事例紹介

Category  不動産

2018年12月17日

農地転用のための手続きの流れと方法

農地は、農業としての目的のみ使用可能で、ほかの目的のために使用することはできません。そこで農地を別の目的で使用したい場合には農地転用の制度を利用します。

農地転用をすれば、農地を農地としてではなく農地以外の目的に再利用することができます。今回は農地転用のための流れと方法についてご紹介します。

1.手続きの流れと必要期間

農地転用の手続きでは土地の状況によって必要な書類が変わるため注意が必要となります。申請を行うためには、まず農地がどのように利用されているかの確認をし、そのあと農業委員会に相談します。農業委員会では農地の状況や申請内容について調べられ、土地の改良区の有無などがあるかなどを確認し、必要なリストを受け取ります。

農業委員会での相談が終わったら、実際に許可のための申請書を作成して提出します。農地転用にかかる期間は約6週間です。申請の際の書類が異なったとしても、おおむねこの期間が必要となります。

1-1.市街化区域内の場合

農地が市街化区域内にある場合には、農地の転用に関する許可の義務はありません。事前に農業委員会への届出をすれば農地の転用を行うことができます。

ただし届出を怠った場合には農地の無断転用とみなされてしまい、農地の転用の効力が無いだけでなく、場合によっては罰則の対象となります。

農地転用のために農業委員会に届出書を提出します。農業委員会によって受理がなされれば転用可能となります。

1-2.市街化区域外の場合

農地が市街化区域外にある場合には転用の許可が必須となります。対象となる農地が農業地区域内にある場合には、原則として農地の転用の許可は下りません。そのため最初に農用地区域から除外するための手続きを行ってから農地の転用の申請をおこないます。

対象となる農地が農業地区域外にある場合には、農地の転用のための審査がおこなわれ、転用のための基準を満たしていれば転用することができます。審査には農業を転用する場合の確実性などの確認が行われます。

農地転用のために農業委員会に申請書を提出します。農業委員会はまず都道府県知事に意見を聞きます。その後都道府県知事は都道府県農業会議、または農林水産大臣に意見を聞きます。その後意見の提出がなされ、受理がなされれば転用が可能となります。

1-3.生産緑地の場合

生産緑地とは固定資産税や相続税などの税金に関して優遇を受けることのできる農地のことです。ただし認められるためには、農業を継続することが必須となります。

また生産緑地には公害又は災害の防止など、生活環境の保護するための効果があることや500㎡以上の土地であること、さらには農業の継続的な利用が可能な環境にあることが条件となっています。

そのため生産緑地については、農地以外への再利用だけでなく土地の売却や賃貸も禁止されています。生産緑地を農地以外の方法で利用するためには、生産緑地の解除が必須となります。生産緑地を解除できるのは、生産緑地指定後から30年経過している場合、病気などの理由で農業に従事することができない場合、生産緑地を所有している本人が死亡し、なおかつ相続人が農業に従事しない場合のみ可能です。

生産緑地を解除するには、最初に農業委員会に農地の買い取りについての申し出を行います。申し出の後に買い取りの告知を行って農業従事者に買い取りの斡旋を行います。買い取る人がいない場合には生産緑地の解除となります。生産緑地は一度解除となったら二度と戻せないので注意が必要です。

2.農地転用の種類

転用する際にはどこを転用するかだけでなく、誰にどのような形で転用するかも重要です。農地法では農地を転用する場合には3種類に分けられます。

2-1.農地法第3条

農地法第3条は農地を農地として使用するために、売買したり賃借したり譲渡したりする場合に許可をもらう義務があるという法律です。

ただしこの許可の場合には農地転用には該当しません。なぜなら農地転用は農地を農地以外として使用される場合のことを指しているため、農地の権利を誰かに移すこと自体は農地転用にはなりません。

ただし農地法では、農地の権利を移す場合にも許可が必須となっています。農地法第3条による許可の手続きでは、ある程度の面積を農耕している人なのか、ある程度の人力や機械を使用して農耕しているか、農地の権利を得た場合に予定地に通って農耕ができるかなどの条件を考慮します。

2-2.農地法第4条

農地法第4条は所有している農地を自分自身で利用するために農地以外に転用する場合に農業委員会に届出もしくは許可をもらう義務があるという法律です。農地とは、土地の登記簿に記載されている土地の種類が田もしくは畑となっている土地のことを指しています。

