キッチンリフォームのポイント

キッチンは浴室やトイレと同じように、毎日のように水を使います。加えて、食品の調理のために油も使用するため、年数が経つと特に汚れや劣化が目立つ場所です。そして、キッチンでの調理の際には水・油が壁や床に付着することも珍しくありません。キッチンの壁や床は、劣化が進むと痛みや腐食がひどくなります。
そのため、住宅の寿命を伸ばすためにも、定期的にキッチンリフォームを行う必要があります。
また、キッチンリフォームを行う理由は住宅の寿命を伸ばすことだけではありません。主に女性の方にとって、毎日の料理が便利で快適になるというメリットがあります。キッチンの収納や換気機能、手入れのしやすさは年々向上しているからです。
そこでこちらでは、キッチンリフォームのポイントや注意点について、詳しく説明致します。

 

 

1. キッチンリフォームの時期は10年

一般的にキッチン本体の耐用年数は10〜20程度だと言われています。主に、ガスコンロやIH、レンジフードや食洗機などの設備機器に関しては、10年程度が耐用年数とされています。キッチンの設備機器は耐用年数を過ぎても使用できますが、性能が落ちている可能性は非常に高いです。

また、水栓も耐用年数は10年程度です。そのため、キッチンリフォームを考えるきっかけとして、キッチン本体が寿命を迎えるというよりは、ガスコンロやレンジフードなどのキッチン機器に故障や不具合が出た場合や、老朽化による水漏れ、排水口などの水周りのトラブルを機に、キッチンリフォームを検討する場合が多いです。

家族が増えるタイミングや、趣味だった料理をもっと本格的に取り組みたいなどといった、ライフスタイルの変化に伴い、キッチンリフォームを検討するご家庭もあるようです。

2. キッチンリフォームのポイント

実際にキッチンをリフォームするにあたって一番重要なのは、自分がどのようなキッチンにリフォームしたいのか、理想のキッチンイメージを明確にする事です。

・キッチンの収納を増やしたい
・間取りを変更して使い勝手をよくしたい
・充実したキッチン設備機器を導入したいなど、
それぞれの希望に基づき詳細を決めていきます。

例えば、キッチンの収納を増やしたい場合、収納が充実しているシステムキッチンを取り入れるのか、あるいは収納キャビネットを設置するのかなどを検討して決めていきます。そして、キッチンの天板を新しく変えたり、キャビネットのドアを新しく変える工夫をすることで、キッチンのイメージも明るくなります。これらの素材や色もキッチンの見た目を左右するため、使い勝手や部屋との相性のいい素材と色を選ぶようにしましょう。

また、キッチンの使い勝手をよくするためには、使いやすい高さにキッチンの高さを変更することが重要です。キッチンの高さが高すぎると肩が痛くなりやすく、低すぎると腰が痛くなりやすいと言われています。そのため、自分に合うキッチンの高さを事前に調べて確認しておくことも大切です。

2-1. キッチンの種類と形状近年流行している

キッチンの多くはシステムキッチンです。デザインや機能を多彩なバリエーションの中から選ぶ事ができ、各ユニットを組み合わせて部材を自由に組み合わせたり、いくつかのパターンの中から選んだりすることが可能です。また、色やデザインなども様々な種類が用意されているため、好みの雰囲気に合わせてオーダーメイド感覚で作る事ができます。

キッチンの型にも様々あり、キッチンを選ぶ際は、現在のキッチンスペースの寸法を計測し把握した上で、それに合うものを選ぶ必要があります。また、車椅子の方や、高齢者の方が、座った姿勢で作業が可能なユニバーサル使用のキッチンなども登場しています。

では、キッチンの種類や形状、それぞれの型について説明していきましょう。

2-1-1. I型キッチン

I型キッチンとは、コンロからシンクまでが横一列に「I」の字のように並んでいる横長なキッチンのことを言います。下ごしらえから調理、配膳までの工程をほぼ平行移動のみで済ませることができるため、使い勝手の良さもある程度確保されており、シンプルで場所をとらないため狭いスペースにも配置できることから、最も基本的なキッチンの形です。

I型キッチンは、一般的に壁付けのため、調理をするときは壁に体を向けることになります。そのため、コミュニケーションがとりづらくなりがちですが、料理に集中できるとも言えます。I型キッチンは、横の動きが多いため、キッチンの長さを長くしすぎると移動距離も長くなり作業効率が悪くなります。そのため、作業スペースを広くとりたい場合は、キッチンの近くに作業台を設けることや、他の型を検討することも視野に入れると良いでしょう。

