不動産売却時に仲介業者を変更した方が良い場合と変更のリスクについて詳しく

不動産を売却したいのに、なかなか買い手が見つからない。そんな時は「委託している仲介業者が悪いのでは?」と考えてしまうかもしれませんが、必ずしもそうとは言い切れません。下手に仲介業者を変更しすぎると出回り物件となってしまい、更に売れにくくなってしまう可能性もあります。

しかし業者側が約束していた広告を掲載していない、レインズに登録していない、などといった場合には仲介業者が十分にその役割を果たしていませんので変更する必要があります。

ここでは仲介業者を変更する際のリスクや変更する前に考えなければならないこと、逆に仲介業者を変更した方が良い場合や、変更が必要な場合はその手順などを解説して参ります。

1. 仲介業者を変更するリスク

まずはじめに知っておいていただきたいことは、仲介業者を変更したからといって必ずその不動産が売却できる保証はないということです。販売活動をまた一からやり直すことにより売り遅れてしまうかもしれないというリスクもあります。

仲介業者に原因があり不動産が売れない理由としては、レインズに登録していないことや(レインズについては後ほど詳しく説明致します。)、他者からの問い合わせを揉み消してしまう囲い込みなどがありますが、それを売主が把握するのは容易ではありません。

清掃や説明が行き届いておらず、内見に不備があったり、相場よりも価格が高めに設定されていることなどが理由で売れない場合もあります。その場合は売主側でも改善できることがありますので、まずは仲介業者と話し合いを行いましょう。コミュニケーションがうまく取れなかったり連絡が滞ったりする場合は業者側の誠意が疑われますので変更する場合があるかもしれません。

1-1. 業者間でブラック扱いにされる可能性がある

不動産仲介業者には業者同士で持ちつ持たれつの関係を行なっているところもあるようです。仲介業者を変更することによるリスクとしてよく挙げられるものとしては、業者間でブラック扱いにされてしまうのではないか、ということです。都会など仲介業者が多数ある場合にはあまり大きな問題にはならないかもしれませんが、田舎などでそもそも仲介業者の数が少ない場合には狭い地域の中で力を持っている業者から変更しようとすると他の業者が敬遠してしまうこともあるかもしれません。

一度断ると再依頼しづらいこともありますし、やはりビジネスは人と人が関わるだけにそこには少なからず人の感情も関係してきますので、あまり角が立つような方法で業者の変更を行うことは避けた方がよいでしょう。

1-2. 出回り物件となる可能性がある

皆さんは「出回り物件」という言葉をご存知でしょうか。物件情報を広めようとして同時に複数の仲介業者と契約したり、仲介業者の変更を繰り返すなどして市場に物件情報が出回ってしまった物件のことを指します。「情報は広がった方がいいのではないか」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、物件情報は広く知られたり時間が経ってしまうほど売れ残りと思われ更に売れにくくなってしまうものなのです。

売れない物件が出回ってしまうのはある程度仕方のないことではありますが、仲介業者の変更を行うことも出回り物件になってしまうリスクとなることを頭に入れておきましょう。

2. 仲介業者を変更する前に考えること

仲介業者を変更してしまう前に、しっかり時間を割いて本当に変更が必要なのかどうかを考えてみましょう。1項にも示しておりますが、清掃や物件の説明に関して問題がある場合もあります。信頼の置ける仲介業者であれば担当者がなぜ売れないのかということに関して相談に乗ってくれるはずですので、もしまだ担当者と話し合いを行なっていないのであれば一度行なってみてください。

また、変更してどうしたいのかを明確にすることも重要です。ただ漠然と「現在の仲介業者に依頼していても売れないから変更しよう」という考えではおそらく次の業者でもあまり変わらない結果になってしまうでしょう。いま依頼している仲介業者のどこが良くないのか、どこをどのように改善してほしいのかを明確にできれば、変更後の仲介業者を選ぶ基準にもなるでしょう。また変更すれば得なのかもしっかり吟味してから行動しなければなりません。

仲介業者の変更を考えていらっしゃる場合はぜひ上記の点を参考にしてみてください。

3. 仲介業者を変更した方が良い時

先ほどは仲介業者を変更する前にしっかり考えることの必要性についてお話ししましたが、次は変更するべき場合について紹介します。熱意を持って売主と共に悩んでくれる業者もあれば、必要な事柄ですら怠っている悪質な業者も存在します。そういった悪質な業者を見分けるコツなどについてもお伝えします。

3-1. 明確な理由なく執拗に値下げを勧めてくる

物件を売りに出しものの、内見希望や問い合わせの電話が少ないなどの理由をつけて執拗に値下げを提案してくる業者がいます。「こういう風に広告活動を行い、こういう事柄が原因と考えられるので値下げをしましょう」と目的を明確にして提案してくれるのならば値下げも販売戦略の一つではありますが、売主が納得できない販売戦略を行なっているのにしつこく値下げを提案してくる業者は変更を考えるべき対象となります。

