リフォームの見積書を比較する時のポイントとは

リフォームの見積もりには、いくつか重要なポイントがあります。例えば、希望を明確にすることや、信頼できる業者を選ぶことなどです。

リフォームとは、既存の建物を改装しより美しい状態にすることであるため、決まった価格がありません。そのため、適正価格で思い通りのリフォームを行うためには複数の業者から見積りを取って、内容を比較することがとても重要になります。

しかし、一口にリフォームと言っても、その種類は千差万別です。希望しているリフォームについて、具体的にどういった項目をどのように比較するべきなのか、悩ましいところです。

そこで今回は、リフォームの見積もりを取る際に重要な注意点や条件、業者の選び方等について、基本的な事項をお伝えさせていただきます。

1. リフォームの見積を依頼する前に気を付けること

リフォームの際、複数の見積を取ることは重要ですが、見積を依頼する前に決めておくべきことが大きく分けて2つあります。どんな点が重要なのか詳しく見ていきます。

1-1. リフォームの希望を明確にする

リフォームと言っても、その種類は数限りなくあります。正確な見積を取るために、家のどの部分をどのようにリフォームしたいのか、明確にしておかなければいけません。そのためには、まず現在の問題点の把握と、完成予想図の作成が肝心です。

1-1-1. リフォームの前に現在の問題点を把握する

まずは、現在の家の問題点を把握しましょう。トイレが汚い、キッチンの収納が少ない等、「どこが」「どのように」問題となっていてリフォームしたいのか、明確に挙げていきましょう。そうすることで、どこに焦点を当てていけばよいのかはっきりします。

1-1-2. リフォーム後の完成予想図を決める

次に、リフォーム後の完成予想図を決めましょう。把握した問題点をどう改善してどういった形にしたいのか、明確に決めることで大体の予算も見えてきます。トイレを最新式のものに交換する、キッチンに収納ユニットをつけるなど、具体的に決めていくことがポイントです。

また、インターネットや書籍で積極的に情報収集をしましょう。インターネット上にはリフォーム事例がたくさんあるので、そこからイメージを膨らませたり、リフォーム雑誌やカタログを見て印をつけておくのもおすすめです。

また、設備メーカーのショールームで実際の建物を見学すると、よりイメージがわきやすくなります。

1-2. リフォームの優先順位を決める

完成予想図まで決まったら、次は優先順位を決めましょう。予算との兼ね合いで、全ての希望が叶わないこともあります。どの部分のどのリフォームが最優先なのか、また、一部分を諦めるのではなく部分ごとの単価を下げるのか。はっきりと優先順位を決めておけば、見積の際に迷わず業者と交渉できます。

2. リフォームの見積を依頼する業者を決める

希望と優先順位が決まったら、次は業者を選定します。たくさんの業者がある中で、どの業者を選べばよいのか、どのように選べばよいのかなどについて見ていきます。

2-1. リフォーム業者の探し方

リフォーム業者の探し方は、大きく分けて3つあります。

  1. インターネットでの検索(リフォーム+地域名 等)
  2. 電車や街中の広告
  3. 街中の店

①は空いた時間にパソコンや携帯電話で検索できることが、情報量が多いことがメリットです。②や③は毎日の通勤やお出かけの際にアンテナを張っておき、意図しない時でも情報が得られるのがメリットです。いずれにせよ、リフォームについての情報収集を効率よく行えるよう、普段からアンテナを張っておきましょう。

2-2. リフォーム業者選びのポイント

業者選びの際に考えることは、小回りのきく地元の業者、保証などが充実していそうな大手メーカー、設備が安く購入できそうなホームセンターなどいくつかポイントがあります。それらを比較してご自身の目的に一番あった業者を見つけるようにしましょう。

2-2-1. リフォーム業者の特徴を調べる

業者の種類も多くあるので、ご自身の希望する完成予想図に一番合った業者を選ぶことが重要です。

①ゼネコン・住宅メーカーなどの建築会社系

大規模なリフォームのノウハウを持っており、コーディネーターがいることが多いため、「お任せ」することが可能ですが、反面、料金が高くつくこともあります。主に大規模なリフォームを取り扱っているため、小規模なリフォームの場合は細部まで目が届ききらないこともあります。

②インフラ会社系

電気・ガスなど、それぞれの分野に特化した設備工事が中心です。系列により自社オリジナル商品(システムキッチン、システムバス等)がありますが、依頼するとその会社以外の商品は頼みづらくなることがあります。

③地元会社系

評判や信頼性が高く、安心性が高い。何かトラブルがあった際も、すぐ駆けつけてくれる細やかさが長所です。その反面、デザイナーがいないことも多く、デザイン性の高いリフォームをしたい場合などは対応が難しい場合もあります。