農地についてはたとえ自分自身が所有している土地だとしても、農地以外に利用する場合には届出もしくは許可をもらう必要があります。

農地以外の利用目的としては、駐車場として利用したり、資材置き場として利用したり、建物を建設する場合などいろいろなケースが挙げられます。そのため農地の所有者が農地以外の目的で利用したい場合には必ず許可または届出が必要となります。

該当する農地が市街化区域内の場合には届出のみで農地の転用が可能ですが、市街化区域外の場合には許可が必要となります。この場合の届出や許可の手続き先は、その地域の農地を管轄している農業委員会になります。

2-3.農地法第5条

農地法第5条は所有している農地を他の人が利用するために農地以外に転用する場合に農業委員会に届出もしくは許可をもらう義務があるという法律です。

農地法第5条も農地法第4条と同様に、たとえ自分自身が所有している土地だとしても、他人が農地以外に利用する場合には届出もしくは許可をもらう必要があります。

たとえば所有している田や畑を売って、新しい所有者が建物を建設したり駐車場として利用したりする場合などのケースがありますが、農地の所有者がそのような農地以外の別の目的で他の人に貸したり売ったりする場合には必ず許可または届出が必要となります。

該当する農地が市街化区域内の場合には届出のみで農地の転用が可能ですが、市街化区域外の場合には許可が必要となります。この場合の届出や許可の手続き先は、その地域の農地を管轄している農業委員会になります。

3.農地転用の許可基準

どんな農地でも農地以外で転用できるとは限りません。なぜなら農地は国の財産であり資源の一部ともいえます。そのためもしたくさんの農地を別の用途や目的で利用した場合には日本の農地は極端に減少してしまいます。そうしたリスクを防ぐために農地の転用する場合の許可基準を定めています。

農地転用の許可基準には立地基準と一般基準の2種類があります。

3-1.立地基準

立地基準とは農地がどのような営農状況にあるか、また市街地化がどれほど進んでいるかに応じて5つに区分して、その区分によって許可を出すことができるかを判断する基準です。

立地基準は第一種農地、第二種農地、第三種農地、甲種農地、農用地区域内農地の5つに分類されます。

  • 第一種農地

10ha以上の規模の農地や土地改良事業の対処となる農地のように、生産性が高く良好な営農状態を維持している農地のことを指します。

転用は原則として不可ですが、対象地を土地収用に使う場合や一次利用の目的で使う場合、国道や県道などのガソリンスタンドやトラックターミナルなどの施設の目的で使う場合やソーラーシェアリングで使う場合には許可が下りる場合もあります。

  • 第二種農地

第二種農地とは、500m以内に鉄道の駅や船舶の発着場や県庁や市役所や町役場のなどの施設がある農地、さらには相当数の街区を有している区域にある農地のことを指しています。

第二種農地の場合は他に代わりとなる土地がある場合には農地転用は不許可となります。ただし農業従事者の就業のために大きく寄与する施設や農業従事者の生活環境を維持するための施設を建設する目的のための場合には許可が下りる場合もあります。さらに病院や診療所などを市街地以外に設置するための目的の場合には許可が下りることもあります。

  • 第三種農地

第三種農地とは、水管やガス管や下水管のうちの2種類以上が埋設されていて、なおかつ使用することのできる道路がある区域で、さらに対象となる農地の500m以内に学校や図書館などの公共施設が2つ以上ある農地のことを指しています。また300m以内に鉄道の駅や船舶の発着場や県庁や市役所や町役場などの施設や高速道路の入り口などがある農地も第三種農地に該当します。さらに市街地化が著しく進んでいる地域の農地も第三種農地として扱われます。

これら第三種農地については原則的に許可が下ります。

  • 甲種農地

10ha以上のまとまった区域にある農地や、農作業を効率的に行うことが可能なうえに大型の農業機械の利用が可能な農地のことを指しています。甲種農地も農業としての立地条件が良いため、原則的に許可は下りません。ただし農業用施設などの利用に関しては許可が下りる場合もあります。

  • 農用地区域内農地

農用地区域内農地とは市町村による農業振興地域整備計画によって農用地区域とされた農地のことを指しています。農用地区域内農地は原則として許可は下りません。5つの分類の中では最も許可が下りにくいカテゴリーになります。

3-2.一般基準

一般基準とは農地を転用するときの確実性や周辺の農地に対する支障などを考慮して許可か不許可を判断する基準です。

一般基準ではおもに3つの項目によって判断がなされます。

  • 目的の実現の確実性

土地造成のためだけの場合や転用するための資金がない場合には許可は下りません。また使用の目的と転用される農地の面積に不釣合いがある場合にも許可は下りません。

  • 周辺の農地への支障や被害に対する措置がとられているか

農地を転用することによってガスや粉じんなど、営農に多大な被害を与える場合には許可は下りません。また日照や通風に関しても農地を転用した場合に大きな影響を与える場合には許可は下りません。

