空き家の片付けのコツ|遺品整理の9つのポイント

近年、空き家問題がメディアでも取り上げられるようになってきました。空き家問題には大きく2つの原因があります。

1つ目は、高齢化社会が進み、空き家自体が急速に増加していること。
2つ目は、空き家所有者自身が空き家の管理や活用について問題を抱えていることです。

つまり、持ち家で暮らしていた両親が亡くなったり、老人ホームに入居したり子供世帯と同居したりして、住む人がいなくなった後の持ち家の処分に困るということです。空き家になった理由が転居や介護施設などへの入居で、戻る可能性もあるのなら、すぐに片付ける必要性はないでしょう。

しかし、戻らない、亡くなったケースでは、片付けないといつまでも空き家の活用が進みません。この記事では、持ち家の持ち主が亡くなった場合を前提にして、遺品整理をして空き家を片付ける際の注意点について、解説していきます。

ポイント①空き家はすぐに片付ける!

持ち主が亡くなった場合など、持ち主が戻らない空き家を放置していると、老朽化による倒壊、景観の悪化、放火による火災、雪の重みによる倒壊や落雪、不法住居の危険性など、様々な問題が起こる可能性があります。これらはどれも近隣住民に深刻な被害をもたらすものです。

面倒くさい、費用がかかる、などといって、空き家を放置していては、何の解決にもなりません。特に、売買・賃貸・解体などを予定している場合は、早く片付けた方が活用も早まり、収益をあげることに繋がります。また、余計な費用を抑えることにもなります。

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2017.04.30

ポイント②空き家の遺品整理のコツ

遺品整理を始めるにあたり、まず、捨てるものと残すものに分けることが重要です。捨てるものには、絶対に使わないもの、ごみ、取っておいても使わないであろうもの、などが含まれます。

一方、残すものには、契約書などの重要書類、価値が高く売ったり寄贈したりできるもの、手紙・写真などの故人の思い出の品などが挙げられます。残すものはさらに、「引き続き使う遺品」「形見分けで送る遺品」「引き取る遺品」などに仕分けすると良いでしょう。

では、これから、遺品の処分方法について、順番に見ていきます。

ポイント③空き家の片付けで残した方がいいもの

まず、残した方が良いものについて、具体的に挙げていきます。残した方が良いものは、ほとんどが重要書類などの小さくて場所を取らないものなので、保管場所にそれほど困ることはないでしょう。

契約書(借用書)・権利書

故人が持つ権利は相続人に相続されますので、捨てるとあとで困る書類です。遺産分割協議で権利を相続した人に引き渡すまで、 無くさないように保管しておきます。

保険証書・年金手帳・株券・預貯金通帳・印鑑

相続財産に関わるもので、相続の時に名義変更や届出を必要とするため、遺産分割協議と各種手続きが終了するまでは、処分できない重要な資料です。株券は現在では電子化されています。株式の相続をするには、遺産分割協議を行い「遺産分割協議書」を作成した上で、株券発行会社に対して名義書換の手続きをする必要があります。

その他にも、財産として価値のある遺品も、厳重に保管しておく必要があります。

クレジットカード

クレジットカードの所有者が死亡した場合、同じカードを相続人が引き継ぐことはできず、カードそのものは解約処分となります。そのためクレジットカードの所有者が死亡した時は、クレジットカード会社に死亡したことを連絡しなければなりません。その後、クレジットカードを廃棄処分するための書類が送付されてきます。

そのためクレジットカードの所有者が死亡してしまうと、クレジットカードの引き落としはできなくなりますが、相続人に対して未払い分の費用が請求されることになります。この請求に対する支払い義務は、相続人全員が背負うことになります。クレジットカード未払い分は相続人に支払義務があるので、注意しましょう。

ポイントは失効しますが、マイルについては引き継ぐことができる取り扱いもあり、カード会社に確認すると良いでしょう。

診察券

本来であれば、存命中でも受診しなければ使わず、亡くなると不要なのですが、診断書や証明書の請求(主に保険関係)で提出を求められる場合があります。相続手続きがすべて終了するまでは保管しておくと安心です。

会計帳簿(自営業などの場合)

仕事上の資料は重要度が判断できないので、勤務先や同僚に確認するなどしてから、処分するかどうか決めます。故人が自営業だった場合は、会計帳簿を7年間保管する義務があります。

住所録・手紙・年賀状・日記・手帳

思い出の品として残す以外にも、相続の際に事実関係を調べたり、故人と交友のあった方々に亡くなったことを連絡したりするのに使います。

遺品整理の開始時期は、仏教の葬儀を行なった場合の遺品整理は、没後49日以降というのが目安となり、神葬祭で葬儀を行なった場合は、没後50日以降が目安となります。賃貸住宅の場合には、遺品整理を行なわないことで賃貸料が発生するので、早めに行うこともあります。

ポイント④空き家の遺品整理に困った時の保管方法

残した方が良いもので挙げたものはあまり場所を取らないものが多いので、そこまで保管に困ることはないと思いますが、家具・家電など大きなものを保管する必要がある場合は、トランクルームなどの収納スペースを借りるのも良いでしょう。

