相続税の計算に必要な不動産の時価の調べ方を知っておこう!

相続税は亡くなった人から財産を引き継ぐ際に支払う税金です。相続税を幾ら払うかは財産の額によって変わり、財産の時価に対して課税されます。

その時価がどのように計算するのでしょうか?またその時価は相続税とどのように関係しているのでしょうか?

 1. 相続税と不動産(土地)の時価の関係

相続税と不動産の時価関係について説明していきます。

相続税とは、財産を相続した際に納税する税金のことです。相続する時の財産の額によって支払う金額が決まるため、相続税を納税する時、財産の時価がどれくらいの金額になるかを計算する必要があります。

財産が現金や株などの場合、時価は誰でも調べることができます。そのため算出するのは簡単です。

問題となるのは、財産が不動産の場合です。土地等の不動産を相続する場合、時価を計算し、その時価に対する相続税を納めます。相続税を計算するには土地の時価を計算しなくてはいけません。そのため、相続税と不動産の時価は切っても切り離せない関係なのです。

 

2. 土地の3つの時価と調べ方

土地の時価はどうやって調べるのでしょうか?

土地の時価を調べる方法は、大きく分類して3つあります。

 

2-1. 正常価格

正常価格とは、不特定多数の当事者間で決められる価格のことで、不動産鑑定士が算出する価格です。

 

2-2. 相続税路線価から求めた評価額

土地の時価を調べる2つ目の方法は、路線価というものを使うことです。路線価で土地の時価を調べる際にまず用意しなければいけないのが固定資産税の納税通知書です。

この通知書は、毎年4月後半から5月頭にかけて送られてきます。この書類には、自分が所有している土地の面積が載っているので、まずは土地の面積を確認しておきます。

そして次に用意するのが、路線価図というものです。これは、国税庁のホームページからみることができます。路線価には、全国の土地の1平方メートルあたりの地価が書かれています。よって、自分が所有している土地の面積と路線価に載っている地価から、自分が所有している土地の面積を計算することができます。

路線価から求められた時価は、先ほどの正常価格から求められた時価よりも20%ほど安くなっています。そのため、正確な時価を知りたい場合には、路線価から求めた価格に20%ほど上乗せした価格だと思っておけばいいでしょう。

 

2-3.固定資産税路線価から求める評価額

一般の人がイメージする土地の時価は、この固定資産税路線価から求めるものです。

これは、固定資産税を課税するために設定される時価であり、土地を持っている方は毎年市町村から通知が届くものです。そのため、多くの方は土地の時価と言えば、固定資産税路線価から求めた価格という認識になります。

固定資産税路線価から求める評価額は、正常価格よりも30%ほど低くなっています。そのため、自分が所有している土地の正確な時価が知りたいという場合には、固定資産税路線価から算出した価格よりも30%上乗せて算出したらいいでしょう。

土地の時価を計算する方法は、大きく分けて3つありました。正常価格を正確な価格だとすれば、相続税路線価から求めた価格は2割減、固定資産税路線価から求めた価格は3割減となっているため、その点は注意しておきましょう。

 

3. 時価と相続税評価額の差額(乖離)とは?

相続税の計算は、相続税法で定められている通り、時価で申告するようになっています。しかし、時価がわからないという場合には、便宜上路線価を用いて時価を計算しています。そのため、正確に出した時価と路線価を用いて簡易的に出した時価では、価格に差ができてしまいます。これを時価と相続税評価額の乖離と呼んでいます。

この時価と相続税評価額の乖離を節税に利用している人もいます。時価よりも相続税評価額が低くなれば節税になり、時価よりも相続税評価額の方が高ければ増税になります。そのため、時価よりも相続税評価額の方が高い不動産は、節税という面で考えればすぐに売却した方がいいということになります。

不動産は特に、時価と相続税評価額の乖離が出やすいとされています。そのため、不動産を持っているという方は、時価と評価額の乖離について知っておく必要があると言えるでしょう。

 

4. 遺留分の時価には注意!