3-2. 執拗に物件の買取を提案してくる

まず知っておいていただきたいことは、物件を買取という形で売却すると市場価格の60%〜70%の金額にしかならないということです。一刻も早く売りたいのでしたら別ですが、せっかく仲介業者に依頼するのですからなるべく高く売りたいものです。業者が売りに出す前から買取を勧めてきたり、売りに出して一ヶ月も経っていないのに買取を勧めてくる場合は注意が必要です。

売主の方から聞いてもいないのに執拗に買取を持ちかけてくる場合は仲介よりも買取を専門に行なっている業者である可能性が高いので売却の依頼をすることは控えましょう。

悪質な業者ですと、媒介契約を交わした後に買取を持ちかけてくるケースもあります。契約後に頻繁に買取を持ちかけてくる場合は業者の変更をオススメします。

3-3. 十分なコミュニケーションが取れない

専属専任媒介契約の場合は一週間に一回以上、専任媒介契約の場合は二週間に一回以上、販売状況の報告をする義務があります。しかし、報告する義務はあってもどのように報告するかに関しては決められていません。メールや電話で事務的に済ませる業者もあれば直接家まで報告に来てくれる業者もあります。この時こそ担当者と話し合いをするいい機会ですので、ぜひ報告の際は直接会って報告を聞きたいとお願いしましょう。そこまで言ってもきちんとした対応が受けられない場合や直接担当者と話し合いをしたとしても売却プランや広告展開に具体性がない場合などは媒介契約を解除し、仲介業者を変更するべきかもしれません。また、そもそも義務付けられた報告さえしてこない業者は問題外ですので変更をオススメします。

3-4. レインズに登録しない、登録しても削除した

一般媒介ではなく専任媒介の契約を交わした場合、仲介業者は一定期間内にレインズに物件を登録することが宅建業法で義務付けられています。レインズに物件を登録することによってそれをみた他の不動産会社から買主が見つかる可能性が高くなります。このレインズに登録しない、もしくは登録しても削除されてしまう場合や他の業者からの問い合わしに応じない場合は仲介業者による囲い込みと判断できますので変更を考えましょう。

3-5. 約束していた広告が出されていない

稀にこういったケースもあるようです。売り出す前に話していた広告については、少し面倒ではありますが全て問題なく掲載されているか確認することも重要です。大切な不動産取引ですから慎重に万全を期して行いましょう。

3-6. 購入希望者に嘘を言って売買契約に至らない

この場合も仲介業者による囲い込みが原因となるものです。囲い込みとは、仲介業者が売主、買主双方から仲介手数料を受け取る両手仲介を狙うために他の不動産会社を通じた購入希望者には嘘を言って売買契約を故意に行わないことを言います。
囲い込みを消費者が見極めるのは容易ではありませんが、もし何らかのきっかけで気づいた場合には仲介業者の変更をオススメします。

4. 変更のベストなタイミング

仲介業者を変更するにあたり、最も良いタイミングはいつなのでしょうか。それは、媒介契約満了後です。このタイミングでの解約であればトラブルもなく解約できるでしょう。

もしも専任媒介契約に不安がある場合は契約期間を短めに設定することをオススメします。媒介契約の期間は法律で三ヶ月未満と定められています。三ヶ月が経過した時点でその媒介契約を継続するのか終了するのか売主が選択できるようになっているのです。

媒介契約を結ぶ際に、仲介業者から期間を選択できるという説明はないことが多々ありますので、ほとんどの場合は契約時にこちらから申し出る必要があります。極端なことを言えば一週間での契約も可能ではありますが、仲介業者も一週間では動きようがありませんので短めに契約する場合は一ヶ月での契約をオススメします。

契約期間を一ヶ月にしたいと申し出た場合に「一ヶ月では何もできない」「社内規定で三ヶ月と決まっている」などと言われる場合にはその業者はあまりオススメできません。はじめに契約期間を短く申し出ることは業者選びの基準にもなるかもしれません。

5. 仲介業者に非がないのに変更するとこんな問題の可能性がある

自己都合での中途解約や、第三者から見て仲介業者が問題のない営業を行なっているにもかかわらず売主側から中途解約を行う場合は契約解除による償還請求をされてしまう可能性があります。どういった費用を請求されるのかと言うと、営業活動の実費、つまり本来は仲介手数料に含まれるべき費用です。

営業実費がどの程度であるかは物件の書類関係の取得費用やポスティングなどの広告費用以外は不明瞭である場合がほとんどです。もしも仲介業者とトラブルになってしまっている場合には思いがけない額の費用を請求されてしまうことがあるので、ある程度の費用がかかってしまうことを覚悟しているとしても中途解約にはリスクが伴うことを覚えておきましょう。

