土地の維持にかかる税金と節税対策について

土地の維持にかかる税金には、固定資産税と都市計画税の2種類があります。税額は、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて市町村が決定する固定資産税評価額に税率をかけて求められます。

固定資産税は基本的に全ての土地が対象となり、税率は基本的に1.4%とされています。一方、都市計画税は市街化区域と呼ばれる地域内にある土地が対象で、税率は0.3%以内と定められています。また、土地の用途によって課される税金の額は変わり、登記簿謄本ではなく現況で判断されるので注意が必要です。

土地の税額は、納税通知書に添付されている課税明細書、または役所に申請をして行う閲覧や縦覧などで確認することができます。まだ土地を購入していないなど、公的書類が得られないときでも、自分でおおよその固定資産税評価額を導き出して、税金を計算することはできます。

土地の節税対策には、住宅用地の特例を適用すること、登記簿に記載されている土地の面積を確認すること、分筆して評価を下げること、公共性を利用して非課税資産にすることの4つの方法があります。大きな土地や相続などで長く所有している土地をお持ちの場合は、税額を減らせる可能性が高く、確認した方が良いでしょう。

1. 土地の維持にかかる税金の種類

土地を維持するには、毎年税金を市町村などの地方自治体に納める必要があります。その税金には、固定資産税と都市計画税の2種類があります。

どちらも、毎年1月1日時点での土地の所有者に納税の義務が与えられ、5月上旬から6月上旬に送られてくる納税通知書に従い、納付しなければなりません。

中古住宅や土地を新たに購入した際には、引き渡し日を境に日割りで税金を精算することが慣例となっています。また、土地の所有者に納税義務があるものであり、賃貸の場合などは納税の義務はありません。

固定資産税と都市計画税は、税率は異なりますが、対象になる土地や家は同じ方法で評価されます。これを固定資産税評価額と言い、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて市町村が決定します。そして、一般に税額は以下のように計算されます。

(税金)=(固定資産税評価額)×(税率)

固定資産評価基準は評価替えと言い、3年に1度、評価の見直しがあります。納税者の負担を公平にするため、適正な時価に基づいた課税を行う必要があるためです。場合によっては、3年を待たずに評価を修正する場合もあります。

ここからは、固定資産税と都市計画税についてそれぞれ見ていきましょう。

 

1-1. 固定資産税

固定資産税は土地、家屋、償却資産が課税の対象となります。償却財産とは、会社などが事業のために使用している構築物、機械、器具、車両、備品などを指します。

税率は基本的に1.4%とされています。ただし、財政上の事情などにより、地域によっては少し引き上げられている場合もあります。

(固定資産税)=(固定資産税評価額)×1.4%

 

1-2. 都市計画税

都市計画税は、都市計画事業や土地区画整理事業に必要な費用に充てるために課税されるものです。そのため、市街化区域と呼ばれる地域のみが対象となります。また、固定資産税とは異なり、課税対象は土地と家屋のみで、償却資産は対象とはなりません。

税率は、0.3%以内と定められています。地域によって税率が異なりますので、各市町村に確認をしておきましょう。

(都市計画税)=(固定資産税評価額)×0.3%(最大)

 

1-2-1. 都市計画税の課税対象地域

都市計画税はすべての地域が課税の対象となるわけではなく、都市計画区域内の市街化区域がその対象となります。

都市計画区域とは、様々な条件を考慮した上で、都市として総合的に整備、開発、保全の必要がある区域として判断された地域です。その面積は日本全土の1/4程度ですが、日本の人口の9割が集中しています。

都市計画区域は、市街化区域・市街化調整区域・非線引都市計画区域の3つに分類されています。この中でも、都市計画税の対象となるのは、市街化区域です。市街化区域とは、すでに市街化している区域やおよそ10年以内に優先的、計画的に市街化を進めていく区域を指します。この区域は、日本全国土のおよそ4%程です。

市街化区域であっても都市計画税の対象となっていない地域もあります。そのため、所有している土地が都市計画税の対象となる地域かどうか、各市町村に問い合わせをしておくと良いでしょう。

 

2. 土地の税額の調べ方

土地の税額は、各市町村から5月上旬から6月上旬頃に送られてくる納税通知書に添付されている課税明細書で確認することができます。ただ、納税通知書や課税明細書は1月1日時点の所有者のみに送付され、原則として再発行できません。そのため、通知書を受け取っていない人や紛失してしまうと確認できなくなってしまいます。

土地を新たに購入した際は、公課証明書で確認することが可能となります。公課証明書は、固定資産の所有権を移転させる際に、固定資産税の配分などに使われるものです。市税事務所または区役所等の窓口で取得することができます。似たようなものに名寄帳の写しがありますが、こちらの書類でも税額を確認することができます。

それ以外の方法としては、閲覧と縦覧という方法があります。どちらも固定資産課税台帳を確認することで税額を調べることができます。

 

2-1. 閲覧

課税の対象となっている固定資産は、各市町村にある固定資産課税台帳にすべてまとめられています。この固定資産課税台帳に記載されている自分の課税内容については、年間を通じて閲覧することが可能となっています。また、郵送にて固定資産評価証明書を取り寄せる方法もあります。

