不動産所得がある方の所得税と確定申告とは?

家賃収入がある人は、必ず確定申告が必要になってきます。所得税と確定申告の関係について、実はよく分かっていないという方もいるかも知れませんね。

また、家賃収入があったとしても確定申告が不要となる場合もあります。

こちらの記事では、家賃収入があるときの確定申告についてと、確定申告する時に必要な書類について紹介します。

1. 不動産所得(家賃収入)がある方の所得税と確定申告の関係

そもそも不動産所得とは、どのようなものを指すのでしょうか。

不動産所得とは、土地、建物などの貸付けのほか、航空機や、地上権の貸付けによって生まれた所得を指します。不動産賃貸などの総収入から。不動産経営にかかわる必要経費を引き、事業所得や譲渡所得を除いたものが不動産所得にあたります。ここでは、そのなかでも家賃収入について紹介します。

一般的に、アパートやマンションを賃貸に出しており、その家賃によって収入を得ている場合は、確定申告をしなくてはなりません。それはアパートやマンションを経営するなどある程度の規模のものから、転勤で家をあける少しの期間だけ自宅を賃貸に出すというような小規模のものでも、どちらも同じことになります。

1-1. 確定申告が必要な場合

確定申告が必要であることがわかったところで、ここについて詳しく見ていきましょう。確定申告書の提出期間は、1年に1回です。毎年2月上旬から3月中旬であり、この期限までに税金を納めなかった場合は、延滞税がかかってしまいます。

また、不動産投資の確定申告をするのであれば、青色申告がおすすめです。

青色申告にすることにより、利益から10万円が控除されるため、納付する税金を少なくすることができるという利点があります。そのほかにもたくさんのメリットがあるので、確定申告書を提出する際には青色申告にするようにしましょう。ちなみに、白色申告にこのような特典はありません。

◆青色申告の注意点

青色申告をするにあたっては、取引の帳簿付け、さらに領収書などの書類を用意しましょう。ちなみに投資の規模が「戸建5棟またはマンション・アパート10室」以下の場合は、簡易帳簿でも対応ができます。

たとえば青色申告にて不動産投資の規模が大きいときは、利益を差し引きし、家族に給料を支払うことができます。規模が小さい場合でも、利益に応じて税金を少なくすることができ、赤字を3年間繰り越すことも可能です。

1-2. 確定申告が不要な場合

原則として、家賃収入(不動産所得)が20万円以下の場合には、確定申告が必要ありません。しかし確定申告についてはこれだけではなく、給与等などの収入金額も影響してきます。例えば給与等の収入が2,000万円以下であり、なおかつ給与所得及び退職所得以外の所得が20万円以下の場合は、家賃収入があっても確定申告は不要になるのです。

ちなみにここでいう家賃収入(不動産所得)とは、実際の家賃収入から必要経費を引いた金額のことを指します。必要経費というものは、固定資産税や減価償却費、修繕費、水道光熱費、管理費、火災保険料、借入金利息などがあげられますね。

しかし不動産所得が20万円を超えてしまえば、そこから確定申告が必要となります。計算方法としては、給与所得と不動産所得を、一定期間内の利益と損失で相殺する「損益通算」をするような形です。

サラリーマンなどで別に給与を得ている兼業大家の方が不動産投資を行って利益が出ている場合は、税金がかかります。しかしもしもここで損失が出た場合、利益から差し引いて、その分だけ税金を減らすことができるような仕組みになっているのです。もしも税金を減らしてもマイナスになった場合は、確定申告を行うことにより最長3年間損失を繰り越し、控除することもできるようになっています。

そのため、損失だから確定申告が不要というわけではありません。きちんと確定申告を行うことにより、納税した分が還付されるということもあり得るのです。

よく言われることやイメージとして、「確定申告は税金がかかる」と思いがちであり、税金を払いたくないがために申告をしないという人もいます。しかし実際は、きちんと申告を行うことによって還付されるというパターンもあることは覚えておきましょう。

2. 不動産所得(家賃収入)の計算方法

不動産所得の計算方法としては、不動産賃貸料などの総収入から、不動産経営に直接かかわる必要経費を引きます。総収入金額とは、不動産賃貸料のほかにも、更新料、頭金、名義書換料、電気・水道代、清掃費などの共益費が含まれます。返還をしないものについては総収入に加えるという考え方のため、敷金や礼金は含めません。

また必要経費とは、不動産の取得や不動産経営にとって直接かかわる費用のことを指します。ここでは、個人の家事費用と明確に区別できる費用のみを計算することができるようになっています。主なものとしては、不動産取得税、固定資産税、賃貸部分の火災保険料、減価償却費(げんかしょうきゃくひ)、修繕費、支払利息などがあげられますね。ここでいう修繕費とは、建物などの維持管理や修理にかかる費用のことを指します。

そのため不動産の価値を高めるために、耐震工事などの耐久性を増す際にかかってくる費用は、修繕費ではありません。しかし、3年以内の周期で行う修理や改良、さらに改良の出費が20万円以下の場合には、修繕費としてみなされることもあります。さらに修繕費なのか資本的支出か判断がつかないような場合や、その費用が60万円未満であること、または前年末の取得価格の1割以下の場合である場合も、修繕費として必要経費に計上することができるようになっています。

また事業的規模にあたる場合の不動産所得の計算方法は、その事業の規模によっても異なります。

例えば事業的規模であれば、不動産を取り壊すなどして資産を失った場合でも、損益となった金額はすべて必要経費にすることができます。しかしそれ以外の場合は、不動産所得が赤字にならない部分までを必要経費に計上するようになっています。

