事例紹介
Category 不動産
2018年07月03日 更新
不動産の売却時に買取りを利用するメリット
不動産を売る方法として、仲介のイメージしかない方が多いと思います。例えば、家を売ろうと思ったら、不動産会社に声を掛けて査定額を出してもらい、媒介契約を結んで、買主を探してもらうというやり方です。インターネットで検索すると、このような方法で売り出されている物件を多く目にします。
例えば、『中古マンション』、『地名』、などで検索をすると、SUUMO(スーモ)、at home(アットホーム)、HOME’s(ホームズ)などの不動産を扱うポータルサイトの広告が出てきます。
しかし、不動産を売る際の方法としてもうひとつ買取りという方法があります。仲介に比べてあまりメジャーではないのですが、買取りにはメリットも多くあります。買取りが売却する時の第一候補とならないのは、仲介よりも安くなってしまうためです。誰でも少しでも高く売りたいと考えるのが当たり前ですので、買取りを第一候補にしないのは良くわかります。
ですが、買取りには仲介にはないたくさんのメリットがあります。また、買取りに適した不動産というのも存在しています。どのような物件が買取りに向いているのか、どのような時に買取りを選ぶと得をするのかについてお話しします。
この記事でわかること
1. 買取りの8つのメリット
買取りで不動産を売る場合のメリットについて説明していきます。
それぞれについて、後ほど詳しく説明していきますが、まずは簡単にどんなメリットがあるのか見てみましょう。細かく言えばもっとあると思いますが、大雑把に言って次の8つのメリットがあると思います。
・早く売るなら買取り(現金化が早い)
・相手のローンに左右されない
・離婚時の売却に向いている
・住み替えの計画がたてやすい
・煩わしい内覧が不要
・仲介手数料が不要
・瑕疵担保責任から解放される
・開発しないと売れないような土地を売りやすい
これらのメリットについて順に説明していきます。
2. 早く売るなら買取り(現金化が早い)
何と言っても一番のメリットは早く売れることだと思います。仲介で売る場合には、
査定 ⇒ 不動産会社の選定 ⇒ 不動産会社との媒介契約 ⇒ 売り出し ⇒ 内覧 ⇒ 買主との交渉 ⇒ 買主との売買契約 ⇒ 買主のローン審査 ⇒ 引渡し
というような流れで進んでいきます。不動産会社を探して査定を依頼するところから、引渡しまで早くても3ヶ月は掛かります。
これが買取りの場合ですと、交渉は不動産会社だけになり、あなたと不動産会社の双方が金額の合意に達すれば良いだけですので、早ければ2週間くらいで売却・引渡しまで完了します。
2週間と早くても3ヶ月の違いは大きいと思います。すぐに買手が現れなければ、3ヶ月が半年、1年と伸びる可能性もあります。2週間後に入る現金と1年後に入る現金の価値を比べて考える必要があります。
仮に投資の資金する予定であれば、1年間の運用でいくらのプラスになっているかも考慮すべきです。もっとも運用の結果がプラスになるとは限りませんが、それは1年後に始めた場合でも同じだと思います。
投資は別にしても、買い替えを考えている時にも早く現金化できることはメリットとなります。買い替えの場合については、後ほど、住み替えのところでご説明いたします。
3. 相手のローンに左右されない
通常、不動産を購入する時は、金融機関からお金を借りてローンを組むのが一般的な方法です。不動産は高額なので、現金払いで購入するケースは少ないからです。ローンを組む時には、金融機関がお金を貸すかどうかの審査をするのですが、その審査には売買契約書が必要となります。このため、ローン特約というローンが組めなかったら、契約を無条件で白紙撤回するという内容をいれた契約をします。
このため、せっかく売買契約まで進んでも、その後でキャンセルされてしまう可能性がゼロではありません。もちろん、相手の資金繰りなどを事前に確認しておくことで、キャンセルになる可能性は下げることができるのですが、問題はそれだけではありません。
ローンの審査に2~3週間の期間が必要なのです。このため、売買契約が完了しても本当に売れるのか心配をする日々が続きます。すべて相手任せとなってしまって、自分で出来ることがない状態というのは嫌なものです。
不動産会社に査定の依頼をするところから、売買の決済が終わって登記が完了するまで、早い時でも3ヶ月くらいは必要です。解約されることへの不安がなくなり、時間も短縮できるメリットはとても大きいと思います。
4. 離婚時の売却に向いている
離婚の時には、夫婦の関係がこじれていることが多いので、内覧など立ち合いが上手くいかなかったり、買主との交渉にも支障がでるケースが多いです。特に夫婦でそれぞれの持分が登記されている場合は面倒なことになります。
仲介の場合ですと、売買契約を結ぶ際や最終決済の際にも持ち主が立ち会わないとなりません。これが離婚で関係がこじれていると、上手くいかないことが多いです。相手を困らせるためだけに、非協力的な態度にでる元配偶者も少なくありません。当然、買主にも迷惑をかけてしまうことになります。
しかし、買取りの場合ですと、不動産会社次第ではありますが、全員が顔を合わせるのは1度だけも大丈夫です。これだけでも、すごく進めやすくなりストレスが減ります。
