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Category  不動産

2018年11月24日

農地借地料の相場は?農地貸出を考えるときに知っておきたいこと

農地は収穫した作物を売って収益を生み出すことができる資産ですが、自分で農作業ができない場合には、遊休地となって管理に手間がかかるようになってしまいます。

農作業ができない場合には、貸出したほうが、草刈りなどの手入れの心配がなくなって楽になるな…と思うのではないでしょうか。

農地貸出が気になりだしたら、知っておきたい農地借地料の相場や、税金のことなどについて紹介していきます。

1.農地の借地料の相場はいくら?

  • 田の場合⇒年間9,161円/10アール
  • 畑の場合⇒年間5,130円/10アール

(10アールは、20メートル×50メートル=1,000平方メートル)

平成29年3月末現在の情報を、日本不動産研究所がまとめた数字です。実際には、市町村の農業委員会が地域の相場を公表しており、その数字をもとに当事者が話し合いで借地料を決めています。収穫した作物を賃借料として収めるケースもあり、収穫物の種類と地域によって借地料は変わってきます。

ちなみに東京ドームほどの大きさの田んぼを、この相場で借りると、1ヶ月あたり3万5,880円、年間およそ43万円です。ただ、農地は農耕を目的として農家に貸す場合にも、違う目的で借地にするのにも、農業委員会の許可が必要です。(農地法という法律に基づいています。)市民農園や農用地利用集積計画、農用地利用バンクを利用する場合には、農業委員会の許可はいりません。

2.農地の借地料の決め方

  • 農地を持っているけれど、今後農業を続けられるかわからない
  • 農地を相続予定だけれど農業をする予定はない
  • 作物を作ってみたいので土地を探している

こうした場合、借地料がどれくらいになるのか気になるところです。

借地料の決め方についてさらに詳しくみていきましょう。

2-1.標準小作料の廃止

現在、農地の賃借料については、当事者同士の話し合いで決めることができます。平成21年12月に改正農地法が施行されるまでは、目安となる「標準小作料」が設定されていました。

米価引き下げが続く中、農地の借り手の借地料の負担が膨らんでいた事、土地の流動性を良くするという理由から、標準小作料が廃止されたのです。

2-2.農地賃借料水準の情報提供

標準小作料の廃止後は、賃借料の目安として、地域の賃借料水準の情報提供を地域の農業委員会が行うことになりました。

インターネット上でも公開されており、「市町村名+農地賃借情報」で検索すると、調べることができます。

(例)

「千葉県四街道+農地賃借情報」⇒田の平均は12,300円(平成29年)

「埼玉県所沢市+農地賃借情報」⇒畑の平均は14,000円(平成29年)

3.農地の借地料にかかる税金の知識

土地を貸して借地料をもらった場合、不動産所得として課税の対象になりますが、消費税や確定申告はどうなっているのでしょう?

3-1.農地借地料に消費税はかかる?

土地の貸付は、「消費にあたらない」として消費税の対象から外れています。もちろん、農地の借地料についても、消費税はかかりません。消費税は、商品を売ったときやサービスを提供したときの料金にかかるものです。

事業用の事務所や駐車場の賃借料には消費税がかかりますが、住居として借りるときには、消費税がかかりません。農地の賃借料に、消費税を含めた支払いを求めるのは間違いです。

3-2.農地借地料が入る場合の確定申告は?

農地を貸して借地料を貰う場合、不動産所得として扱われます。借地料を得るために必要とした金額を差し引いた金額が所得となり、他の所得と合わせて総合課税の方法で所得税・住民税の課税額が決まります。

また、農家をやっていて農地の一部を貸して借地料をもらっている場合には、雑収入に含める申告方法もあります。

いずれにしても、確定申告が必要になります。

4.農地を貸し出すメリット・デメリット

4-1.メリット

  • 借地料があると収入になる
  • 収穫物がいただけることがある(お中元などをいただくことも…)

