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Category  不動産

2018年07月03日 更新

不動産一括査定サイトを利用する際の注意点

不動産一括査定サイトとは、インターネット上で複数の不動産会社に一括で査定を依頼できるサイトのことです。通常、複数の不動産会社に査定を依頼するのはとても大変で手間がかかります。そこで、インターネットを通して簡単に一括で査定を依頼できる仕組みが作られました。

しかし、実際はまだまだ不動産一括査定サイトを使ったことがない、利用するのが不安という人も多いと聞きます。そこで今回は、不動産一括査定サイトを利用する際の注意点についてまとめました。不動産一括査定サイトを利用するメリット・デメリットとともに、上手く利用する方法について考えていきましょう。

1. 不動産一括査定サイトのメリット

不動産一括査定サイトには、簡単に複数の業者を比較したり、見積りの依頼をすることができるため、査定額を比較して業者を選びやすくなるなどのメリットがあります。一括査定サイトを利用するとどのようなメリットがあるのかについて確認をしていきましょう。

 

1-1. 簡単に複数の業者に依頼ができる

通常、複数の不動産会社に査定を依頼するとなると、依頼する不動産会社を探し、1社ずつ連絡をして依頼内容を伝えなければなりません。店舗へ直接足を運んで手続きをしなければならないこともあり、多くの不動産会社に依頼しようとするほど、手間がかかり大変になります。

一方、一括査定サイトを利用すると、サイト上で不動産の情報を入力するだけで、複数の不動産会社への査定依頼ができます。不動産会社を探す手間もかからず、1度の依頼で複数社に査定してもらえるので、1社ずつ依頼するときと比較すると、かなり手間が省けます。

この依頼の手軽さが、一括査定サイトを利用する最大のメリットとも言えます。

1-2. 複数の業者の比較が簡単

一括査定サイトを利用して査定依頼をすると、業者の比較もしやすくなります。
同じタイミングで依頼しているので、対応の早さや丁寧さは比べ安いです。また、依頼している同じ条件も変わらないので、最初に入力した情報のみで判断したのか、周辺の物件の売却状況などを参考にしているのか、追加で質問がありそれをふまえているのか、査定額の出し方も簡単に比べることができます。
中には、査定結果にアドバイスをくれるサイトもあり、初めての人でもわかりやすいようなサービスもあります。

 

1-2-1. 査定額を比較することで相場がわかる

一括査定サイトに限ったことではありませんが、複数の不動産会社に査定をしてもらい、査定額を比較することで、売却予定の不動産の相場がわかるようになります。

不動産会社の中には、極端な査定額を提示してくるところもあります。複数の査定額を比較することで、高すぎたり低すぎたりする査定額を排除することができ、自分の物件の相場がどれくらいかを把握することができます。

 

1-2-2. 自分の物件にあった業者を見つけやすい

不動産会社には、売買が得意なところ、賃貸が得意なところ、戸建てが得意なところ、マンションが得意なところなどがあり、会社によって得意分野が異なります。一括査定サイトも同様に、住宅の売買が多いサイト、マンションの売買が多いサイトなど、特化している不動産の種類が異なります。

自分の物件にあった業者を見つけるためには、同じような物件の取り扱いが多いサイトを利用した方が、その物件を得意とする不動産会社も見つけやすいです。幅広い物件を取り扱っているサイトの中には、得意としている不動産会社を優先的に紹介するような仕組みを設けているところもあり、自分の物件にあった不動産会社を見つけやすくなっています。

 

1-3. 無料で使える

このように、複数の不動産会社へ査定ができる不動産一括査定サイトですが、無料で査定してもらえるという点も大きなメリットです。査定を依頼する不動産会社の数が増えたとしても、料金はかからないというところも多く、時間的な手軽さに加え、料金的な手軽さも魅力となっています。

 

2. 不動産一括査定サイトのデメリット

次に、一括査定サイトを利用するデメリットを確認しましょう。実際に利用する際には、以下のデメリットを把握しておくことが大切です。

 

2-1. サイトに登録している業者以外の情報はない

一括査定サイトでは、サイトに登録している不動産会社の中から選んで査定を依頼することになります。つまり、サイトに登録していない不動産会社は、一括査定の対象にはなりません。

サイトの運営会社によって、契約を結んでいる不動産会社が異なるので、サイト内で掲載されている不動産会社も異なります。一括査定サイトを利用したからといって、日本全国全ての不動産会社から一括査定をしてもらえる訳ではありません。

査定を依頼したい不動産会社の候補が決まっている場合は、一括査定サイトを利用せず、直接査定の依頼をしてみるのもひとつの方法です。候補の不動産会社全てに直接依頼することよりも、一括で査定できるサイトを探すことの方が大変という場合もあります。

 

2-2. 業者の良し悪しとは無関係

一括査定サイトを利用したからと言って、良い不動産会社を見つけることができるとは限りません。

一括査定サイトを運営している会社は、サイト上に不動産会社を掲載し、一括査定のサービスを利用する顧客と不動産会社とを繋げることで、不動産会社から掲載料や紹介料、契約が成立した場合の成功報酬をもらって利益を上げています。たくさんの不動産会社を掲載できれば、顧客も集めやすくなり、不動産会社からの掲載料や紹介料を増やすことができます。

