農地を他の用途で使いたいときの農地転用許可証について

「農地転用」とは、農地の持ち主や用途が変わることです。

「農地法」というものがあり、農地を田畑としてではなく、別の目的として使うために変更する場合は、許可を取らなくてはなりません。

農地転用は誰でも出来るのでしょうか。

1.農地転用の許可証は再発行されない

「農地に住宅を建てたい」「田んぼをやめて駐車場にしたい」「畑をやめて資材置き場にしたい」「農地に太陽光発電システムを作りたい」など、農地を別の目的で活用したいと思ったとき、農地転用のための許可証を取らなくてはなりません。

一度申請した農地転用の許可証は、再発行されません。証明書は大切にとっておく必要があります。

1-1.農地転用の手続き

農地転用の手続きは、まず農地の登記事項証明書、および公図の写しを準備する必要があります。

その後、実際に農地へ出向いて、どのように利用されているのかを確認します。現況をしっかり確認してから、農業委員会に相談へ行きましょう。申請書が受理されたら、許可が降りるのを待ちます。

1-2.農地転用の手続き完了までは時間がかかる

農地転用の手続きをして、申請書が受理されてから、実際に許可が降りるまでの期間は6週間と思っておきましょう。申請してからすぐに許可がおりるわけではないので、農地を住宅地にしようと思っている人は、建築期間とともに申請期間も頭に入れておくことが必要です。

また、農地の状態によっては、農振除外をする必要があるなど複雑な案件になると、1年以上かかることもあります。

1-3.農振除外とは?

農地転用しようと思っている土地が「農業振興地域」の「農用地区域」に存在している場合は、手続きに時間がかかります。農業振興地域内の土地であれば、まず目的の土地をその区域から除外する手続きをとることが必要になります。この手続きは「農振除外申請」と呼ばれている手続きです。農業振興地域内の土地は、農地除外申請をしなければ農地転用の手続きも出来ないどころか、地目変更登記も出来ません。

農地除外申請をするために必要な書類は以下の通りです。

  • 対象となる土地の農用地区域除外申出書
  • 必要な場合は委任状
  • 対象となる土地の登記事項証明書もしくは登記簿謄本
  • 確約書
  • 対象となる土地の公図
  • 対象となる土地の案内図
  • 事業計画書、土地利用計画書
  • 大正用水土地改良事業受益地確認書
  • 都計法確認書など

また、農地除外申請には条件があります。

  • 農用地区域以外に代替の土地がなく、計画が必要で適当である場合
  • 集団農用地の一角ではないこと
  • 認定農業者に対して農用地の利用の集積に影響がないこと
  • 農地を分断しないこと
  • 農地利用の機能性に支障がないこと
  • 土地改良事業の工事完了後8年を経過している

これらの条件をクリアしていなければ、農振除外申請をすることは出来ません。

農振除外申請については4月と9月になり、半年に1度しか受付をしていません。受付を締め切りその締切日を1日でもすぎると、次回の書類審査は半年先ということになるため、かなりの日数がかかることになります。農業振興地域でない場合は、農地法の手続き、そして、地目変更の登記申請へと、手続きは進んで行きます。

また、農地転用手続の受付については、通常でも日にちや月が決まっている場合があります。中には2ヶ月に1回の申請のみというところもあり、そうなるとタイミングによってはかなり待たされてしまうことになります。書類は全て揃っているのに申請出来ない状態が続くこともありますので、農業委員会に農地転用の受付スケジュールを確認しておきましょう。

1-4.農地転用手続のための必要書類

農地転用手続のためには、以下の書類が必要になります。

  • 対象となる土地の登記事項証明書(法務局にて取得)
  • 対象となる土地の公図(こちらも法務局にて取得)
  • 対象となる土地の住宅地図の写し(ZENRIN地図などの写しでOK)
  • 建築予定の建物設計図
  • 対象となる土地の所有者の同意書
  • 他法令の許認可等を了承する書面
  • 土地改良区の意見書
  • 取水、排水に関する同意書
  • 寄付行為、現在事項証明、全部事項証明など

2.農地転用の許可証を無くした場合の対処法

農地転用の許可が出たから、農地を宅地にしようと思ったけれど、農地転用の許可証を無くしてしまったという場合、どうしたら良いか困りますよね。農地転用の許可証をなくしてしまった時は、農業委員会に「許可をしたという旨の証明願」か「許可が取り消されていない旨の証明願」を提出して、証明書を交付してもらうことになります。

一度許可を受けていれば、申請したエリアの土地を管轄する農業委員会に記録が残っているでしょう。記憶が残っているものに関しては、再発行が可能です。

まずは、申請地を管轄する農業委員会に問い合わせをしてみましょう。

3.農地転用の許可証が必要になるタイミング

農地転用の許可が必要になる場合は、農地を農地以外のものにしようとする時です。また、採草放牧地を採草放牧地以外のものにする場合も、農地転用の許可が必要になります。農地を持っている場合、農地を売買することも可能ですし、貸し借りをすることも可能です。

しかし、農地以外の用途で使おうとする場合は、農地の名義変更や目的の変更を行う場合に、農地転用の手続きが必要になります。農地転用の許可がでたら、地目もそのまま変わると思いますが、そうではありません。地目とは登記に関係することですので、法務局にいかなければなりません。

法務局に行って地目を変えるためには、「農地転用事実確認願」と「地目変更登記」が必要になってきます。「農地転用事実確認願」とは、市の農業委員会に申請して、農地転用が完了したということを確認してもらうための届け出になります。地目を変更する際には「農地転用事実確認願」と「工事完了報告書」を一緒に提出することになります。

3-1.地目変更登記とは

地目変更登記とは、登記事項証明書に記載される「地目」を変更するための登記になります。地目変更登記は、法務局で申請することになります。

「地目」は、土地の登記簿の表題部に書かれている項目なので、その土地の用途を示すものです。しかし、用途が変わっている場合もあり、表題部と現状が合致しているとは限りません。登記されている地目を変更するには、登記申請をする必要があります。

3-2.地目変更登記の手続き方法

地目変更登記を変更する手続きは、法務局にて行います。申請する時は、農地転用事実確認願いで取得した証明書を添付します。

この時、農地転用許可証を紛失している場合は、以下の手続きをとることになります。

法務局での地目の変更の際に農地転用許可証が必要な場合は、農業委員会で許可(受理)年月日と許可番号を確認した後、法務局にて「許可書(受理書)を紛失しました」と伝えます。それから法務局から農業委員会に照会してもらい、「許可(受理)済み」と回答することで地目変更の手続きを進めることができます。分合筆等により農地転用許可(受理)後に地番などが変わっている場合もあります。分合筆をしている場合は、その推移がわかる資料を参考資料として、すべて添付する必要があります。

4.まとめ

農地転用についてと、農地転用証明書や証明書をなくしたときにはどうしたら良いのかということ、農地から非農地への地目変更登記についてなどをご説明しました。親から相続などで農地をもらった場合、農地転用証明をとってからその土地を活用することになりますので注意しておきましょう。

また、農地転用は地目変更登記まで行わなければなりません。申請には時間や手間もかかりますので、時間が取れない人は行政書士に依頼することをお勧めします。

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