不動産登記の登録免許税って??軽減措置はあるの?

不動産を手に入れた時、必ずと言って良いほど行う登記。そして、この登記を行うと、登録免許税という税が課税されます。

今回はこの不動産登記の登録免許税について、いったいどのようなものなのか、課税額や軽減措置についてお話したいと思います。

1. 不動産の登録免許税には軽減措置が存在する

不動産を登記した際にかかる費用の一つとして、「登録免許税」が挙げられます。

不動産を取得すると、その土地や建物の所有権が誰であるかを明確に証明するため、登記というものが行われます。この不動産登記の際かかる費用としては印紙代、司法書士に手伝ってもらった際の手数料や報酬などが挙げられますが、その他に最も厄介なコストの一つである登録免許税が含まれるのです。

登録免許税と聞いてもいまいちピンと来ない、そんなに大したものではなさそうというイメージがありますが、実は不動産という大きな買い物の中では意外と存在感を発揮してきます。税率の数字としてはそこまで高くないものの、実際に計算してみると「え、こんなに?」といったパターンも少なくありません。

ここで大きく影響してくるのが、登録免許税の「軽減措置」。そう、実は登記の際の費用を場合によって抑えることができるのです。

更に、この軽減措置が取られるケースはそこまで稀ではなく、適用のハードルが高くないため案外すんなり通るかもしれませんよ。

軽減措置についてお話する前に、まずは不動産登記の際の登録免許税の基本を押さえていきましょう。

2. 登録免許税とは

登録免許税とは、登録免許税法に基づいて課税する国税です。

前項でも申し上げたように、不動産を取得すると、その土地や建物の所有権の所在を明確にするため「登記」が行われます。この登記を行うことにより、もし仮に第3者が現れ「この不動産は自分のものだ!」と主張してきても、こちらが正式な手続きを踏んで公に所有権を証明していれば心配無用。登記による対抗力が生じて、こういった主張を突っぱねることができます。

「本当にそんなトラブルあるの?」と思われるかもしれませんが、恐ろしい事に実際に登記を巡るトラブルは発生します。不動産登記は義務ではありませんが、しっかりと自らの登記をしていないために土地や建物を手放す事になり泣き寝入りする、といった事態に陥らないためにも、行っておくのが通例となっています。

ここで注目すべきなのが、第3者に対する「対抗力」。特定の不動産に対する自らの所有権を明示し、第3者へ対抗力を得られる効果は立派な利益と見なされるため、ここには流通税が発生することとなります。そして、その課税が「登録免許税」という事なのです。

続いて、この登録免許税の課税額について見ていきましょう。

2-1.登録免許税の課税額

登録免許税の主な計算方法としては、

課税標準×税率

で課税額を求める事ができます。

○税率について

登録免許税の税率は、不動産をどうやって取得したか、名義変更の目的や状況によって変動します。

不動産取得に持つ際に行う4つの登記パターンを挙げ、それぞれ基本となる税率をご紹介致します。

①所有権保存登記…その不動産の最初の持ち主が行う登記で、つまりは新築の不動産に対して行う登記です。

税率…0.4%

②所有権移転登記…不動産の持ち主が入れ替わる際に行われる登記です。

中古住宅の売買や競売による不動産取得の場合や、相続・贈与・収用といったケースがこの移転登記に該当します。

いわゆる「相続登記」とは、正式には相続に伴う所有権移転登記の事を差すのです。

税率は、どのような経緯で移転登記することになったかにより変動します。

売買・競売の場合…2.0%

相続・法人合併の場合…0.4%

その他贈与・交換・収用などの場合…2.0%

③抵当権設定登記…住宅ローンを組む際に行う登記です。

住宅ローンなど多額の債務を持つ場合、不動産そのものを担保とし取引が行われます。

もし債務者がローンを払えなくなった時、金融機関は該当不動産を競売にかけてそこで出た利益から先に徴収します。

このように債務の取り立てを債務者の持つ不動産から優先的に得るケースで必要となるのが「抵当権」で、抵当権を不動産に付与しておくことを抵当権設定と呼びます。

この抵当権設定の際に行う登記にも、登録免許税の課税が施されます。ちなみに、お金を貸している金融機関を抵当権者、借りる側を抵当権設定者と呼びます。

税率…0.4%

④抵当権抹消登記…前述の抵当権を抹消する際行われる登記で、住宅ローンを払い終えた時に登記しておきます。

住宅ローンは払い終えているので抵当権はもはや必要なくなりますし、またもし次のローンを組む時や所有者が入れ替わる移転登記の時のために、どのみち抵当権の抹消を行っておく必要があるのです。

抵当権抹消登記の場合のみ、課税標準に税率を掛けるスタイルではなく、不動産一個につき1,000円の課税で固定されています。

2-2.課税標準について

次に「課税標準」の求め方ですが、不動産の購入という点に的を絞ると、計算方法は大きく分けて以下の3つです。

 1.固定資産税評価額

固定資産税標準価額とは、固定資産台帳に登録されている価額のことです。

国土交通省が毎年3月に発表する公示地価(全国の標準地の土地価格)の70%あたりになるよう調整されており、3年に1度見直され、変動します。

この固定資産税評価額を元に課税額を算出するのは前項の②、所有権移転登記の際です。

2.法務局設定価額

固定資産台帳にまだ登録がない不動産の場合は、固定資産税評価額が定まっていませんので、法務局が設定した価額を課税標準とします。前項の①のように、まだ登記が為されていない新築の不動産の所有権保存登記の場合がこれに該当しますね。

登録免許税額を計算するには事前に法務局に設定価額を確認しておく必要があります。

3.債権金額

住宅ローンを組んだ時の抵当権設定登記の場合は、債権金額が課税標準となり、これに税率を掛けて求めることとなります。

以上が登録免許税の基本となります。そして後半はいよいよ、適用されれば大幅に得することも可能な軽減措置についてお話しましょう。

3. 軽減措置の内容

登録免許税の課税では、特定の条件に合致しており、またその事が証明された不動産の登記であれば軽減税率が適用される場合があります。

その代表的な特例をここで確認していきましょう。

3-1. 新築住宅の保存登記の特例

登記する不動産が新築住宅である場合、つまり所有権保存登記である場合はそもそも0.4%と税率が低くなっていますが、以下の条件に該当すれば更なる税率ダウンが見込めます。

  • 登録簿の床面積が50平方メートル以上の場合

個人の自己居住目的で、取得後1年以内に申請すれば0.15%まで税率が抑えられます!