そのため、とにかくたくさんの不動産会社と契約を結ぼうと、登録する不動産会社についてきちんと確認もせずに掲載しているサイトもあります。このようなサイトを利用してしまうと、悪徳業者を利用してしまう可能性があり、とても危険です。

一括査定サイト上で不動産会社の良し悪しを判断するためには、サイトの運営会社が、どのような基準で不動産会社を選んでいるのかを確認する必要があります。この基準は、サイトの運営会社によって、大きく差が出るポイントです。

利益を優先しているようなサイトの運営会社であれば、できるだけたくさんの不動産会社を掲載するために、特に基準を設けずに手あたり次第掲載している可能性があります。一方で、独自の基準を設けて、それを満たしている不動産会社だけを扱っている良心的なサイトもあります。

中には、基準を設けているけれど公表していないサイトもあります。悪い不動産会社を選ばないためには、きちんと基準が設けてあるサイトの方が安心して利用できます。もちろん、自分自身で不動産会社について調べることも大切です。

 

2-3. 匿名での申し込みができない

一括査定サイトでの査定の申し込みには、名前や住所、電話番号、メールアドレスなど、物件以外の情報も必要になります。インターネットでの問い合わせは不安で、個人情報は入力したくないと思っても、匿名では利用できません。

物件の情報も、事細かに記載しなければなりません。ほとんどのサイトが、簡単さをアピールしているので、多くの人が、建物の種類や住所、間取りくらいの入力をイメージしてしまいます。

しかし、実際に申し込みをする際には、築年数やリフォームの有無、物件を所有したきっかけ、査定を依頼する理由など、様々な情報の入力が必要です。

手軽だからとたくさんの不動産会社に査定依頼をすると、結果的には利用しない、たくさんの不動産会社に個人情報を教えることになります。悪い不動産会社がいれば、入力した情報を悪用される可能性もあるので、慎重に検討しなければなりません。

 

2-4. すぐには概算価格もわからない

多くの方が、必要情報を入力して査定依頼をするとすぐに、インターネット上で査定額が表示されるようなイメージを持っています。しかし、実際は必要事項を入力し査定依頼をして、各不動産会社からの連絡を待つという形になっています。

つまり、その場ですぐには査定額も概算価格も分からないということです。不動産の価格は、売却する時期や周辺の状況など様々なことに影響されます。きちんとした価格を出そうとするほど、人の手が必要になり、時間もかかってしまうのです。

一括査定サイトは、一括で査定を「依頼する」サイトであり、査定額がすぐにわかるものではないということを理解しておきましょう。

 

2-5. たくさんの電話がかかってくる

査定依頼をした物件が、そのとき人気のものや、とても魅力的なものであった場合、不動産会社からたくさん電話がかかってくる可能性があります。

良い物件であればあるほど、不動産会社はできるだけ早く依頼者に連絡をし、他の不動産会社より先に契約を結びたいと考えます。そもそも不動産会社は、物件を扱えるようになってはじめて利益に繋がる働きができるようになるので、高い利益が見込める良い物件は、できるだけ早く契約をとろうと、積極的に働きかけてくる不動産会社が多くなります。

サイトによっては、不動産会社からの連絡方法を選択できるところもあります。しかし、それを無視して連絡してくる不動産会社がいないとは言い切れないので、良い物件を査定依頼する場合は注意しておきましょう。

 

3. 不動産一括査定サイトの注意点

最後に、一括査定サイトを利用する際の注意点を確認していきます。メリットやデメリットをふまえ、どのように使うと良いのか考えていきましょう。

 

3-1. 紹介の順番と良い業者とは関連がない

サイト上で、登録している不動産会社の中で、特におすすめの不動産会社を紹介しているサイトもあります。この紹介順ですが、良い不動産会社や人気の不動産会社を上位に表示している訳ではありません。

一括査定サイトの運営会社は、掲載料や紹介料、サイトを通して契約が成立したらその一部を受け取るなどして利益を得ています。つまり、掲載料を高く支払ってくれる不動産会社や、成功報酬の割合が高い不動産会社を利用してくれる人が増えれば、自分たちの利益も増えるということです。

そのため、紹介の順番は、運営会社にメリットのある会社が上位に表示されるようになっています。おすすめとして紹介されている不動産会社は、依頼者にとって必ずしも良い不動産会社とは限らないのです。

 

3-2. たくさん依頼すると対応が大変

簡単に査定ができるからといって、たくさんの不動産会社に依頼をすると、その後の対応が大変になります。

不動産会社によっては、最初に受け取った物件情報以外の情報を求めてくるところもあります。より正確な査定額を出そうとすると、実際に物件の状態を見る必要があり、各不動産会社の担当者とのスケジュールの調整も必要になります。査定結果を受け取ってからも、内容の比較を行わなければならず、依頼しないところへの断りの連絡など、単純に数が増えると大変になることも多いです。

