アパートの固定資産税評価額の計算方法と3つの調べ方を具体例で解説!

アパートなどの不動産を所有していると、さまざまなシーンで税金を負担する必要があります。

固定資産税は「不動産を所有すること」に対して課税される税金で、市区町村が毎年金額を決定して通知してきます。

納付書が自宅に届きますので、6月・10月・12月・2月の年4回に分けて、それぞれ月末日までに納める必要があります。

税金の負担は不動産投資の収益を考える場合に重要なコストになりますから、どのぐらいの値段の不動産を持ったら、どれだけの税金を負担しなくてはならないのか?についてよく理解しておきましょう。

今回は、固定資産税の計算方法について具体的なケースをもとに解説させていただきます。

1. アパートの固定資産税=固定資産税評価額×1.4%(標準税率)

アパートの固定資産税の金額は、「固定資産税評価額×1.4%(標準税率)」で計算します。

ただし、賃貸アパートの場合には固定資産税の金額を定めるにあたって各種の税軽減措置を受けることが可能です。

固定資産税評価額の意味と、標準税率の意味について解説させていただきます。

1-1. 固定資産税評価額とは

固定資産税評価額とは、国が3年ごとに決めている「税金計算上の不動産の価格」のことです。

固定資産税の納税義務者に対して「あなたが所有している不動産の値段はこれですよ」といったかたちで固定資産税の納税通知書に記載されます。

なお、納税通知書を紛失してしまったような場合や、自分が所有している以外の不動産について固定資産税評価額を知りたい場合には、市役所で固定資産課税台帳を縦覧させてもらう方法があります。

一般的に「不動産の価格」といった場合には、大きく分けて3つの意味があります。

1つ目は実際の時価=売買をするときの契約金額など、2つ目は相続税評価額、3つ目が固定資産税評価額です。

実際の時価が100%だとすると、相続税評価額は80%程度、固定遺産税評価額は70%程度の金額となることが多いです。

それぞれの金額は、固定資産税の計算だけでなく、相続税の計算を行うときや遺留分の計算など、様々なケースで使いわけることになりますから、とても重要な情報といえます。

不動産はどの金額をもとに計算を行うかによって負担する税期は大きく変わってきますから、不動産に関する手続きの場面でどの金額をもとに計算を行うのかについて正しく理解しておくことが必要です。

1-2. 固定資産税評価額の目安

固定資産税評価額は国がおおよその目安として定めている金額ですから、当然、実際に不動産売買を行う際の金額とは異なります。

上でも少し触れさせていただきましたが、固定資産税評価額は、実際に売買される不動産価格のおよそ7割程度の金額になっていることが多いです。

例えば、地価公示額5000万円の土地の場合、固定資産税評価額の金額は3500万円程度です。

固定資産税の納付書が来る前に、固定資産税のだいたいの金額を知りたいときや、他人の土地や建物の固定資産税のおおよその金額知るためには便利ですので、この相場については知っておくとよいですね。

1-3. 標準税率とは

標準税率というのは、簡単に言うと「国が定めている税率はこれだけど、実際に課税する税率は各市区町村が自由に決めてOK」というルールになっているという意味です。

標準税率は2018年現在1.4%で、多くの市区町村がこの標準税率をそのまま税額計算に用いています。

そのため、実際に固定資産税の計算を行うときには税率は1.4%として計算しておいて問題はありません。

2. アパートの固定資産税評価額の調べ方

固定資産税は1月1日現在でその不動産の所有者となっている人に対して課税されます。

固定資産税の金額は土地や建物の「固定資産税評価額」をもとに課税されますから、この固定資産税評価額はどこを見ることでわかるのか?を知っておくとよいです。

固定資産税評価額を確認する方法としては、次の3つがあります。

①固定資産税の納付書を確認する
②市役所にいって固定資産税評価証明書を取得する
③市役所で固定資産課税台帳を確認する

以下、順番に解説させていただきます。

2-1. ①固定資産税の納付書を確認する

固定資産税は通常年4回に分けて納付しますので、1年に4回市役所から固定資産税の納税通知書が送られてくるはずです。

固定資産税の納税通知書には明細書が同封されていますから、そこに記載されている「評価額」の項目を確認しましょう。

この金額がまさしく固定資産税評価額の正式な金額となります。

自分が所有している不動産について固定資産税評価額を確認する方法としてはもっとも簡単で性格ですから、納税通知書が届いたら保管しておくようにしておきましょう。

2-2. ②市役所にいって固定資産税評価証明書を取得する

もし①の納税通知書を紛失してしまっている場合には、市役所に行って固定資産税評価証明書を取得する方法でも固定資産税評価額を確認することが可能です。

ただし、300円程度の発行手数料を取られますので注意しておいてください。

それぞれの市区町村によって値段は微妙に異なります。

固定資産税は市区町村が課税する税金ですから、固定資産税に関する手続きは市役所で行います。

なお、東京都の場合は都税事務所が管轄となりますので注意してください。

役所に証明書を発行してもらう方法としては、上記の「固定資産税評価証明書」を取得する方法の他に、「固定資産公課証明書」を取得する方法もあります。

どちらも発行のための手数料は同じですが、固定資産公課証明書には具体的な税額や課税標準額など詳しい情報が記載されていますから、同じ取得するなら固定資産公課証明書を手元に置いておくほうが良いでしょう。

2-3. ③市役所で固定資産課税台帳を確認する

自分が所有している不動産以外の不動産の固定資産税評価額を知りたいときには、市役所に備え付けられている固定資産課税台帳を確認させてもらう方法があります。

手続きの名称としては「縦覧」と「閲覧」の2つの手続きがあるのですが、このうち「縦覧」の手続きを申請すると、自分のものだけでなく、他人の不動産についても固定資産の情報を確認させてもらえます。

