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Category  リフォーム

2018年01月31日 更新

リフォームの流れと失敗しない業者の選び方

リフォーム業者は何を基準に選ぶと良いのでしょうか。リフォームするにあたって、業者選びはとても重要です。全体の流れをみても、リフォーム業者と一緒に進めていく時間や行程はたくさんあります。前回の記事でポイントにしたリフォームの目的や希望を達成するために、親身になって考えてくれる、信頼できる業者を選びましょう。

今回は、業者を選ぶ基準と提案内容の比較ポイントに加え、契約し発注する時の注意事項も確認していきます。

1. リフォーム業者に相談する

リフォームの目的や希望がまとまったら、いよいよリフォーム業者に相談しに行きます。リフォームは依頼する業者選びですべてが決まると言う人がいるほど、業者選びは重要です。

一般的に、複数の業者に相談し、内容を比較したうえで1社と契約するという流れになります。比較しやすいように、全ての業者に同じ条件で相談してください。

また、複数の業者に相談しているので断る可能性があることも伝えておくと良いでしょう。しかし、どの会社に業者しているかとか、他社から提案された内容などについては、依頼主にとって不利になる場合もあるので、特に伝える必要はありません。

1-1. リフォーム業者の選び方

リフォームを手掛ける業者には、リフォーム専業の会社や地域の工務店、ハウスメーカーやディベロッパー系列の会社、住宅設備メーカー等があります。また、家電量販店や設計事務所の中には、リフォームを手掛けているところもあります。

1-1-1. 業者の特徴を調べる

リフォーム業者の種類によって、基本的な特徴も異なります。検討しているリフォーム業者がどんなリフォームを得意としているのか調べてみましょう。希望するリフォーム内容にあった業者を選ぶことが大切です。

リフォーム専業の会社は、専業ならではの技術力とノウハウが特徴です。多くが、小規模なものから大規模なものまで、幅広く対応しています。希望がまとまっていない場合には、過去の事例をもとに様々なプランを用意してくれるでしょう。

地域の工務店は、その地域で長い間営業しているため、地元での評判を参考にしましょう。カタログ等がないこともあるので、自分の希望やイメージに近いものができるか、過去の事例を見せてもらうと良いでしょう。

ハウスメーカーやディベロッパーの多くは、自社で新築した住宅やマンションのリフォームを手掛けています。同じ業者にリフォームを依頼すれば、一度依頼しているので安心できますし、工事の記録や定期メンテナンスの結果等もうまく活用してくれるでしょう。新築時に依頼したメーカーの場合、保証の延長などのサービスが付くこともありますので、相談してみると良いでしょう。

住宅設備メーカーの多くは水回りの設備を中心に手掛けています。設備に関しては高度な知識を持っています。交換だけの場合や希望の商品が決まっている場合には良いかもしれません。

インターネットや雑誌、チラシ等でリフォーム事例を見て、その業者がどんなリフォームを中心に行っているか確認しましょう。多く扱っている内容は、その業者の得意な分野である可能性が高いです。デザイン性やコスト、環境に配慮したエコ住宅等、こだわっているポイントからも特徴をつかむことができます。

1-1-2. 業者の信頼性を判断する

業者の信頼性を判断するポイントには、大きく3つあります。

1つめは、業界団体への加入状況です。日本住宅産業リフォーム協会や住宅リフォーム推進協議会、マンションリフォーム推進協議会等、リフォーム関係の業界団体は数多く存在します。

加入は任意のため、加入状況だけで良し悪しを判断するのは難しいですが、加入に条件があるところもあるので、不当な業者を選ぶリスクを減らすことはできます。加入状況は、会社のホームページやパンフレットで調べることができます。

2つめは、資格や許可の有無です。リフォーム工事の多くは、法律では軽微な建設工事にあたり、資格や許可が必要とされていません。しかし、建設業許可を得ている業者や一級建築士が在籍する業者は、信頼できる要素があると考えることができます。

特に、大規模なリフォームを行う場合には、これらの資格や許可を確認しておくとよいでしょう。もちろん、資格や許可を持っていない業者が、全て悪い業者ということではありません。しかし、許可や資格がなくても営業できる為に悪徳業者が存在してしまうということも把握しておきましょう。

3つめは、保証やアフターサービスの内容です。独自の保証やアフターサービスを設けている業者や、リフォーム瑕疵保険を利用できる業者があります。中には、保証やアフターサービスのない業者もあります。独自の保証やアフターサービスは、業者によって内容や保証年数は様々です。

リフォームかし(瑕疵)保険は、欠陥工事に対する保険制度で、国土交通大臣に任命された保険法人へ加入した業者を介して保険を利用します。申し込みは工事業者が行うので、利用したい場合はリフォーム瑕疵保険が利用できるか確認する必要があります。加入することで、欠陥工事の可能性を減らすことができ、欠陥が見つかった場合には補修費用を保証してもらうこともできます。

リフォームかし(瑕疵)保険については、国土交通省が発行しているチラシで確認することができます。

国土交通省のチラシ

口コミや評判に加え、これらの要素をもとに、信頼できる会社か判断しましょう。

1-1-3. 選ぶポイントは?