固定資産課税台帳の閲覧や固定資産評価証明書の交付は、借地人、破産管理人や所有者から委任を受けている人なども対象となりますが、各市町村の担当窓口で必要書類を提出し、申請を行う必要があります。必要書類については、各市町村にお問い合わせください。

 

2-2. 縦覧

閲覧は所有している固定資産を確認する目的の制度に対して、縦覧は周辺の固定資産と比較して所有する固定資産が適正に評価されているかを確認することに目的があります。閲覧制度とは異なり、縦覧ができるのは納税義務者のみです。

また、縦覧は期間が設けられており、多くの市町村は4月から5月にかけてが、その対象期間となっています。正確な期間や申請に必要な書類は各市町村によって異なりますので、事前に問い合わせると良いでしょう。

 

2-3. 公的書類が得られない時の計算の方法

まだ土地を購入していないなど、公的書類が得られないときでも、自分でおおよその固定資産税評価額を導き出して税率をかけることで、税金を計算することはできます。

そもそも地域によって固定資産評価額の導き出し方は異なり、それぞれの地域における土地の固定資産税評価額の計算方法は、以下のようになります。

①市街地的形態を形成する地域(都市計画区域内の市街化調整区域以外)
この地域では、路線価方式で計算されます。
固定資産税評価額=固定資産税路線価×土地面積×評点

国税庁のホームページ:路線価方式について
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka/02/02.htm#a-13
https://www.nta.go.jp/taxanswer/hyoka/4604.htm

②市街地的形態を形成するに至らない地域
この地域では、倍率方式で計算されます。倍率方式では、標準宅地の価格に評価倍率をかけて求めます。標準宅地とは、市町村内を区分けし、その地区内の主要な道路に接した標準的な宅地のことを言います。

国税庁のホームページ:倍率方式について
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka/02/04.htm#a-21

標準宅地の価格は、全国地価マップhttp://www.chikamap.jp/chikamap/Portal?mid=216で、評価倍率は、評価倍率表http://www.rosenka.nta.go.jp/で確認できます。

ここからは、路線価方式について考えていきます。また、家付きの土地など特例が適用され税金が減額される場合もありますので、実際に計算される場合はご注意ください。

 

2-3-1. 路線価

路線価とは、道路に面した土地1㎡あたりの評価額のことを指します。相続税を算出する際の基準となる相続税路線価と固定資産税を算出する際の基準となる固定資産税路線価の2種類があります。路線価は、各市町村が決定しており、原則として3年ごとに見直されますが、3年を待たずに修正されることもあります。

路線価は各市町村に問い合わせるか、資産評価システム研究センターのWebサイトから「全国地価マップ」にアクセスして確認することもできます。

一般社団法人資産評価システム研究センターのホームページ
http://www.chikamap.jp/chikamap/Portal?mid=216

 

2-3-2. 土地面積

土地を購入した場合は必ず登記を行います。固定資産税評価額の計算に使用する土地面積とは、登記簿に登記されている面積のことです。もし、土地が登記簿に登記されていない場合は、現況の面積となります。

法務局に交付請求書を提出すると、登記事項証明書を取得することができます。また、インターネット上でも登記事項証明書の請求を行うことができます。

法務局のホームページ:登記事項証明書の請求について
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/online_syoumei_annai.html

 

2-3-3. 評点
評点とは、土地の形状や立地などによって補正を行うための補正率のことを指します。評点は、以下の4つの要因によって決定されます。

・土地の接道状況
複数の道路に接している方が評点が高くなります。

・奥行の長さ
奥行のある土地は、評点が低くなります。

・間口の狭さ
間口(土地の接道部分)が狭いと、評点が低くなります。

・不整形
土地が歪んでいると、評点が低くなります。

国税庁のホームページ:不整形地の評価について
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka/02/03.htm#a-20

条件に対し、補正率表から評点を求めます。

国税庁のホームページ:がけ地の評価について
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka/02/07.htm#a-hyou_08

 

3. 土地の税金と地目の関係

地目とは、土地の用途による種類を指し、登記簿謄本に記載されています。不動産登記法上は全23種類ありますが、固定資産税の対象となる地目は、田、畑、宅地、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、雑種地の全9種類です。

この地目ごとに土地にかかる税金も変わってきます。一般に宅地は高く、田畑、池沼、山林は低くなるとされています。これは、宅地は資産価値が高く、他の地目の土地に対し容易に活用して収益をあげることができるのに対し、田畑、池沼、山林は、用途は限られ市場価格も低くなることへの配慮とされています。さらに、農地は転用の手続きが必要など、土地の活用が限定されるため、税金が少なくなる傾向にあります。

ただし、節税効果を期待して農地にしたとしても効果があまりない場合もあります。農地の固定資産税は、市街化区域外にあるか内にあるかで、評価方法も課税方法も異なっているためです。市街化区域内に農地がある場合は、固定資産税が宅地より安くはならない可能性があります。

 