④ホームセンター、家電量販店

設備の販売だけでなく、工事まで請け負うところが増えてきました。これまでは、エアコンの取り付け程度でしたが、キッチン、トイレ、太陽光発電の設置など幅広く対応するようになりました。

基本的に定価販売の業者に比べて設備が安いのが魅力です。しかし、施工工事に関しては、ほとんどが下請け業者に丸投げとなります。その会社がどのような方針で下請け業者を選定しているのかを確かめると安心出来ると思います。

どの業者が合うかは人それぞれですので、ご自身の目指すリフォームに合う業者を選びましょう。

2-2-2. リフォーム業者の信頼性を判断する

地域密着型で経営が長く続いている業者であれば、信頼性は高いと考えられます。また、希望している種類のリフォームの工事実績があるかどうかも、ノウハウに基づいたリフォームを行ってもらえるかという観点から重要です。また、必須ではありませんが、住宅リフォーム推進協議会など、業界団体への加盟をしているかも指標のひとつになります。

3. リフォーム業者に見に来てもらう時に気を付けること

リフォーム会社を選定したら、いよいよ家に見積に来てもらいます。その際、どのような点に注意して依頼をすればよいのか、確認事項は何かなど、見ていきます。

3-1. 複数のリフォーム業者に依頼する際は条件を統一する

見積をとる場合は、どの業者に依頼する際も条件を統一する必要があります。毎回条件を変えていては、比較対象があいまいとなってしまい正確な比較ができなくなるからです。

3-1-1. リフォーム業者ごとの食い違いを無くす

依頼業者により条件が食い違ってしまった、という事態を避けるために、事前に各業者に依頼する内容をまとめて手元に置いておきましょう。業者から確認を求められた際も、すぐ確実に確認ができ、業者ごとの食い違いをなくすことができます。

3-2. 現場でどんなリフォーム工事をするのか確認する

また、各見積項目について、実際に現場ではどのような工事を行うのか確認しましょう。

3-2-1. リフォーム工事の範囲

想定していた範囲と実際の工事の範囲が違うと大変なことになるので、工事の範囲は必ず確認しておきましょう。自分なりに勝手に解釈するのではなく、必ず資料などで確認しておくことが重要です。

3-2-2. リフォームの際に流用する部材

使用する部材のうち、既存の部材を流用することで費用を安く抑えることができます。また、既存のものであるため外観的にもなじみが良い場合もあります。その反面、一部の部品を流用することで、その製品全体の保証がなくなってしまう可能性や、流用した部材が合わない場合、工期に影響が出ることも考えられます。費用は抑えられますが、こういった危険性にも注意する必要があります。

3-2-3. リフォームの際に使う新規の部材

一方、新規の部材を使用する場合は比較的費用が高くつき、既存の設備との調和が難しい場合もありますが、工期に影響が出る可能性は少なく、新品になるため美しい外観となることが期待できます。

4. リフォームの見積書を比較する時に気を付けること

見積書を複数の業者から入手したら、比較検討し依頼する業者を決めます。その際の注意事項やポイントを見ていきます。

4-1. リフォームの見積り比較は安い業者を探すためのものではない

相見積もりの意味は、値段の比較だけではありません。例えば同じ項目の数量が極端に違う業者がいた場合、その業者は怪しいとわかります。また、複数の業者の見積を比較していく中で、業者がどんな点を重視して見積りをしているのかポイントが分かってきます。適正価格で発注するために、情報を十分に収集しながら、比較検討を行いましょう。

4-2. リフォームの提案内容の比較ポイント

提案内容はたくさん項目がありますが、具体的にどこを比較すればよいのかご説明していきます。

4-2-1. リフォームで使う部材のグレードを確認する

建材や設備にはグレードが存在します。同じように見えるものでも、グレードによって価格が変わります。使用する資材のグレードが同じかどうかを確認しないと、価格を比較する意味がなくなってしまいます。目に見える価格の比較ではなく、どんなものを使うのかまで、しっかりと確認をしましょう。

4-2-2. リフォームで使用する部材の単価が出ているか

同じグレードの部材であっても、仕入れルートによって単価が変わることが良くあります。安く入手できるルートを持っていることも業者の強みの部分ですので、適正に評価をしたい部分です。

作業費込みの一式表示をされている場合は、作業費と部材の価格の内訳を確認するようにしましょう。

4-2-3. リフォーム工事の数量は明示されているか

数量についても同様です。異常に多い数量の場合、水増しされている場合も考えられますので、どの部分にどういった理由で必要であるためにこの数量になっているのか、確認をしましょう。

