誰も住まない空き家の固定資産税。滞納するとどうなるの?!

不動産を所有していると払わなければならない固定資産税。

しかし1つ気になるのが、現時点で誰も住んでいない「空き家」の固定資産税。

この場合一体誰が固定資産税を支払うべきか、そして延滞するとどうなってしまうのでしょうか?

1. 空き家の固定資産税を滞納するとどうなるか

まずは固定資産税の基本について、今一度確認しておきましょう。

固定資産税とは、不動産の所有者が市町村に対して収めなければならない税金のこと。毎年の年初め、つまり1月1日時点で固定資産税台帳に登録されている人が原則として支払うことになっています。

納付は1年を4期に分割して支払う事になり、期日は各市町村が定めます。もし課税評価額が2~30万円など低い場合は課税されないケースもあります。

ちなみに、もし仮に年度途中に売却などで不動産を手放しても、課税は1月1日時点という原則に従ってその年度中は元の所有者が支払わなければなりません。注意しておきましょう。

ここからはいよいよ、空き家の固定資産税の扱いについてです。

まずは当然の話ですが、不動産を所有している限り必ず誰かが支払わなければなりません。

空き家の相続人が決まっていて相続登記(名義を変更して不動産を引き継ぐ処理)が完了している場合はもちろんその相続人が支払うことになります。

このルールは自然なのですが、問題なのはまだ不動産の名義が変更されていない場合です。

実はこの場合も、相続人が支払うことになります。つまり、まだその不動産の所有者となる手続きを行っていなくても、相続人に課税がなされるのです。不動産が一時的にぶら下がっても、税金がぶら下がる事はありません。

ちなみに「自分は相続人なのに納付書が届かない!」といった場合がありますが、これは相続人が複数いる時には特定の誰かに送られる事になる事になるからです。

逆に、予定外に自分の所に納付書が送られてきた場合は要注意です。本来支払うべき相続人が固定資産税を滞納している可能性がありますので、すぐに照合しましょう。税金がたらい回しになっている事があります。

いずれにせよこの固定資産税を払わずに放っておくと、然るべき処置が順を追って行われることになります。

 

1-1. 延滞金が発生

たとえ空き家でも固定資産税を滞納していると、もちろん延滞金が発生します。

相続人の元に送られる納付通知書には期限が記されており、これを過ぎると延滞と見なされます。延滞金の計算方法は各市町村で公表されていますが、基本としては税額延滞した日数分と一定の利率を元に計算されます。

税額×利率×延滞日数/365=延滞金

という式ですね。

例)平成29年、東京都にある不動産の固定資産税を滞納した場合

納付期限:2月28日

納付日:4月27日

{(200,000円×31×2.7%)÷365日}+{(200,000円×27×9.0%÷365日)}=458+1,331円=1,789円 延滞金 1,700円

(出典:東京都主税局)

 

1-2. 相続時にも影響する

以前の不動産所有者が固定資産税を滞納していた場合、現時点でその不動産を所有している人、相続人が支払わなければなりません。不動産は立派な資産であり、マイナス面での尻ぬぐいも当然しないといけないのですね。

 

2. 滞納を続けるとどうなるか

ここまで固定資産税の基本と延滞についてご説明してきましたが、滞納を続けるとどうなるのでしょうか?

 

2-1. 督促状が届く

固定資産税の延滞を続けるともはや借金と同じ扱いを受けます。

法律により、役所から滞納が開始して20日以内に督促状が送られてくることになります。

督促状が送られると、最終手段である財産差し押さえへのカウントダウンが始まります。

すぐに差し押さえが行われる事はありませんが、督促状が送付されて10日以内に滞納が解消されない場合、事実上いつでも法的に差し押さえが来ても文句の言えない状態となるのです。

 

2-2. 催告書が届く

督促状を無視し続けていると、次は催告書の送付が行われます。内容はほぼ同じではあるものの、力としてはこちらの催告書の方が強く、また内容証明郵便で発送されてくるため強制力が出てきます。受け取っていない、見ていないという言い分は通用しません。

こちらが最終勧告となる場合も多く、この段階で滞納が解消されない場合はいよいよ財産調査、差し押さえと移行していきます。

 

