事例紹介
Category 土地活用
2018年07月03日 更新
土地の状況別、目的別、人気の土地活用方法
効果的に土地活用を行うためには、土地の状況や土地所有者の目的を考慮する必要があります。土地の状況を考えると、その土地で求められていることが分かり活用方法を考えやすくなります。都市部であれば商業施設へのニーズが多いことが予想できますし、人通りの多さから人目につきやすいというメリットを生かした活用方法を考えていくことになります。
また、土地を活用していくにあたって土地所有者が何を重視するのかによっても活用方法が変わってきます。収益性の良さやリスクの少なさを重視したいという目的のほかにも、短期間の活用や田舎の土地を活用するといった様々な目的が考えられます。今回は、土地の活用方法について状況別、目的別に紹介していきます。
この記事でわかること
1. 土地の状況別の活用方法
土地を活用しようとする際に重要なのは、土地がどんな場所や状況にあるのかということです。土地の状況を把握すれば、その土地に何が求められるのか分かりやすくなります。ニーズに合わせた土地活用を行うと、利益も増えやすくなります。
ここでは、都市部と都市周辺部、広い土地と狭い土地という二つの観点からみた活用方法を紹介していきます。
1-1. 都市部で広い土地
すでに多くの建物が存在し狭い土地しか残されていないことが多い都市部における広い土地は、ニーズが豊富で活用方法が多く存在します。まず初めに考えられるのは商業施設の設置です。土地の広さにもよりますが、商業施設にはコンビニエンスストアから複合型の大きなショッピングモールまで様々な形態が存在します。
商業施設として考えられるものには、まずコンビニエンスストアやドラッグストア、スーパーマーケットなどの物販店舗があります。都市部の中でも、幹線道路沿いや駅の近くに土地を持っている場合におすすめです。コンビニエンスストアの経営に注目すると、利回りの良さという点では大きなメリットがあります。
次に、ファミリーレストランやファストフード店などの飲食店舗があります。これも人通りの多い都市部では特に収入を見込みやすい施設です。ほかにも、学習塾やクリニックなどが含まれるテナントビルの経営も考えられます。
次に、賃貸住宅の経営についてです。都市部ということで騒音をはじめとする住環境の問題がある一方、アクセスの良さや利便性といった点で都市部での生活を望む人は少なくありません。周辺に住宅が少なくニーズがありそうな場合は賃貸住宅の経営を考えてみるのも一つの方法です。
近くに駅や幹線道路が存在する場合、商業施設のほかにオフィスビルの経営を行うという活用方法もあります。周辺に十分な数と種類の商業施設があって新たなニーズを求めにくい場合に、オフィスビルの経営は十分検討する価値があります。企業を相手にするため賃貸住宅よりも高い収入が期待できます。
1-2. 都市部の狭い土地
都市部の狭い土地の活用方法として最初に考えられるのが駐車場・駐輪場の経営です。人通りが多く、特に駅や商業施設が周辺にある場合などはニーズが多いことが予想できます。メリットとしては初期費用が少なくて済み、早めに利益を生み出しやすいという点が挙げられます。
次に、自動販売機の設置です。初期費用は必要なく、業者との契約を行うことで設置ができます。ただし、多くの収益は見込めないため駐車場や駐輪場などとの併設が望ましいです。
駅の近くなどであれば、利用者が見込めるコインロッカーも都市部の狭い土地の活用方法として有効です。業者と契約して設置する場合と自らコインロッカーを準備して経営する場合の二つがあります。どちらの形態にしたとしても初期費用はあまりかからず、手軽に経営を始めることができます。
最後に、広告看板の設置です。人通りが多く、目につきやすい場所に土地がある場合におすすめです。複数の看板を設置することもできますし、一つの看板を大々的に設置する方法もあります。企業のニーズと合えば収益もある程度見込むことができます。
1-3. 都市周辺部の広い土地
都市周辺部の広い土地で考えられる土地活用方法は、まず賃貸住宅の経営です。オフィスや学校の多い都市部の周辺には、会社員や学生がマンションや住宅を求めていることが多いです。幹線道路沿いなどの場合は都市部とのアクセスの良さから更にニーズが高まります。
