要です。
4.まとめ
更地を有効活用する方法として駐車場、トランクルームの設置、太陽光発電、自動販売機の設置や事業用定期借地などがあります。わずかな初期投資で始められるものもあれば、定期的に収入を得ることのできるものもあります。そのため、自分に合った有効活用を選択するようにしましょう。
ただし、更地によっては別の方法が有効なこともあります。住宅地の中に更地がある場合には、太陽光発電や事業用定期借地などの利用は難しくなります。一方で、周辺に住宅地が無い場合には、月極め駐車場やコンテナルームの設置などは難しくなります。
そのため、更地の活用を始めるときには、どの方法がリスクが低く、収益を上げることができるのかを慎重に検討する必要があります。そのためにも、有効活用を検討するときには、まずは不動産業者をはじめとした専門家に相談することが大切です。
更地にしたままにするのも一つの選択肢ではありますが、税金や管理費用などの出費、近隣の住民とのトラブルも考えられますので、可能ならば更地の有効活用を検討してください。