不動産所得の場合には事業税が非課税!?条件と計算方法について

個人で商売をすると、儲けに対して所得税や住民税が課かります。

不動産所得も同じように税金が課かるのですが、「事業」として行うと、さらに事業税がかかります。数多くの種類の税金があるので、どの税金をどのくらいの金額払う必要があるのか、把握しにくいものです。

特に事業税は、不動産所得がいくらあるのかによって、事業税が変化します。

この記事では、不動産所得における事業税の課金について解説していきます。どのような条件があるのか、また事業税の計算方法を分かりやすく説明していきましょう。

1. 不動産所得には事業税が非課税になるものがある

不動産所得に事業税がかかるのかどうかは、不動産貸付業を「事業」として行っているのかどうかがポイントになります。

事業として行っていない不動産所得の場合には、事業税は課かりません。もちろん所得税や、全体の所得に課かる住民税などはあります。しかし「事業」ではないので、ここで考えている事業税は非課税になります。

では事業税は一体どのような人が納めるべき税金なのでしょうか?事業税は以下のすべての条件を満たす際に、納税義務が生じます。

 

・事務所や事業所が存在する

・所得金額が290万円以上ある(事業主控除以上)

・法定の70業種に該当

 

つまり、事業として行っている不動産所得の場合には、事業税が課税されます。

ポイントになるのは、所得金額が290万円未満の場合は事業税が非課税になるという点ですが、そもそも事業となるには、一定の基準以上の不動産を所有している必要があります。

もし事業として行っている不動産賃貸業の場合では、先ほどの条件を満たすケースがほとんどでしょう。不動産所得が290万円未満でも、他の事業所得と合わせると、控除以上の金額になることがほとんどですので、全体として事業税は課税されますので、非課税になるケースは少ないと言えます。

ただし不動産所得でも、条件によっては一部分に対して事業税が課税されないケースもあります。これについては、後程関係する「事業的規模」の部分で詳しく解説します。

 

2. 事業税において不動産所得は非課税になることもある

事業税は法定の70業種に該当し、条件を満たしているのであれば、事業税を納める義務が発生することを説明いたしました。

しかし場合によっては、事業税において不動産所得が非課税になるケースもあります。その場合の条件を解説します。

所得税の確定申告を行う際には、アパートやマンションの家賃収入と駐車場の収入のどちらも不動産収入になります。しかし、事業税を考える際には、アパートやマンションの家賃収入は不動産貸付業に該当し、駐車場収入は駐車場業に該当します。

事業的規模は、不動産所得における事業税にも影響しますが、実はこの業種の違いにも影響します。

不動産貸付業と駐車場業の認定基準を見てみましょう。

 

不動産貸付業の認定基準

戸建て:10棟以上

独立家屋(住宅以外):5棟以上

上記以外の建物:10室以上

 

駐車場業の認定基準

寄託を受けて保管を行う場合:1台以上

構築物や機械式の駐車場:1台以上

上記以外の駐車場:10台以上

 

この条件を満たしていると同じ不動産所得でも、不動産貸付業と駐車場業に分けられるのです。

仮に不動産所得のアパートやマンションの収入か、もしくは駐車場の収入のどちらかが事業規模の認定基準を満たしていない場合には、事業的規模を満たしている業種のみ事業税が課税されます。

よく見られるケースとしては、アパートやマンションの貸付室数は10室以上あるのですが、駐車場は10台未満という場合です。この場合には個人事業税の課税対象は、条件を満たしているアパートやマンションの収入にのみ課かり、駐車場収入には事業税が非課税になります。

一口に不動産所得と言っても、不動産貸付業なのか、それとも駐車場業なのかによって認定基準が異なるのです。条件を確認し、確定申告の際にはどちらに事業税が課かるのか、正しく記載して申告する必要があります。

 

2-1. 所得税と異なる事業的規模の定義

不動産所得における事業税は、事業的規模になっているのかが判断基準になります。事業税を考える時の事業的規模の定義を考えてみましょう。

所得税の場合には、事業的規模になるとメリットなのですが、事業税の場合は事業的規模になると、税金が課税されてしまいます。それで所得税とは異なる「事業的規模」の違いを理解しておくことが、課税される税金の金額を算出するのに必要です。

まずは事業税における事業的規模の判断基準を見てみましょう。

 

不動産貸付業の基準

貸付の形態       認定基準

住宅 アパート・マンション    10室以上

1戸建て          10棟以上

 

