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2019年06月09日 更新

【土地活用事例】立地よし、土地の広さよし、それでもマンション建築を反対した事例

不動産というのは大きなお金が動きます。さらに、法律や税務、経営など複雑な要素が絡み合っており、素人が全てを理解するのは非常に難しいです。

そのため、自社の売り上げのためや自分の売り上げのために何もわからないお客さんにマンション建築を提案する人が少なくないのが現状です。

田んぼのど真ん中にアパートが建っている姿を見るのは非常に複雑な思いがします。だからこそ、信用できる専門家をパートナーとして選んでいただきたいと思います。私たちのスタンスとして「お客様を不幸にする建築はしない」というものがあります。

今回は、立地も土地の条件も非常によく、他社からたくさんの建築提案が来ていたにも関わらず、建築を反対したお客様の事例をご紹介します。

土地活用の内容、概要

このオーナーさんは東京にお住いでしたが、神戸市内の駅から徒歩5分のところに226坪(750平米)の広めの土地を持ったお客様でした。この相続で受け継いでいた土地を寝かすのももったいないからということで、土地活用を検討し始めたお客様でした。

大手建築会社から数件、マンションの提案を受けていましたが、オーナーさんがどこか引っかかる節があったようで、当社にセカンドオピニオンをご依頼いただきました。

こちらのオーナー様は30代後半の若い方だったので、相続対策というよりは、利回り重視の土地活用で、また遠方にお住いなのであまり手のかからない形をご希望でした。

大手企業のプランを拝見すれば、一般的な2LDKの賃貸マンションです。さらにその会社は賃貸マンションの管理も行なっている会社なので、そこに依頼をすれば、手をかけることなく管理もできそうでした。

どのようなご提案をしたか

当社だったら何を建築しますか?というご相談だったので、大阪に来られたタイミングで一緒に土地を見に行くことになりました。確かに駅も近く、土地の立地も良い。土地の形も非常に良かったため、何を建築しても問題なさそうな土地でした。

しかし実際に足を運んで1つだけ気になったことがありました。それは「異臭」です。

あまりにも不思議な匂いがするので、オーナーさんにお尋ねしました。「この匂いはなんですか?」と。

すると、どうやらことの土地は漁業市場が近く、魚の生臭い匂いが漂ってくる、とのことでした。それを聞いた瞬間「建てるのをやめましょう」とお伝えしました。

魚臭い、生臭い匂いのするところに住みたい人なんかいないでしょうし、実際営業マン自身も住みたくないと思いました。

そのことを単刀直入に伝えれば、オーナーさんもそう思われていたようで、「そうですよね」とお答えしました。

後々話を聞いてみたら、オーナーさんもそのことがずっと気になっていたようです。しかし大手はそのことには一切触れずに提案ばっかりしてくるので、「本当に大丈夫なのか」と不安だったとのことでした。

いくら土地の条件が良くても、その周辺にある設備によっては「住みたくない」と思われることは十分あります。

そこで土地活用をしても、やはりうまくいきません。駅からの距離や敷地の広さといった地図上からわかる情報だけで判断するのではなく、実際に足を運んで「ここに入居者が住みたいと思うか」という判断軸で見極めをすることが重要です。

建築は反対し続けたのですが、オーナーさんの強い希望で土地活用を実施することになりました。

マンションは難しいということで、比較的常に空調を回し続け、外出の回数も限られるサービス付き高齢者住宅だったら大丈夫だろうということで、建築を行いました。

相談、施工後の状況について(お客様はどんな効果を得ることができたか)

今はサービス付き高齢者住宅は問題なく稼働をしています。

高齢者住宅だったら、運営業者がつきますので、管理なども一切必要ありません。そのため、オーナーさんが遠方でも問題なく土地活用を実施することができます。

そして狙い通り、高齢者住宅ではそこまで匂いを気にすることなく、入居者さんも過ごせているようです。

もし、ここでマンションを建築していれば、入居者がつかずに家賃を下げるはめになったり、入居後のクレーム、悪評につながっていたかもしれません。そうすれば融資を受け損です。

駅が近くても、今回のように匂いが気になる土地だったり、好まれ難い施設(例えば、ゴミ処理所、火葬場、墓地、騒音のする工場など)の近くの土地はしっかりと検討する必要があります。