3-1. 登記上の地目よりも現況が優先される

土地の税金を課す際、登記上の地目ではなく現況を踏まえた課税地目で判断します。これを、現況主義と言います。
毎年、市町村は対象の土地がどのように使われているかを確認する現況調査を行います。登記簿上の地目とは無関係に、実際に使われている状況に合わせて定められる地目が課税地目です。

課税地目は、登記上の地目の登記地目とは異なり、市町村が現況調査を行った際に変更があれば、所有者の申請無しで課税地目を変更することができます。そのため、登記地目と課税地目が異なる場合がありますので、注意が必要です。

一方、登記地目は所有者の申請がなければ、変更されることはありません。ですので、土地の用途を変更した際、一ヶ月以内に地目変更登記を行うようにしましょう。

 

4. 土地の節税対策

土地の節税対策には、4つの方法があります。それは、住宅用地の特例を適用すること、登記簿に記載されている土地の面積を確認すること、分筆して評価を下げること、公共性を利用して非課税資産にすることです。

一番手軽な対策は住宅用地の特例かもしれませんが、複数の対策を行うことでより大幅な節税につながります。特にたくさん土地を持っていらっしゃる方や相続などで長く所有している土地がある方などは、より節税効果が見込めるでしょう。

 

4-1. 土地の税金は家があると軽減される

土地に住宅が建っている場合、最大で1/6まで軽減される特例を住宅用地の特例と言います。特に、もともとは住居以外の用途で使用していた建物の用途変更をし、住宅として使用し始めた場合なども、この特例が適用されます。ただし、住宅用地等申告書を提出する必要があります。詳しくは、お住まいの市町村までお問い合わせください。

住宅の敷地 固定資産税 都市計画税
小規模住宅用地
200㎡までの部分 1/6に軽減 1/3に軽減

一般住宅用地
200㎡を超える部分
※床面積の10倍が上限 1/3に軽減 2/3に軽減

 

4-2. 土地の面積を確認する

長く所有している土地がある方などは特に注意していただきたいのは、登記簿に記載されている土地の面積と実際の面積が異なっている可能性があるということです。昔より土地が狭くなっているのにもかかわらず、登記簿に反映されていなかったり、以前は手作業での測量でしたので、実際と異なる面積で計算されていたりといった事例があります。

土地の税金は現況主義であり、実測値が優先されるため、正しい面積を申請すれば税金を減額してもらえます。また、5年間遡って固定資産税の還付を受けることができます。ただし、自分から申し出をしない限りは誤ったままの税金を毎年支払わなければなりませんので、間違いに気がついた際はできるだけ早く申請した方が良いでしょう。

 

4-3. 分筆して評価を下げる方法

1枚の登記簿に表示されているひとつの土地のことを一筆と数え、1枚の登記簿から土地を複数に分けることを分筆と言います。

大きな土地を一筆でまとめていると、道路に面している利便性の高い土地も土地内部の利便性が低い土地も同じ評価額となり、税金が高額になってしまいます。そこで、分筆することで利便性が低い内部の土地の評価額を下げるという方法です。

大きな土地を所有している際や内部の地価が低い時は非常に効果的な対策と言えるでしょう。ただし、分筆するには登記、測量といった一定の費用が必要になります。

 

4-4. 公共性を利用して非課税資産にする

私有地であっても、公共性の高い土地は非課税資産となります。つまり、固定資産税が全額免除されます。公共性の高い土地は、公園や私道などが当てはまります。どちらも申告しなければ非課税となりませんので、ご注意ください。

私道は、個人が維持管理している私有地に無関係な人間が公道と同じ様に通行しているものを指します。非課税の対象となる私道には、次の3種類があります。

・通り抜け私道
道路の起終点がそれぞれ別の公道に接していること、幅員が1.8m以上であること、不特定多数の人に利用されていることが必要です。

・共用私道(行き止まり私道、コの字型私道)
2軒以上の家屋に利用されていること、幅員が4m以上であること、不特定多数の人に利用されていることが必要です。

・その他
幅員4mに満たない公道に面している土地のセットバック部分で、一体となって道路の効用を果たしているものや大規模建築物の敷地に設けられた通路なども対象となります。

以上の条件は市町村によって異なりますので、事前にご確認ください。また、実際には利用区分に応じて分筆登記する必要がありますが、地積測量図などの資料を添えて申請すれば、認めてもらえます。

 

5. まとめ

税額に不服があれば、各自治体の固定資産評価審査委員会へ審査の申出をすることができます。申し出が認められた場合、5年~20年分までの還付と利息も受けることもできます。ですので、縦覧を利用するなどして、支払っている税額が適正かどうか定期的に確認をしておくと良いでしょう。

実際、固定資産税や都市計画税には、評価額や不動産の件数が異なるっている場合、地目が現況と異なっている場合、他人の不動産が含まれている場合など、課税ミスが起きることもあると言われています。ただし、土地の評価や税額の計算方法に誤りがあった際でも、自分で発見し申請しなければ、高い税金を払い続けてしまう可能性があります。

ただし、税額の細かい計算や土地の面積などを正確に知りたい場合は、専門的な知識が必要となります。専門家に相談すると良いでしょう。

 

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