家がなかなか売れない場合に考えられる原因?

家がなかなか売れない場合、大きな金額が動く取引であることから、焦りばかりが募りがちです。しかし、その原因は主に①価格②物件③不動産会社の3つに分類できます。

まったく誰からも需要がない不動産というのもあまり考えられないので、原因を分析し、対策することで売れる確率を高めていくことができます。何故売れないのかを知ることで、早めに対策を取ることが可能になり、損失を抑えることができるのです。

家を売却するときには、ほとんどのケースで値引き交渉がある上に、時間が経てば経つほど価値が下がっていきます。この記事では、一般的な売却の期間、家が売れない理由とその場合のチェックポイントなどについて、詳しく見ていきます。

1. 一般的な売却の期間

現状の不動産マーケットに合った価格で売りに出せば、一般的に3ヵ月以内には売れると言われています。価格や広さ等の条件が似た競合物件の有無など、物件によって状況は様々です。

必ずしも3ヵ月以内に売れるとは限らず、売りに出して数日で売却できることもあれば、半年かかる可能性もあります。不動産の物件に関して言えば、1つとして同じものがない以上、いつ売れるかは誰にも分かりません。

2. 家が売れない理由を考える

家を売ることに関して一番の壁ともいえるのが、売りに出した家が売れないことです。簡単に売れるというのは非常に稀なケースです。何故売れないかを知っておくことで早いうちに対策することができます。

2-1. 価格が原因の場合

価格が売れない原因なら、どう考えても価格を下げるしか方法はありません。それでも、そもそも価格が適正であるかどうかは必ず検討しなくてはなりません。 適正価格で売り出してもなかなか購入希望者が現れないときは、物件や不動産会社の原因も考えるべきですが、まずはインパクトが大きい価格から検討してみます。

2-1-1. 査定価格に問題がないか

不動産会社の査定価格を信じて売り出し価格を設定していると、時々高すぎることがあります。市場相場からかけ離れていれば売れない原因になります。その理由として、媒介契約を取りたい不動産会社が査定価格を高めに設定することが挙げられます。

売り出し価格を決める際に、査定価格を利用するのは間違った方法ではなく、むしろ一般的だといえます。問題は不動産会社に言われるまま、査定価格を信じて売り出し価格を決めることです。

不動産会社としても高く売れた方が仲介手数料が増えるので、相場より高く設定したがることがあるのです。しかし、不動産会社や売主が売りたい価格よりも、売れる価格は大抵低くなっています。

売り出し価格は徐々に下げていくとしても、全国的に土地価格は下がっており、家も築年数が増えれば価値は下がっていきます。値下げ幅よりも価格の下落が大きければ、常に相場よりも高く推移することとなり、いつまでたっても売れないことも考えられます。

査定価格が高すぎる問題を解決するには、複数の不動産会社に依頼し、比較・検証するのが有効です。一括査定の簡易査定であればさほど手間もかかりません。

2-1-2. 家の担保価値が下がっている

買主が現れ売買契約までしたのに何度も買主がローンで落ちるケースでは、買主の信用力が不足している以外に、家の担保価値が不足している可能性があります。そのようなケースでは、現金比率の高い買主を見つけないと、ローンが通らないことが続くでしょう。

住宅ローンは、金融機関が融資対象の家と土地を評価し、担保価値の範囲内で貸すローンですから、担保価値以上の融資申し込みは了承されません。2,000万円の融資申し込みに対し、評価が1,000万円の家なら貸さず、評価が3,000万円の家なら買主の属性が考慮されるとしても貸すと考えられるでしょう。

つまり、金融機関の評価額よりも高い価格で家を売る場合、自己資金をある程度用意できる買主でなければ購入できない可能性があるということです。

担保不足の物件で住宅ローンの審査を通すには、よほど収入が確かで返済能力が高い買主でなければなりません。従って、価格を下げると審査にも通過しやすくなります。

2-1-3. 値下げの前に他の要因を考える

価格を下げることが最も影響の大きい方法であることは疑いようもありません。しかし、値下げに抵抗がある場合、逆に値下げを最後の手段として考えがちです。そのような場合は、まずは物件や不動産会社を原因と捉え、先にそれらの対策をすることを考え、どうしても売れないときに値下げに踏み切るのも良いでしょう。

その代わり、値下げをためらうと、必ず後から大きな値下げが必要になるでしょう。家のような不動産は劣化するものであり、自然と適正価格が下がるからです。特に築浅のうちは、所有者が思っている以上に家の価値は早く下がり、値下げをためらっている期間も下がり続けます。