4-2-4. リフォーム工事が二重に入っていないか

いわゆる二重計上です。「諸費用」「諸経費」など、詳細が不明な項目については、二重計上が行われやすいです。雑費や処分費など、「諸費用」「諸経費」に含まれていそうな項目が別計上されていた場合、念のため確認しておいたほうが安心です。

また、「○○代一式」といった表示で作業費込みの価格になっているにもかかわらず、作業費が別途計上されているようなケースもありますので注意しましょう。

4-2-5. リフォームで使う建材の色や柄を確認する

建材の色や柄によって単価が変わることがあります。また、リフォーム後に不満が残りやすい項目で上位に上がるのが、色や柄のイメージとの違いです。口頭確認だけではなく、カラーサンプルなどで確認してきちんと文書で残すようにしましょう。

4-2-6. リフォーム工事の範囲を再確認する

工事の範囲が想定と違うと、正しい比較ができなくなってしまいます。同じ土俵で比較が出来るように工事の範囲を確認するようにしましょう。間違いがないよう、細かく確認することが重要です。

・別扱いの工事が含まれていないか

例えばカーテン、家具などは工事費用とは別扱いとなりますが、カーテンレールの取り付けなどは、サービスでやってくれるところが多いです。作り付けの家具については、工事を依頼することになります。工事の範囲を正しく把握してきちんと比較をしましょう。

・仮設工事で使用する資材は入っているか

仮設工事とは、足場工事などの「工事の間に必要だけれども直接住宅に使うものではない設備を用意する工事」を指します。ここには、足場の資材や足場組立の作業費、仮設トイレ代など、様々な項目のものが含まれています。

悪質な業者の場合、この項目で工事費を上乗せしていることもあるので、内訳はどうなっているか、追加費用が発生する可能性がないか等確認しておきましょう。

また、足場が必要な作業はできるだけ少ない回数でまとめてもらうようお願いすると、足場代が少なく済むため費用が下がることがあります。

・工事後のクリーニングは入っているか

工事中は養生しているとはいえ、やはり工事後は汚れが残ります。小さい工事であればサービスで掃除をしてくれる業者もありますが、「ハウスクリーニング代」「美装費」といった名目で計上し、しっかりと清掃する場合もあります。その清掃もリフォーム業者が行う場合と清掃業者を入れる場合がありますので、清掃の有無やそのタイプについては見積時に相談しておきましょう。

・工事中の電気、水道、トイレの使用はどうなっているか

工事で使用する電気代や水道代をどちらが負担するのか確認をしておきましょう。既存の設備を工事で使用することになるため、依頼者側で負担する場合が多いですが、業者によっては別項目で見積りをしてくるケースがあります。

また、職人さんのトイレの使用については、使われるのが嫌だという場合は、仮設トイレを設置してもらったり、近所に公園があればそちらを使用してもらうようにすると良いでしょう。

4-2-5. リフォームの際に交換する資材の妥当性を確認

交換する資材があった場合、本当に交換が必要か確認をしましょう。業者によって、既存のまま使用したり、交換したりと内容が分かれるケースがあります。なぜ、変えないといけないのか、あるいは変えなくても本当に大丈夫なのかなど、後からその部材が原因で工事をやり直すことの無いように納得できるまで確認をしましょう。

4-2-6. リフォームの工事期間は妥当か

多様なリフォームがあるとはいえ、見積・現地調査・契約・着工といった大まかな流れは決まっています。工事期間が妥当か、それぞれの業者から説明を聞いて確認をしましょう。工事期間が見積の段階で未記入である場合、その理由を業者に確認しておきましょう。工事期間は工数や仮設工事代の算出に必要な要素ですので、見積書に記載がなくても腹積もりの日数は必ずあります。

また、工事の内容によってはリフォーム中の住宅に住むことができず、工事中の仮住まいを用意しなければならない場合があるので、工事期間は重要な要素です。

例えば、外壁のリフォームの場合は工事中も住むことはできますが、足場を組まれた状態が長く続くと換気ができなかったり、日当たりが悪い状態が続きます。近隣に塗料などが飛ぶのを防ぐためのシートによって人目に付かなくなるので、防犯上も問題があります。

職人さんの人数についても、同じ20人でも「5人で4日間の工事」と「2人で10日間の工事」では上記のように工事中の負担が変わりますし、人工代は同じでも足場代などは増えます。よく確認しましょう。

4-2-7. リフォームの図面を見ても良くわからない時は

見積前に見方を学んでおくのが一番ですが、もし良くわからない時は、わからない旨を伝えて業者に説明してもらいましょう。平面図を出してもらってもイメージがしづらい場合は、パース(立体的な絵や透視図)を出してもらったり、イメージ写真を用意してもらうとよいでしょう。

