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Category  不動産

2018年12月16日

土地を貸したい方におすすめの土地活用方法と失敗しないための注意点

せっかくの土地をそのまま放置していませんか?土地活用にもいろんな方法があります。収支プラスに繋げるためにはどのような方法がベストなのか、また活用する前に知っておきたいチェックポイントなどをまとめてみました。

1.土地を貸したい方におすすめの土地活用方法

ひと口に土地の活用方法といってもさまざまです。とはいえ、どのように活用すべきか、どんな活用方法がベストなのか、きちんと理解できている方は少ないでしょう。

ここでは、土地を活用したい方のためのおすすめの方法を3つ紹介します。

1-1.アパート、マンションを建てる

土地の活用方法はさまざまです。なかでも代表的な方法が「アパート・マンション経営」でしょう。もちろん、ただ土地を所有していればアパート・マンションの経営ができるというわけではありません。要するにいくつかの条件、法規制をクリアしなければいけないというわけです。

法規制としては、「土地計画法」「建築基準法」などが挙げられますが、もちろんそれだけではありません。いかにその土地がアパート・マンション賃貸として成り立つのかということも重要になるでしょう。

条件さえクリアすることができれば、アパート・マンション経営は土地活用の中でもかなり需要が高いですし、固定資産税や相続税などの節税にも繋がるのでおすすめです。

1-2.戸建ての賃貸

次に「戸建ての賃貸」です。近年、戸建て賃貸として土地活用する方が増えており、特に需要のあるエリアであればこの方法がかなりベストといわれています。

戸建ての魅力は、なんといっても自由な暮らしができることです。ファミリー層など、小さなお子さんがいる家庭はアパート・マンションより戸建てのほうがのびのびと生活できます。アパート・マンションに比べるとまだまだ価値が低いですが、そのぶん競合が少ないので建てやすいでしょう。

ただ、どの土地でも戸建てに向いているわけではなく、また適したエリアでなければ失敗してしまいます。人気が高いのは、周辺に公園や学校があるエリア、ファミリー層が多いエリア、利便性が高いエリアなどです。戸建て賃貸の場合、駅から離れていても需要があれば売れるのでおすすめの活用方法といえるでしょう。

1-3.駐車場

最後は、「駐車場」です。こちらもアパート・マンションに次いで土地活用方法として非常に人気があります。駐車場の場合、アパート・マンション・戸建てが難しい土地でも活用できるので、比較的利用しやすいでしょう。ただし、1区画の面積は決まっているので、どの広さでも駐車場として活用できるわけではありません。しかし土地の形状を選ばず利用できるのは大きなメリットになります。

ちなみに、駐車場として活用する場合、大きく2通りの方法があります。

まず、「月極駐車場」として活用する方法です。初期投資が少ないので、はじめて土地活用を考えている方にもぴったりでしょう。基本的に自営方式になりますが、管理運営に委託することもできます。転用しやすいというメリットがあることから、気軽に土地活用することが可能です。

次に、「コインパーキング」として活用する方法です。月極駐車場とは違い、土地の貸し賃料を受け取るため自身は経営する必要がありません。もちろん、貸主が運営することもできます。

どちらの駐車場が適しているかというのは、土地の状態によって異なります。とはいえ、予算に合わせてはじめられるので、先述の通り気軽に土地活用をしたい方にはぴったりでしょう。

2.土地を貸したい場合に確認すべき6つのポイント

土地は貸すことで固定資産税や相続税などの節約になります。しかし、土地は簡単に貸せるものではありません。たとえばアパート・マンション経営なら土地の広さや法規制などをクリアしなければいけませんし、旧借地法・借地借家法などさまざまな法律を理解しなければいけません。

ここでは、土地を貸す前に確認すべき6つのポイントを紹介します。

2-1.土地貸しの種類

まず、「どんな方法に土地活用できるのか」という点です。先ほどアパート・マンション経営、戸建て賃貸、駐車場をおすすめしましたが、他にもいろんな方法があります。たとえば、資材置き場や太陽光発電、保育園や老人ホームなどの施設、コンビニなどです。土地に建物が建っているということはすべて貸主がいるわけですから、さまざまな活用方法があることが分かります。

資材置き場というのは、ひと言でいうと建築や農業などの資材を置く場所です。持っている土地をそのまま貸すだけで良いので、初期費用もかかりません。もっとも手間をかけずに土地を貸せる方法ではないでしょうか。もちろん「需要のある土地」というのはありますが、気軽に土地を貸したい方にはぴったりでしょう。

太陽光発電は、広大な土地や日照などが関係してくるためどうしても場所を選んでしまいますが、近年は定番の土地活用方法になっています。ただ長期的な活用になるため、土地を転用したい方には不向きです。保育園や老人ホームなどの施設は「どこでも建築できる」のメリットですし、コンビニも郊外の土地でも貸すことができるため人気があります。

2-2.借地料の相場

土地を貸すと発生するのが「借地料」です。借地料とは地代とも呼ばれ、毎月支払われます。しかし相場は明確には決まっておらず、「およそ公租公課の2~3倍」です。

公租公課とは、いわゆる固定資産税などの税金や手数料を指します。たとえば、毎年150万円の固定資産税を支払っている場合、その2~3倍が借地料になるため300~450万円ということになります。

