相続で空き家を売却する時に注意すべき税金のポイント

現在空き家が増加傾向にあり、売却時や相続時について弁護士などに相談するケースも増えています。親の死後などで空き家になった物件を管理するのが大変となり、相続時に放棄したり売却を選択する人も増えています。しかし売却時などで様々な税金がかかってしまうので、正しく理解しておかないと損をしてしまうこともあります。また税金の種類によっては特例によって、減額してもらえるケースも出てきます。

あらかじめ弁護士などに相談する前に、空き家に関する税金の種類や計算方法などを理解しておくといいでしょう。

1.相続した空き家を売却したときに課せられる税金

大きく分けて3種類の税金が、相続で空き家を売却する際にかかってしまいます。それぞれ種類が異なるので、内容をしっかり把握しておくようにしましょう。

1-1.譲渡所得税

主に不動産を売却した時に生じる税金で、必ず納付しなければならない税金となっています。譲渡所得は他の所得と分けて計算していき、所得税や住民税の課税が行われます。もしも譲渡所得がマイナスになると、課税はされません。分離課税の税率となりますが、ポイントとして対象の空き家の使用用途や所有期間で、大きく税率が変わるので注意しなければなりません。納付は確定申告で行うので、手続きに注意が必要です。

1-2.住民税

住んでいる地域によって相場が異なる税金で、周辺の環境などで大きく変わっていきます。主に行政における一般経費を調達するために徴収され、給与明細などで確認することができます。毎月の給料より社会保険料などと一緒に引かれますが、徴収される税額は前年所得から算出されます。一般的に毎年6月より徴収が開始され、道府県民税と市町村民税を総称して住民税という括りにしています。さらに近年復興特別所得税が住民税に加わるようになり、増額するケースもあるので注意しなければなりません。

1-3.復興特別所得税

2011年に発生した東日本大震災によって制定された税金で、被災地の復興に関して徴収されます。政府によって復興期間が2020年までに約32兆円の予算が計上されています。その財源確保に対して徴収されるのが復興特別所得税で、特別措置法によって制定されました。復興特別所得税は空き家の売却でも発生しますが、通常の所得税と異なる扱いをします。注意すべきポイントとして所得税と分けて課税されるため、支払う際には注意しなければなりません。加算される金額は道府県民税で1000円、市町村民税で3000円となります。

2.相続した空き家を売却するときに受けられる特例

空き家の相続を行う時に、様々な税金で特例を受けることができます。ポイントをしっかりと把握することによって、時には予定以上に特例を受けられるようになるので、情報を事前に把握しておくようにしましょう。

2-1.譲渡所得税の3,000万円特別控除

譲渡所得税に関して空き家を売却した時に要件を満たすことによって控除を受けることができますが、物件の所有期間も関連するケースがあります。要件を満たすと最高で3000万円、譲渡所得税の特別控除を受けられるので、手続きなども把握しておくようにしましょう。

まず特例を受ける際の要件をみていくと、大別して3つの要件を満たさなければなりません。まず自分が住んでいた不動産であることが条件で、他者が生活していた不動産は当然ながら対象となりません。次に買手と売手の関係をみていくと、特別な間柄でないことが条件です。親子や夫婦などといった間柄は、特別な間柄ではないので相続では条件をクリアしています。最後に空き家を売却した年から遡っていき、少なくとも2年は譲渡損失などの特例を対象者が受けていないことが必要です。他にも要件を設定していることがあるので、事前に確認をしておくようにしましょう。

計算方法は特別控除の特例を行う場合には課税譲渡所得から3000万円を引き、そこへ譲渡所得税の税率を乗じて算出します。課税譲渡所得は短期と長期いずれも該当するので、金額はあらかじめ確認をしておくようにしましょう。例えば所有期間が6年、3500万円の長期課税譲渡所得から特別控除の受けた時、譲渡所得税の税率が20パーセントならば100万円になります。

もしも所有期間が10年以上となった場合は、軽減税率の特例を受けることも可能です。これは3000万円の特別控除と併せて利用することができるので、空き家の所有年数を確認しておくようにしましょう。特例を受けるためには空き家の所有年数が10年以上である以外には、特にありません。計算方法をみていくと金額によって異なり、課税長期譲渡所得金額が6000万円以上になるかで変化します。例えば課税長期譲渡所得金額の合計が6000万円以下となった時には、課税長期譲渡所得に税率の10パーセントを乗じた金額になります。もしも6000万円以上の課税長期譲渡所得金額となった時には、税率が15パーセントとなります。

最後に注意したいのが買換えで、特例を受けることができません。適用要件を満たした状態で譲渡所得税を算出することになりますが、3000万円の特別控除の特例や所有期間10年以上の軽減税率の特例を利用することができないので注意しましょう。

2-2.相続税の取得費加算の特例

空き家も立派な相続に関する財産で、相続した時に相続税の申告期限より3年以内に売却すると、支払った税額から一定額を加算させることができます。そもそも取得費というのは概算と実額があり、それぞれ取得費の計算方法があります。