2-1-2. II型キッチン

II型キッチンは、セパレートキッチンとも呼ばれており、コンロと作業スペースを片側に、シンクをもう片側に振り分け、平行に配置したキッチンのことを言います。片側は壁付けに、もう片側はリビングやダイニングに向かって対面式に設置するため、カウンターができ、リビングやダイニングから料理している手元や足元も見えないためスッキリとした印象になります。

シンクとコンロが分かれているため作業スペースを設けやすく、作業動線が短くて効率がいいです。個々に作業スペースを設けることができるため、複数人で料理しやすいことも特徴でしょう。

また、広い収納スペースを確保できるため、シンク周りに色々なキャビネットを組み込むことができたり、食洗機を組み込むなどスペースをアイデア次第で様々な形で活用することができます。そんなII型キッチンですが、コンロとシンクが別のキッチン台に離れているため、移動する時に水が床へ垂れてしまうことが難点です。そのため、水が垂れないような工夫や、水や汚れに強く滑りにくいような床材を選ぶ必要があるでしょう。

2-1-3. A型キッチン

A型キッチンとは、三角のようにコーナー部分から斜めに広げた形を言い、上から見ると「A」の字のようになっているキッチンを言います。A型キッチンは、従来のL型キッチンのデッドスペースであるコーナー部分が扇状になっているためスペースが大きくなり、その部分を中心位置として調理作業をすることができます。

そのため、少ない動きでほとんどの作業ができるためスムーズに調理することができます。また、コーナー部分にはキャビネットを組み合わせて調理小物を収納することで作業効率も上げることができます。A型キッチンは他の型よりも、キッチン全体がコンパクトになるため、収納量は多くありません。

そのため、収納棚を増やすことや、食器棚を別で置くなどの工夫が必要になるでしょう。また、冷蔵庫や電子レンジなどの配置にも工夫が必要です。

2-1-4. U型キッチン

U型キッチンとは、冷蔵庫・コンロ・作業スペース・シンクをアルファベットのUの形状(またはコの字型)に配置したキッチンのことです。シンクとコンロが90度の位置にあるため、作業動線が短くなります。また、作業スペースが広くとれるため、料理の品数が多い場合や、複数人で調理をする場合などにも最適です。

壁に接しているキッチン台の上部分を利用して、収納スペースを設けることも可能なため、収納スペースも充分に確保できます。U型キッチンは、一辺をリビングやダイニングに向けることで、対面式の間取りにすることが可能です。カウンターキッチンとしても活用でき、各設備の配置を工夫することで、とても使い勝手のよい空間を作ることができます。

ただし、設置には広いスペースが必要な点と、角に手の届きにくいデッッドスペースが生まれてしまう点には注意が必要です。

2-1-5. アイランド型キッチン

アイランドキッチンとは、シンクや作業スペースの一部、あるいは全部を壁から離し、キッチンと壁が接することなく、島のようにあるキッチンのことを言います。アイランドキッチンは組み合わせのバリエーションが多彩なため、リビングやダイニングの間取りを一体的に考えることで、こだわりのある空間を演出することが可能です。

開放感があり、回遊性があるため、囲むように作業ができることが特徴です。コミュニケーションがとりやすく、作業スペースが広いため、家族でも料理を一緒にしやすいです。ホームパーティや料理教室など、キッチンを大人数で囲む機会が多い方にも使いやすいキッチンと言えるでしょう。

また、視線を遮るものが格段に少ないため、キッチンの周りを動きやすく、ダイニングテーブルへ料理を運ぶ時など、最短距離で自由に移動ができます。しかし、リビングやダイニングと壁を隔てていないため、コンロやシンクからの油はねや水はねがあることには注意が必要です。

2-2. キッチンの一部だけをリフォームできる

キッチンリフォームには、全体のリフォームをするだけではなく、設備機器や流し台などのみを新しいものに交換するという部分的なリフォームも可能です。

オール電化を機に、ガスコンロからIHに交換する場合や、換気扇を新しいものに交換したい場合など、現在使用しているキッチンには不満はなく困ってはいない状態でも、環境の変化や老朽化を理由に部分的に新しいものに交換するなどのリフォームを行う場合もあります。

キャビネット部分は従来のまま、流し台と天板が新品に変わるだけで、キッチン全体が明るくなります。さらに、丸ごとキッチンをリフォームするのに比べると工期も短く、費用も抑えられると言えるでしょう。

