事例紹介
Category 不動産
2018年07月03日 更新
不動産売却時の必要書類一覧【完全版】
不動産を売却したいが、何の書類を準備したらいいのか分からないという方が、たくさんいらっしゃると思います。そこで、不動産を売却するときに必要な書類一覧をご用意いたしました。
売却に必要な書類は、物件や不動産会社によって異なりますが、主に、売主に関するもの、権利に関するもの、物件に関するもの、売買に関するものが必要になります。
これらの書類を事前に準備しておくことで、価格などの交渉を有利に進めることや、スムーズに売却を進めることができるというメリットがあります。買主にとっても、物件や売主に関して多くの情報があることは大きなメリットです。
購入希望者を逃さずに、いざという時、慌てずスムーズに売却をするために、必要書類を確認し、少しずつ準備を進めていきましょう。
この記事でわかること
1. 不動産売却時の必要書類一覧表
2. 不動産の売主に関する必要書類
主に売買契約の際(引き渡し時)に必要になるものです。役所や金融機関に受け取りに行かなければならないものもあるので、余裕を持って準備をしてください。
2-1. 本人確認書類
一般的に、運転免許証やパスポートなど、顔写真のついたものが使用されています。これらを持っていない場合には、健康保険証などが使われています。不安な時は不動産会社に確認をされると良いと思います。
不動産が、複数人の共有名義になっている場合は、全員分の本人確認書類が必要です。
2-2. 実印
不動産売却の書類には、実印を用いることが一般的です。共有名義の場合は全員分の実印が必要です。実印がない場合は、役所で印鑑登録をすれば、三文判でも実印として使用できます。
2-3. 印鑑証明書
印鑑登録をした役所でもらうことができます。発行から3ヵ月以内のもののみ有効とされる場合が多いので、期限内のものを用意しましょう。お住まいの市区町村によっては、コンビニの端末から入手できる場合もあります。
尚、共有名義の場合は名義人全員分の印鑑証明書が必要となります。
2-4. 銀行口座書類
売却金や手付金の振り込みのために必要です。口座情報が分かるものを用意してください。不動産取引は、高額になることが多いので、現金で取引されることはあまりありません。
2-5. 住民票・戸籍の附票
登記上の住所と現住所が異なる場合は、住民票が必要です。登録している市区町村の役所でもらうことができます。3か月以内に発行されたものを用意しましょう。登記上の住所と現住所の2つがつながらなければ、取引ができないという決まりがあり、それを証明するために住民票が必要になります。
もし、何度も住民票を移動しているという方は、住所遍歴が分かるよう戸籍の附票が必要になります。こちらは、本籍地の役所でもらうことができます。
2-6. 不動産のローン残高証明書
不動産のローンを返済中の場合は、残債と返済額が分かる残高証明書が必要になります。借りている金融機関で発行してもらうことができます。返済予定表でも代用可能です。
2-7. 不動産の売却で代理人をたてる場合
代理人にお願いをする場合は、自分の書類以外にも下記の書類が必要となります。
2-7-1. 不動産の売却の委任状
委任者と代理人とのトラブルを回避するために、委任状で権利等々を明確にしておく必要があります。第三者の場合に限らず、不動産会社に売却を委任する場合も必要になります。委任状には明確なフォーマット等はありませんが、住所や価格、引き渡しの予定日、委任状の有効日時や記載日時など、委任する内容を可能な限り細かく、慎重に記載するようにしましょう。
2-7-2. 代理人の実印
委任状にも実印が必要となります。
2-7-3. 代理人の印鑑証明書
発行から3ヵ月以内のものを用意しましょう。
3. 不動産の権利に関する必要書類
主に、不動産の売却を依頼する場合に必要になる書類です。権利に関するものの多くは、法務局(登記所)で取得することができます。
3-1. 不動産の登記簿謄本(登記事項証明書)
以前は登記簿謄本と呼ばれていましたが、現在は電子データで管理をしている法務局が増えたため、登記事項証明書という名称の方が一般的になってきています。登記簿謄本は紙ベースの書類綴りで、登記事項証明書は電子データを印刷したものと考えるとわかりやすいと思います。
物件の情報や権利などを証明する書類で、不動産売却時、あらゆる場面で必要になる書類です。不動産所有者でなくても取得することができます。不動産を管轄している地域の法務局に行くか、あるいは郵送で受け取ることが可能です。
土地と建物の両方を売却するときは、それぞれ別の不動産として管理されているので、両方の登記簿謄本を準備する必要があります。発行を申請する際、住所とは異なる地番と家屋番号が必要になります。分からない場合は法務局窓口等で確認が必要です。
3-2. 不動産の登記済権利証・登記識別情報