また、買主が新婚の場合やこれから挙式をする場合など、離婚者が住んでいたマンションということで敬遠されるケースがありますが、買取りなら売主は不動産会社になりますので、そのような理由で売れないということも無くなります。
5. 住み替えの計画がたてやすい
一番最初のところでお話したように、買取りでは売れるまでの時間が短いというメリットがあります。住み替えの場合には、売ったお金を頭金などとして次の物件を買うことになります。
いつになったら売れるのかわからない状態ですと、次の物件を買うことができません。また、売却金額がはっきりするまでは、いくらの物件まで買っても大丈夫なのか見極めをするのがとても難しいです。
このような問題が解消できるため、買取りは住み替えや買い替えの際にとても有効な方法といえます。
6. 煩わしい内覧が不要
仲介で売りに出す場合には、買主の候補の方に物件を見てもらう必要があります。土地だけや空き家の場合には、不動産会社にお願いしておけば良いので、問題ありませんが、現在住んでいる家を売却する際には、わざわざ予定を合わせて家にいる必要があります。
予定が合わなければ、家を見てもらうことはできず、そうなると家を売ることはできません。家を見に来ただけで買う気もないのに、横柄な態度をとる人がいたり、家を売る理由を興味本位で根掘り葉掘り聞くような失礼な人もいます。
頻繫にあることではありませんが、勝手に家の中のものを触られて壊されることもあります。そのようなストレスがあることを考えると、内覧をしないで済むメリットはとても大きいでしょう。
7. 仲介手数料が不要
仲介で不動産を売る場合には、不動産会社に対して仲介手数料を支払わなければなりません。仲介手数料は法律で上限が決まっていますが、それでも少ない金額ではありません。
仲介手数料は、売買契約金額に対するパーセントで決まっているため、高額の物件ほど、手数料は高くなります。
仮に3000万円で売却したとすると、仲介手数料は消費税8%を含めると、1,036,800円にもなります。そのような高額の出費がなくなることも買取りのメリットだといえます。もっとも、それ以上に売却金額が安くなる可能性が高いので、他のメリットと併せて検討する必要があります。
仲介手数料についてはこちらのページで詳しく説明していますので参考にしてください。
http://tochikatsu.site/tyukaitesuryou/
8. 瑕疵担保責任から解放される
家を売る場合には、それが一戸建てでもマンションでも買主に対して保証をしなければなりません。これは、民法で問題のないものを売ることと決められているからです。瑕疵というのは簡単に言うと不具合や問題のことです。
家やマンションなどの場合は、外見上はまったく問題ないように見えても見えない部分には問題があることがあります。雨漏りや白アリなどの問題が引き渡し後に発見されることがあります。もちろん、売主も知らなかった場合でも、買主からするとそれを知っていたら買わなかったとなります。買ったとしても、同じ値段では買わないで、不具合の修正費用分安くすることを求めるはずです。
このような問題が起きた時のために、売主には不具合が発見された時には責任を持って対処しなければならないと法律で決まっているのです。契約の時に責任を負う期間を短くしたり、まったく責任を負わない免責とすることもできない訳ではありませんが、通常は2~3年間は責任を負うことが多いです。
古い家ほど、目に見えない不具合が潜んでいる可能性が高いので、この期間は落ち着かないことになります。しかし、買取りの場合は購入した不動産会社がすべての責任を引き受けることになりますので、引き渡し後に何らかの不具合が見つかったとしても基本的に責任を負う必要はなくなります
。この安心感はお金では買えないものですので、例え売却金額が下がったとしても買取りの方が良いかもしれません。特に古い家を売る場合ほど、メリットが大きくなると思います。
9. 開発しないと売れないような土地を売りやすい
土地の面積が広い場合や、林になっている場合など、そのままでは買い手が付きにくい土地があります。郊外にショッピングモールができる場合をイメージして頂くとわかりやすいかもしれません。
ショッピングモールなどの大規模な開発の場合は、デベロッパーなどが入るので、個人でどうのこうのはあまりありませんが、もっと小さい規模の開発となる場合は、仲介で買主を探すよりも、不動産開発業者などに買い取ってもらう方が簡単で良い場合が多いです。
10. まとめ
一般的に売却価格が低くなると敬遠されがちな不動産買取りですが、このようにたくさんのメリットがあります。最初にお話をした例のように、売却して得た現金を運用しようと考えている場合は、運用で得られる利益まで考慮するべきだと思います。
それ以外にも、早く売れることによるメリットはたくさんあります。状況によって変わりますので一概には言えませんが、買取りの場合は、仲介で売却する場合と比べて2~3割安くなると言われています。
3割安くなったとしても、それ以上のメリットがあるかどうかを、じっくりと検討して決めると良いでしょう。