前章でお話したように、業者の特徴が自分のリフォームの目的や希望に合っているか、信頼できる業者かどうかは、大きな判断材料になります。加えて、対応の誠実さや施工事例、アフターサービスの内容等も選ぶ基準にしていきましょう。

希望をきちんと聞いてくれるか、リフォームや見積もりの内容を丁寧に説明してくれるか、質問にきちんと答えてくれるか、当たり前のようですが、このような誠実な対応をしてくれる業者はとても貴重です。

プロの目線からのアドバイスがあるか、メリットだけでなくデメリットも教えてくれるか、過去の事例を見せてくれるかどうかもポイントです。

保証やアフターサービスは、納得のいくものを選びましょう。他社を批判したり、契約をせかしてきたりするところには注意が必要です。

1-2. 提案内容の比較ポイント

提案内容はじっくり検討しましょう。リフォーム業者から渡される資料をもとに、他の業者の提案と比較していきます。どれくらい希望をくみ取ってくれているか、プロの視点からのアドバイスをどれくらい提案してくれているか、予算内に収まっているか等、様々な視点から比較し、どのプランが最適か見極めていきましょう。

1-2-1. 工事期間は妥当か

リフォームの工事期間は、工事内容や規模、実施時期等、業者の工事の進め方によって変化します。もらった資料の中に記載がない場合には、直接確認しましょう。他の業者の提案よりも工事期間が極端に短い、または長い場合は、説明を受けた方が良いかもしれません。事前に調べた事例の中に、同じようなリフォームの事例があれば、工事期間の目安にすることもできます。

実際の工事になると、天候や予期せぬ追加工事等で工事期間が延長されることもあります。万が一、変更になっても慌てないように、余裕のある工事期間を設定するようにしましょう。

1-2-2. 図面を見ても良くわからない時は?

図面だけではイメージできないという場合には、パースや図、写真等で説明してもらうことができます。パースとは、建物の外観や内装を立体的な絵にしたもので、最近ではCGを取り入れたものもあります。

窓やドアの高さ、収納の位置や距離感等は平面では分かりづらい部分です。パース等で丁寧に説明してもらうことで、自分のイメージや他社との比較がしやすくなります。実際に説明を受ける時には、メジャーを使って大きさや距離感をつかむ工夫をしてみるのも良いでしょう。

1-2-3. 価格の比較の仕方は?

見積書を見て価格を比較します。会社によって見積りの書き方が異なるので、丁寧に確認する必要があります。依頼の段階で、見積書の項目を指定するというやり方もあります。単価や数量等が記載されず、一式とだけ書かれた見積書は、他社との比較が難しくなってしまいます。現地調査前の見積りでは詳細が分からないため、やむを得ず、一式と記載する場合もあるので、そういう場合は後々明細をもらえるか聞いてみましょう。

比較するときは、合計金額だけではなく、工事費や材料費、その他の費用を分けて確認します。安さや割引は、契約するための手法に使われる可能性もあり、あえて高めに見積もって、後から大幅に割引をしてアピールする業者もあります。安い価格にも高い価格にも必ず理由があるので、他社と比較しながらその理由を探していきましょう。

同時に、リフォームの目的や希望に沿った内容かも確認が必要です。解決したい問題が残っていないか、追加で勧められたリフォームが本当に必要か、見極めも重要です。

また、他社の見積書を使い値下げ交渉をすることはマナー違反になります。信頼を損ねる可能性もあるので控えておきましょう。

1-2-4. 提案が気に入らないときは?

提案が気に入らないということは、めずらしいことではありません。希望はきちんと伝えたものの、イメージとは違うものを渡されてしまうことはあります。その場合は、打ち合わせを重ねてあなたのイメージを掴んでもらうようにした方が良いでしょう。後で後悔することのないように、納得のいくものを作ってもらうことを優先してください。

中には、何度も提案をやり直してもらうと費用がかかる業者もあるので確認が必要です。修正する場合には、具体的にどこが気に入らないのか、明確に伝えましょう。カタログや事例集を見ながら、できるだけ同じイメージを共有することが必要です。

他の業者の提案で良いものがあれば断ることもできるので、その業者にこだわる理由がなければ、時間をかける必要はありません。

2. 現地確認時の注意点

見積りを出してもらうために、現地確認を行うことがあります。現地確認では、リフォーム会社の担当者がリフォームしたい部分を直接確認し、部屋の大きさや高さ、設備のサイズを測ったり、写真を撮ったりします。また、リフォームの希望や改善したいポイントを、実際に見ながら確認していきます。