一般的に「権利証」と呼ばれるもので、所有者を証明するものです。この権利を買主に渡すことで不動産の所有権が移転される書類です。所有者が、不動産を購入して登記した際、法務局から受け取っています。
再発行できない書類ですが、もし紛失している場合は、司法書士に所有の証明となる文書の作成を依頼するか、法務局での事前通知制度を利用した所有者移転の登記申請書を提出することで、権利を証明することが可能です。
3-3. 固定資産税納税通知書・固定資産税評価証明書
固定資産税の確認や、不動産登記の際の課税額の計算に使われる必須の書類です。固定資産税納税通知書は、毎年5月1日以降、役所から所有者に送られてくるものです。可能な限り、最新のものを用意しましょう。
手元にない場合は、管轄の役所に問い合わせることで入手できます。固定資産税評価証明書は、課税対象の物件の評価額を証明する書類で、役所にとりに行く必要があります。
3-4. 土地の地図(公図)
物件の所在やその周辺環境を示すためのものです。必須ではありませんが、あるとよいでしょう。法務局で取得した公図が好まれますが、一般的な店舗等で販売されているものでも代用可能です。
3-5. 土地測量図(地積測量図)
売却する面積や境界を明確にするためのものです。戸建てや土地の売却の場合に準備しておくとよい書類です。法務局で取得できますが、一部取得できない場合もあります。その場合は、土地家屋調査士に相談が必要です。
3-6. 土地の境界確認書
境界を明確にするために、近隣の所有者と境界について合意した書類のことです。土地測量図と同様、戸建てや土地の売却の場合、買主のトラブルを防ぐために準備しておくとよいでしょう。法務局で取得できるものと、そうでないものがあり、取得できない場合は土地家屋調査士に依頼し、近隣の土地所有者の合意の上で作成しなければなりません。
4. 不動産物件に関する必要書類
マンションや戸建ての物件に関わる書類です。買主は、物件に関してより多くの詳細な情報を求めています。必須の書類以外でも前もって準備しておくことで、買主の疑問や質問に素早く対応でき、購入へ繋がる可能性が広がります。
4-1. 建物の間取り図
建物内の部屋の配置や広さを表したものです。必須の書類ではありませんが、あれば提出しておくとよいでしょう。マンションの場合はパンフレットなどでも代用できます。
4-2. 建築設計図書
どのように設計されたか、物件の全貌を確認するための書類です。必須の書類ではありませんが、戸建ての売却の場合、準備しておくと良いでしょう。不動産会社や施工会社ら受け取っているか、前所有者から譲り受けるものです。
保管していなければ、不動産会社や施工業者に問い合わせてみましょう。
マンションの場合は、必要になることは少ないですが、管理会社や管理組合に問い合わせると、見ることができます。買主が将来増築やリフォーム等を考えているのであれば、この書類は安心材料になります。
4-3. 建物の工事記録書
どのように工事されたか確認するための書類です。建築設計図所と同様、基本的に戸建ての売却時にあると良い書類です。手元にない場合は、不動産会社や施工業者に問い合わせるとよいでしょう。マンションの場合は、必要になることは少ないですが、管理会社や管理組合に問い合わせると見ることができます。
4-4. 建物の建築確認済証および検査済証
建物が建築基準法に則り建築されたことを証明する書類です。戸建ての売却の際、必須の書類です。建築確認済証は建築前の段階で、検査済証は建築後検査に合格した段階で発行され、基本的に所有者の手元にある書類です。
再発行はできない書類となっており、紛失した場合は、役所に問い合わせ、発行証明書をもらう必要があります。
4-5. 不動産取得時の契約書・重要事項説明書
売主が不動産を取得した際に受け取った書類です。必須の書類ではありませんが、契約書や重要事項説明書があることで、不動産の状況や特約等を確認することができます。手元にない場合は、不動産会社に問い合わせ、保管してあれば、コピーをもらうことも可能です。
4-6. 不動産の重要事項説明書
売却を依頼した不動産会社の有資格者が作成する書類です。基本的に、担当者が調査し作成するもので、売主は書類作成のために必要な情報や書類の提出が求められます。
重要事項説明書の主な内容は以下の通りです。物件について分かっている情報や所有している資料がある場合は、準備しておくとよいでしょう。
4-6-1. 都市計画について
道路・公園、計画決定年月日、計画内容、事業決定の時期などの他にも、都市計画法に基づく制限がある場合はその記載が必要です。
4-6-2. 各種制限に関する法規制について
斜線制限や外壁後退距離、最低敷地面積など、建築基準法やその他法律で制限されていることの記載が必要です。
4-6-3. 道路について
道路の種類や幅員、接道長さ等を文字や図で記載します。道路はトラブルの原因にもなりやすいので、十分に確認しましょう。また、道路の幅を確保するための私道負担等の有無も記載が必要です。