住宅以外の建物 独立建物以外   10室以上

独立建物     5棟以上

 

土地     住宅用の土地  貸付契約件数10件以上または貸付面積20000平方メートル

住宅用以外の土地 貸付件数10件以上

 

駐車場業の基準

貸付の形態        認定基準

青空駐車場の貸付      10台以上

建築物           規模を問わず

 

このように不動産貸付業と駐車場業で、認定基準が異なっているのがポイントです。ここが所得税の事業的規模の認定基準と異なっている点でもあります。

 

アパートが10室で、青空駐車場5台の例を一つのケースにして考えてみましょう。

 

アパートが10室で、青空駐車場5台場合

所得税の計算では、アパートは10室あり、駐車場は5台で1室とカウントするので、合計11室になります。それで所得税は、事業的規模に当てはまります。

しかし事業税では、不動産貸付業と駐車場業に分けて考える必要があります。それで、不動産貸付業では10室あるので事業的規模に当てはまりますが、駐車場業は10台未満なので、事業的規模の基準を満たしません。

結果として所得税は事業的規模になりますが、事業税は不動産貸付業が課かり、駐車場業では非課税になります。同じ所得でも、業種によって課税配分を分けるのが事業税になります。

 

アパートが9室で駐車場が5台の場合

今度は、アパートが9室で駐車場が5台のケースです。

所得税では、駐車場5台は1室というカウントで、合計すると10室に相当します。10室は所得税における、事業的規模に該当しますので、所得税は事業的規模で考えます。

その一方で、事業税では不動産貸付業は10室未満、駐車場業でも10台未満になるので、事業税は非課税になります。

このようにケースによって、事業税が事業的規模になるのか、所得税は事業的規模になるのか変化します。確定申告をする際には、それぞれの税金を分けて考える必要があり、それぞれの税金で事業的規模になるのか、それともそうでないのか計算していきます。

注意しておきたい点として、事業税を考える際に不動産貸付業の条件は、都道府県によって異なるので、都道府県別に条件を確認しなければいけません。

 

3. 事業税の計算方法

事業税の計算方法は、前年の1月1日から12月31日までに、事業から生じた事業所得や不動産所得から必要経費や、控除額を控除して計算します。不動産貸付業でも、駐車場業でも事業税は5%に属します。

計算方式は以下の通りになります。

(事業所得および不動産所得+所得税の事業専従者給与額-個人事業税の事業専従者給与額++青色申告特別控除額-各種控除額)×5%=個人事業税額

この計算方式のいくつかのポイントを解説しましょう。

まず事業所得および不動産所得は、事業や不動産の収入から経費や青色申告特別控除額などの控除額も引いている金額になります。

最初に必要な経費や、青色申告の控除も含めて計算していると思いますので、それも含めて計算しています。

それで本来個人事業税では引かれない、所得税の事業専従者給与額と、青色申告特別控除の額を足した後に、計算を進めています。事業主の家族が手伝っている場合には、一定額は必要経費として控除が認められています。

 

3-1. 個人事業税で可能な控除

青色申告の場合:給与額

白色申告の場合:配偶者は86万円、配偶者以外は1人50万円

控除の部分では、もし事業で赤字になった場合の損失や、事業用資産が損失した場合には、3年間繰り越して控除が可能になります。

個人事業主は、事業主控除として290万円が所得金額から控除されます。個人事業主は税負担能力が低いとされているので、制度として個人事業主の負担を少なくしています。事業主の給与も含めて基礎控除というイメージです。

もし営業期間が1年未満なのであれば、月割額で控除額が算出されます。様々な控除などを引いた後に、5%の税率をかけると個人事業税が算出できます。

 

4. まとめ

不動産所得は、不動産貸付業なのか、また駐車場業なのかによっても事業規模が異なります。一般的には所得税と同じように、アパートやマンションの収入と、駐車場の収入は同じように思えますが、事業税を考える際には別の業種として考えます。

不動産所得も場合によっては、非課税になることもありますので、正しく計算する必要があります。基本的には、事業税は自身で計算する必要はなく、年に2回送られてくる納付書の額を支払えば問題はありません。

しかし事業を成功させるためには、かかる経費についても知識を蓄える事も必要です。この記事を参考にして、自身のケースでは事業的規模に属しているのかを判断すれば、自身に課税される事業税の額も算出できます。

自身の不動産所得はどれほどあるのか、さらに課税される事業税などを把握し、不動産経営を安定させることに努めていきましょう。

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