また、もし仮に売買契約が進行しているならば仲介業者には仲介手数料の請求権があります。ですので売買契約後に媒介契約を中途解約したとしても仲介手数料は取られてしまうことになります。

6. 仲介業者の変更をする手順

実際に仲介業者の変更を行うことになった場合の手順について説明致します。4項でも説明した通り、媒介契約には契約期間が必ず存在します。媒介契約が終了するタイミングで仲介業者を変更する場合は、特別な手続きは必要ありません。

現在契約している仲介業者との契約が終了後、新たな仲介業者と契約すればよいだけです。また、契約を更新するかどうかは依頼主に決定権がありますので、契約を更新しない理由をわざわざ伝える必要もありません。

6-1. 専属専任媒介契約・専任媒介契約の場合

専属専任媒介契約・専任媒介契約では、売主側から契約の更新を申し出ない限りは更新されないと法律で定められています。ですので契約が勝手に更新されることはありません。もし仮に自動更新と言われた場合でも、訴えれば勝つことができます。

よって、仲介業者側から契約を更新するかどうか聞かれた場合は更新しない旨を伝えれば問題ありません。仲介業者から何も言われない場合や、売主から契約更新しないと伝えた場合は期日が来たら自動的に契約は終了となります。契約期間が終わり次第、次の仲介業者と契約をしましょう。

6-2. 一般媒介契約の場合

一般媒介契約の場合は、もともと複数の仲介業者と契約を交わすことが可能ですので、次の仲介業者といつでも契約を交わすことができます。変更前の業者とは、契約期間が終わり次第自動的に契約が終了となります。

ここで一点注意しておかなければならないことがあります。一般媒介契約では専属専任媒介契約・専任媒介契約と異なり契約期間の自動更新の特約を行うことができることです。ですので、契約時に自動更新の特約を付けていないかチェックしておきましょう。

もしも不安であれば、更新しない旨の書類を送れば契約の更新はされませんのでその様に対応すればよいでしょう。

6-3. 中途解約をする場合

中途解約を行う場合には、なぜ中途解約をしたいのかという理由を提示しなければなりません。それに5項に記した通り中途契約にはリスクが伴いますので、不満な点が明確にある様でしたら「この点が不満なので、いつまでに改善してください」と伝え、改善されない場合に中途解約をした方が良いでしょう。

なんとなく売れないからと言ってやたらと仲介業者を変更するのはオススメできません。売れない原因を明確にしてから次はなるべく売れやすい仲介業者を選ぶようにしましょう。

7. 仲介手数料を払ってその分キッチリ仕事をしてもらう

不動産仲介業者を利用する場合にどうしても避けては通れないのが仲介手数料です。仲介手数料の安い会社を選ぶことも重要ですがせっかく手数料を支払っているので、その対価として仲介業者には最大限キッチリと仕事をしてもらうことも忘れてはいけません。

専任媒介契約や専属専任媒介契約を結んでいる場合は一、二週間に一度の報告は義務付けられていますが、それ以上の回数を報告してもらっても問題はありませんので、何か進展がある場合などは適時報告してもらう様にしておくのも仲介業者の活用法の一つかもしれません。

仲介業者の仕組みをしっかりと理解して、最大限に活用しましょう。

8. まとめ

売主としては一刻も早く好条件で物件を売却したいのになかなかうまくいかないと、「本当にこの仲介業者で大丈夫なのか」と不安になってしまうかもしれません。かといって無闇に仲介業者を変更してしまうと出回り物件となり、更に売りづらくなってしまいます。それに中途解約にはリスクが伴うものです。売れない原因はどこにあるのか、また改善することはできないのかをしっかりと見極め、仲介業者との話し合いにより改善が可能な場合は担当者と協力し打開策を講じることが必要です。

しかし、悪質な仲介業者が存在することもまた事実です。義務付けられている報告が滞っていたり、担当者とコミュニケーションを図ろうとしてもうまくいかない場合や、約束された広告が出ていなかったり悪質な囲い込みがはっきりとわかった場合などは仲介業者を変更することも必要です。

変更するタイミングとしては、契約が終了されるタイミングを見計らって契約を終了させるのが最もベストでしょう。もし契約に不安がある場合は初めの段階で契約期間を短めに設定しておくことも可能です。

仲介業者とのトラブルはなるべく避けてうまく付き合いつつ、仲介手数料を支払う対価として仲介業者には最大限の仕事をしてもらうようにしましょう。

無料ebook|土地活用が気になり出したら最初に読む本

土地活用は相続対策に適していると言われていますが、実はそれ以上に「黒字経営」させることが重要です。

収益性を考えた時に重要になる、

・投資分析の視点
・市場分析の視点
・ファイナンスの視点
・財産継承の視点
・タックスプランニングの視点

という5つの視点の解説など、ブログでは公開できない土地活用のコツをお伝えいたします。