希望を正確に伝えるために、間取り図や参考になる資料があれば用意しておきます。採寸の邪魔にならないよう、荷物がある場合には整理しておく等、担当者への配慮があると良いでしょう。

現地確認には、依頼主とリフォーム業者との認識のズレをなくす目的もあります。お互いが考えている工事範囲や内容が違えば、見積りが無駄になってしまうだけでなく、実際に工事を行う時に追加工事が必要になってしまうことも考えられます。工事範囲や使う材料の素材、色、設備の配置等、ひとつひとつ一緒に確認していきましょう。

また、きちんと比較するために、全ての業者の現地確認で同じ希望や内容を伝えるようにしてください。あらかじめ具体的な希望をまとめておくと良いでしょう。

3. リフォーム業者に工事を発注する際の注意点

リフォーム業者の選定や現地確認、見積書の比較を終え、いよいよ1社と契約を結びます。契約の際には、業者から渡される契約書、工事請負契約約款、見積書、設計図面、仕上表をもとに、内容に間違いがないか確認が必要です。

3-1. 契約書の内容で注意するポイント

契約書では、リフォームの費用、工事の期間、支払い方法などが記載されています。手元に来たらまず、見積書と比較し、内容や金額に間違いがないか確認します。

工事日程と期間は、保障内容にも影響してくるので、記載してあるか必ず確認してください。希望した日程か、無理のない余裕をもった日程かも確認しましょう。

支払い方法は様々ですが、完成後に一括払い、着手金と完成後の2回払い、着手金と中間金と完成後の3回払い等があります。事前に打ち合わせた内容と違いがないか確認しましょう。

3-1-1. 口約束になっている部分がないか

リフォーム業者との信頼関係ができてくると、工事に関わることも口約束になってしまうケースがあります。口約束だった為に、トラブルに巻き込まれてしまった事例もたくさんあります。打ち合わせで決めたことは、どんなに細かいことでも必ず書面に反映させましょう。

3-2. 工事にかかる電気代や水道代の負担は?

電気代や水道代は、依頼主の負担になることが多いようです。工事期間が長くなる場合には、その分負担も増えてしまいます。一部の業者では、工事専用に電気や水道を準備したり、工事期間中の料金を負担したりするとこともあるようです。どちらの負担になるのか、あらかじめ確認しておく必要があります。

また、電気代や水道代以外に、駐車場代も同様に依頼主の負担に含まれることがあります。高額でなくても、急に請求されると不信感を抱きますし、困ることもあるので、どのくらい必要か聞き、準備しておきましょう。

3-3. 保証内容の確認ポイント

リフォームでのトラブルは、工事の遅延によるもの、工事の中断や中止によるもの等様々ありますが、一番多いのは工事が終わって引き渡しを受けてからです。工事の終わった時には気付かなかったことが、使ってみて初めてわかるようになるからです。

当事者間では解決できない問題にまで発展することもあります。トラブルにならないことが一番ですが、契約の段階では、もしもの時に備え、支えとなる保証内容について確認しておきましょう。

リフォーム業者ごとの保証もありますが、その業者が倒産してしまったら保証を受けられなくなることも考えられます。リフォーム瑕疵保険のような、第三者機関による保証があるかも確認しましょう。

保証内容を確認するときには、保証範囲と保証期間を確認します。保証期間が長ければ良いという訳ではなく、保証が適用される範囲と適用外になるケースも確認しておきましょう。業者が独自で用意している保証には、施主にはメリットの少ないものがある場合もありますので、雰囲気で判断しないで吟味するようにしてください。

3-4. アフターサービスの確認

リフォームは、工事が終われば良いという訳ではありません。数ヶ月後や数年後、リフォームによる不具合が生じてしまうこともあります。そういった場合に、対応してくれるサービスがあるのか、どのような対応をしてくれるのか、アフターサービスの内容を確認しておきましょう。

業者によってサービスの手厚さも様々です。不具合が生じた場合にのみ対応してくれるところから、定期検査を実施してくれるところまで、幅広いサービスの中から安心できる業者を選びましょう。契約時には、分からないことがあれば質問し、利用する前に疑問を解消しておくと良いでしょう。

4. まとめ

今回はリフォームの全体の流れの中で、業者選びと提案内容の比較、発注時の注意点を確認してきました。業者や提案内容を比べる時も、契約書の内容を確認する時も、面倒で大変だと思いますが、ひとつひとつ丁寧に確認していくことが重要です。

また、常にリフォームの目的を意識しながら選択していきましょう。

次回は、「リフォームの全体の流れを把握する後編 工事その他」として、工事について確認しておくポイントや気になる小さな疑問を解消していきます。