事業用定期借地権の登記の方法は?メリットとデメリットも紹介

コンビニや飲食店など、ビジネスを考えている人に土地を貸そうと考え、家賃収入を得たい人のために、事業用定期借地権について述べます。この権利は、事業を行う人に土地を貸すうえで大切な要素だからです。

しかし、事業用定期借地権について、全く分からないという人もいます。ビジネスを行う人に土地を貸すメリットやデメリットも思い浮かばない人もいるでしょう。

本記事では事業用定期借地権の定義や、登記の方法、メリット、デメリットなどについて述べます。

1.事業用定期借地権の登記とは?

まず、不動産登記には「定期借地権」があります。これは、50年以上の期間を設け、相手から土地を借りる「借地契約」を結びます。契約期間が終われば、借りた方は建物を取り壊したうえで土地を貸した人に返さなければなりません。

たとえば、広い土地を持っている人が、ある年の5月20日に、マンションを経営したいという事業者に50年契約で土地を貸したとします。その人は契約が始まった日から、マンション建設の期間も含め、50年間借りた土地で運営します。

しかし、何があっても50年後の5月20日になったら、マンションの事業者は建物を取り壊しか移転などを行い、土地の上に建物がない状態にして借りた人に返還しなければなりません。5月21日以降になってもマンションを運営し続けいると、土地を借りている人から「契約違反」として訴えられる恐れがあります。以上が、定期借地権の仕組みです。

「事業用定期借地権」とは、「10年以上30年未満」もしくは「30年以上50年未満」の条件で相手から土地を借ります。そこにコンビニや飲食店などの事業のための建物を設けて利用し、期間が終われば取り壊すか移転するかして土地は相手に返さなければなりません。

このとき、契約期間によって特約に違いが現れます。「10年以上30年未満」の場合は、以下の二つの特約が絶対になります。

  • 借地契約の更新を行わない
  • 契約が終わったときに借りた土地の上にある建物を土地の所有者に買い取ってもらえる「建物買取請求権」を求められない

しかし「30年以上50年未満」の場合は、土地を貸した人と借りた人双方の同意により、この特約をなしにもできます。

たとえば、土地の所有者が、食堂を開きたい人に35年契約で土地を貸したとします。35年後の契約終了時に、食堂を経営している人は、それを閉店するか移転などをすることで、土地を所有者に返さなければなりません。ただしその際、以上の二つの特約を設けなかった場合、食堂の経営者は「あと10年土地を借りさせて頂きたい」と申し出たり、「食堂を買い取ってください」と土地の所有者に請求したりできます。

「登記」とは、主に土地や建物などの不動産に対し、その所在や所有名義、またそれが変わったことを明記する制度です。つまり、事業用定期借地権の登記とは、事業をしたい人に土地を貸し出した人と、借りた人の存在を証明する行為であり、互いに、本人確認資料や実印などを用いた書類手続きが必要になります。

2.事業用定期借地権は登記が必要?費用はいくら?

事業用定期借地権において登記は義務ではありませんが、登記をすることにより、借りた土地やその上に建てた店舗などの建物をめぐり、裁判になるほどのトラブルが起きた場合、有利な証拠として登記簿を示すことができるため、登記は通念上必要と考えられます。

底地 (借地権のある土地)の所有権を譲り受けた人が、勝手に別のビジネスをしたい人に土地を貸す契約を結んでしまったなどのトラブルに対し、「自分は前の土地の持ち主から土地を借りていて、登記でも証明できる」と対抗することができます。

たとえば、35年契約で土地の所有者Aから借りた土地の上で靴屋さんを経営している人がいるとします。ところが契約から12年目に、土地の所有者がBに変わりました。新しい所有者は、靴屋さんに無断で、駐車場を開きたい事業者に土地を貸すことを勝手に決めてしまいます。

所有者Bが靴屋に対し「駐車場を開きたい人がいるから立ち退いてくれ」と要求したとします。しかしこうなっても、靴屋側は事業用定期借地権の登記を証拠として、「35年貸してくれると約束したからできない」と対抗できるのです。

従って、トラブルに備えて登記をしておけば、余計な不利益を被らずに済みます。

登記にあたり、登録免許税 (固定資産評価額の1,000分の10)、必要書類を用意するための諸費用、司法書士報酬などがかかります。以上の費用は、土地の所有者または借りる人どちらがどれほど負担するかを双方の合意で決めることができます。

3.事業用定期借地権の登記をするメリット・デメリット

登記には地主と借地人双方にメリットがあります。

前述のとおり、土地や建物の不動産を、地主には、借地権付の建物が取引や競売などで第三者に移転しても、登記を証拠として事業用定期借地権が有効であると第三者に主張できるため、契約期間中に土地を無理矢理奪われることはありません。

たとえば、45年契約で食堂を開きたい人に土地を貸したものの、食堂はうまくいかずに5年で潰れたとします。競売で食堂だった建物の所有者が移り、新しい所有者は改装してラーメン屋を開きました。このとき、ラーメン屋を開いた人から土地の買い取りを要求されても、土地の所有者は事業用定期借地権の登記を証拠にこれを退けることができます。

このように、誰であっても土地を借りた人から土地の所有権を自分のものにしろと要求する裁判を起こされても、登記の効力を主張すれば、借地期間が終わったときに土地を返すよう要求できます。借地人にとっては、事業用定期借地権の証明として登記があることで、事業資金を融資する銀行などからの信頼度が上がり、お金を借りやすくなります。

登記によるデメリットは、諸費用がかかること以外、これといったものはないようです。

4.事業用定期借地権の登記手続き

必要書類を用意して、行政書士または司法書士の事務所で手続きを進めます。そこで土地の所有者と借りる人双方の委任状を作成し、依頼を受けた人が法務局に登記に必要な書類を届けます。

5.事業用定期借地権の登記申請に必要な書類

登記には以下の書類が必要になります。

・登記識別情報または登記済証 (必ず土地の所有者が準備)

・登記原因証明情報

・代表者事項証明書または商業登記簿謄本

・印鑑証明書 (必ず土地の所有者が準備)

・固定資産評価証明書

6. 事業用定期借地権の登記申請書の記載事項

登記申請書には以下のものが項目別に示されます。

・登記の目的 (地上権か賃借権か)

・「原因」と称された、登記設定日付

・登記の目的

・賃料

・支払時期

・存続期間

・敷金

・特約 (譲渡、転貸が可能か、借地借家法による特約など)

・権利者 (土地を貸す方)

・義務者 (事業のために土地を借りる方)

・添付書類 (主に事業用定期借地権登記の必要書類の一部)

・申請日と担当した法務局

・代理人 (主に行政書士または司法書士で、その連絡先も示される)

・課税価格

・登録免許税

・不動産の表示

7. まとめ

コンビニ、飲食店、商店を開きたい人に土地を貸すことで、賃料などの収益を上げ、生活費の足しにしたり、欲しいものを買いたいと望んだりする人がいると思われます。しかし、不動産に関する契約は、当事者がルールをよく知らないがために、トラブルになってしまう恐れもあります。

本記事の場合は、事業用定期借地権の知識が重要であるため、可能な限り分かりやすく解説しました。以上のように、事業用定期借地権の定義や、登記を行うメリット、必要書類、登記申請書の事項などを知って頂ければ幸いです。

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