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Category 空き家活用
2018年07月28日 更新
空き家を探す便利な方法|空き家バンクの使い方まとめ
地方への移住を考えたときに、1番に考えなくてはならないことは「自分の家」です。どういった地域のどういった家に住んで、新たな生活をはじめるのか、考えるだけでもワクワクしてきます。
日本には四季があります。北海道から沖縄まで亜寒帯から温帯をへて亜熱帯と、ひとつの国でありながら、場所ごとに特色ある風情を感じることができます。さまざまな場所へ訪れ、その地域ならではの暮らしに触れることができるなど、地方に住むことには魅力があります。
まずは、自分がどういう生活をして、どういう地域に住みたいのか構想を練りましょう。
地域に根ざした環境を選ぶことで、地域の人と密に関わりあいを持てるという楽しみがあります。
空き家バンク制度を利用することで、安価に快適な生活を獲得することができるかもしれません。そのための道のりを考えていきましょう。
空き家バンクで空き家を探す方法【使い方編】
空き家バンクを利用して新しい地域へ居住しようとする人の多くは、何らかの夢や目的をもって居住する人が多いようです。たとえば、農業をしたい人、民宿をしたい人、古民家カフェを営みたい人。そのほか、旅行で訪れた地が気に入ってそこに暮らしたいと思った人、大自然に囲まれた環境で子どもを育てたい人。
また、今の生活環境では精神面に疲れが蓄積してしまうため田舎で癒しを得たいなど、漠然と田舎暮らしに憧れを持っている人も少なくないかもしれません。
それぞれの目的に合った地域は探せば必ず見つかります。しかし、希望どおりの生活を実現するためには、入念な情報収集が何よりも大切になってきます。希望的観測といえるような、半ば憧れの気持ちを抱いて地方暮らしを実践した人のなかには、思っていた暮らしと違ったために失敗した人もいます。
空き家バンクには、魅力的な居住地や希望通りの間取りの家が登録されていることも多いようです。まずは、情報収集を時間をかけて念入りに行うことが大切です。この地域、この場所を選んで住んで良かったと思える人は、始めに緻密な情報収集を行っている方が多いです。
気候を確認
住みたいと思える地域・場所が定まったら、年間をとおしてのその地域の気候を確認します。
ご存知のとおり、日本は四季に恵まれた国であり、また地域によってその特色はさまざまです。暑さに強い人であれば、九州・沖縄地方の湿度の高い夏場の気候にも難なく馴染めそうです。夏場の湿気と暑さから来る害虫対策、カビ対策は必須となってきます。
反対に、寒さに強い人であれば、北海道・東北地方の気候に強そうです。冬場の積雪による交通の不便さや雪かきなど、住居の整備についても難なく扱うことができるかもしれません。
ご自身の体調管理に余裕をもって取り組めるような天候の地域を選ぶことが大切です。
名所旧跡を確認
住まいの周辺にきれいな風景で知られる名所や、歴史的な出来事や建物のある場所を確認できるとうれしくなります。普段の散歩道や生活の基盤となる道路が歴史ある佇まいであると、それだけで風情のある生活を楽しむことができます。
特産品を確認
日本各地の特産品は、地域ごとに豊富な特色があります。果物・野菜・魚介類・海産物・肉類・乳製品・郷土料理に工芸品や民芸品など、たくさんの特産品があります。住みたい地域にどのような特産物があるのか前もって調べておくと、より充実した暮らしをつくることができそうです。
希望の間取りを考える
空き家バンクに登録されている物件を見ると、間取りの紹介図があります。希望の間取りを考える際には、LDKなどの部屋の固定概念を取り払い、何をしたい空間にするかを考えることが大事です。
また、台所やトイレなど水回りの設備はほとんどの方がリフォームをされているようです。敷地の制約や予算との兼ね合いをとり、事前にインターネットや情報誌を活用して時間をかけて計画しましょう。
希望の物件を見に行く
気になる物件を絞り込んだら、現地に行ってみてみましょう。自治体によっては定期的に「下見ツアー」を行っているところもあるようです。百聞は一見に如かずといいますが、実際に見て匂いを嗅ぐなど、まず体験してみることが一番です。
立地の確認
希望する物件の所在地へ赴き、立地を確認します。住む場所として適している場所か、建物の傾きはないか、客観的な最初の判断材料となります。見晴らしの良い場所であっても、毎日、坂道を登らないといけないとしたら辛いかもしれません。
車があれば問題ないかもしれませんが、自前の交通手段も含めて確認をすると良いでしょう。
近隣の施設
希望する物件の近隣にある学校や病院、スーパーなど生活に直結した施設の一について事前に把握しておきましょう。学校や病院などの施設は、地震や豪雨など万が一の際の避難場所となる可能性が高い場所になります。
音やにおいに悩まされる可能性
古民家は特有のにおいがあることがあります。特に水回りや押入れ、壁などのにおいはしっかり確認しましょう。カビ臭がしたり、じめじめした臭いのする場合は水漏れなどしている恐れがあります。