トランクルームサービスの形態には2種類あります。1つは非倉庫事業者が賃貸借契約を結び保管スペースだけ提供して自由に出し入れさせるもの(レンタルスペース)、もう1つは倉庫事業者が寄託契約を結び物品を預けるもの(トランクルーム)です。

レンタルスペース

非倉庫業者のレンタル(収納)スペースは、不動産賃貸借契約に基づいたサービスで、場所を借りる契約です。このため不動産業者が運営を行っている場合が多いようです。

トランクルームという名称をサービス名にしていることが多く紛らわしいですが、倉庫業者でない限りはレンタルスペースです。倉庫業者のトランクルームとは違い、「責任を持ってお預かりいたします」などの文言の使用は禁じられています。

ビルの中で温度管理、湿度調節を行っているサービスもあれば、屋外コンテナボックスもあり、防犯対策の有無も業者によって異なります。契約上は場所を借りているので、自由に出入りできるサービスが多く、24時間対応の業者も多くあります。

トランクルーム

倉庫業者のトランクルームは、基本的に荷物を預けるというイメージです。契約は、物品を預ける寄託契約です。割り当てられたスペースに自由に物品を置くというよりは、物品を一つ一つ業者に預けて保管してもらうサービスになります。

倉庫業を営んでいるため管理体制も厳格で、営業時間中に立会いの下、荷物の引渡しを行います。24時間利用できないという不便な点はありますが、防犯上は安心です。

ポイント⑤空き家を片付けて不要なものは売却する

自分にとって価値のないものでも、欲しいと思う人がいれば売り物になります。売れるかどうかは、買う側で価値がある(使える又は転売できる)と判断するかどうかになります。

買取り業者

不用品を自分で1つ1つ処分するのは非常に大変な作業です。その点で、買取り業者は、不用品をまとめて引き取り、売れるものは転売し、売れないものは処分するということを代わりに行ってくれるので助かります。ただし、買い取り額は、高く買い取ってくれるところを別々に探す場合よりもかなり安くなるでしょう。

オークション

オークションでは、出品した商品に一番高い値段をつけた人に買い取ってもらうことができます。買取り業者にまとめて引き渡すよりも手間はかかりますが、掘り出し物があればまとまったお金を手に入れることもできます。

売れるもの・売れないもの

扱っている物のジャンルが多様なリサイクルショップを総合リサイクルショップといい、様々なものを買い取ってくれます。

しかし、生き物、中古の食器、食べ物、締切間近のチケット、中古のプリンタ、壊れた物などは買い渋られる傾向があります。価値が低いもの、運搬・保管・陳列のコストがかかる大きいものも売れにくくなります。

一方、新しい物、人気がある物、新品未使用、期限のない金券やチケット、金・プラチナなどは売れやすくなります。

・家具、家電

家具の場合、目安として10年を経過していると、ブランド家具やアンティーク以外はまず売れないでしょう。家電の場合、原則として通電状態で動作確認できるものだけが対象で、PSEマーク有りの4,5年前の型落ちまでになります。

但し、古いパソコンに関してはオークションで結構良い金額が付くことがあります。OSの関係で古いものを探している人もいるので、オークションに出してみると良いと思います。普通に買い取りに出すと無価値のものが数万円になることもあります。

・ブランド品、時計、貴金属

買取り業者の査定次第になります。価格は製造年よりも流通量に影響されやすい特徴があります。そのため、過去に流行して流通量が多いものは、有名な高級ブランドで状態の良いものであっても、あまりよい値段は付かないようです。

・衣類、靴

古着屋やオークションで売ることになります。衣服なら型崩れやほころび、靴なら底の摩耗や表面の傷が、価値が下がる原因となります。流行遅れになると、良い状態のものでも値段がつかないことがあります。

・骨董品、絵画、掛け軸など美術品

素人では元々の価値がわからないので、高く売りたい場合は専門家に鑑定を依頼した方が良いでしょう。早く処分したい場合は、そこそこの値段が付いたら手放すというのもありでしょう。

・書籍、CD/DVD/レコード

特にCD/DVD/レコードの場合、傷や汚れがあると使えないので、売却するのは難しいでしょう。書籍もきれいなものが好まれます。貴重なものでも大手の買取り業者では高く買い取ってもらえることはまずないので、価値のわかる人向けにオークションなどで売ると良いでしょう。

・食器類

未使用のものが好まれますが、ブランド食器の場合は、使用済みでも買い取ってくれる業者があるようです。

ポイント⑥空き家の片付けには寄付・贈与も活用する

寄付とは、主として組織・団体などに金銭または品物を贈ること、寄贈とは、主として学校などの公共性の高いところに品物を贈ることをいいます。寄付・寄贈の対象や品物は決まっておらず、欲しい人さえいれば何でも寄付・寄贈することができます。