さらに賃貸料が回収できなかった場合でも、事業的規模であればその金額ぶんを必要経費にすることができますが、そうでなければさらに計算し直すことになってしまいます。

そのほか青色申告の事業専従者給与、白色申告の事業専従者控除が適用されたりなど、事業的規模であるために受ける恩恵もあります。

3. 不動産所得(家賃収入)がある方の確定申告方法と書き方

まずは簡単に、確定申告の流れについて説明します。

流れとしては、

  1. 必要書類を集める
  2. 不動産の収支内訳書を作る
  3. 確定申告書を作成する
  4. 書類を税務署に提出する
  5. 税金を収める
  6. 税金の還付を受ける

というものになります。

まず青色申告をするためには、最寄りの税務署に事前の届け出が必要になってきます。ここからは申請書類と書き方をご紹介します。まず提出期限は原則、青色申告する年の3月15日までとなっています。事業開始から2か月以内という原則のため、例えば1月10日に事業を始めた場合、提出期限は3月15日まで、そして4月1日に始めた場合、提出期限は5月31日までとなっています。

記入した申請書は、最寄りの税務署に提出します。ここまでで、青色申告の準備は完了になります。

ここからは確定申告書の作成に入ります。まず第1に、必要な書類を集めるところから始めましょう。

  • 確定申告書(勤務先で取得する)
  • 源泉徴収票(不動産会社で取得する)
  • 不動産売買契約書(不動産会社で取得する)
  • 売渡精算書(不動産売買時の費用明細書)(不動産会社で取得する)
  • 譲渡対価証明書(マンションの土地と建物の按分割合を示す書類)(不動産会社で取得する)
  • 管理費・修繕積立金が分かる書面(通帳等)
  • 家賃送金明細書(不動産会社で取得する)
  • 賃貸借契約書(不動産会社で取得する)
  • 投資用ローンの明細書(ローン会社で取得する)
  • 不動産取得税の納付書(各都道府県の自治体で取得する)

以上のものを、まずはお手元に用意しましょう。

そこからは、不動産収支内訳書を作成することになります。まず不動産に投資を行って家賃収入を得ている場合には、1年間の収入と費用を不動産収支内訳書に記入しましょう。そこから発生した利益を計算します。

まずは、費用を計算することになります。まずは家賃収入、礼金収入、空室時の保証家賃などその他の収入を計算し、これも記入します。ここで用意する書類としては、送金明細書が必要になってきます。

また注意点として、敷金は収入には入らないということを覚えておきましょう。賃貸借契約時に入居者から敷金を預かるかと思いますが、これを収入としてとらえてはいけません。敷金ということで、あくまで預り金としての扱いになります。たとえお金が入ってきたとしても、収入として考えないようにしましょう。

また通帳など、管理費や修繕積立金がわかる書類を用意し、管理費、修繕積立金などの費用も記載します。また大家代行業を委託する、賃貸管理会社に支払う費用である「管理代行手数料(集金代行手数料)」も記入することができます。用意する書類としては送金明細書になります。

また、不動産投資には実際のお金の支出を伴わない、計算上の費用があります。これによって赤字が発生しているのです。これが「減価償却費」です。このお金が発生する経緯としては、購入した不動産の金額を、購入時に一括して費用として計上するのではなく、のちのちに利用可能な年月にわけ、毎年費用として計上するというものになります。

ちなみに、例として新築の鉄筋コンクリート造の物件の場合は、利用可能年数は47年となっています。例えば20年利用できる建物を、1,000万円で購入したとします。この場合の減価償却費はいくらぐらいになるでしょうか。ここで1,000万円を20年で分割したとすると、毎年50万円ずつ減価償却費が計上されていくような計算になります。

また支払い利息も計算に入れることができます。投資用ローンは毎月返済していますが、費用として計上することができるのは利息部分のみになります。そのため、元本部分は費用として計上することはできないようになっています。必要な書類はローン返済表です。またエアコンや給湯器の設備費用や、室内リフォーム費用も計上することができます。必要な書類は修繕費用などの領収書です。

以上の収入と経費をすべて収支計算書に記載したあと、差し引くと1年間の不動産所得が計算することができます。

すべてを記入して作成した確定申告書類と源泉徴収票の原本を、最寄りの税務署に提出します。ちなみに申告書の提出に関しては郵送でも受け付けているため、都合がつかずに税務署に行けない方でも申し込むことができます。さらに確定申告で計算した税額は、銀行や郵便局から納付することになります。なお、先述した間の期間中であれば、各金融機関に納付用紙がおいてあると思います。その時はこちらを利用しましょう。

また注意点として、確定申告書を提出期限内に提出したとしても、税金が納付されていなかった場合は、延滞税が課されてしまいます。そのため必ず、申告書の提出とあわせて期限内に納税も済ませるようにしましょう。

確定申告の結果、不動産所得で赤字が出ることもあります。その場合は、発生した赤字額に対応した税金が、指定の口座に直接振り込まれるようになっています。振込目安としては、提出してからおよそ2カ月から3カ月後になります。

4. 確定申告時の注意点

不動産所得が赤字の場合の注意点についてご紹介します。

収入から経費を差し引いた最終の計算結果が赤字になった場合については、経費として計上したローンの支払利息のうち、土地取得部分に関する利息の一部が経費として認められないようになります。

5. まとめ

以上が、不動産所得に関する確定申告についての解説でした。

確定申告はやり方が複雑に感じるかもしれませんが、1度手順を覚えてしまえばそう難しいことはありません。

1年に1度のことなので、不動産投資を通して1年間でどのぐらいの利益が上がったのか確認することができます。それによって次の目標を立てることができる良い機会になるのではないでしょうか。しっかりと確定申告を行い、次年度のスタートを気持ちよく切りましょう。

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