2-2. 物件が原因の場合

現状で売れない場合、物件にも何かしら原因があると考えられるでしょう。物件に手を加えて対策を考える場合について見ていきます。

2-2-1. 見た目が悪い(臭い、清掃でグンと良くなることもある)

購入希望者にとって見た目の印象の影響は非常に大きく、見た目が悪いと大きなマイナスになります。内覧で最初に玄関ドアを開けたときの印象で決まると言っても過言ではありません。

第一印象は誰でも後まで残りますし、特に水回りの汚れは注意して見られます。蛇口等の光沢が出る金属部分は、専門業者にクリーニングしてもらうと見違えるように変わるため、費用対効果が大きいです。

クリーニングできる費用がある場合、現在住んでいても空き家であってもしたほうが良いですが、空き家なら全体を、住んでいるときは水回りだけを行うのが現実的と考えられます。住んでいる人にはわからなくても、臭い匂いがしていて敬遠されている場合もあります。

2-2-2. リフォームの仕方を考える

家が古すぎて内覧されると買い手の意欲を下げてしまうような場合には、リフォームをして見た目をよくする方法も使われます。例えば、リフォームに100万かけて価格を上げない場合と、100万下げて出す場合を比較するとします。

売主にとってはどちらもマイナス100万円ですが、リフォームすると「リフォーム済み」と広告できるため、内覧での印象もアップします。物件が見た目の汚さで敬遠されているような場合には、値下げよりもリフォームの方が効果的な場合もあるでしょう。

一方で、リフォームは費用も時間もかかるため、リフォームして売れなければ損失感が大きいといえます。

2-2-3. 内覧の時は空家の方が有利

内覧時に売主が住んでいる家と空き家では、空き家が有利だと言えるでしょう。売主が住んでいないと生活感がイメージできないという意見もありますが、傷や不具合など瑕疵担保責任を気にする人は空き家を好む傾向があります。

さらに、空き家物件では、鍵を不動産会社に預けておき、不動産会社の担当者が代わりに立ち会うことで売主の都合が悪くても対応してもらえます。なかなか売れない家で、さらに一部しか見られない状況ではさらに不利になるかもしれません。

購入希望者にとっては、気兼ねなく隅々まで家を見ることができる方が好ましいでしょう。

2-2-4. 古家は解体した方が良いか

家が古すぎて価値がまったくなく、古家付きの土地と事実上同じになっているときは、解体して売ったほうが良いのでしょうか。古家付きの土地で問題になるのは、「家が古いから壊してしまえばそれで終わり」では済まされないケースがある点です。

まず、壊した後に新しい家が建てられなくなるケースがあります。家を建てるには、法律に適合する必要があり、古家の建築当時は法律に適合していても、今の法律に適合しない場合があります。

さらに、家が建てられる土地にも制限があり、基本的には4m以上の道路に2m以上接していないと、新たに家を建てられないことになっています。

その中でも、人が通るくらいの用途しかない細い路地では、再建築が絶望的になります。このような土地は、既存不適格や再建築不可と呼ばれ、土地の価値はとても低いです。家が建っているうちは、リフォームやリノベーションができるのですが、役所が建物を確認する増築や再建築は不可能です。

さらに、家は建てられても、壊した家よりも小さな家しか建てられなくなるケースがあります。上記の例外として、1.8m以上の道路(通路)に接していれば、道路の中心から2mの距離まで後退して家を建てることはできますが、後退する分だけ家を建てられるスペースが狭くなります。

その上、容積率と建ぺい率という2つの規制の問題もあります。容積率とは土地の広さに対する建物全体の床面積の上限割合であり、建ぺい率とは土地の広さに対する建物の面積の上限割合です。容積率と建ぺい率は時代と共に変化するため、古家が建てられたときは認められていた容積率・建ぺい率が、現在は小さくなっている可能性もあります。

2-2-5. 二世帯住宅は売りにくい

二世帯住宅は同一構成の家族しか対象にならないため需要がとても小さく、かなり売りにくい物件になります。例えば、一世帯住宅を希望している人は、基本的にキッチンや風呂を2セット必要とすることはないでしょう。

夫婦でも干渉し合うのを嫌い、キッチンや風呂を別にしたい場合や、友達同士のシェアでプライバシーを守りたい場合などは需要があるかもしれません。1階と2階の玄関が異なり、各階も繋がっていない完全に独立した二世帯住宅なら、区分所有もできるため、個別に売却することができる場合もあります。

