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Category  不動産

2018年11月04日 更新

不動産の賃貸経営で外せない所得税について

終身雇用制が無くなった今だからこそ、働いて得る給与以外の収入口も確保したいところです。そこで候補に挙がるのが不動産経営ですが、当然収益ばかりではなく税金や経費もかかります。

この記事では、不動産経営における税金について、所得税を中心に詳しく見ていきましょう。

1.不動産の賃貸経営をする場合の所得税とは

最近は企業で働くことで得る給与以外、すなわち副収入に興味を抱いている方が多いです。
それは終身雇用制がなくなり、ともすればリストラに遭うリスクがあるからです。
会社員としての収入1本だけだと、それが途絶えることで一気に家計が傾いてしまいます。

他の収入口が複数あることで生活を保つことができたり、より大きな財産を築いたりすることもできます。

不動産系の副業は今の日本に向いていないと言われていますが、あえてボロ家を車が買える位の値段で買い取り、最低限のリフォームをして貸し出すことを繰り返している人もいます。投資用語でいうところの、いわゆる逆張りのようなやり方での賃貸経営ですね。
そのように積極的に賃貸経営をしている人はもちろんのこと、親からその賃貸業を引き継いだり、財産を譲り受けたりすることで、消極的に賃貸経営に関わっている人もいます。

どんな人であれ、賃貸経営をするには家賃収入のみを見るわけにはいきません。経費もかかりますし、当然税金もかかります。
様々な税金がありますが、その中でも所得税もかかることを忘れてはなりません。
特にサラリーマンやOLの方だと、給与で自動的に天引きされていますよね。
所得税は収入を得ると必ず発生する税金ですが、ついうっかり考えるのを忘れてしまうこともあります。予想した収益より目減りしてしまいますが、きちんと抑えておきましょう。

所得税は収益にのみにかかるのではなく、そこから経費を差し引いた金額に対してかかります。同じ収益であっても必要経費と認められるものが多く、認められれば認められるほど手元に残るお金は増えます。
所得税の税率は下記の通りです。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

引用;国税庁https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm

1-1.不動産所得(賃貸料の収入)は所得税の課税対象

賃貸経営と言うと、家賃収入に目がいきがちですが、何もそれだけではありません。

まず挙げられるのが管理費です。

賃貸物件を見ていると、管理費を家賃とは別に掲げているところがあります。この管理費は夜間の電灯代や、清掃パートの方を雇ったりする費用に充てられます。

敷金に関しては返金のイメージも高く、収入にはあげられないと思われがちです。しかし返還の必要性がないと判断されると収入として計上されます。そして敷金とセットで請求するものに礼金がありますが、こちらは性質上多くのケースで収入として挙げられます。

保証金についても返還が必要ないとなると収入とみなされます。最近は保証金が発生しない賃貸物件もありますが、それとは別に更新料を設けている物件も少なくありません。

よくあるケースでは2年に1度更新料を払うというものです。これも返還することなく受け取るので、所得の対象になります。比較的便利な都心部で人通りが多いと、自動販売機を設置しているところもありますが、その収入も計上されます。

1-2.不動産の賃貸経営におけるその他の税金

所得税とセットで課税されるものに住民税があります。住民税は、所得税と同じ方法で所得を計算した後の総所得に対し、一律10%の税率がかかります。会社員の方は自動的に天引きされているのでそこまで意識することはないでしょう。

しかし、住民税は不動産経営をしていたり、何か副業をしていたりする人は必ず考えなければならないことです。手広く賃貸経営をしている方だと、ともすれば3,000万円と言うような利益を上げている人もいるかもしれませんね。ですが、3,000万円の収益がある場合、300万円の住民税がかかる計算になります。

さらにそのような賃貸経営をするとなると、必然的に固定資産税がかかることになります。その不動産がある地域によって評価額は異なりますが、その1.4%が固定資産税となります。

こちらは第1期から第4期まであり、分割払いをする形になります。

1期の時にまとめて払うことも可能ですし、どうしても固定資産税の支払いが苦しい時に窓口で相談すれば、さらに細かい分割払いにすることも可能です。

また、その不動産がある地域で都市計画税がかかるところであれば、さらに固定資産税にプラスされます。もしその賃貸物件に店舗がある場合は、消費税を支払う必要があるケースもあります。

