遺言書が無いと税務調査も一筋縄ではいかないケース【事例紹介】

当方主催のセミナーに参加して頂いたのが縁で、相続税の税務調査のスポット依頼がありました。

【事例の概要】

  1. 被相続人の亡夫Bの相続人:妻Aと11人の兄弟姉妹+代襲甥姪(よって相続人は12名)
  2. 妻以外の相続人11人の中に、権利主張の激しい相続人がいた(弁護士付き)
  3. 遺言書無し、基本的に法定相続割合で遺産分割
  4. 当初申告:課税価格7億5000万円、相続税6000万円(配偶者の税額軽減1億4000万円控除後)
  5. 当初申告時に反映されていないと指摘を受ける可能性がある名義預金(名義はAであるが、実態はBの財産)が有る。
  6. 名義預金の認定を受けた場合、その認定を受けたAの財産から他の相続人11人に対し法定相続分1/4を代償金として支払うことになるため、少しでも名義預金の認定を回避したいAと、名義預金が出てくればその分だけで受け取る代償金が増える11人の相続人との間で利害が一致しない。
  7. 当初申告を手掛けた税理士が亡くなっている

税務調査では案の定、名義預金が最大のポイントになり、最初1億円の指摘を受けました。

当方で、半分の5000万円につき、Aにはそれだけの財産を築くだけの不動産所得や給与所得が有り得たことを税務署に丁寧に主張し、その正当性を認めてもらう一方、どうしても説明がつかないBに帰属すべき不動産の売却代金5000万円がAの通帳に入金されていたことから、その点だけを修正論点として応じることになりました。

今回の難しいポイントは、法定相続人とはいえ生前交流の無かった多数の相続人が含まれていたことです。

税務署との折衝過程につき、弁護士を通してご説明した相続人もいました。

いたずらに引き伸ばしても実のある話でないことの理解を全相続人から得ることができ、無事修正申告を済ませることができました。

この税務調査がきっかけでAとの顧問契約に至りました。

【ポイント】

今回のケースのように遺言書が無いと、税務調査の事後対応も大変です。兄弟姉妹の中には代襲相続人である甥や姪も含まれており、遠方に入る方もいました。こうなると、遺産分割協議書や申告書の署名押印もひと苦労です。

また、連絡がついただけ幸いだったかもしれません。相続財産が多額であり、かつ、法定相続人が多数存在する場合には、予め遺言書を準備して頂くことで、配偶者等の近親者が助かります。

無料ebook|土地活用が気になり出したら最初に読む本

土地活用は相続対策に適していると言われていますが、実はそれ以上に「黒字経営」させることが重要です。

収益性を考えた時に重要になる、

・投資分析の視点
・市場分析の視点
・ファイナンスの視点
・財産継承の視点
・タックスプランニングの視点

という5つの視点の解説など、ブログでは公開できない土地活用のコツをお伝えいたします。