次に、商業施設の設置です。住宅街などになりがちな都市周辺部では、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、飲食店といった店舗の需要が高いです。都市部まで行かずに済むという点で利用者が多くなることが予想できます。
大型駐車場も都市周辺部でおすすめの土地活用方法です。近くに大型商業施設や駅がある場合には特に需要が多いと言えます。住宅街でも、家屋が密集していて一軒ごとに十分な駐車スペースが無いような地域などは駐車場のニーズを見込めます。
他には、介護施設の誘致があります。都市部では安全や運営上設置が難しい介護施設は、都市周辺部にニーズが多いです。入居希望者が全国的に多い介護施設は、空き部屋になるリスクが低く、賃貸住宅の経営よりも安定した収入を得られる場合も少なくありません。
最後に、貸倉庫の設置があります。幹線道路沿いの土地では特に需要が見込める貸倉庫は、企業が商品を輸送する際の中継地などとして使用されます。商業施設に比べ、初期費用が安く抑えられるのが特徴です。
1-4. 都市周辺部の狭い土地
都市周辺部の狭い土地で考えられるのは、駐輪場の経営です。車を何台も停めるほどのスペースが無い場合には、狭い面積を効率よく利用できる駐輪場を設置するのが向いています。初期費用が少なくて済みますし、自動販売機の設置との併用などもできます。
幹線道路沿いの狭い土地におすすめなのが広告看板の設置です。道路から見て障害物がなく、見通しやすい土地であれば企業の広告看板の誘致に適しています。駐輪場や自動販売機と併用すればさらに収益を上げることができます。
最後に自動販売機の設置です。収益は少なめですが、上記二つとの併用ができることや初期費用がほとんど必要ないことなどを考えると設置を検討してみても良いと言えます。
2. 目的別の土地活用方法
土地を活用していく際には収益性や安定性など、何に重点を置くかによって活用方法が変わってきます。ある側面ではメリットとなることも、違う観点で見るとデメリットである場合があり、全ての土地で同じ需要があるというわけでもありません。ここでは、土地を活用する目的に合わせたおすすめの活用方法を紹介していきます。
2-1. 収益性を重視した土地活用方法
まずは収益性を重視する場合の土地活用法を考えます。考えられる一つ目の選択肢は商業施設の設置です。コンビニエンスストアやスーパーマーケットから複合型商業施設といった商業施設を設置する場合は企業との契約を行うことになります。
商業施設は利益を生み出すことが前提であるため、賃貸住宅の経営よりも高めの賃料で契約を行うことができるのがメリットです。これに類似して、オフィスビルの設置が考えられます。主に都市部が向いていて、企業との契約になるため賃料を高く設定することができて高い収益が見込めます。ただし、オフィス用の設備を整える必要があるため賃貸住宅などよりも初期費用が多少かかります。
次に賃貸住宅の経営です。ニーズがあり入居者が見込める場合は安定した収入を確保できます。賃貸住宅とともに店舗も併設する方法も存在し、企業と住民の両方からの収入を得ることができます。これらは初期費用もある程度必要となるのでニーズの見極めが重要です。
介護施設の設置も収益性の良い活用方法です。入居希望者の多さから安定した経営が望める介護施設は、経営する企業が設置する土地を求めていることが少なくありません。比較的広めの土地や周りに人家が少ない土地などは特に適しています。
最後に、野立ての太陽光発電設備の設置です。太陽光発電は電力の買取制度が存在するため、電力会社と契約を行って売電することができます。広い土地であれば大規模な発電が可能であり、発電した電力を全て買い取ってもらえるため収益は大きくなります。
2-2. 初期投資の少ない土地活用方法
住宅やビル、商業施設を建てると初期投資は大きくなり、それを回収して利益につなげるためには長めのスパンが必要です。初期費用を抑えた手軽な土地活用例として考えられるのは、まず駐車場・駐輪場です。駐車場や駐輪場の経営には大きく分けて月極め駐車場とコインパーキングの二種類の方法が存在します。
月極め駐車場の場合は利用者が十分いれば安定した収入を期待できますし、コインパーキングは多くの利用者がいればいるほど収益が多くなります。初期費用が少なくて済むということや、他の用途への切り替えがしやすいというメリットが存在します。一方では建物を建てる際に軽減される固定資産税などの減税は受けられないという点があります。
