不動産投資をする上で確認しておきたいことは、対象となる不動産を所有するとどれほどの利益があるかということです。利益を算出するためには利回りを把握することが大切ですが、利回りにもいくつかの計算方法があります。

今回は期待利回りについての概要と計算方法について詳しく紹介します。

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1.期待利回りとは?

期待利回りとは投資家が投資の対象物に年間でどれくらいの利益が見込めるかという収益の割合のことを意味しています。

アパートやマンションなどを投資の目的で購入した場合、その建物について1年間で上がる利益を計算します。その収益の部分を割合で表したものが期待利回りになります。

収益を少なく見込んでいる場合には期待利回りは下がりますし、逆に収益を多く見込んでいる場合には期待利回りは上がります。

また期待利回りが低い場合には建物を利用する借主にとっての負担は少なくなりますが、期待利回りが高い場合には、建物を利用する借主にとっては大きな負担となります。場合によっては建物を借りること自体が難しくなる場合もあります。

2.期待利回りと還元利回りの違い

不動産の投資における利回りには期待利回りのほかに還元利回りというものもあります。

還元利回りは「一定期間の利益」から「不動産の価格」を求める利回りで、将来の収益に影響を与えると思われる要因を含めて計算しています。

将来の収益に影響を与える要因としては投資の利用先というものがあります。たとえばビルを投資の対象として貸し出した場合、大手の会社がオフィスとして利用する時には信用と安定性があるため収益に与える影響が少ないと見込まれます。そのため還元利回りは低く見積もられます。一方個人が居酒屋やカフェの経営に利用する時には、景気の影響によって左右される可能性があります。そのため信用と安定性が低いと見込まれます。そのため還元利回りは高く見積もられます。

さらに投資対象の不動産の周囲の環境も将来の収益に影響を与える場合もあります。人気の街や繁華街などでは建物に魅力がある一方、人気の少ない場所では建物としての魅力が薄れる可能性もあります。

またアパートの投資においては、空き室が発生するという場合が考えられます。その場合には収入が減少するというリスクが想定されます。特に過疎化が進んでいる地方都市の地域などでは今後空き室の問題が発生する場合もあります。そうした場合でも収益に影響するので十分に考慮する必要があります。

期待利回りと還元利回りの大きな違いは、どの部分に重きが置かれているかです。期待利回りの場合は、収益によって得られる価値に重きが置かれていますが、還元利回りでは不動産そのものが生み出す価値に重きが置かれています。

そのため賃貸料を求める利回りの場合は期待利回りが、価格を求める利回りの場合には還元利回りが使用されます。

3.期待利回りと利率の違い

不動産の投資を行うと期待利回り以外に利率という言葉も耳にします。期待利回りと利率は似ていますが、まったく別のものです。

まず利率は、1,000万円の不動産を投資に使い1年後に50万円の家賃収入を得た場合には、5%の利率があったと考えることができます。

対して期待利回りは、購入した時の金額も含めて計算します。

1,000万円の不動産を950万円で購入できた場合は、この時点で既に50万円を利益として考えることができます。そして、その後4年間毎年50万円の家賃収入を得た場合には、最初の50万円分と合わせて4年間で250万円の利益になります。

期待利回りは両方の利益を合わせて、1年間の平均収入として計算します。250万円を4年で割るので1年あたりで62.5万円の利益が出たことになります。

この場合の期待利回りは6.57%ということになり、利率よりも高い数値になります。

ただし不動産の投資の場合は投資を始めた頃よりも不動産の価値が減少することが大いに考えられます。土地については大きな変化がない限りは金額が大幅に変わることはありませんが、建物については築年数が経過すれば経過すほど価値が下がり、建物自体の金額も下がります。そのため利回りを算出する場合にはそうした点も考慮して算出する必要があります。

4.期待利回りの計算方法

不動産投資を行う際には初めに期待利回りの計算をします。期待利回りをきちんと計算すればおおよその収入を把握することができます。

期待利回りを計算する方法としては表面利回りと実質利回りの2つの方法があります。

4-1.表面利回り(粗利回り)による算出

計算式は表面利回り=年間収入÷購入価格となります。

たとえば土地や建物などの不動産の費用の合計が1億円で部屋数が8室、それぞれの部屋の家賃を10万円で設定した場合は、10万円の部屋が8室のため80万円の毎月の収入があり、年間の収入が12カ月で960万円になります。960万円を1億円で割ると0.096となり、これに100を書けた数字、9.6%表面利回りとなります。

多くの不動産投資に関する物件情報は表面利回りで計算されています。表面利回りは計算が簡単なため、ある程度算出することができます。

4-2.実質利回り(NOI利回り)による算出

計算式は実質利回り=(年間収入-年間支出)÷購入価格となります。

たとえば土地や建物などの不動産の合計が1億円で部屋数が8室、それぞれの部屋の家賃を10万円で設定した場合は、10万円の部屋が8室のため80万円の毎月の収入があり、年間の収入が12カ月で960万円になります。年間の不動産に関する経費が200万円の場合は960万円から200万円を引き、年間の利益が760万円となります。

960万円を1億円で割ると0.076となり、これに100を書けた数字、7.6%が実質利回りとなります。

必要経費には共用部分の清掃代や修繕費や管理費、固定資産税などがあります。また不動産投資のためにアパートを購入する場合には不動産取得税や登記費用などもかかりますので、そうした費用も実質利回りを計算する際に経費として含める必要があります。

実質利回りの場合は経費も計算に含めているためより正確に利回りを算出することができます。

5.表面利回りと実質利回りの違い

不動産投資を行う際には、年間でどれほどの収入を得たかよりもどれほどの利益が手元に残るかが大切です。先ほどの場合、表面利回りで計算すると10年で1億円の収入を得られることが分かりますが、どれほど手元に利益が残っているかが把握できません。一方実質利回りの計算を考慮すると、おおよそ13年から14年で不動産投資での建物や土地などの経費を払い終えることが分かります。

また不動産投資をする際に借入金がある場合には、借入金の返済の利息についても考慮に入れる必要があります。その際には、表面利回りよりも実質利回りのほうがより正確に算出することができます。

6.まとめ

不動産投資を行う際に利回りを把握しておくのは大切です。

利回りには期待利回りと還元利回りの2つの方法があります。期待利回りで利回りを算出することはできますが、対象となる不動産によっては還元利回りでの正確な利回りの算出が必要なときもあります。

期待利回りと利率は似た表現ですが、期待利回りの場合は対象となる不動産の価値も含めたものとなります。そのため正確な利益を把握するためには期待利回りで計算することをおすすめします。

さらに期待利回りには表面利回りと実質利回りの2種類があります。土地や建物の費用だけでなくある程度の経費が算出できれば、正確な利回りを把握することができます。

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