音に悩まされるケースもあるようです。都会では道路を走る車の音や近所の犬などの鳴き声くらいしかありませんが、田舎ではカエルの声や虫の音などが問題になることがあるようです。
実際にこれらの音が気になって田舎暮らしを諦めた方もおられます。暮らし初めてからですと、余計な手間になってしまうので、事前に確認をしておくことをお勧めします。
周辺の交通量
住居まわりの交通量について、事前に把握しておきましょう。夜間・休日の交通量の変化による騒音の問題、交通事故の頻度など、安全安心に暮らしていくことにおいて周辺の交通量の把握は欠かせません。
ご近所さんのマナー
となりの家との境界線や、近所にどのような人が住んでいるのかを把握しておくことは、トラブルを未然に防ぐことにつながります。内覧のときに、近所の人たちへあいさつをしておくと、ご近所さんのマナーを知るきっかけになります。
間取りは希望通りか
ライフスタイルや趣向を取り入れ、優先順位をつけて間取りを考えると満足度の高い暮らしを手に入れることができます。たとえば、リビング内に階段を設置するリビング階段は良くないといわれていますが、すべての方に共通する価値観ではありません。
リビング階段は、プライバシー性を損ねてしまう反面、家族とのコミュニケーションが生まれやすいという特性があります。そのような長所を理解したうえで、住む人のライフスタイルに合った間取りを決めていくことが大切です。
使いやすく、維持管理が簡単で、生涯の負担が少ないことを優先して考えていきましょう。
日当たり・眺望など
日当たりが良く明るい住居は快適な住まいの条件です。希望する物件を見学して、1日のうちの異なる時間帯で何回か住居内へ足を運んで、日当たりの具合いを確認しましょう。また、眺望もチェックしましょう。住居から見える眺望はやすらぎのポイントとなります。
収納スペースは十分か
暮らしを豊かにするために、家のなかに十分な収納スペースを確保することが必要です。内覧の際に、すべての部屋の収納スペースについて不足がないかどうか確認をするようにしましょう。
設備に問題はないか
長い年月を経た古民家の多くは、設備面が老朽化しています。老朽化した設備に問題があかないかは個別に確認していく必要があります。
建具の不具合確認
建具は、扉や窓として用いられているものです。希望する物件の扉や窓を開け閉めしてみて、スムーズに動くかどうか確認します。また、すきま風が入ってこないか念入りに確認しましょう。
ふすま、雨戸、シャッターが設置されている場合も同様に動かしてみて、不具合がないかどうか確認しましょう。
水回りの確認
台所やトイレ、浴室の水回りは、長らく使っていないと水道管が錆びていたり虫が湧いていたりします。水回りは生活の基盤となるものですので、内覧した際に水を流してみて、きちんと機能しているかどうか確認しましょう。
コンセントの数・場所
各部屋のコンセントの数・場所を把握しましょう。エアコンやテレビなどの電化製品を置かなければならない部屋にはコンセントが必要不可欠です。配置する家具をふくめて希望通りの間取りをつくるためにも、事前にコンセントの数と場所はチェックしておくと良いでしょう。
雨戸の有無
多くが木造住宅である空き家バンクの物件において、雨戸があることで雨風から住居を守る度合いは大きく差がでてきます。また、防犯の面においても夜間の雨戸の存在は頼もしいものです。
補修が必要な場合は
建物の補修が必要な場合は、業者へ依頼しなければなりません。自治体によっては、空き家バンク制度を利用して購入または賃借した物件の補修が必要な場合、費用の一部を補てんする制度がある場合があります。
内覧した物件を担当する市町の職員にたずねてみましょう。
携帯電話は通じるか
物件を内覧中に、携帯電話の電波は通っているか確認しましょう。家の中でのみ、圏外になるような場所も存在するようです。
防犯は大丈夫か
現在空き家として存在している家の防犯機能はきちんとしているか確認します。鍵の形状が昔のままであるならば、最新式の鍵に取り替える必要はあります。窓や扉、勝手口や2階のベランダ部分にいたるまで、鍵の施錠はしっかりと管理されているか確認しましょう。
ゴミ置き場
町内のゴミ置き場までどのくらいかかるか調べておきましょう。週に2~3回行うゴミ出しは意外と手間に感じるものです。家からゴミ置き場までの距離は、自宅から50メートルから100メートル圏内にあると便利です。
駐車場の台数
希望する物件の駐車場に収容できる車の台数を確認しましょう。車を所有しておくためには車庫登録をする場所が必要ですし、友人や知り合いが訪ねてきた際にも駐車スペースが必要となります。
空き家バンクで空き家を探す方法【契約編】
空き家バンクは、自治体が空き家の所有者と利用希望者をつなげる制度です。契約をすることが決まったなら、通常の不動産取引になります。契約自体は当事者間の問題となってきますので、自治体は契約には一切関与しません。
当事者同士で直接交渉、契約するか、不動産会社に仲介を依頼します。