次に、近年人気を集めているトランクルームの設置があります。トランクルームとは、コンテナなどを並べて収納スペースとして貸し出しを行う設備です。住宅に入りきらない荷物などを置くための倉庫として需要が高いという特徴があります。
ある程度広い土地であれば、土地にコンテナを設置する方法をとることが多いです。この場合、コンテナは住宅などの建物よりも安く設置できるため初期投資が少なくて済みます。駐車場と比べても契約料を高めに設定できるため収益性も高めです。
そのほかの活用例としては広告看板や自動販売機の設置が考えられます。広告看板も自動販売機も、企業が用意したものを設置するだけですので初期費用は必要ありません。収益は少なめですが、初期投資の回収を考えずに済むというメリットが存在します。
2-3. 安定性(リスク)を重視した土地活用方法
安定性を重視する場合、最も重要なのはニーズを考えることです。賃貸住宅や商業施設、オフィスビルの設置など初期投資の大きい活用を考える場合は長期的な需要の見込みがポイントです。賃貸住宅であれば、周辺にオフィスや大学があり定期的に入居者が見込める場所にあれば安定した空き部屋のリスクが減ります。
商業施設の場合は、周辺に同じような店舗が少ないことやアクセスのしやすさなどが安定した経営を行う上で求められます。オフィスビルは特に需要が限られますので注意が必要です。主に需要があると考えられるのは都市部のアクセスの良い土地であり、都市周辺部などでは難しいと言えます。
一方、リスクの少なさに重点を置く際におすすめなのが駐車場・駐輪場の経営です。初期費用が少なく、上手くいかないと分かった場合に他の用途に転用しやすいというメリットがあります。ただし高い利益を安定して得るという点では厳しいので注意が必要です。
2-4. 節税対策の土地活用方法
土地を所有していると、固定資産税や相続税、都市計画税などの存在を考える必要があります。建物を建てていない場合、固定資産税は毎年固定資産税評価額の1.4%、都市計画税は固定資産税評価額の最大0.3%を収める必要があります。また相続税は相続時の土地の相続税評価額に累進税率をかけた額を納めなければいけません。
しかし、建物を建てることでこれらの税金の優遇がされることが有ります。まずは賃貸住宅の経営を例に挙げてみます。この場合、最大で固定資産税は本来の額の約6分の1、都市計画税は3分の1で済む場合があります。また相続税に関しては相続税評価額が下がり、本来の評価額の80パーセント以下になる可能性があります。
これに類似して、固定資産税や相続税の優遇が望めるのは介護施設です。ただし、介護施設の中でも住居系の施設のみが優遇措置の対象となり、グループホームやショートステイ施設は考慮されませんので注意が必要です。以上のことを考えると、節税効果が最も期待できるのは賃貸住宅の経営であると言えます。
2-5. 短期間の土地活用方法
長期的なスパンで土地を活用するのではなく、短期で収益を上げたい場合には初期費用が多額でない方法を考える必要があります。建物を建てると初期投資の回収には何十年か必要ですので、建物を必要としない活用が向いています。そこでおすすめするのは、駐車場や駐輪場の経営です。
月極めに駐車場にしてもコインパーキングにしても初期投資額は、建物を建てる活用方法と比べればずっと少なくて済みます。また、大規模な設備を必要としないため土地を使用しなくなる場合や他の目的に転用する場合に簡単に撤退ができます
他にも、自動販売機や広告看板、コインロッカーの設置は初期投資が少なく転用が簡単であることから短期間の活用に向いています。ただし、これらは節税効果が無く収益も低めであることが多いので複数を併用することを考えることをおすすめします。
2-6. 田舎の土地の活用方法
都市部や都市周辺部とは異なり、田舎の土地だと商業施設などの設置は難しい場合が多いです。田舎の土地に求められるものは都市部とは異なるため、他の活用方法を考える必要があります。そこでまず考えられるのが太陽光発電です。
太陽光発電だと、周辺住民のニーズに左右されず自由に設置することができます。また、大きな建物が少ない田舎では効果的に発電が行えるというメリットも存在します。建物を立てないため固定資産税の優遇は見込めないものの、田舎の土地はそもそも固定資産税が定額だというのもポイントです。
