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Category  土地活用

2019年09月05日 更新

田舎で有効な3つの土地活用方法と注意点

土地活用と言えば、多くの場合アパートやマンション、駐車場の経営などが思い浮かびます。しかし、地方では都市部とくらべると住宅需要が低い地域が多いため、アパートやマンション、駐車場での土地活用が難しくなります。

しかし、だからと言って地方では土地活用ができないわけではありません。地方でも一戸建ての賃貸や資材置き場、太陽光発電という3つの土地活用方法が考えられます。

こちらでは、地方での土地活用における注意点と、考えられる3つの土地活用方法について詳しく説明致します。地方に土地を所有していても有効に活用できるので、ぜひ最後まで読んでいただきたいです。

田舎で有効な土地活用①「一戸建ての賃貸」

地方で考えられる1つ目の土地活用方法は、一戸建ての賃貸です。親から相続や贈与で手に入れた地方の土地付きの一戸建てを、そのままもしくはある程度手入れをした上で賃貸する土地活用方法が考えられます。

先ほど、地方では住宅需要が低いと説明しました。しかし、まったく住宅需要がないわけではありません。都市部とくらべると少ないものの、地方の住宅を必要とする人もいます。

具体的には、田舎暮らしを希望したり貸別荘として利用したい、地方に転勤となった、そして民泊で利用したいという方です。これらの方々に地方の一戸建てを賃貸することにより、有効に活用することができます。

以下では、これら3つの地方の一戸建てを賃貸で土地活用する方法について詳しく説明します。

田舎暮らし希望者や貸別荘として賃貸

地方の一戸建てを賃貸で活用する1つ目の方法は、田舎暮らしを希望する方の住居や貸別荘としての賃貸です。

都市部で生活している方の中には、地方の敷地が広い一戸建てでの生活を希望する方もいらっしゃいます。地方の一戸建てでは、自動車2台以上の駐車スペースや家庭菜園が楽しめる畑がついていることも珍しくありません。このよう

住宅で精神的にゆとりのある生活に憧れる方は、意外と多いものです。

また、生活とまではいかなくても、夏場をはじめ年のうちの短期間だけ、地方の一戸建てを別荘として使用したいと考える方もいらっしゃいます。具体的には1年を通して賃貸し、夏場や連休などにご家族や友人とバーベキューや釣り、川遊び、周辺の散策などを楽しみながら数日間滞在するという利用方法です。

地方、特に山間部になると一戸建ては家賃が格段に安くなるため、1年のうち数日しか利用しなかったとしても、借り手にとっての負担は小さなものです。また、貸し手である所有者にとっても、長期的に賃貸してもらうことにより収入が安定します。

一戸建てを賃貸するとなると、大がかりなリフォームが必要となるのではと不安になるかもしれません。しかし、大規模なリフォームが必要とは限りません。一戸建てを田舎暮らし希望者や貸別荘として使用したい方は、利便性の高い住宅を求めているわけではないからです。

ですから、住宅として最低限必要な電気やガス、水道が使えて浴室やトイレがあり、雨漏りがなければ、賃貸できる状態だと言えます。また、利用者を募集する際に住宅の現状を詳細に伝えることができれば、後のトラブルを防ぐことができます。

このように、田舎暮らしを希望する方や貸別荘を求める方に地方の一戸建てを賃貸することにより、家賃収入を得ることができます。

地方に転勤や就職した方の住居

地方の一戸建てを賃貸で活用する2つ目の方法は、転勤者の住居です。地方では市場や工場が少ないため住宅需要は少なくなります。しかし、それでも中には都市部から地方に転勤になったり、地方に就職したりするなどの理由で、住居が必要となる方はいらっしゃいます。

上記で説明した田舎暮らし希望者や貸別荘と同様、転勤や就職のため地方で生活する必要が生じた方に一戸建てを賃貸することにより、家賃収入を得ることができます。

民泊での活用

地方の一戸建てを賃貸で活用する3つ目の方法は、民泊です。民泊とは、一般の民家をホテルのように有料で、日単位で貸し出すことです。

地方ではホテルが少なく、もしあったとしても料金が利用者の希望と合わないことがよくあります。このようなとき、料金が安く立地をはじめさまざまな条件を選ぶことができる民泊が最近話題となっています。

以前は、個人が空いている一戸建てや部屋を民泊で貸し出そうと思っても、現実的に不可能でした。借り手を見つける方法がなかったからです。しかし、2008年頃にAirbnb(エア・ビー・アンド・ビー)というインターネット上の民泊仲介サイトが登場しました。Airbnbは日本国内だけでなく、世界中の民泊ができる物件が登録されていて、利用者はインターネット上で簡単に物件を探し、宿泊予約ができます。

このAirbnbを活用すれば、地方の一戸建てでも世界中の人々に見つけてもらうことができます。そのため、もし地方の一戸建てで生活したい方を見つけられなくても、全く利用していない地方の一戸建てを1年のうちたとえ数日だけでも宿泊してもらうことにより、宿泊料の収入を得ることができます。

