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Category  不動産

2018年10月02日 更新

【嫌悪施設一覧】嫌悪施設が近くにある物件の活用アイデア

不動産の売却をしようとした時に周囲の環境が問題となることがあります。

例えば、風俗店が目の前にあるとか暴力団の事務所が近くにあるなどです。このような場所に自宅を建てたいという人は、まずいないでしょう。

他にも近くに工場やお墓があるケースもあります。不動産業界では、これらのものをまとめて、嫌悪施設と呼んでいます。

どんなものが嫌悪施設となるのか、近くに嫌悪施設がある場合には、どのようしたら売ることができるのかについて考えていきます。

1. 嫌悪施設とは

嫌悪施設と呼ばれるものにどんな施設があるのか考えてみます。嫌悪施設とはその名の通り、人に嫌がられる施設となります。

ただ、明確な基準はありませんので、嫌がる人がいれば嫌悪施設と呼んでも良いのかなと思います。嫌がられる理由も様々で、音がうるさい、臭い、危険、気分が良くないなどに分けられます。

どの程度問題となるかは、施設の種類、施設からの距離などによって変わってきます。また、気になる、気にならないは個人差があることですので、一概にこのような施設があると売れないというものではありません。

では、嫌悪施設を分類しながらどんな施設があるのか見ていきます。

 

1-1. 騒音や振動が発生する施設

大きな音を出すものといえば、飛行機がすぐに頭に浮かぶ方が多いと思います。

飛行場の近くでは、航空機が来る度に会話に支障がでるくらいの音がします。民間のプロペラ機でもうるさいですが、軍用機だともっと大きな音となります。まさに爆音という感じでしょうか。大差ないとは思いますが、飛行場というよりも航空基地の方がより嫌がられそうです。

音に関しては、飛行機以外にも、大型トラックや踏切なども発生源となります。主要道路や高速道路沿い、大型車両が出入りする施設(物流センター、バスの車庫)があります。その他にも、鉄道沿線や地下鉄も場所によっては音や振動の公害の元となります。

主要道路の沿線は、基本的に商業地域となっているため、住居の用途は少ないですが、大型のマンションなどを建設する用地ともなるため、問題となることがあります。一方、鉄道は住宅地を通ることが多いので、電車の走行音だけでなく、踏切の音なども問題となります。

意外なところでは、学校も嫌がられるケースがあります。朝からラジオ体操の音がなったり、始業・終業のチャイム、運動会の喧騒などがあるからです。

同様に公園も嫌がられるケースがあります。深夜に大勢が集まってきたり、路上駐車が増えるなどの問題がおこることがあります。神社の縁日も人だかりがあって嫌だという人もいます。

 

1-2. 煤煙や悪臭が発生する施設

煙が問題となる施設といえば、ゴミの焼却場や火葬場、工場などがあります。これらの施設は、住宅地の近くにはないと思いますが、少し郊外に土地を所有していて、その土地を活用しようとか売ろうと思った際に問題となることがあるかもしれません。

悪臭が問題となる施設としては、下水処理場や養鶏場、養豚場、牛舎などがあります。下水処理場は比較的住宅地の近くに作られるケースがあります。家畜を育てる施設は、市街地に近い場所にある場合ですと、近隣に土地を所有している方が土地の運用をしようとした際に問題となるかもしれません。

それから悪臭でなくても、においが出るものは嫌がられるケースがあります。悪臭ではないのに嫌がられるのは、レストランやスイーツのお店などです。

どんなに良い匂いでも、毎日のように嗅がされていると嫌になってしまいます。また、レストランの場合には害虫が増えることを懸念する方もおられます。

 

1-3. 危険を感じさせる施設

危険を感じさせる施設は、主に事故があった際の心配からくるものが多いです。

例えば、ガソリンスタンドやガスタンク、危険物の貯蔵施設や危険物を取り扱う工場などです。危険物を取り扱う工場や貯蔵施設は、住宅の近くにはありませんが、ガソリンスタンドやガスタンクは住宅地の中にあるケースもあります。

ガソリンスタンドやガスタンクが事故を起こしたということは聞きませんが、強力な可燃物だけに心配になります。ガソリンスタンドについては、危険だけでなく臭気の問題もあります。