4-2.デメリット

  • 期待したほどの管理がされず、農地が荒れてしまうケースがある
  • 人に貸すことで流動性が悪くなる(タイミングに縛りができる)
  • 契約トラブルが起こるリスクがある
  • 転用手続き後は、固定資産税が高くなるケースが多い

農地は使用目的を変更する手間がありますから、農地として借りてくれる相手がいれば、土地の手入れを期待して貸したいと思うのではないでしょうか。高齢になって広い面積の作業が難しくなった場合や、相続で農地を引き継いだ場合など、誰か他の人が農地として活用してくれると管理の手間が省けますし、少しでも借地料がいただけると収入になります。

ただし、いざ転用手続きをして土地活用をしたいと思った時に、なかなか明け渡してもらえないと困ります。転用可能な農地の場合には、将来的にどんな土地活用をしていきたいのかイメージを持っていたほうが、トラブルを避けられるでしょう。

5.おすすめの農地活用術

農地法では、「農地とは耕作の目的に供される土地」と規定されています。農地は立地によって5種の分類があり、第3種農地であれば転用が認められることがほとんどです。農地以外の活用方法が気になるようなら、地域の農業委員会に問い合わせると確認できます。

転用可能な農地の活用方法の例をみていきましょう。

「宅地用地」

宅地を探している個人に貸すだけでなく、賃貸物件を建てる事業者に貸して、借地料をいただきます。公道に接していて、電気・ガス・上下水道の整備がしやすいこと、住宅としてのニーズがある土地柄だということが条件になります。

「介護つき高齢者施設用地」

静かでのどかな環境、まとまった敷地が確保しやすいことが条件という場合、敷地を探している事業者と条件がマッチしやすいでしょう。もちろん、公道に接していて電気・ガス・上下水道が整いやすいことが必要です。

「商業施設用地」

人口密集地の近くに、駐車場付きの商業施設用地として大きな敷地を求めるプロジェクトに借地として提供するということもあるでしょう。バイパスや高速道路の出入り口が近いなど、車での便利が良いと売り込みやすくなります。

「事業用地」

作業場、工場など、商業施設以外の事業用地としての活用方法があります。周辺環境への影響に問題がないこと、はたらく人材が確保できる、資材・商品の流通が良いなどの条件がそろえば希望する事業者が現れるかもしれません。

「メガソーラー用地」

メガソーラー用地では、インフラが整いやすい、交通アクセスが良いことは大きな条件ではありません。日当たりの良さなど、天候条件が大きなポイントになりますから、農地を転用するには悪くないプランです。

「駐車場用地」

近くに人口密集地がある、駅や空港、観光ポイントから近い場合には、駐車場としてのニーズがあるかもしれません。大型の設備がいらないので、一時的な土地活用方法として優れています。

「資材置き場」

近隣で大型の工事が行われる場合には、工期中の資材置き場として貸せるかもしれません。トラックなど大型車両の出入りがしやすい広い空き地は、事業者からみて魅力的です。

また、立地が事業者の希望に合えば、資材のストック場所や受け入れ場所に使ってもらえるでしょう。

「洗車場用地」

郊外では車で移動する人が多いですし、立地が良ければ、自動洗車マシーンやジェットノズルの機械をおいた洗車場のニーズがあるかもしれません。自分で事業を始める場合設備投資が必要ですが、事業者に用地を貸し出すのであればハードルが低くなります。

農業以外の農地活用法にはいろいろありますが、借地料を頂いて土地を提供する場合には、プロジェクトとの出会いが大事なチャンスです。

農地の転用を考えているのなら、いろいろな情報を集めることが大事です。

6.ベストな土地活用法を検討しましょう

農地はまとまった広さを提供できるところが魅力です。

所有している農地の立地条件、地域のニーズ、事業者の希望が一致すると、転用手続きの手間や、固定資産税の増額を差し引いても、借地としての収益が大きくなる可能性があります。転用認可を成功させるには、事業計画の信用性や必要性の高さをアピールできることが大事です。

情報を集めて、これだと思うプランに出会えるなら、農地以外の活用方法も検討すると良いですね。