税額計算の対象となるのは、いずれかの大きい方が対象となります。概算の場合は譲渡収入金額の5パーセント、実額で計算する時には購入や建築、さらに他の手続きなどで生じた金額から減価償却費を減額して算出した金額となっています。減価償却費用は定額法と定率法の2種類ありますが、普通は定額法によって算出されます。

取得費に算入できる費用と除外される費用があるので、事前に把握しておかなければなりません。不動産登記に関する費用や株券の名義書換料、さらに贈与で支出した費用などは参入することができます。しかし遺産分割の時に弁護士に支払った費用は、除外となるので注意しなければなりません。この特例は一定期間内に売却することができない時には、空き家を一度同族間で売却しなければなりません。

売却先に関しては要件が特にありませんので、譲渡は同族関係者もしくは同族会社であろうと問題ありません。また売却資金について、使用用途も制限が特にありません。よって決められた期限までの間で売却をするのあれば、相続税に関する納税資金を全く使わなくて問題ありません。あくまでも現在制定されている特例なので、使用する時になくなっている可能性もあります。とりわけ土地や建物に関する相続を行う地主ならば、空き家の相続で影響を与えることがあるため動向はチェックしておきましょう。

3.相続した空き家を売却した時に課せられる税金の計算方法

売却は空き家における活用方法で、選択する人は非常に多いです。そのため売却時の税金も検討しなければならず、不動産も空き家と一緒に売却する際には色々な費用が出てきます。売却額が取得費や譲渡所得以上になると利益が出てきますが、譲渡所得には住民税と譲渡所得税、復興特別所得税がかかります。

税金の計算方法は譲渡収入金額から取得費と譲渡費用の合計額を差し引き、そこに定められた税率を乗じて算出します。

譲渡収入金額というのは不動産売却時の代金で、空き家以外に売却をするものがあった場合は、固定資産税や都市計画税も精算を行います。これも譲渡収入金額に含まれるので、計算する時には注意しなければなりません。取得費は特例の計算と同じように、不動産を購入した時の金額や仲介手数料などが対象となります。なお空き家の減価償却費について、計算時に差し引かなければなりません。最後に譲渡費用は空き家売却時にかかった費用が対象となっており、不動産会社に対して仲介手数料などを払う際に使用した印紙にかかる代金などが対象となります。

税率は譲渡所得税ならば、所有期間によって異なっていきます。5年以上になると空き家を売却する時には譲渡所得に関する税率は15パーセントとなります。一方5年未満になると、税率が倍の30パーセントになるので注意しなければなりません。住民税も5年未満だと、9パーセントとなるので高額になるので注意が必要です。

4.相続した空き家の売却に課せられる税金の注意点

もしも空き家を売却する時には、親など別の親族などが所有していた期間も含まれるので注意しなければなりません。相続直後に空き家をもしも売却した時に、親が不動産を5年以上所有していないと、税率は長期譲渡所得が適用されないので、あらかじめ売却する時には調べておく必要があります。

もしも長期長期譲渡所得と短期譲渡所得の所得税や住民税は倍近く異なるので、金額も大きく変わります。また不動産取得費は実際に支払っている金額で差が生まれますが、色々と手続きを行うと取得費が全く分からなくなるというケースも決して少なくありません。こうなると取得費の計算方法として、空き家の売却価格の5パーセントで計算して構わないルールとなります。

例えば1000万円で空き家を売却しようとする時、不動産に関する取得原価が50万円となります。全く売却経費が無い時には、課税対象額は950万円となります。とりわけ相続時に実家を売ろうとする時に、事前に親が購入した時に作成した契約書類などが不明になるケースも多いです。こうなると想定外の税金を支払わなければならない状況になってしまうこともあります。注意すべきポイントとして、相続を行う前に空き家の重要書類について置き場所を把握しておきましょう。

また取得費の立証も必要で、例えば契約書で取引に関する価格などを証明できなければ意味がありません。しかし書類が全く存在していないと、取得費が絶対に認可されないことはありません。事前に相談を行いながら、取得費として立証できるかどうか把握しておきましょう。売買代金を支払う時に生じた振込に関する記録だけでなく、空き家に関する住宅ローンの書類、さらに銀行が設定した抵当権といった情報が記された書類を事前に用意しておきましょう。これで取得費として、計算時に認められることもあります。

もしも売却で損失が出てきた時には、繰越控除や損益通算などの特例を一定の要件をクリアすれば利用可能です。特例は色々とメリットがありますが、特に売却した時に他の所得と損益通算を行うと税金も安くなります。また損失の控除をその年度に行えなかった時には、譲渡した年より最大3年間繰り越していくことが可能です。

5. まとめ

色々な相続に関して税金が課せられますが、所得税と分けて考える税金も少なくありません。これは空き家を売却する時にも影響を与えるので、しっかりと勉強しておきましょう。また一部の税金について、特例を受けることもできます。

手続きなどで大幅に減額することもできるので、事前に適用される要件などを満たしているかチェックしておきましょう。そして空き家の売却では損をすることもあるので、査定をしっかりと行ってもらうようにしましょう。金額によって税額の変化もあるので、所有年数と併せてチェックすることが必要です。

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