自治体によっては、所有者が不動産会社と仲介契約を結んでいることを条件に空き家バンクへ登録をしている場合もあるため、当事者間の直接契約や不動産会社の選択が自由にできるとはかぎりません。
空き家バンクを解して物件を成約したあとのトラブルについても、自治体は一切責任を負いません。そのため、契約に関して不動産会社の利用が必須でなくても、できるだけ不動産会社を利用する方が安心です。
直接契約の際のチェックポイント
空き家バンク制度を利用して物件の契約をする際は、不動産業者へ依頼しましょう。最初から不動産業者をはさんでいる物件の場合は、話がスムーズに進みやすいですが、空き家の所有者と直接交渉、契約することはトラブルのもととなりやすいためです。
重要事項の説明義務がない
自治体は、空き家バンクを介して紹介する物件の建物状態の情報や、土地情報について詳細な調査を行っていないため、重要な欠陥があるなどの説明義務がありません。掲載されている情報は、掲載時点から更新されていない場合があります。
経過期間や管理状況によっては建物の状態が変わっている場合があるので注意してください。
気になることは書面にする
物件を内覧しているときに気になったこと、契約を進めているときに気になったことなどはすべて書面にしましょう。打合せの際の口約束では、あとになってトラブルのもととなる可能性があります。気になることは全て書面にしておきます。
設備の不具合があった時には
物件の契約を進めているあいだにも、空き家の状態は天候によって影響を受けることがあります。設備に不具合をみつけた際には、仲介している不動産業者を介して補修費の負担交渉をしましょう。
賃貸借契約の中身
賃貸借契約の中身は、契約内容によって個別に異なります。契約後のトラブルを回避するためには、契約条件がきちんと契約書に反映されているか確認しておく必要があります。疑問点があれば、納得するまで不動産業者へ尋ね確認するようにしましょう。
家賃・支払方法
賃料の金額と支払方法、支払期日を確認します。多くの場合は、振込みや自動引き落としにて、翌月分を前月末日までに支払うきまりとなっています。
更新料
貸借の更新手続きの際に、更新料が必要な場合がありますので確認しましょう。
禁止事項
賃借契約をして居住するにあたって、禁止事項がある場合が多いので確認します。たとえば、ペットの飼育、他人を同居させること、危険物の持ち込み、長期不在等です。違反した場合は退去を求められることもあります。
契約の解除
貸主からの契約解除の要件等を確認しましょう。長く住むつもりでいても、状況が変わる場合があります。そのような時に契約を途中解除した場合のペナルティなどを確認しておくと良いでしょう。
特約条項
貸主の事情によって特約事項が記載されることもありますが、借主に不利な特約が記載されていることもありますので必ず確認する必要があります。特約条項として「現状回復にかかわるすべての費用は借主負担とする」等の記載がある場合は、借りた時点での現状がハッキリわかるようにしておかないとトラブルのもととなります。
賃貸借契約の際に必要となるもの
賃貸借契約の際には必要となるものは、アパートやマンションを借りる場合と同じです。特に変わったものはありませんが、一般的に必要となるものについてお知らせします。
住民票
契約時点での住民票を求められる場合があります。通常は契約者だけの分だけで良いはずですが、入居者全員の住民票を求められるケースもありますので、必要かどうかを確認して取り寄せましょう。
印鑑証明書
契約書には実印を使う必要があります。特に立派な印鑑が必要になるわけではありませんが、住民登録をしている自治体にて印鑑登録をしておく必要があります。印鑑登録に使う印はシャチハタは使えませんが、文具店などで売っている三文判でも問題はありません。
収入を証明するもの
給与所得者の場合は、年末に交付される源泉徴収票を、自営業等の場合には、納税証明書などを用意しましょう。
保証人関連書類
連帯保証人承諾書など、賃貸借契約を行ううえで、保証人に関する書類を求められる場合があります。どのような保証人が必要か確認をしましょう。どうしても保証人になってくれる人がいない場合には、保証会社を使うことができる場合もありますので、確認をすると良いでしょう。
銀行口座(印)
賃料を銀行引き落としとする場合には、銀行口座と登録している銀行印が必要です。
空き家を探す便利な方法|便利な空き家バンクの使い方まとめ
空き家バンク制度は、20年以上も前から始まっています。田舎や地方に移り住み、地域の人とのあたたかい交流を求める人が多くなってきたため、活発な制度になってきています。
空き家バンクを運営しているのは、ほとんどの場合が自治体です。そのため、見知らぬ土地に住むことにおいて不安な点など、自治体の職員が答えてくれるので安心して家を探すことができます。
また、自治体の制度を活用して移り住むことは、地元の人たちからの理解を得やすくなります。人とのつながりを築きながら、新しい暮らしをひとつひとつ作っていくことができます。