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Category  不動産

2018年10月02日 更新

不動産売買の仲介手数料と印紙税に迷わないための3つのポイント

不動産の売買にはいろいろな諸費用がかかります。

登記費用や仲介手数料、ローンの諸費用のほかに、「印紙税」というものもあります。

不動産売買時にかかる費用や税金について説明していきます。

1. 印紙税とは

印紙税とは、印紙税法によって指定された文書を作成した者に課される税金です。

不動産の売買では「売買契約書」「領収証」「金銭消費貸借契約書」「工事請負契約書」等に代表される書類が課税対象として指定されています。

この書類に印紙を貼り、割印を押すことで納税したことになります。

家を売る場合と買う場合で印紙を貼る書類が変わってきます。

ポイントは、以下の3つです。

①課税文書か否か

②書類作成者(納税者)は誰か

③書類の記載金額はいくらか

それでは、不動産売買にかかる印紙税について詳しく確認していきましょう。

2. 不動産売却の時にかかる印紙税

2-1. 売買契約書に貼る印紙

不動産売却のときは、契約書に貼る印紙のみと思っていただいて差し支えありません。

その他にもかかる場合もあります。それはのちほど説明します。

不動産売買契約書に貼る印紙代は契約金額によって変わってきます。それぞれの税額は下記のとおりです。

契約金額               もともとの税額       現在の税額
1万円未満                非課税              非課税
10万円以下のもの               200円          200円
10万円を超え、50万円以下            400円            200円
50万円を超え 、100万円以下         1000円            500円
100万円を超え 、500万円以下         2000円          1000円
500万円を超え、1千万円以下           10000円          5000円
1千万円を超え、5千万円以下          20000円          10000円
5千万円を超え、1億円以下           60000円          30000円
1億円を超え、5億円以下                 10万円           6万円
5億円を超え、10億円以下           20万円           16万円
10億円を超え、50億円以下           40万円           32万円
50億円超                    60万円           48万円

軽減措置により、右側の金額が「現在の課税額」です。この軽減措置は平成32年3月31日までに作成されたものが対象となります。

 

2-2. 領収証に貼る印紙

売却で印紙代がかかる書類として、その他には「金銭の受取書」というものがあります。

これは簡単に言うと領収証のことです。

領収証の印紙税は、個人が所有するマイホームや相続を受けた実家、セカンドハウス等の売却では課税対象外のため必要ありません。

では、どのような場合にかかってくるのでしょうか。

国税庁のホームページには、営業に関しない金銭又は有価証券の受取書は非課税とあります。

ここでいう営業とは、「営利を目的で同種の行為を反復・継続して行うこと」とホームページに書かれています。営利目的の法人が所有の不動産、また、個人でも不動産事業として営業に関する不動産売買の領収証と認められる場合は領収証に印紙を貼る必要があります。

税額は下記のとおりです。

記載金額                       税額      
5万円未満                    非課税     

5万円以上、100万円以下                  200円      

100万円を超え、 200万円以下            400円
200万円を超え 、300万円以下            600円 
300万円を超え 、500万円以下            1000円 
500万円を超え、1千万円以下           2000円

 

2-3. 仲介手数料の領収証に印紙税はかかるのか

不動産の売却では手付金の領収証や残代金の領収証以外にも領収証が発生します。

登記費用や測量費用、仲介手数料などの諸費用です。

こういったものは営業とみなされ、印紙代がかかりますが、契約当事者ではなくお金を受け取った人にかかってきます。

なぜなら印紙税は「書類の作成者」が課税対象者となるためです。

 

そのため売買契約書は契約当事者が作成者となるため印紙代がかかりますが、

諸費用はお金を受け取る司法書士や測量士、不動産仲介業者が印紙を貼ります。

 

2-4. 不動産売却の印紙税まとめ

以上、不動産売却の場合にかかる印紙についてみていきました。

基本的には売却の場合は契約書に貼る印紙代がかかるんだなあ、と思っていただければ大丈夫だと思います。

 

 

3. 不動産購入時にかかる印紙税

次に、不動産購入の場合にかかる印紙税を見ていきます。

まず、売却と同じように、不動産売買契約書に印紙がかかります。

それ以外には住宅ローンの契約書・注文住宅を建てたり、リフォームをするときに取り交わす工事請負契約書があります。

 

3-1. 消費貸借契約書に貼る印紙

まず、住宅ローンの契約書について説明します。

住宅ローンの契約書は正式には金銭消費貸借契約書といいます。

銀行員や不動産屋さんは住宅ローンの契約を「金消(きんしょう、きんけし)契約」と略して読んでいることが多いです。この、住宅ローンの契約書も、課税の対象となる書類です。

課税額は下記のとおりです。

契約金額                         税額

1万円未満                        非課税         
10万円以下                        200円           

10万円を超え、50万円以下                    400円         

50万円を超え 、100万円以下                   1000円         
100万円を超え 、500万円以下                 2000円         
500万円を超え、1千万円以下                 10000円         
1千万円を超え、5千万円以下                   20000円        
5千万円を超え、1億円以下                    60000円        

1億円を超え、5億円以下                   10万円          
5億円を超え、10億円以下                  20万円         
10億円を超え、50億円以下                   40万円         
50億円超                           60万円 

3-2. 工事請負契約書不動産購入の場合

工事請負契約書不動産購入の場合にかかってくる印紙代として、他には工事請負契約書があります。工務店やハウスメーカーで家を建てる際や、中古の住宅を購入し、リフォームをする場合に取り交わす契約書です。課税額は売買契約書と同じです。売買契約書と同様に、軽減措置がなされています。

 

3-3. 不動産購入時にかかる印紙代一覧

購入時にかかる印紙代を一覧にしてみました。

契約金額        売買契約書   工事請負契約書  金銭消費貸借契約書

1万円未満            非課税        非課税              非課税

10万円以下のもの      200円         200円       200円

~50万円以下         200円         200円       400円
~100万円以下         500円            500円        1000円
~500万円以下       1000円         1000円        2000円
~1千万円以下       5000円         5000円      10000円

~5千万円以下      10000円          10000円         20000円
~1億円以下       30000円            30000円          60000円
~5億円以下          6万円            6万円              10万円
~10億円以下        16万円           16万円          20万円
~50億円以下       32万円           32万円          40万円
50億円超          48万円           48万円         60万円

 

3-4. ケーススタディ

以上、不動産購入時にかかる印紙を見ていきました。今度は実際に家を買うとき、自分がいくらの印紙税を払わなければならないか、具体例を用いて説明します。

例)6500万円の中古マンションを5000万円のローンを組んで契約し、

300万円のリフォームを行った場合にかかる印紙は?

まず最初に必要となる書類が売買契約書です。今回は6500万円の売買となるため3万円分の印紙を契約書に貼る必要があります。

次に、ローンの金銭消費貸借契約書です。5000万円のローンの場合は、印紙代は2万円です。

最後にリフォームの工事請負契約書です。300万円ですと印紙代は1000円です。

合計で5万1千円の印紙代が必要となります。

 

 

4. まとめ

以上、不動産の売買で必要となる印紙についてご説明しました。

ポイントは

①課税文書か否か

②書類作成者(納税者)は誰か

③書類の記載金額はいくらか

です。

この3点に注目して計算するようにしましょう。