事業用定期借地権の契約で必要不可欠になるのが公正証書です。公正証書があることで万が一トラブルが起こった場合でも証拠として主張できますが、注意しなければいけない点もいくつかあります。ここでは事業用定期借地権の契約について、分かりやすく説明しています。

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1.事業用定期借地権契約に必要なもの

事業用定期借地権というと、契約のときに必ず必要になるのが「公正証書」です。詳細は後述しますが、契約時には公正証書をはじめ設定契約・覚書と3つの契約が必須になります。なかでも覚書は、公正証書を契約する前に作成するとても大切な書類です。事業用に土地を貸すということで、一般定期借地権より厳しい契約内容になるでしょう。ここでは、事業用定期借地権の基礎知識を簡単に説明します。

1-1.事業用定期借地権とは?

事業用定期借地権とは、その名のとおり事業用の定期借地権になります。定期借地権には事業用以外に一般定期借地権・建物譲渡特約付借地権の2種類ありますが、同じ定期借地権でもそれぞれ存続期間や建物買取請求などが異なります。

事業用定期借地権は、もともと10年以上20年以下と決められていました。しかし法改正によって10年以上30年未満・30年以上50年未満の2つに区分。そのため、同じ事業用定期借地権でも存続期間や契約更新の有無などが異なります。また建てられる建物も変わってきます。まず契約更新の有無ですが、10年以上30年未満はありません。しかし30年以上50年未満の場合、特約によって「なし」にすることはできますが、基本的に更新することになるでしょう。

事業用定期借地権のメリットは、なんといっても契約満了になると土地が更地で戻ってくることです。そのため、土地を元通りにして返還してほしい方には大きなメリットになります。また長期的な契約なので安定した収益も期待できますし、相続税評価額の減額にも繋がるでしょう。また、借り手にとっても土地の購入が不要なのでコストをかけずに事業活動ができます。要するに、貸主・借主どちらもメリットになるのが事業用定期借地権というわけです。

しかし一方で、デメリットもあります。それは「事業用でしか土地を貸せない」ということです。事業用定期借地権なのですから当たり前ですが、居住用として土地を借りることはできません。そのため、借り手も事業活動をしている方など利用者は限られるでしょう。

1-2.公正証書とは?

先ほども登場した「公正証書」。事業用定期借地権契約をする際は、この書類が必要不可欠になります。公正証書を作成すると、契約内容を公証人に証明することになるため、第三者のトラブルを防ぐことができます。事業用定期借地権では10年以上30年未満・30年以上50年未満、どちらの存続期間でも公正証書は欠かせません。

公正証書を契約すると、先にも述べたように「証拠」として残ります。口頭契約だけでは本当にその約束をしたのか曖昧です。そのため、言った・言っていないで問題になりやすいのですが、公正証書は書面できちんと契約するので、証拠として残ります。

要するに、万が一トラブルが発生し裁判沙汰になったとしても十分な証拠として扱われるというわけです。また、安全・信用にも繋がるでしょう。公正証書の原本は厳重管理されるので、情報が漏れる心配はありませんし、それを偽造することもできません。ですから、一度契約すると契約が満了になるまでしっかり安全が守られます。

要するに、厳格な契約になるため、確固たる証拠になり安心・安全に土地の貸し借りができるというわけです。事業用定期借地権のように事業用として土地を借り、コンビニやガソリンスタンドなど大きい建物を建てる場合は欠かせない契約書になるでしょう。

2.事業用定期借地権契約の公正証書の作成方法と費用

事業用定期借地権契約における公正証書の書き方は、インターネットで簡単に調べることができます。ひな形もありますので、参考にしてみると良いでしょう。簡単に説明すると、「所有している土地をどのような目的で利用するのか」というのを証明する内容を書面に記入していくので、所在・地番・地目・地積は必要不可欠です。

注意点としましては、先にも述べたように「土地の利用目的を明確にする」ことでしょう。事業用定期借地権は居住以外の事業用として土地を貸す場合にのみ適用されるため、目的と異なればこの契約は適用されないからです。また、契約期間と更新、強制執行受諾文言も忘れないようにしてください。それでは、作成の流れを見ていきましょう。

2-1.作成の流れ

作成の流れを最初に述べると、1.土地の利用目的、2.契約期間、3.賃料・支払い方法、4.契約解除、5.契約修了後の明け渡し、6.保証人、7.強制執行、の順に進めていきます。書き方のサンプルについては先ほども紹介したようにひな形がありますので参考にしてみると良いでしょう。

まず土地の利用目的ですが、ここは特に重視しなければいけません。というのも、定期借地権は利用目的によって適用されるものが異なるからです。事業用定期借地権はあくまで事業用として、たとえばコンビニやガソリンスタンド、大型物流倉庫などに土地を使う場合に適用されます。ですから、どのような目的で土地を使うのかを最初にきちんと記載しておきましょう。