しかし、大抵の二世帯住宅は玄関が共用、各階は階段で繋がっている構造になっています。欧米などのようにシェア文化(他の住人とキッチンとバス・トイレなどを共用し、部屋は個室など)のない日本では需要はあまりないと言えるでしょう。

2-3. 不動産会社が原因の場合

価格にも物件にも特に問題がないのに何ヶ月も売れない場合には、不動産会社を変えることも考えてみましょう。家を売却するときに、不動産会社と結ぶ媒介契約には、専属専任媒介、専任媒介、一般媒介という3種類の方法があり、専属専任媒介と専任媒介は契約期間が3ヶ月です。

一般媒介でも、3ヶ月が契約期間になっていることが多くあります。このため、3ヶ月任せて何の反応もなければ、媒介契約の更新と、不動産会社の変更を検討してみると良いでしょう。

2-3-1. 真剣に販売活動をしているか

家の売却で広告を出しているのに、内覧もなければ何の問い合わせもないという場合、確認しなければならないことがあります。それは、自分の物件が当て物件(つぶし物件)にされていないかどうかです。

内覧の希望者が来ない(当て物件にされていないか)

当て物件(つぶし物件)というのは、他に購入させたい物件を不動産会社が持っている時に、条件の悪いものと比較させて、目的のものが販売できるようにする物件のことを言います。

購入希望者に条件の良くない物件と比較させることで、セールスしたい物件をよく見せることができるからです。まず、買主に対して「この程度の価格だと、こんな悪い物件しかないのか」と思わせます。

そして、最終的に「この価格でこんなに良い物件は見つからないので早めに購入した方がいい」と言って目的の物件を売るという手法です。

つぶし物件にされがちなのは、建築してからの年数が経過していたり、あまりきれいではない物件です。年数が経過しているのは改善するのが難しいですが、汚れが目立つのはクリーニングやリフォームで改善することができます。

買主が絶対に気に入らない物件である当て物件ほどではなくても、たぶん買主が気に入らないであろう物件である引き物物件にされている場合もあります。順番としては、まず当て物件を見せ、次に引き物物件を見せ、最後に本命の物件を見せるという流れです。

売れる可能性がまずないのはどちらも同じです。流れを見ているとわかるように、先に条件の良くない物件を見せるので、内覧の時間が午前中になっている時にはその可能性があります。家が売れない状態が続いていて、午前中の内覧が続くときには、一度不動産会社と話し合ってみましょう。

2-3-2. 不動産会社の出した広告に問題がないか

広告には、インターネットで確認できる不動産会社のホームページやポータルサイトでの物件情報だけではなく、ポスティングや折り込み広告も含まれます。売れないと嘆く前に、まず、自分の家がどのように広告されているのかを知ることが重要です。

第一印象は写真で決まることが多いため、広告に使われている写真は必ずチェックしましょう。さらに、自分の家の特徴が出ているか、明るく撮られているか、空き家の場合は内部が使われているかなどもチェックするべきです。

家の内部がイメージしやすい図面かどうか、買主目線で見てみるのも良いでしょう。

2-3-3. 物件情報を隠されていないか

未公開物件(非公開物件)とは、売り主や不動産屋の事情で、インターネットやチラシなどの媒体で一般公開をされていない秘密の物件のことを言います。不動産会社の事情で非公開になる理由として考えられるのは、以下のようになります。

人気のある物件で一般公開しなくても売れる、希少価値のあるプレミアム物件に見せたい、レインズに掲載をしていない、など。レインズとは、不動産業者のみが閲覧することの出来る物件情報の交換サイトです。

レインズに掲載をせず自社売買をすることで、業者は売主と買主の両方から手数料を貰うことができます。なかなか売れない場合には、業者側の都合で不利益を被っていないかどうか、一度調べてみましょう。

まとめ

この記事では、家がなかなか売れない場合に考えられる原因を、大きく①価格②物件③不動産会社の3つに分類し、順番に見てきました。家が売れない原因を調べる場合には、まず時間が経てば経つほど損害が拡大していくため、価格が相場より高すぎないかを確かめると良いでしょう。

次に物件が古すぎて買主に敬遠されるほど見栄えが悪くなっていたり、住むのに不都合な欠点があったりしないか、そして不動産会社に問題がないかどうかを検討していきましょう。

家を売る時は決して他人任せにせずに、自分がお客様である買主に物を売る側だという自覚を持って、自分できれいにできるところは掃除をしておきましょう。

さらに、仲介してくれている不動産業者とも、しっかりコミュニケーションを取るようにすると良いでしょう。