ただし、縦覧の手続きができるのは毎年4月1日から1か月間だけで、手数料は無料です。

閲覧は上記の機関以外でも手数料300円程度を払えばいつでも可能です。

2-4. 固定資産税の軽減措置一覧

不動産を賃貸アパートとして所有している場合に、認めてもらえる固定資産税の軽減措置には、以下のようなものがあります。

なお、これらの軽減措置は特に申告等を行わなくても役所側が適用を判断し、納税額に反映してくれます。

2-4-1. ①小規模住宅用地の軽減措置

住宅を建てるために使っている土地は、固定資産税の課税標準を求める際に評価額を小さく見積もってもらうことができます。

なお、課税標準が小さくなるほど固定資産税は安くなります。

具体的には、住宅用地に使っている土地のうち、200㎡の大きさまでは課税標準額を通常の6分の1にしてもらえます。

アパートの場合はこの200㎡の条件を1戸ずつ考えますので、例えば、1つの住宅用地の上に10個のアパートがある場合には、200㎡×10戸の分までこの軽減措置を適用してもらえます。

2-4-2. ②一般住宅用地の軽減措置

上で説明させていただいた小規模受託用地の軽減措置は、200㎡の広さの住宅用地まで適用されますが、それ以上の部分についても「一般住宅用地の軽減措置」を適用してもらえます。

これは住宅を建てるために使っている土地のうち、①の小規模住宅用地に該当する以外の部分について、固定資産税の課税標準額を3分の1にしてもらえるというものです。

もちろん、アパートの場合には①の小規模住宅用地と同様に1戸ごとにこの適用を考えますから、例えば10戸のアパートが1つの土地の上に立っている場合には10戸分の土地について、小規模住宅用地に該当する以外の部分について課税標準額を3分の1にしてもらえます。

小規模住宅用地に対して適用される税額軽減措置ほどには税軽減効果は高くはないですが、通常の土地と比べると大きな軽減措置であるといえます。

2-4-3. ③店舗併用住宅等に対する固定資産税の軽減

上では住宅を建てるために使っている土地に関する軽減措置=①小規模住宅用地と、②一般住宅用地、について説明させていただきましたが、土地の上に立っている建物が店舗兼住宅である場合にも、固定資産税の軽減措置を適用してもらえます。

具体的には、店舗兼住宅として使っている建物の延べ床面積のうち、住宅として使っている割合に応じて固定資産税の軽減を受けられます。

店舗併用住宅等に対する固定資産税の軽減は、実際の計算では以下のようにして行います。

  • 小規模住宅用地に該当する場合:課税標準額×6分の1×住宅用地率
  • 一般住宅用地に該当する場合 :課税標準額×3分の1×住宅用地率

なお、住宅用地率については、店舗併用住宅の構造に応じて以下のように判断します。

  • 建物延べ床面積の4分の1~2分の1未満が住宅用地の場合:住宅用地率は50%
  • 建物延べ床面積の2分の1以上が住宅用地の場合:住宅用地率は100%

通常の店舗併用住宅の住宅用地率は上の基準で求めますが、さらにこの店舗併用住宅が「地上5階以上の耐火建築物」に該当する場合には、以下の基準に基づいて住宅用地率を定めます。

  • 建物延べ床面積の4分の1~2分の1未満が住宅用地の場合:住宅用地率は50%
  • 建物延べ床面積の2分の1~4分の3未満が住宅用地の場合:住宅用地率は75%
  • 建物延べ床面積の4分の3以上が住宅用地の場合:住宅用地率は100%

2-4-4. アパートを新築した場合の固定資産税の軽減

アパートを新しく建てた場合、固定資産税の軽減措置を受けることができます。

具体的には、原則として3年間にわたって固定資産税が1戸当たり120㎡の広さまで2分の1だけ減額してもらうことが可能です。

ただし、新築したアパートが3階建以上の耐火または準耐火建築物である場合には、5年間にわたってこの軽減措置を適用してもらえます。

固定資産税は不動産投資では小さくないコストとなりますから、投資する物件の収益性を考える際には必ず考慮しておくようにしましょう。

不動産投資に関してコストとして負担する必要がある税金としては、固定資産税の以外にも契約書作成時の印紙税、登記を行うときの登録免許税、実際に不動産を購入した際の不動産取得税などがあります。

これらは不動産所得について確定申告を行う際には租税公課として必要経費に含めることができますので、納付を行ったときには納付領収書などの証憑書類を保管しておくようにしてください。

なお、新築アパートを購入した場合には、不動産取得税の軽減特例がありますので、こちらについても知っておきましょう。

具体的には、1戸当たりの床面積が40㎡以上240㎡以下である場合に、1戸当たりにつき課税標準額から1200万円を控除してもらうことが可能です。

ただし、不動産取得税の課税標準額は取得した不動産の固定資産税評価額ですから、この固定資産税評価額が1200万円を下回る場合には固定資産税評価額が上限値となります。

不動産取引に関する税金は計算方法が複雑である上に、実際に課税される金額も大きくなることが多いですから、疑問点については不動産取引にくわしい税理士に相談するようにしてくださいね。

3. まとめ

今回は、アパートを所有する場合に発生する固定資産税について、具体的な金額の調べ方について解説させていただきました。

固定資産税の正確な税額は納付書で確認するのが確実ですが、これから不動産を購入しようとする場合にはどのようにして固定資産税の金額が決まっているのか計算方法を知っておくとよいでしょう。

投資の収益性を判断する際には税金のコストがどのぐらい発生するか?は重要な問題ですから、見落としの無いように注意してくださいね。

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