また、図面を見ながら普段の一日の動きをイメージし、動線や配置に不便な点がないかも見ておきましょう。

4-2-8. リフォーム工事の価格の比較の仕方

見積の条件を揃えている場合、価格は安いほうがよいと思われがちですが、一概にそうとも言い切れません。業者の特性や相性も重要な観点です。希望を叶えてくれそうか、些細な追加工事は無償で対応してくれそうかなど見積書には表れない点についても加味して価格を比較しましょう。

また、同じ価格であっても、工事費が高い業者と材料費が高い業者がいた場合、その違いはなぜか、どちらがより適しているのかもよく考えると良いでしょう。

4-2-9. リフォームの提案が気に入らないときは

具体的にどこが気に入らないかを伝え、再提案してもらいましょう。その際、「もっとこういう風にしたい」という希望をなるべく詳細に伝えると、打ち合わせ回数が少なくなります。

また、自分で案を図にするなどして逆提案するという手もあります。そこをプロの目で修正してもらい、実現に近づける方が近道の場合もあります。

4-2-10. リフォームの工事費の支払い条件

工事費の支払いは、基本は出来高払いで、契約時に3割、中間時に4割、完成時に3割支払うのが一般的です。

しかし、業者さんは工事を始める前から足場代や資材の購入などの費用がかかります。これらは掛売りで購入するのが一般的ですが、職人さんには日払いで払うことも多く、場合によっては融資を受けて賄うケースもあります。

融資を受ければ金利の支払いが必要となるため、なるべく早く現金を回収したいと考える業者が多いです。このため、早く支払いをすることにより金利分の負担が減るので、その分安くしてくれる業者もあります。

しかし、あまりに工事費の回収を急ぐ業者は内情が厳しいことが予想されます。相手が自転車操業でやり繰りしているような場合は、工事の途中で倒産してしまう可能性もゼロではありません。契約時に全額支払ったが、工事中に業者が倒産してしまった…ということがないよう、与信管理は慎重に行いましょう。

支払い条件を上手に活用すれば、お得に工事を発注できる可能性があります。一方でしつこく前払いを求める業者は敬遠した方が良いかもしれません。

4-2-11. リフォーム工事の極端な値引きはされていないか

極端な値引きをしている業者と、そうでない業者が同じような価格だった場合、元の値段が高い前者を選びがちですが、極端な値引きは疑ったほうが安全です。値引きは通常、期間限定キャンペーンなど特定の条件を満たした時や、端数を切り捨てるために行われます。

工事費のうち大半が値引きされている場合は、正当な見積もりでない可能性があります。値引きされているように表記があっても、実際は元々水増し価格である場合や、逆に高い追加費用が後から加わったりする場合も考えられますので、注意しましょう。

4-2-12. リフォーム後のアフターサービスの内容

リフォーム後のアフターサービスも重要な項目です。点検・メンテナンス等の保証や定期巡回、それらを明記した保証書の発行等、その内容は多岐に渡ります。工事後のトラブルへの備えがしっかりとしている業者を選びましょう。

4-2-13. リフォーム工事の保証期間はいつまでか

保証期間は、工事に対する保証と設備に対する保証で変わってきます。工事に対する保証の場合、業者によっても幅がありますが、3年~5年くらいのところが多いようです。中には最大20年保証を掲げている業者もあります。

混同されることが多いのですが、工事の保証と設備の保証は別に考える必要があります。工事の保証は施工業者が行うものですが、設備自体の保証はメーカーが行うものです。

例えば、給湯器を交換した場合、設置工事は施工業者が保証をするので、工事に関する保証期間は施工業者が任意で決めることができます。しかし、給湯器自体の故障に対する保証は給湯器メーカーが行うものですので、通常、販売から1年となります。

更にややこしいことに、施工業者がメーカーから購入した日がいつかという問題があります。在庫整理などで1年くらい業者の倉庫で眠っていたという場合、メーカーの保証は切れていることも考えられます。

洗面台のように簡単に故障しないような設備の場合や、故障するとしてもパッキンの交換で済むような設備の場合は、業者に保証してもらえば良いという考え方もあります。その分安く購入できるなら、メリットの方が大きいかもしれません。

発注者側からすれば、保証期間のスタートは工事日を起点としたいところですが、必ずしもそうではないので、よく確認をして納得できる条件を見つけましょう。

リフォーム工事の見積書を比較するのまとめ

リフォームは一大事業です。規模によっては、家を建てることと同程度の労力が必要とされます。理想のリフォームを実現するためには、業者に任せきりにせず、自ら書籍やインターネットで情報を仕入れる姿勢が大切です。そのうえで見積りを比較して、最適な業者を選びましょう。わからない点は業者と相談しながら、少しずつ理想とするリフォームを実現していきましょう。