ただ、前年度とその前の年の収入を足した金額が1,000万円以下であれば、この消費税はかからないので支払いの必要はありません。

1-3.不動産の賃貸経営をするなら税金対策の知識が必要

このように様々な税金を見ても、税金による出費が多くなるのが分かりますね。

特に節税の工夫をすることなく払ってしまうと、かなりの金額を税金でとられてしまうことになります。できるだけ経費の計上を多くして出ていくお金を減らすしかありません。

基本的に固定資産税は決められた金額を払うので、節約と言うと少々難しいところがあります。ですが、所得税は家賃収入等の収益から経費を引いた金額に対して課税されます。この経費と認められる部分があれば、支払う税金を減らすことができるのです。

また、住民税に関しても、所得税と同じような節税方法を用いることができます。そのためにも税金対策の知識を身に付け、少しでも手元に残るお金を多くしましょう。

2.不動産の賃貸経営による所得税の計算方法

不動産賃貸系に関する収入に対する税率は、先程の国税庁の表に書いてある通りです。そして、節税するためにはいかにこの不動産の賃貸経営に経費を使ったかということを証明していく必要があります。

まずは確定申告の前に、最大65万円の特別控除を受けられる「青色申告」か簡単な帳簿で申請できる「白色申告」かを決めましょう。

白色申告は、その年限りの収入が入ったときによく用いられます。FXや株で臨時的に収入があったときに申請する方法ですね。

それに対し、青色申告は継続的に収入がある状態の時に使われることが多いです。FXや株に関しても、継続的に収入がある場合は青色申告が使われるケースが多いです。

白色申告だと基本的に簡単な帳簿で問題ないのですが、青色申告にすると複式簿記にする必要があります。この複式簿記は慣れていない方には少々面倒くさく感じられるところがあり、そこが青色申告にするときのハードルになります。ただし、青色申告には「特別控除」というメリットがあります。この特別控除で税金がかかる金額を下げることができます。

さらに青色申告の最も優れている点は、白色申告の時と違って損失を計上することができることです。過去3年間の損失を繰り越すことができますので、3年間の間に損失が出たらその分差し引いて計上できます。

うまくすれば、全く税金がかからないケースもあるかもしれませんね。

不動産は意外にも持ち出しの方が多くなるケースもあります。そして家賃収入となると継続的な収入がありますので、基本的には青色申告を選択することをオススメします。青色申告をするのであれば、確定申告する年度については複式簿記で帳簿をつけるなど事前の準備が欠かせません。

また、仮に平成30年度の青色申告をするとなると、平成30年の3月15日までの提出が必要です。ただ様々な例外がありますので、詳しくは国税庁のホームページを見てみると良いでしょう。

その上で減価償却費、修善費、租税公課、損害保険料等、不動産にかかった経費を上げていくと良いでしょう。

その他にも、その不動産の管理費や管理をお願いした人に対する人件費はもちろんのこと、不動産を購入するにあたってかかった借入金の利息も計上することができます。
ただ租税公課についてですが、所得税と住民税は経費として計上されませんので気をつけましょう。

2-1.不動産所得の金額

不動産所得の金額は下記の金額が大前提です。

『総収入金額-必要経費=不動産所得の金額 』

(引用:国税庁https://www.keisan.nta.go.jp/survey/publish/39321/faq/39372/faq_39392.php

ついつい総収入を見て喜んでしまいがちですが、必要経費もしっかりと把握して少しでも所得税がかかる金額を減らしましょう。

2-2.所得税額

所得税額は先ほどの国税庁の表で触れたように、不動産所得の金額が増えれば増えるほど税額も上がってきます。所得税額が4,000万円を超える方は税率が最高の45%です。そして、忘れてはならないのは住民税もかかることです。最高で差し引かれる額は55%以上だとも言われています。こんなに多く稼ぐと半額以上が税金に持っていかれてしまうのですね。

3.不動産賃貸経営に必須!所得税の節税対策とは

このように非常に税金がかかるからこそ節税が大切になります。不動産投資においては、とにかく経費としてかかりそうなものの領収書を集めましょう。「経費として認めてもらえないかもしれない」と決めつけず、敢えて相談するくらいの姿勢でちょうど良いです。

賃貸経営において、退去費用も経費として認められていることは知らない方もいます。本来は必要ない経費ではあるものの、入居者の方と円満に話し合いが済まず揉めてしまった時にお金で片を付けることがあります。それも経費ですので忘れずに計上しましょう。

4.まとめ

せっかく賃貸経営をするからには、税金を賢く節約してどうにかしてお金を手元に残したいですね。

その節税のカギはいかに賃貸経営にかかっているお金を費用に認めてもらうかです。まずこの記事で、どのような計算で税金が産出されるのかといったことを理解したうえで、税金対策を考えてみてはいかがでしょうか。