しかし、自分本位の押しつけ(処分のための寄付)にならないように、冷静に考えてから行うべきでしょう。

公共団体への寄付・寄贈

学校、幼稚園・保育園、図書館、児童館、児童養護施設、介護福祉施設、病院、NPO法人など公共性がある施設が対象になります。寄付したい品物と「寄付」という言葉で検索すれば、寄付を受け付けているNPO法人などを探すことができます。

子供用のおもちゃや文房具などの寄付を受け付けているNPO法人:国際子供友好協会

個人への寄付・寄贈

口コミだけでは親戚や近所くらいでしか寄付・寄贈相手を探すことができません。新聞(特に地方紙)の「譲ります」、「差し上げます」といった欄に投稿したり、インターネット上で告知を出したりすれば、広範囲の人を対象に探すことができます。

ポイント⑦空き家から出た遺品の供養方法

日本では、遺品供養として「お焚き上げ」が行われてきました。神事では、「火の神の力で天界へ還(かえ)す」という意味です。一方、仏事では、思いが込められたもの、魂が宿るとされているものに、これまでの礼を尽くし、「浄化によって、天界へ還(かえ)す」という意味があります。

行事・儀式については、その殆どが神社・寺院に依頼されてきましたが、今日では環境問題等の観点から、境内での焼納は控える寺社仏閣が増えています。燃えない品などは、断られる場合がほとんどです。

現在では、神社やお寺で断られたものでも受けてくれる専門の民間業者に依頼するケースが増えています。きちんとお焚き上げをして供養し、お焚き上げをしたあとは、法律に基づいて処分する業者を選ぶようにしましょう。

ポイント⑧空き家のゴミを廃棄処分する際の注意点

上記のいずれにも当てはまらず、廃棄処分する場合、どのような点に注意するべきでしょうか。まず、一般ゴミとして分別し、処分可能かどうかという点では、自治体によってゴミ収集の対象としていない品目があるため、注意が必要です。

さらに、自治体によって、ゴミ袋が指定の場合があり、別途購入する必要があります。

家電リサイクル法の対象家電

特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)により、資源の有効利用を推進するため、特定家庭用機器廃棄物から有用な部品や材料をリサイクルしなければなりません。特定家庭用機器廃棄物には、一般家庭や事務所から排出されたエアコン、テレビ(ブラウン管、液晶・プラズマ)、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機などが含まれます。

パソコンの処分

パソコンやディスプレイモニターは、「資源有効利用促進法」によりメーカーによる自主回収・リサイクルが義務付けられました。事業用パソコン(企業・法人)と家庭用パソコンに分けられ、事業用パソコンが平成13年4月から、家庭用パソコンが平成15年10月からになります。

これにより、自治体での処分・回収は行われないため、不燃物・粗大ゴミとして出すことはできません。PCリサイクルマークが付いている場合は、購入料金にリサイクル費用が上乗せされているので、無償でメーカーが回収します。それ以外の場合は、回収業者に依頼すると良いでしょう。

パソコンの処分で特に気をつけるべきなのが、すべてのデータが入っているハードディスクの処分です。ハードディスクは仮にパソコンが起動しない場合でも完全にデータが消えているというわけではなく、特殊な方法で読み取ることは可能といわれています。データの消去まで代行するサービスを行っている回収業者もあります。

適正処理困難物の扱い

家庭から排出される廃棄物の中で適正な処理が困難なものを、適正処理困難物と呼びます。自治体ごとに分別が異なるので、該当地域の分類と処分方法について調べておくと良いでしょう。

ポイント⑨空き家片付けの専門業者を活用する

遺品整理に特化した専門の業者も存在しています。遺品の仕分け・供養・売却、権利書・貴重品の探索、特殊清掃、リフォーム・ハウスクリーニング、不動産整理、各種手続き代行など、必要なすべてを一括で代行しています。

汚染がひどいなど遺族の手におえない場合は、委任状と作業の証明写真の確認で、立会いなしで完全代行をしてもらうことも可能です。

費用の目安

一括代行業者の場合、作業を行う場所(部屋、建物など)の広さ、作業時間、作業員の人数で費用の目安が決まるようです。ある業者では、1Kが35,000円から、2DKが120,000円から、3DKが160,000円からとなっています。

依頼の流れ

まず、遺品整理業者について調べ、何社かを選びます。それぞれの業者に相談と見積もりを依頼し、一番良さそうなところに代行を依頼します。その後は、遺品の仕分け、片付け・分別、搬出作業、清掃作業を経て、作業完了となります。

空き家の片付けのコツ|遺品整理の9つのポイントまとめ

遺品整理は、単純な引っ越しとは異なり、品目によって適切な対応が必要であったり、故人の想いが込められた品の処分に困ったりと、簡単にはいきません。相続などにより、複数の人の利害関係が関わる場合、片付け方法についてもトラブルが多くなります。

後からどうして売ったのか・捨てたのかなどでもめないように、よく話し合ってから決めることが重要です。片付けるのにかかった費用や、遺品を売って入った収入は、後からでも分かるように記録をつけておきましょう。

孤独死で発見が遅れた場合や、ゴミ屋敷など、遺族の手におえない場合は、無理をせずに専門の業者に依頼することも考えられると良いと思います。

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