  • 一時転用の場合の審査基準

一時的に転用した場合には、転用後の農地への復元が困難と判断される場合には許可は下りません。

4.農地法第4条の農地転用許可申請手続きの流れ

農地の転用を決定したならば、まず農地の住所を調べます。そして市街化区域内か市街化区域外かを確認します。

4-1.手続き方法

市街化区域内の場合には農業委員会事務局で届出に必要な書類を確認します。その際には農地の転用計画の流れを説明して届出のために必要な書類を聞きます。さらに必要となる書類がどこで入手できるのかも確認します。

市街化区域外の場合は農業委員会事務局で事前の相談をします。その際には転用できる農地なのか、また転用可能な計画なのか確認します。確認の際には住宅地図や転用計画の概要を説明すると確認が容易になります。

その後許可申請に必要な書類を確認します。その際には必要となる書類がどこで入手できるのかも確認します。

最後に申請の締切日を確認します。農業委員会は申請に関して必ず締切日を設けていますので、申請を滞りなく行うためにも事前に確認をします。

4-2.必要書類

市街化区域内の場合には届出のための必要な書類は提出先によっても変わりますが、基本的な書類はおもに5つです。

  • 届出書

届出書の記入例は農業委員会事務局で受け取ることができます。またWEBでダウンロードができる場合もあります。

  • 登記事項記録簿

法務省で受け取ることのできる書類で、転用する予定の農地の広さや所有者などが載せられています。

  • 位置図

住宅地図があれば問題ありません。

  • 開発許可申請書写し

農地を転用するときに開発のための許可が必要な場合は、農地の転用だけではなく開発の許可の申請も必要となるため、申請をしているための証拠として申請書の写しを提出します。

  • 委任状

農地転用の申請のときに行政書士などに委任する場合には委任状が必要となります。市街化区域外の場合は届出のための必要な書類は提出先によっても変わりますが、基本的な書類はおもに10個です。

  • 申請書

申請書の記入例は農業委員会事務局で受け取ることができます。またWEBでダウンロードができる場合もあります。

  • 公図

法務省で受け取ることのできる書類で、申請地の場所が記載された公的な地図です。

  • 建設予定建物等の配置図と平面図と立面図

予定されている建築物の図面を提出します。ハウスメーカーなどに建設を依頼している場合には、ハウスメーカーが図面を用意してくれるケースがほとんどです。

  • 土地改良区の意見書

転用する予定の農地が土地改良区の範囲の場合には意見書が必要となります。意見書については農業委員会で誰に連絡を取る必要があるのかを教えてもらえます。

  • 予算書

農地の転用についてどれほどの予算で計画しているかを書面にします。

  • 残高証明書と融資証明書

予算書の通りに計画が進んでいるかの証拠として残高証明書を提出します。また融資を受けている場合には融資証明書も同時に提出します。

  • 開発許可申請書写し

農地を転用するときに開発のための許可が必要な場合は、農地の転用だけではなく開発の許可の申請も必要となるため、申請をしているための証拠として申請書の写しを提出します。

  • 農用地区除外通知書

転用する農地が農業振興地域の場合にはまず農業振興地域の除外手続きが必要となります。手続きが終了したら通知書を提出します。

  • 委任状

農地転用の申請のときに行政書士などに委任する場合には委任状が必要となります。

4-3.申請費用

農地転用のそのものの費用はかかりません。ただし必要書類を揃える費用はかかります。状況にもよりますがおよそ1万円の費用がかかります。

5.農地法第5条の農地転用許可申請手続きの流れ

農地の転用を決定したならば、まず農地の住所を調べます。そして市街化区域内か市街化区域外かを確認します。

5-1.手続き方法

市街化区域内の場合には農業委員会事務局で届出に必要な書類を確認します。その際には農地の転用計画の流れを説明して届出のために必要な書類を聞きます。さらに必要となる書類がどこで入手できるのかも確認します。

市街化区域外の場合は農業委員会事務局で事前の相談をします。まず転用できる農地なのか、また転用可能な計画なのか確認します。確認の際には住宅地図や転用計画の概要を説明すると確認が容易になります。その後許可申請に必要な書類を確認します。その際には必要となる書類がどこで入手できるのかも確認します。