高圧線も嫌がられる施設のひとつです。高圧線の下に住宅があるケースは良く見ます。高圧線の近くに住んでいると体調を崩すということを言う方がおられますので、因果関係が明確になっていなくても気にされる方は多いと思います。

その他にも暴力団の組事務所や組長の自宅も危険を感じさせる施設に含まれます。組長の自宅は住宅地にあることも多いですし、立派な邸宅の場合も多いので、自分の家が見劣りして嫌だとか、それよりも立派な家を建てて目を付けられたら困るという心配をされる方もおられます。

 

1-4. 心理的に忌避される施設

実害がある訳ではないけど、近くにあると嫌だというのが、心理的に避けられる施設です。

例えば、墓地や葬儀場があります。墓地は見晴らしの良い場所に作られることが多かったため、環境の良い場所ともいえます。海外の映画とかドラマに出てくる墓地は高台にあったりしますよね。

墓地があるとその場所には高い建物ができる可能性が低いことや、見晴らしが良いと好まれる方もおられます。蚊が多いのが難点ですが、それを我慢できる人にとっては、良い物件となる可能性があります。

風俗店やラブホテルも心理的に避けられる施設になります。小さなお子さんがおられる家庭では特に避けたい施設ではないでしょうか。

その他にも、パチンコ店や競輪場、競馬場、競艇場なども嫌われる施設となります。

ギャンブル系の場合は、駅から遠くても負けてスッテンテンなったオジサンがトボトボと歩いていくことも少なくありません。ひとりなら気になりませんが、大勢がぞろぞろ歩いているとちょっと嫌だと思います。

最後に刑務所も避けたい施設になります。奥さんの実家の近くに刑務所があったのですが、現在は移転しており、跡地は地下が下水処理場で地上は公園になっています。原っぱが中心の珍しい公園になっています。

ちゃんとした名前があるのですが、地元の人が刑務所公園と呼んでいるのがちょっと残念です。

 

2. 嫌悪施設が近くにある物件を売却するには

いくつか嫌悪施設の例を見てきましたが、これらが近くにある場合には、基本的に諦めるしかありません。これらの施設の方に移動してもらうことは、ほぼ不可能だからです。※風俗店など一部例外はあります。

諦めると言っても売れないということではありません。気にならない人を探すという方法もありますし、これらの施設があっても問題のない使い道があれば良いのです。

所有している土地の大きさなどによって、活用方法は変わってきますが、ひとつの参考例として見ていただければと思います。

 

事務所、商業施設にする

嫌悪施設は住宅の場合に特に問題となります。逆に言えば、住宅以外の用途を探せば良いということになります。オフィスビルなどであれば、住宅と違って、そこまで音や臭いを気にする必要はありません。

住宅の場合は、窓を開けて外気を取り入れたり、洗濯物を外に干したりで、外部の環境が重要になりますが、オフィスビルならそのような配慮が要らないからです。最近のオフィスビルは、窓が開かない建物が多いので、防音と振動にしっかりと対策すれば、支障なく運営できるはずです。

物流センターの隣にオフィスビルを作ったり、ショッピングモールを作った例はたくさんあります。ショッピングモール自体が嫌悪施設になりかねないものなので、相性が良いともいえそうです。

多くの土地には都市計画法による使い方の指定がありますので、必ずしもオフィスビルや商業施設を作ることができるわけではありませんが、使い道を考える際は縛られないで考えるようにすると良い案が浮かぶかもしれません。

 

3. まとめ

嫌悪施設についてどんなものがあるのか確認をしてきました。

本文でもお知らせしましたが、嫌悪施設の方に移転してもらうことは難しいです。どうにもならないことを考えて時間を無駄にするよりも、自分にできることを考えるのが良いでしょう。

嫌悪施設があることがマイナスにならないような使い道がないか考えてみてください。また、先ほど、嫌悪施設の方が移転してくれる可能性が低いと書きましたが、施設によっては可能性がないわけではありません。

例えば、市街化調整区域にある養鶏場や養豚場などです。これらの施設は、市街化の状況しだいで移転する可能性があります。あるいは、後継者がいなくて廃業するかもしれません。

状況によっては、待つことが解決策となる場合もあります。市街化の流れについては、それぞれの市町村の役場で確認することができますし、事業を続けるかどうかは所有者に会えばわかるかもしれません。

すぐに売る必要がないのであれば、状況を調べてからにされると良いと思います。