2-3. 財産調査が行われる

支払いを強制的に遂行させるため、滞納者の財産状況の確認が行われます。

給与や預貯金をはじめ、株券や保険金の積み立てなどが対象となり、強制徴収できる財産が全て確認を受けます。

参考として、その他に財産調査の対象となるものを以下に挙げておきましょう。

 

・不動産

・動産(現金や家財など)

・貴金属類

など

 

2-4. 差し押さえ

財産調査を終え、強制徴収の目処が立てば差し押さえに入ります。

給与や預貯金がまず対象となりますが、こちらで全額支払えるか否かが最後の別れ目です。

もし支払える場合はまだしも、支払えなかった場合はその他の財産も対象となり、ついには空き家自体もその差し押さえの対象になってしまいます。

空き家は強制的に競売にかけられ、相場よりも安い値で売られそのまま強制徴収となり、持主にとって多大な痛手となります。

もしさらに住宅ローンが残っていればこちらも払っていくこととなるため、実物は失われ借金のみが残る最悪の状況へ陥ります。

 

3. 減免措置が取られる場合もある

空き家に限らず、不動産にはその条件・設備次第で固定資産税の減免・優遇措置が取られる場合があります。

まず注目するポイントは、不動産が住宅用であるか事業用として登録されているかという点です。

前者の住宅用として登録されていれば、大幅に優遇・減免を受ける事のできる可能性が上がります。もし空き家を相続することになった時は、どちらの用地として登録されているかを1番にチェックしましょう。

例えば住宅用として登録された不動産であれば、土地面積が200平米以下であれば課税標準額が6分の1に、200平米以上であっても3分の1に下がります。

また、新築住宅や長期優良認定住宅なども減免の対象となります。前者は住宅の新築の際に家屋調査が行われているのでほとんどの場合は自動適用ですが、まれに人的ミスが発生し適用されていない場合もあります。

後者の長期優良認定住宅については、不動産を良好な状態で保つためのある一定の基準が満たされていれば適用され、5~7年分の固定資産税が2分の1に。申請には検査済証や建築住宅性能評価書、建築確認申請書のコピーが必要です。

その他にも、以下のような減免措置があります。

・省エネ住宅…壁・天井などの断熱工事が行われた住宅

・耐震化住宅…耐震化工事の行われた住宅

・バリアフリー住宅…手すりの取り付けなどバリアフリー工事が行われた住宅

など

役所が率先してご自身の不動産を調べ、自動的に減免を受けられる場合はほぼゼロと言って良いでしょう。

せっかく受けられる減免措置を逃して損をしないためにも、これらの措置に思い当たる節があればすぐに申請を行い、不動産に関わる正しい登録が行われているか是非一度確認しておきましょう。

 

4. まとめ

いかがでしたでしょうか?

空き家にまつわる固定資産税の滞納について見てきました。

こういった状況を避けるには、まず相続が決まった時点ですぐに空き家に関する情報を徹底的に調べ上げることです。

住宅ローンが残っていないか、リフォームなどが加わえられていればそちらの費用も支払われているか、固定資産税をはじめとするその他費用はいくらか、この辺りを手始めに調査しましょう。

ここから、後のアクションを決定します。

維持費やローンの返済を行いながら固定資産税も払えるか、また売却なども視野に入れます。もし空き家の建築から年数が経っていって劣化がある場合は、あまり高値での売却値は期待しない方が良いでしょう。

どの路線がご自身にとって有利か、正しく見極める事が大切です。

そしてもし固定資産税の支払いに暗雲が立ち込めてきた場合は、思案せずまずは役所へ足を運びましょう。税の割賦納付や減免など、状況に応じて思わぬ選択肢が増える場合もあります。それに、黙って延滞するよりは圧倒的に印象が違います。

また、過去のケースとして固定資産税の過大徴収といった事例も見受けられます。住宅が事業用から優遇措置の受けやすい住宅用に反映されていなかったり、税率の見直しが適用されていなかったり、まれにこういった穴のある場合があります。

そもそも固定資産税が正しい額になっているのかチェックする必要もありますので、役所に行って確認してみましょう。

せっかくの不動産が損失となってしまわないよう、空き家の情報の洗い出しと、慎重な選択を進めましょう。

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