4-6-4. 上水道・下水道の配管について
配管の状況を文字や図で記載します。前面道路内口径、引込管、メーター口径、越境の有無、私設管の利用の有無等、詳しく記載します。私設管を利用している場合は管理者や料金等を、設備予定の有無、その際の負担金額等も記載が必要です。
4-6-5. 造成宅地防災区域・土砂災害警戒区域内か否か
物件が造成宅地防災区域や土砂災害警戒区域内にあるときは、その旨の記載が必要です。
4-6-6. 調査・検査の有無、及びその結果
調査自体は義務になっていなくても、調査の有無は伝えなければならないものもあります。購入時の重要事項説明書に調査の有無とその結果が記載されているので、確認が必要です。購入以降、新たに調査しているものがあれば、その結果報告書を準備しましょう。
以下は物件・土地に関わる調査の例です。
(a) 住宅性能評価書
住宅の性能を客観的に評価する書類です。買主にとってはあると嬉しい書類です。評価・発行してくれる業者に評価を依頼することで入手できます。費用は、構造や広さなどで、評価する業者によって異なります。
(b) 地盤調査報告書
地盤を調査した結果が記載されている書類です。地震大国の日本では、買主から調査の有無を聞かれることが増えてきています。調査の有無が分からない場合は、戸建てでは、不動産会社または施工会社に、マンションは、不動産会社や管理会社・管理組合に問い合わせてみましょう。
調査が行われている場合は報告書を受け取ることができますが、調査が行われていない場合、調査をするとなると時間と高い費用がかかる可能性があるので、検討が必要です。
(c) 耐震診断報告書
大きな地震にどれだけ耐えることができるか検査した書類です。現在の耐震基準を満たしている場合、その証明ができます。新耐震基準導入前の建物の場合は特に、報告書を求められる場合があります。
診断済みの場合、戸建ては販売会社または施工会社、マンションは管理会社・管理組合に問い合わせ、診断報告書を受け取りましょう。診断を受ける場合は、専門の業者に依頼が必要です。自治体によっては助成金を出しているところもあります。
(d) アスベスト使用調査報告書
建物にアスベストの使用があるかを調査した書類です。古い建物の場合は、買主から提出が求められるケースもあります。戸建ての場合はは購入した不動産会社、マンションの場合は管理会社に問い合わせましょう。
専門の調査機関に依頼し調査してもらうことも可能です。調査の種類や調査機関によって費用は異なります。
4-7. 不動産の付帯設備確認書および物件状況確認書
付帯設備確認書は、照明やエアコン等、物件の付属品をまとめた書類です。物件状況確認書は、売主が知る物件に関する瑕疵や事実、過去の修繕の記録等を告知する書類です。どちらも必須の書類です。不動産会社から売主に作成の協力を依頼されることが一般的です。
売るつもりではない備品も売ることになってしまったり、瑕疵を知っていたのに伝えなかったりしてしまいトラブルになることを避けるために、正確な記載が必要です。
4-8. マンション管理規約または使用細則など
必須の書類ではありませんが、マンションの売却時には用意しておくとよい書類です。手元にない場合は、管理会社や管理組合などに問い合わせ、再発行を依頼しましょう。
4-9. マンションの維持管理費等の書類
管理費や、管理組合費、修繕積立金などが分かる書類です。こちらも必須の書類ではありませんが、準備しておくとよいでしょう。手元にない場合は管理会社や管理組合に問い合わせ再発行してもらう必要があります。
4-10. 不動産販売時のパンフレット・広告
必須の書類ではありませんが、パンフレットや広告は、間取り図が記載されているので参考になります。
5. 不動産売買に関する必要書類
売買に関するどのような書類が必要となるのか把握をしておきましょう。
5-1. 不動産の売買契約書
売買において様々な取り決めが記載されたものです。基本的に、仲介する不動産会社が作成します。売手と買手の仲介不動産会社が別々の場合は、不動産会社間の取り決めで作成の担当業者が決まります。
一般的に、売手と買手の双方で売買の合意がなされた後に作成され、完成後、内容を確認し、契約締結となります。
5-2. 領収書+収入印紙
一般的に口座への振り込みの場合、振込明細書が領収書変わりとする場合もありますが、不動産売買では、金額が高額になることが多いので、買主から領収書を求められるケースがあります。
基本的に不動産会社が作成しますが、場合によっては。領収書の金額に応じて、不動産会社に収入印紙代を支払う必要があります。
6. 不動産売却時の必要書類のまとめ
不動産売却に必要になる書類は多く、重要なものばかりです。これらの書類を短期間で準備するのは、非常に手間がかかります。あらかじめ準備しておくことで、多くの必要書類を集めることができ、スムーズな購入への可能性も広がります。手元にある書類の確認や、必須書類の準備から始めてみると良いかもしれません。