2-3. キッチンの配置換えリフォーム

キッチンのレイアウトや配置によって、使いやすさは大きく変わってきます。キッチンを新しくするだけでなく、キッチンの配置を換えることもキッチンリフォームと言えます。壁付けから対面に向きを変える場合や、システムキッチンの位置を変える場合、または壁を撤去してアイランド型キッチンやオープンなキッチンにする場合など、従来のキッチンを再利用して様々なレイアウトや間取りに変更することも可能です。

その際には、電気配線・給排水管・ダクトなどの延長や位置を変更する工事や、床や天井の工事が必要になる場合もあります。そのため、内装のリフォームも検討するといいでしょう。それらの工事ができない場合、配置換えは難しいため、しっかりと現状の間口や通路幅などを把握し、リフォームイメージを明確にすることが必要です。

2-4. キッチンの内装リフォーム

キッチンの床や壁、天井なども年数と共に劣化し、汚れが目立つようになります。そのような老朽化をきっかけに内装のリフォームを考える場合や、キッチン全体のリフォームや配置変えリフォームをする際、それに合わせた雰囲気にするために内装リフォームする場合があります。

壁紙や床材などの種類にも様々あり、手入れをしやすくするためには、水まわりやIHまわりを、水に強い壁紙やタイルに変更することが効果的です。また、カフェのようなレンガ風の壁も、モルタル造形を用いることで、キッチンや部屋の雰囲気に合わせて施すことが可能です。

キッチンを明るくするために、出窓を作ることや蛍光灯の種類を変えることも効果的であり、キッチンを仕切る部分の柱をなくすなどして、スクリーン状の引き戸を取り付けることで空間を広くすることも出来るでしょう。

2-5. キッチンの増築・追加によるリフォーム

既存のキッチンとは別に、キッチンを増設するリフォームも増えているようです。一戸建ての二世帯住宅へのリフォームがきっかけで2階にもキッチンを設けるなど、現代では様々な理由がきっかけとなり、2つ目のキッチンを増設することもあるでしょう。実際にキッチンを追加する場合、十分なスペースがない場合や配管の関係、設置位置などの問題があるため、狭いスペースでも設置が可能なミニキッチンやコンパクトキッチンが増設可能です。

2-6. キッチンの段差解消によるリフォーム

普段の生活をより快適にするためや、高齢者の方、車椅子の方々が安心して暮らすためにも、段差を解消しフラットにすることは大切と言えます。キッチンによっては、リビングやダイニングとの間に段差ができることがあるため、キッチンリフォームを施すと共に、床のリフォームや段差を解消する工事をする場合があります。

介護保険制度が適用されるご家族がいらっしゃる場合、介護をやりやすくするために、助成金を利用してバリアフリーに住宅改修ができるサービスもあります。そのようなバリアフリーを含めたリフォームを行う際にも、手すりやスロープを取り付けると共に、段差の解消を施すことは可能でしょう。

3. キッチンリフォームの注意点

キッチンリフォームにおいては、失敗やトラブルを防ぐためにもリフォームの必要性を確認することが大事です。リフォームを開始してから分かった不具合によって、水周りなどにおいて施工内容を追加する場合があります。それに加えて、キッチン設備をリフォームする際は、周辺の床や壁や天井のリフォームも忘れてしまいがちです。

そのため、見積もりの時点で、どこまで含まれているのかをあらかじめ確認し、どの箇所にどのようなリフォームが必要なのかを認識しておくことが大切です。

また、完成後にクレームをすることのないように、見積もりと実際に施工する箇所とを照らし合わせ、現場調査をし、きちんとリフォーム後のキッチンをイメージすることも大切です。リフォーム後、使い勝手が悪くなってしまうケースも少なくありません。

使いやすいキッチンは動線にあります。一つの動線の組み立てとして、コンロ・シンク・冷蔵庫の3点を結ぶ三角形の辺の合計が510cmだと快適な作業が出来るレイアウトだと言われています。新しくすることだけを考えず、リフォームする前に既にキッチンに置いてあるものを一通り確認し、リフォーム後の図面に配置して使いやすさを確認してみると良いでしょう。

また、リフォームしたい箇所や、リフォームの内容によって求めるものが違ってくるため、それに合った業者を選ぶことも大切と言えます。

4. キッチンリフォームのポイントまとめ

このように、一言’’キッチンリフォーム’’と言っても様々あります。キッチンは料理をすることはもちろん、家族や来客とのコミュニケーションの場として暮らしの中心になっています。作業効率・動線設計を考えることで使いやすいキッチンにリフォームすることが出来ます。使いやすさに加え、どう使うのか、どのような空間にしたいのか、ライフスタイルも考慮し、丁寧なプランニングのもと、キッチンリフォームを行うことが一番のポイントであると言えるでしょう。