更にこちらも軽減税率の適用対象となっています。

  • 認定長期優良住宅
  • 認定低炭素住宅

これらに当てはまる場合、0.1%までそれぞれ税率が下がります。

3-2. 中古住宅の移転登記の特例

中古住宅を売買や競売により取得した場合の移転登記に置いては、以下の条件をクリアすることでかなり大幅な税率ダウンが期待できます。

  • 登記簿面積の床面積が50平方メートル以上の場合
  • 当該物件の新築~取得時点までの年数が耐火建築物は25年以内、耐火建築物以外は20年以内の場合
  • 住宅面積が家屋全体の90%を超えている
  • 区分所有家屋の場合は、耐火建築物・準耐火建築物・低層集合住宅のいずれかに該当すること

こちらも、個人の自己住居用であり、且つ住宅の取得時から1年以内の登記であることが前提として適用されます。

もし住宅の取得から1年が経過してしまった場合でも、以下の条件に当てはまれば軽減措置を受ける事ができます。

  • 新耐震基準をクリアしている事が証明されている(耐震基準適合証明)
  • 既存住宅売買瑕疵(かし)保険に加入している

更に、以下の条件に該当していると税率がより軽減されます。

  • 認定長期優良住宅である

戸建て…0.2%

共同住宅(マンションなど)の場合…0.1%

まで税率が下がります。

  • 認定低炭素住宅である

こちらは、0.1%の軽減税率が適用されます。

3-3. 抵当権の設定登記の特例

住宅ローンを組む時においても、軽減税率は適用されます。

抵当権設定登記での軽減税率の適用条件は、ここまでご紹介した2つの登記パターンでの軽減税率適用条件とリンクしています。すなわち、購入物件が新築住宅でも中古住宅でも、所有権移転または保存登記において軽減税率が適用されれば、こちらの抵当権設定登記でも一緒に0.1%まで税率が引き下げられるということですね。

4. 軽減措置を適用するには

以上のような税率の軽減措置が適用されるには、いくつか条件がありますので注意しておきましょう。

4-1. 適用対象者

まず軽減税率の適用対象者となるためには、「住宅用家屋証明書」の交付手続きができている事が前提です。

軽減措置のための住宅用家屋証明書の発行を行うには、以下の条件をまず押さえておきましょう。

所有権保存登記における軽減措置…

戸建ての場合、所有者自身が自己の居住目的で建てた「新築」物件であること。

また不動産会社が建てた場合は、物件が「未使用」であること。

所有権移転登記における軽減措置…不動産の取得方法が「売買」または「競売」であること。

抵当権設定登記における軽減措置…所有権移転または保存登記において、建物部分が住宅用家屋証明の適用対象であること。

  • いずれの場合も個人の自己居住目的が前提で、法人は認められない。外国人や、不動産が共有持分である場合は認められる。
  • 床面積が50平方メートル以上であること。

また専用住宅でない場合、居住部分の総床面積が90%以上であること。

  • 既に入居済みであること。適用を受ける不動産の住所地に住民票があるかどうかで判断されますが、もし用意できない場合は引っ越し済であることを伝え、別途「申立書」を準備することで適用を受けられる場合があります。
  • 新築の場合でなおかつマンションのように区分所有であるときは、(準)耐火建築物または低層集合住宅であることが条件となります。
  • 中古住宅においては、該当不動産がマンションなど(準)耐火建築物の場合新築から25年以内であること、木造など耐火建築物でない場合は20年以内であることが原則です。

もしこの期間を過ぎてしまっている場合は、住宅瑕疵保険への加入や耐震基準適合証明書の提出で適用が受けられます。

  • 抵当権設定登記においては、共同担保でも交付は受けられます。また、共済やノンバンクなど融資元が金融機関でない場合でも大丈夫です。

ただし適用が受けられるのは抵当権のみで、複数の債権担保を持つ根抵当権の場合該当しません。

借り入れの理由は、あくまで該当不動産取得の目的でなければならないのです。

4-2. 申請の手順

①必要書類を揃え、住所地の市区町村にて「住宅用家屋証明書」の交付手続きを終える。

②所轄の法務局へ住宅用家屋証明書と添付書類の提出と登記を、不動産取得から原則1年以内に行う

5. まとめ

いかがでしたでしょうか?

不動産登記を行う際の登録免許税について、また軽減措置とその条件についてお話してきました。

ここに書いてある軽減措置はあくまで現時点の一例に過ぎません。条件の見直しや適用期間に変動がありますので、軽減措置がしっかりと受けられるよう早めの準備を徹底し、手間を防ぐため確認を怠らないようにしましょう。

無料ebook|土地活用が気になり出したら最初に読む本

土地活用は相続対策に適していると言われていますが、実はそれ以上に「黒字経営」させることが重要です。

収益性を考えた時に重要になる、

・投資分析の視点
・市場分析の視点
・ファイナンスの視点
・財産継承の視点
・タックスプランニングの視点

という5つの視点の解説など、ブログでは公開できない土地活用のコツをお伝えいたします。