遺留分の時価には注意が必要です。遺留分という言葉を初めて聞くという方のために、ここで簡単に遺留分について説明をしていきます。遺留分について知るためには、遺産をどのように分けるのかを知っておく必要があります。

遺産をどのように分けるのか知っているでしょうか。遺産を受け取る権利がある人を相続人と呼びますが、相続人が複数いる場合には遺産を分配しなければいけないため、遺産の分け方には決まりがあります。

 

4-1.遺言書の有無が重要な理由

遺産を分ける場合、まず遺言書があるかが重要です。遺言書がある場合は、原則として、その遺言書によって遺産を分けていくことになります。

一方で遺言書がない場合、相続人全員で話し合って遺産を分けていきます。話し合いがうまくまとまる場合は問題ないのですが、まとまらない場合は家庭裁判所で決着をつけるというケースもよくあります。

 

4-2.遺留分とは

続いて、遺留分の説明をしていきます。相続人として認められるのは、原則として家族になります。しかし、遺言書で家族には遺産を一切渡さずに遺産はすべて知人に渡すと書いてあった場合、家族は一銭も遺産をもらえないのでしょうか?

そういった場合に重要になってくるのが遺留分です。

遺留分を簡単に説明すると、最低限の遺産を受け取る権利のことです。遺産がもらえない場合、残された家族が路頭に迷ってしまう場合もあります。そのようなケースを避けるために、遺留分によって残された家族にも最低限の遺産を受け取れる権利が出てきます。

もちろん、権利を行使するのかは相続人が決めることができるため、遺言書通りに遺産を分配することもできます。

遺留分で、最低限の遺産を受け取ることができる権利と説明しましたが、最低限とはどれくらいなのでしょうか。遺留分は、法定相続分の半分に定められています。

法定相続分とは、遺産の分配の目安を法律によって決めているものです。遺言書がない場合には、法定相続分も用いて遺産を分配することが多くなっています。

例えば、お夫婦に子供二人の4人家族で、お父さんが亡くなってしまったとします。この場合、法定相続分では、奥さんに半分、子供に4ぶんの1ずつ分配するという目安を設定しています。そのため、この場合遺留分で受け取ることができる遺産は、奥さんが4ぶんの1、子供が8ぶんの1ずつということになります。

 

4-3.遺留分の時価には注意が必要な理由

遺留分については理解できたと思います。ここからは、なぜ遺留分の時価には注意が必要なのか説明していきます。遺留分の時価に注意が必要なのは、遺留分を計算する際には、正常価格の時価でなければいけないからです。よって、遺留分の計算では、路線価から求めた時価を用いることはできません。

もし遺留分を相続税評価額で計算してしまうと、後から実際の時価に戻すと遺留分を侵害していて、大きな問題に発展してしまう可能性があります。そのため、遺留分の問題が起きそうな場合には、あらかじめ正常価格を出しておくことをおすすめします。

 

5. 相続税の計算方法

ここからは、相続税の計算方法について解説していきます。相続税の計算は、3ステップで簡単にできます。順に見ていきましょう。

 

5-1.遺産額を計算する

まずは、遺産額を計算します。遺産には様々なものがあるため、全部でどれくらいの遺産額になるのか計算しましょう。わかりやすいように、具体的な数字に落とし込んでいきます。ここでは、家族4人でお父さんが亡くなった場合を想定してください。

現金・預金 8000万円

不動産 2000万円

生命保険 5800万円

借入金 700万円

葬儀代 300万円

このように、遺産として考えられるものがいくらになるのか計算するのが、ファーストステップです。

 

5-2.課税される遺産額を算出する

次に、遺産額から実際に課税対象となる金額を計算します。

遺産額すべてが課税対象になるわけではなく、遺産額から基礎控除を引いたものが課税遺産額となります。先ほどの遺産額から基礎控除額(3000万円+600万円×3)を引くと、1億4800万円−4800万円となり、課税される遺産額は1億円となります。

 

5-3.相続税の計算

相続税は、課税遺産額に一定の税率をかけて求めることになります。

先ほどの1億円を、残された家族で法定相続分の目安に従って分配するとします。そうすると、奥さんが5000万円、子供がそれぞれ2500万円の遺産を受け取ることになります。相続税の税率は、2500万円の場合15%、5000万円の場合20%となっているため、計算式としては以下のようになります。

(5000万円×20÷100)+(2500万円×2×15÷100)=1450万円

この計算によって、相続税は1450万円となります。相続税の計算は、遺産額から課税対象額を計算し、金額に応じた税率をかけるだけなのでとても簡単です。

 

6. まとめ

今回は、不動産の時価と相続税というテーマで記事を書いていきました。不動産を相続した場合、もちろん相続税を払わなければいけません。その際、相続税をもとめるためには、時価を算出する必要があります。不動産の相続税を計算するためには、時価を出すことが必要なので、時価をどうやって出すのかは理解しておきましょう。

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