広めの土地であれば、家屋設置型の太陽光パネルとは違い大規模な発電ができる設備を設置することができます。50kW以上の大規模な発電を行うと、電力会社に全量買い取ってもらうことができ、利益は大きくなります。ただし、初期投資とその回収を考えて規模を決める必要がありますので注意してください。
次に、賃貸住宅の経営が挙げられます。極端な山村でなければ田舎であっても賃貸住宅への需要は一定数存在します。それに類似して、サービス付き高齢者住宅の設置が考えられます。高齢者が利用するサービス付き高齢者住宅は、遠出をする入居者が少ないことから田舎であっても特に不便だということにはなりません。
また、補助金制度があり、建設費用の10パーセントを補助してもらうことができます。固定資産税や相続税の優遇措置や建築費の融資についても優遇制度があります。入居者が比較的長い間利用することを見込めるため安定した収入が望めるという点もメリットです。
最後に、資材置き場としての貸し出しです。近くに工事を行う企業が存在する場合は工事資材の置き場所として貸し出すことができます。田畑が多い場合は農業に必要な機材や重機を置く場所として農家からの需要があることも考えられます。これらは特に倉庫などを建てる必要が無いため初期投資をかけずに済むというメリットがあります。
3, まとめ
ここまで、土地の状況と目的別の活用方法について説明してきたことをまとめます。まずは状況別の活用方法についてです。大きく分けると都市部と都市周辺部、面積が広い土地と狭い土地の組み合わせで4パターンに分けられます。
都市部で面積が広い土地の場合は、人通りが多く利用者と需要が見込めるという点で商業施設の設置が挙げられます。一方、都市部で面積が狭い土地の場合は駐車場や駐輪場、コインロッカーや自動販売機など小規模で回転率の高い活用方法が適しています。都市周辺部の広い土地は住環境が整っている場合が多いため、まず賃貸住宅の経営が考えられます。
更に、住宅地などの場合はコンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの日常生活に必要な商業施設の需要も見込めます。都市周辺部の狭い土地の場合は都市部とあまり変わらず駐車場や駐輪場、コインロッカーや自動販売機の設置をおすすめします。幹線道路沿いの見晴らしがよい立地であれば広告看板の需要も期待できます。
次に、目的別の土地活用方法の紹介です。土地の状況やニーズも重要ですが、活用する本人が何に重点を置くのかという点も考慮しなければなりません。収益性を重視する場合、最もポピュラーなのは商業施設の設置です。
企業を相手にして土地を貸すため、賃貸住宅よりも高めの賃料を設定することができます。これと同じメリットを持つオフィスビルの設置も収益性は高いと言えます。介護施設も需要が多いため、おすすめできます。
一方で建物を建てて行う土地活用には初期投資が必要になります。万が一需要が少なかった場合には初期投資の回収を含めて課題が生じてしまうことが考えられます。そこで初期投資をできるだけ抑えて土地活用する方法に駐車場・駐輪場の経営があります。
駐車場や駐輪場には大きな建物が必要ないため初期投資はほとんど必要ありません。加えて、他の目的に転用することになった際も簡単に移行できるというメリットがあります。短期間の土地活用という点でも駐車場や駐輪場の経営はおすすめの方法です。
ただし、建物を立てない土地活用には節税効果が低いというデメリットが存在します。固定資産税や相続税、都市計画税は、建物を立てていると優遇措置が取られることが多いです。そのため、節税効果の高さを重視する場合には最も優遇されやすい賃貸住宅の経営がおすすめできます。
では、土地活用方法が限られる田舎の土地について考えます。まず考えられるのが野立ての太陽光発電を行うことです。大きな建物が少なく日当たりを確保しやすい点や、比較的大規模な発電がしやすいという点がメリットです。
また、農家や工事を行う企業に対して資材置き場として貸し出しを行う方法もあります。祖特別に倉庫を建てる必要などが無いため初期投資が少なく済みます。サービス付き高齢者住宅も田舎の土地で行うデメリットが特になく、需要も高いため効果的な活用方法です。