最後に申請の締切日を確認します。農業委員会は申請に関して必ず締切日を設けていますので、申請を滞りなく行うためにも事前に確認をします。

5-2.必要書類

市街化区域内の場合は届出のための必要な書類は提出先によっても変わりますが、基本的な書類はおもに5つです。

  • 届出書

届出書の記入例は農業委員会事務局で受け取ることができます。またWEBでダウンロードができる場合もあります。

  • 登記事項記録簿

法務省で受け取ることのできる書類で、転用する予定の農地の広さや所有者などが載せられています。

  • 位置図

住宅地図があれば問題ありません。

  • 開発許可申請書写し

農地を転用するときに開発のための許可が必要な場合は、農地の転用だけではなく開発の許可の申請も必要となるため、申請をしているための証拠として申請書の写しを提出します。

  • 委任状

農地転用の申請のときに行政書士などに委任する場合には委任状が必要となります。市街化区域外の場合は届出のための必要な書類は提出先によっても変わりますが、基本的な書類はおもに10個です。

  • 申請書

申請書の記入例は農業委員会事務局で受け取ることができます。またWEBでダウンロードができる場合もあります。

  • 公図

法務省で受け取ることのできる書類で、申請地の場所が記載された公的な地図です。

  • 建設予定建物等の配置図と平面図と立面図

予定されている建築物の図面を提出します。ハウスメーカーなどに建設を依頼している場合には、ハウスメーカーが図面を用意してくれるケースがほとんどです。

  • 土地改良区の意見書

転用する予定の農地が土地改良区の範囲の場合には意見書が必要となります。意見書については農業委員会で誰に連絡を取る必要があるのかを教えてもらえます。

  • 予算書

農地の転用についてどれほどの予算で計画しているかを書面にします。

  • 残高証明書と融資証明書

予算書の通りに計画が進んでいるかの証拠として残高証明書を提出します。また融資を受けている場合には融資証明書も同時に提出します。

  • 開発許可申請書写し

農地を転用するときに開発のための許可が必要な場合は、農地の転用だけではなく開発の許可の申請も必要となるため、申請をしているための証拠として申請書の写しを提出します。

  • 農用地区除外通知書

転用する農地が農業振興地域の場合にはまず農業振興地域の除外手続きが必要となります。手続きが終了したら通知書を提出します。

  • 委任状

農地転用の申請のときに行政書士などに委任する場合には委任状が必要となります。

5-3.申請費用

農地転用のそのものの費用はかかりません。ただし必要書類を揃えるたの費用がかかります。状況にもよりますがおよそ1万円の費用がかかります。

6.農地転用手続きを代行依頼した場合の流れ

農地の転用手続きを個人で行うのが難しい場合には代行サービスを利用することができます。

6-1.申請代行とは?

申請代行を利用すると農地転用に関する事前調査から許可代行手続きまでをすべてサポートしてもらえます。

最初にメールや電話で申請代行の会社と連絡をとります。そして転用の予定となる農地の場所と現場の状況確認と、転用の計画に関する詳細なヒアリングを行います。その後申請代行会社が農業委員会事務局で事前相談を行い転用予定の農地の調査をします。

調査と事前相談の結果、許可の可能性が高い場合には申請書の作成や必要な書類の作成や収集を行います。

6-2.代行費用の相場

費用は代行サービスによって金額は異なりますが、農地法4条許可や農地法5条許可では75,000円から、農地法4条届出や農地法5条届出では50,000円からが相場となります。

ただしこの金額以外にも登記簿代金や交通費や実費がかかります。

6-3.メリット

農地の転用手続きの申請代行を利用すれば農業委員会との事前相談や申請書の作成、許可書の受け取りになど面倒な手続きすべてを行ってもらえる点にあります。

また許可が下りるのが難しい場合でも事前に連絡してもらえるので安心して委任できます。

6-4.デメリット

通常の申請手続き以外に報酬として代行サービスにお金を支払う必要があります。ただし手続きにかかる手間と時間を考えたらそれほど大きなデメリットとまでは言えません。

7.まとめ

農地は農地以外で利用する場合には必ず届出か許可が必要になります。ただし誰が農地の再利用をするか、農地がどの場所にあるかによって申請の仕方が変わります。また農地によっては転用手続きが難しい場合もありますので注意が必要です。

手続きの申請のためには幾つかの書類が必要となります。もし個人で行うのが困難な場合には申請の代行を依頼することもできます。