簡単に依頼ができてしまう分、先のことも見据えて依頼するようにしましょう。

 

3-3. ランキングに惑わされないようにする

不動産一括査定サイトと検索をすると、たくさんのサイトが見つかります。どのサイトを利用しようか悩んでいるときに、一括査定サイトのおすすめランキングをまとめたページを見て参考にする人も多いと思います。

このとき、注意しなければならないことは、ランキングに惑わされないようにすることです。不動産に関わるものは、大勢が良いと評価しているものが、自分にも良いとは限りません。

ランキング上位にある一括査定サイトを使ってみても、自分の物件の地域では1社しか査定依頼ができなかったということもよくあります。知名度を上げるために、サイトの運営会社が作成したランキングの可能性もありますし、何を基準に順位がつけてあるか分からないものも多いです。

オプションサービスやトラブル対応などについて参考にできる部分もありますが、ランキングの順位が全てではありません。あくまでも一括査定サイトを選ぶ際の参考程度と考えておきましょう。

 

3-4. 口コミは基本的に参考にしない

一括査定サイトの口コミは、基本的には参考にしてはいけません。

インターネット上の口コミは、良い評価のものだけを残し、都合の悪い口コミは削除している可能性もあります。また、口コミ数が少ないものは、サイトの運営会社が作成した偽の口コミの可能性もあります。しかし、悪い口コミも見つかるところ、口コミの数が多いところが良いとも言い切れません。

このようにネット上の口コミは、信ぴょう性に欠けるものが多いです。基本的には参考にしない方が良いでしょう。

 

3-5. 簡易査定と訪問査定を使いわける

不動産の査定方法には、簡易査定(机上査定)と訪問査定とがあります。

簡易査定とは、提出した物件の情報だけで査定する方法です。比較的すぐに査定結果が分かりますが、細かな情報が確認できていないので、実際の価格や他の不動産会社の査定額とも差が出やすくなっています。

訪問査定とは、不動産会社の担当者が物件を直接確認し、物件の状態や周辺の状況など様々なことを考慮して査定する方法です。価格を出すまでに時間がかかり、複数の不動産会社へ依頼するとそれぞれ対応する手間もかかってしまいますが、より正確な査定額を知ることができます。

一括査定サイトを利用する際には、この簡易査定と訪問査定が選べるようになっているところが多いです。どちらの方法で査定するかは、査定を依頼する目的に応じて使いわけることが大切です。

とりあえず手持ちの不動産の価値を知りたい、査定額次第で売却するかを判断したいという場合は、すぐに結果がわかる簡易査定を利用しましょう。依頼する不動産会社の数が少ないと、査定額に差が出てしまい、どれが相場か分からなくなることもあるので、4~6社ほど依頼をすると良いでしょう。スケジュール調整や訪問時の対応がいらないので、依頼数を増やしても訪問査定ほど手間は増えません。

売却を依頼する不動産会社を選びたいという場合は、訪問査定を利用しましょう。実際に契約を結ぶことになるので、より正確な査定結果を得られる方が良いです。電話や訪問時の対応などで、担当者との相性も確かめられるので、依頼先を判断する際の良い材料にもなります。

 

3-6. 査定額と売却価格は違う

一括査定サイトを利用する際に最も気を付けておかなければならないことは、査定額と売却価格は違うということです。

一括査定サイトを利用しての依頼は、複数社への依頼が当たり前なので、不動産会社に競争意識が芽生えやすい環境です。そのため、高い査定額を示して取り込みを図る不動産会社もいます。全ての不動産会社の査定額が高く見積もられていると決めつけることはできませんが、競争意識も働き、高めに設定されていることが多いです。

実際の不動産の売却には、そのときの経済状況や不動産会社の仲介力などが影響してきます。高い査定結果を出す不動産会社が、高い価格で売る力があるという訳ではありません。査定額と売却価格は同じものではないと考えておきましょう。

 

3-7. サイトによって強みが違う

一括査定サイトにも、サイトによって強みが異なります。

大きな特徴としては、登録している不動産会社の違いがあります。大手の不動産会社が多いサイトは、大手の安心感が強みですし、小さな不動産会社も登録しているサイトは地域に根差していることが強みになります。規模に関わらず、たくさんの不動産会社が登録していることが強みのサイトもあります。住宅の売却やマンションの売却など、特定の不動産の売却に強い不動産会社を集めたサイトもあります。

また、利用者向けのサービスにも力を入れているサイトもあり、不動産会社選びや定額の比較のやり方などの相談にのるサービスを設けているところもあります。

 

4. まとめ

不動産一括査定サイトの利用には、手軽さという大きなメリットもあれば、不安が残るデメリットもあることが分かりました。

不動産という大きな財産を扱う関係で、デメリットばかりが気になってしまいますが、サービス自体はとても便利なものです。不動産一括査定サイトを上手く活用していくためには、デメリットや注意点をきちんと把握しておくことが重要です。