事例紹介
Category 土地活用
2018年10月02日 更新
狭小地や変形地の土地活用方法のアイデア|変形地をメリットに変えた活用事例紹介
狭小地とは概ね20坪以下の面積の土地のことをいいます。都内では、土地面積が15坪くらいの建売住宅は珍しくないのですが、少し地方にいくと20坪程度の小さな土地では活用の方法はないと思われていることが多いです。
また、道路の隅切りの関係で変形地となってしまった土地や道路の交差の関係で三角形の土地というのも存在しています。このような土地でもアイデア次第で有効に活用することができます。土地の活用は駅などの周辺環境に影響されることが多いので、一律にこうしたら良いということは言い難いのですが、いくつか例を挙げて説明をしたいと思います。
この記事でわかること
1. 狭小地の定義とそこに建てられる建物
冒頭で20坪以下の土地とお伝えしましたが、実は明確な基準があるわけではありません。概ね20坪か15坪以下の小さな土地を狭小地と呼んでいるだけです。狭小地が正方形か正方形に近い長方形であることは少なく、三角形であったり、台形であったりと使いにくい形であることも多いです。
このため、土地の評価は低くなることが多いです。周辺の土地の単価に比べて格安でないと売れないことが多いので、なんとなく手放すのはためらわれるという方も多いです。しかし、安いから売るのはもったいないとただ持っていても税金などの経費が掛かってしまうのでもったいないです。
15坪と言われてもどのくらいの広さかイメージしにくいと思いますが、畳でいうと30畳となります。平米数でいうと約49.6平米となります。マンションだと2LDKくらいの大きさになりますが、戸建て住宅を建てる場合には、建ぺい率を考えないといけません。
一般的な住宅地に多い建ぺい率60%の地域だとすると、1階部分が9坪(約30平米)以下の建物となります。2階建てで2階部分にLDKとお風呂を持っていけば、何とか家族3人くらいで暮らす家は作れそうですが、土地の形が三角形とか台形だったりすると住宅を建てるのはかなり難しくなります。
ただし、場所が商業地域であれば、建ぺい率は80%くらいにまで緩和されるので、建物を建てるのは楽になります。商業地域の多くは容積率400%くらいあるので、3階建てや4階建てを建てることもできます。これなら店舗併用住宅を建てることもできますし、店舗部分を貸してその上に住むこともできそうです。
このように狭小地の活用は立地条件の影響がとても大きくなりますので、近隣の状況を良く考えて土地の活用方法を検討することが重要です。
2. 狭小の変形地をメリットに変えて活用した例
二つの道路が交差するところにある三角形の土地で、奥行き(直角三角形の高さにあたる部分)が約3mで底辺に当たる部分が約5mの土地があります。こんな変形した狭い土地でも店舗として成功している例があります。
そのお店では、奥行きにあたる部分は隣地との境界なので、三角形の狭い側の両面を窓にして両方から注文を受けられるようにしています。飲食物を扱う店舗なのですが、食事のスペースは取れないため、テイクアウト専門として繫盛しています。
人通りが多い地区ならではの活用方法ですが、形状を上手く活かした例だと思います。住宅ではデメリットとなる部分でも、見方を変えることでメリットに変えることができないか、発想の転換が重要になります。
3. 狭小地で住宅が建てられない時の活用方法
狭い家でも小さくすることができないのが、トイレや洗面所、浴室などの水回りです。通常の住宅でもトイレの面積は1畳か0.75畳程度のことが多くそれ以上に小さくすることは難しいです。
洗面所も洗濯機を置こうとすると、1畳のスペースでは難しく1.25畳程度は必要となります。通常は、小さな住宅でも1.5畳程度のものが多いので、こちらもあまり小さくはできません。
お風呂も同様にバスタブを諦めてシャワーにでもしない限り、小さくすることは難しいです。キッチンもミニキッチンにする方法はありますが、作業性はかなり犠牲となります。水回りではありませんが、玄関のスペースもあまり小さくできない部分のひとつです。
これらのどうしても省けない部分を無くすには、これらの設備が不要な建物にするという方法があります。つまり、倉庫にしてしまえば、水回りも立派な玄関も不要です。また、住宅の場合は、建築基準法で居室とするための要件が決まっており、きちんと明かりの採れる窓面積などが必要となります。
敷地の境界が道路の場合は問題とならないことが多いのですが、隣地との境界の場合は、この有効採光の点から居室とできないケースもあります。もしかすると、不動産会社の間取り図で普通の部屋のように見えるのに、納戸と書かれているものをご覧になられたことがあるかもしれません。
しかし、倉庫として使う場合は、有効採光の考えは適用されないというメリットもあります。窓が無ければ棚を作って収納スペースを広くすることもできます。細かく仕切って区分貸しをされた方が空室のリスクは減りますが、大きくまとめて貸してしまった方が手間が減るメリットがあります。どちらが良いかは市場を見て検討されると良いと思います。
4. 建築物が建てられないほど狭小地の場合
建物が無理な場合でも諦める必要がありません。駐車場や駐輪場にするという方法もあります。収入は下がりますが、その分、初期の設備投資を抑えることができます。実際に車1台分のスペースしかない時間貸しの駐車場もありますので、台数が少なくても需要のある場所であれば、土地の活用として成り立ちます。
駐車場も無理なほど狭い土地の場合でも、コインロッカーやレンタルロッカーなら成り立つかもしれません。レンタルロッカーはトランクルームよりも小さくて中に入ることはできないものが多いですが、その分、スペースを有効に使える可能性があります。
ロッカーを置くスペースもないという場合には、自動販売機を設置してみてはいかがでしょうか。薄型のものであれば、奥行き452mmの自動販売機があります。小さいものになるほど、収益性は落ちてしまいますが、何もしないよりはマシとか何かをしたいという場合には検討してみても良いかもしれません。
5. 狭小地や変形地の土地活用まとめ
いくつかご紹介してきたように都市部においては、非常に小さなスペースでも何かしらの活用方法は見つけられる可能性があります。最初から無理と諦めずに考えてみると良いかもしれません。