契約期間は、いわゆる存続期間です。事業用定期借地権には10年以上30年未満・30年以上50年未満の2つに区分されていますが、いつからいつまで契約するのかもきちんと明記しなければいけません。賃料の支払い方法を記載し、契約期間内に契約を解除する場合はその旨もしっかり書き記しておきましょう。

たとえば、「支払い日に賃料が支払われなかった場合」「本契約に違反した場合」などです。公正証書ではこのような場合、証明として残るので万が一トラブルがあると主張できます。契約が終了した後は、更地に戻して返還します。そのことについても記載しなければいけません。

最後に、担保や連帯保証人についての記載と強制執行について述べたら作成が完了です。

2-2.必要書類

貸主と借主では必要となる書類が異なります。ここでは「土地を貸す側の公正証書の作成方法」ということで、貸主が用意する必要書類を紹介します。まず、本人確認書類です。基本的に運転免許証またはパスポート+認印を用意しますが、これらがない場合は印鑑証明書+実印でも契約できます。

ちなみに、代理人で契約を行う場合は委任状+印鑑証明書・代理人の運転免許証+認印(または印鑑証明書+実印)が必要になります。

本人確認書類以外には、契約書・公証人手数料・収入印紙を準備して公証役場に提出してください。

2-3.費用負担

公正証書の費用は、事業用定期借地権に関わらず法律で決められた目的価格に沿って定められています。法律事務所によって記載方法が異なりますが、たとえば100万円までの目的価格であれば手数料は5,000円かかります。

しかし事業用定期借地権のように事業用で土地に建物を建てる場合、100万円までということはまずほとんどありません。「要相談」としているところもありますので、まずは最寄りの法律事務所に相談してみると良いでしょう。

ちなみに、費用負担の目安としては「期間中の賃料総額×2倍」。事業用定期借地権は10年以上の契約になっているので、「10年分の賃料総額×2倍」と考えておくと分かりやすいかもしれません。また収入印紙は契約金額によって決まります。1万円未満の場合は非課税になりますが、1万円以上の場合はそれぞれ印紙税がかかるでしょう。

3.事業用定期借地権の期間延長・再契約設定時にも公正証書が必要

まず事業用定期借地権の期間延長についてですが、結論からいいますと、可能です。そもそも、この契約は法改正が行われるまでは10年以上20年以下であったことはすでにご存知でしょう。

しかし近年大型ショッピングセンターなどが増え、20年以下の契約では事業が成り立たなくなったため、平成20年1月1日に改正し10年以上30年未満・30年以上50年未満に変更されました。これにより安定した事業活動が行えるようになったわけですが、それでも期間延長が可能というのは、あくまで存続期間内であれば延長できるというだけであって、50年以上の場合は再契約が必要になるでしょう。

要するに5年だけ延長したい場合は最長が50年未満なので存続期間内になり適応されるというわけです。ただし事業用定期借地権の最短は10年ですから、10年以上の延長については先にも述べたように再契約を検討することになるでしょう。

では、期間延長と再契約の際の公正証書は必要になるのでしょうか?これも結論から述べると必要になります。というのも、契約書は公正証書の利用が義務付けられています。そのため、たとえ期間を延長したい場合でも、また再契約する場合でも事業用定期借地権の契約であることは変わりないため公正証書は必要不可欠といえるでしょう。

4.事業用定期借地権契約時の注意点

基本的に、この契約は存続期間が終了すると正当な理由がなければ土地を更地に戻し貸主に返還しなければいけません。そして、50年以上の期間延長を希望する場合は再契約となります。当然、どちらの場合でも公正証書は必要不可欠ですし、その他設定契約や覚書もきちんと準備しなければいけません。このように、事業用定期借地権の契約は一般定期借地権や建物譲渡特約付定期借地権とは少々内容が異なります。

特に注意しなければいけないのが何度も登場している「公正証書」でしょう。この契約書がなければ事業用定期借地権の契約はできないと考えておいてください。

他にも、居住用でないことをきちんと理解することです。事業用定期借地権の契約期間は10年以上であり、10年以下の場合は契約ができませんし、リスクなどもあります。土地を貸すということは事業用定期借地権に限らずリスクを排除することはできませんから、リスクを背負うことができない場合は安易に土地を貸さないようにしてください。

5.まとめ

事業用定期借地権は公正証書が必須になり、他の定期借地権とは大きく異なることが分かりました。あくまで事業用として土地を活用すること、契約期間が満了になると更地にして返還しなければいけないことなど、土地を利用した後の明け渡しも重要です。そのため、事業用として土地を貸す場合は大きなリスクを背負うことになることも十分理解しておかなければいけないでしょう。それでも、10年〜50年は安定した収益が得られるのは事業用定期借地権のメリットになるかもしれません。

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