また、Airbnbへの登録は無料です。そのため、もしAirbnbに登録したものの宿泊する方が全くいなかったとしても、全く損害はありません。

このように、地方の一戸建てを民泊で活用する方法もあります。

以上のとおり、地方の一戸建てを田舎暮らし希望者や貸別荘を求める方に賃貸したり、民泊で活用するという方法があります。

田舎で有効な土地活用②「資材置き場」

地方で考えられる2つ目の土地活用方法は、資材置き場です。資材置き場とは、建設業者などが資材を一時的に保管する土地のことです。

地方で更地の土地を所有している場合、建設業者などに資材置き場として貸し出すことにより、賃料収入を得ることができます。

資材置き場は、単に土地を貸し出すだけです。上記で説明した一戸建てだと少なからず維持管理が発生しますが、資材置き場ではそのような手間が一切ないのがメリットです。

ですから、地方の更地を所有しているのであれば、資材置き場として建設業者などに貸し出す土地活用方法が考えられます

田舎で有効な土地活用③「太陽光発電」

地方で考えられる3つ目の土地活用方法は、太陽光発電です。太陽光発電とは、土地に太陽光パネルを設置して発電を行い、その電気を電力会社に売却する土地活用のことです。なお、電気を電力会社に売却することを売電といいます。
太陽光発電の特徴として、土地の需要が一切関係ないことが挙げられます。ですから、住宅や駐車場としての需要が少ない地方の土地であっても、太陽光発電は問題なく行うことができます。

太陽光発電で重要となるのは、土地の需要よりも日当たりです。太陽光で発電を行うため、日当たりが良い土地で行うことにより、効率的に発電ができ、結果として収入が大きくなります。

そのため、地方の活用されていない農地は太陽光発電に最適であるといえます。農地は食料を育てるための土地なので、日当たりがよい場所が選ばれています。休耕地となっていても、日当たりがよいという事は変わりありません。
ただし、農地で太陽光発電を行うには、前もって市町村の農業委員会に転用許可申請を行う必要があります。このことに注意しましょう。

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田舎の土地活用における注意点

まず始めに、地方での土地活用の注意点を説明します。一般的に言われる土地活用は、人口が集中した都市部で有効なものがほとんどです。地方は都市部とくらべると人口が密集しておらず、土地の価値が低いのが現状です。

そのため、地方は住宅や駐車場の需要が低いことがほとんどで、また場合によっては自治体への許可申請が必要となります。

以下では地方での土地活用におけるこれら3つの注意点について、詳しく説明します。

住宅需要が低い

地方での土地活用の1つ目の注意点は、住宅需要が低いことです。地方は都市部とくらべると企業や工場、大学などの施設が少ないため、通勤や通学のために住宅を必要とする方は少なくなります。

人々が住宅を求めるのは、通勤や通学、日常生活での買い物に便利な上、騒音などによる悪影響が少ないなど生活環境がよい地域です。地方は騒音などの悪影響は少ないものの、都市部とくらべると通勤や通学、日常生活は不便なことがほとんどです。

そのため、地方でアパートやマンションの需要があるのは、駅の近くや工場や大学の近く、交通の便がよいなど、限られた地域に集中します。

住宅地の駐車場は不要

地方での土地活用の2つ目の注意点は、住宅地の駐車場は基本的に不要だということです。地方の住宅は都市部とくらべて敷地の面積が広く、一戸建てやアパート、マンションを問わず、十分な駐車場スペースが設けられていることがほとんどです。そのため、月極駐車場の需要は低くなっています。

また、基本的に道路を車庫がわりに使用することは、自動車の保管場所の確保等に関する法律(車庫法)で禁止されています。しかし、特定の村では例外として道路を車庫として使用することが認められています。

車庫法では以下のように規定されています。

自動車の保管場所の確保等に関する法律(車庫法)第11条
第11条 何人も、道路上の場所を自動車の保管場所として使用してはならない。
2 何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。
一 自動車が道路上の同一の場所に引き続き12時間以上駐車することとなるような行為
二 自動車が夜間(日没時から日出時までの時間をいう。)に道路上の同一の場所に引き続き8時間以上駐車することとなるような行為
3 前2項の規定は、政令で定める特別の用務を遂行するため必要がある場合その他政令で定める場合については、適用しない。

特定の村は、車庫法第11条第3項の規定に該当するため、道路を自動車の保管場所として使用することが認められています。このような地域では、有料の月極駐車場を借りる必要がほぼありません。

地方での駐車場の需要は、旅行や出張のために駅近くや公共施設の近くなど、一時的なものに限られます。

農地の転用は許可申請が必要

地方での土地活用の3つ目の注意点は、農地の転用は許可申請が必要なことです。田んぼや畑のような農地は、ほかの用途で使用するときや賃貸をする際に市町村の農業委員会の許可が必要です。

農地の転用許可申請は、地方に限らず全国的に必要です。しかし地方では、田んぼや畑として使用していない休耕地をほかの用途で土地活用したい場面は、都市部よりも多くあります。

そのため、休耕地をほかの用途で土地活用するには、必ず前もって市町村の農業委員会に転用許可申請を行うようにしましょう。

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田舎で有効な3つの土地活用方法と注意点まとめ

こちらでは、地方での土地活用における注意点と考えられる3つの土地活用方法について詳しく説明致しました。

地方での土地活用の注意点として、都市部と比べると住宅や駐車場の需要が低く、農地をほかの方法で土地活用するためには転用許可申請が必要であることの3つが挙げられます。そのため、地方での土地活用には、一般的に言われるアパートやマンション、駐車場、貸倉庫の経営には適していないことがほとんどです。

このことを踏まえて地方での有効な土地活用方法として、一戸建ての賃貸や資材置き場、太陽光発電の3つが考えられます。

ただし、地方の土地活用と一言で言っても、活用したい土地の立地条件や面積、日当たりなどによって最適な土地活用方法は異なります。ですから、その土地にとって最適な土地活用を行うようにしましょう。