あくまで目安ですので、正確な借地料を知りたい方は不動産鑑定士に相談するのがベストです。また、公租公課の2~3倍が相場になるというだけであって、土地の面積やどのように利用するのか(アパート・マンション経営・駐車場・太陽光発電など)によって大きく変わってきます。そのため、「きちんと調べてもらったら公租公課の5倍だった!」ということも十分考えられるでしょう。

2-3.土地貸しに関する税金

土地を貸す場合、いくつかの税金がかかります。すぐに思い浮かぶのは「固定資産税」「相続税」などですが、他にも「事業税」「所得税」「住民税」などが挙げられます。

固定資産税とは、土地を所有していることで発生する税金のことで、毎年1月1日に納税しなければいけません。標準税率は1.4%ですが、固定資産評価額と合わせた金額になるため土地によって大きく差が出るでしょう。

相続税は、土地の貸主が亡くなった場合、その土地を相続することで発生する税金です。事業税は、アパート・マンションや駐車場経営など、持っている土地を事業で用いた場合に支払うことになる税金です。もちろん、太陽光発電や施設、コンビニなどどんな事業を行うかでかかってくる税金は異なりますが、(総収入額-必要経費-事業主控除額290万)×税率で計算します。

最後に所得税と住民税ですが、所得税とはその名のとおり所得による税金のことで、住民税はその土地に建てた住宅に住んでいる者に支払う税金になります。これらの最高税率は55%です。また、事業所得・一時所得などを合わせ、所得控除から計算されます。

2-4.土地貸しのメリット

所有している土地を貸すことで、固定資産税や相続税の軽減などが期待できます。また借地料が支払われるため、収入を得ることもできます。

たとえば定年退職をして収入が減った場合でも、土地を貸していれば収入を得られます。また土地を貸すだけなら、アパート・マンション経営や戸建て賃貸よりも初期費用も安いので誰でも気軽に土地貸しができます。もちろん、貸した土地に建物を建ててもらうと、さらに収入を増やすことができます。

ただ、土地を貸すということはメリットだけでなくデメリットがあることも十分理解しなければいけません。

2-5.土地貸しのデメリット

土地を貸す=借地権が発生します。そのため、貸している間はその土地を転用することができません。長期契約になることを十分理解しておかなければいけないでしょう。特に「今後土地を他で使いたい」という場合は、じっくり考えて検討しなければいけません。

ただ、土地を貸す方法にも建物を建てる場合・建物を建てない場合と大きく2つに分けられます。同じ土地を貸す場合でも、駐車場や資材置き場など建物を建てない場合は短期契約も可能なので気軽に土地を貸したい方でも安心です。

2-6.旧借地法と借地借家法

借地法には、旧法の「旧借地法」と新法の「借地借家法」があります。旧法では建物の種類によって借地権の期間が異なりましたが、新法では「普通借地権」と「定期借地権」で区別されるようになりました。

そもそも借地法は、大正10年に定められた法律で、平成4年に借地借家法が施行されたのと同時に廃止されています。土地を貸し、建物を建てると「土地を借りている」ことになるため借地権が発生します。一方で駐車場や資材置き場などで土地を貸した場合は、建物を建てていないのでこの権利は発生しません。

新しくなった借地法では普通借地権と定期借地権に分類されると紹介しましたが、普通借地権は「契約満了でも更新できる」ため、その期間は自由に決めることができます。

ただし、更新を拒否する場合は正当な事由がない限り不可能ですし、途中で契約を取りやめることもできません。また、一度契約すると30年以上の期間を定めなければいけなくなります。期間を定めない場合でも30年と決まっており、その後、20年以上・10年以上と更新することになります。

一方で定期借地権は、契約満了になると更新できません。定期借地権の場合、50年以上・30年以上・10年以上50年未満の3つあり、10年以上50年未満の場合のみ利用目的が「事業用」と決まっています。

3.土地を貸したい場合の契約手順

土地を貸す場合、きちんとやっておきたいのが「契約」です。なかには知人・友人・親戚などに安く貸している方もいると思いますが、土地はしっかり契約をして貸していないと、後々トラブルになります。またきちんと契約書にサインしたと思っていても、その通りにならないケースもありますので十分な注意が必要でしょう。

では、どのように契約をしたら良いのでしょうか?

まず、建物を建てるのか建てないのかで契約内容は異なります。特に建物を建てない場合は、建てないことをきちんと証明し契約しないと失敗してしまいます。このとき、「土地使用契約書」を交わすことが大切です。

土地使用契約書はひな形があるので、ダウンロードして使うこともできます。ただ安心・安全なのは司法書士や行政書士などに作成してもらうことです。専門家に依頼することで手数料がかかりますが、万が一のときでもしっかり対応してくれるので安心でしょう。もちろん、知人友人だからといって安易に土地を貸さないことも大切です。

契約までの手順は、土地を借主に現地確認をしてもらうことからはじめます。すぐに書面にサインをしてもらうのではなく、事前にきちんと確認し、納得してもらったうえで契約することになります。また借地権を与える契約ではないこともしっかり約束しておいてください。

4.まとめ

土地の活用方法はさまざまです。どのような方法で貸すかによってメリット・デメリットも違いますし、借地料や税金なども変わってくることが分かりました。失敗しやすいといわれている土地貸しだからこそ、トラブルに遭わないように事前にしっかり確認しておきましょう。