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Category リフォーム
2018年10月03日 更新
トイレリフォームの注意点|失敗を防ぐ7つのリフォーム内容とは?
トイレのリフォームというと、便器を交換や壁紙を張り替えるぐらいでは? と思われる方も多いことでしょう。
トイレリフォームでは、古くなった便器を交換して壁紙や床材を変更する以外にも、いくつかのリフォーム方法があります。
こちらでは、トイレリフォームの具体的な内容と注意すべき点について、詳しく説明致します。
この記事でわかること
1. トイレリフォームの具体的な内容
冒頭でも説明したとおり、トイレリフォームにはいくつかの種類があります。具体的には、一般的なリフォーム費用が低い順にトイレリフォームには便座交換とウォシュレットの設置、手すりの設置、トイレ内に手洗い設置、便器の交換、内装リフォーム、スペースの拡張という7つがあります。
もちろん、これらのトイレリフォームを合わせて行うことにより、リフォーム費用を抑えることができます。1度に複数の工事を行うため、工事費が低くなるからです。
ここでは、トイレリフォームの7つの内容を詳しく説明します。これらの内容を知ることにより、トイレをリフォームにより快適な空間に変えることができます。
1-1. トイレの便座交換
トイレリフォームの1つ目は、便座交換です。便座とは洋式便器に座るための部分のことを指します。便座交換は、便器は十分使用できるにも関わらず便座がひどく汚れたり割れたりしたときや、新たな機能を追加して利便性を向上したいときに行います。
新たな機能とは、脱臭機能や節水機能、温水洗浄便座(ウォシュレット)のことです。なお、ウォシュレットについては次で詳しく説明します。
便座の交換は少ない費用で手軽に新たな機能を得ることができるのが特徴です。トイレの臭いや使用水量が気になる程度であれば、便座交換だけで解決できることが多くあります。このように、トイレリフォームでは便座だけを交換することができます。
1-2. トイレにウォシュレットを設置
トイレリフォームの2つ目は、温水洗浄便座(ウォシュレット)の設置です。会社や外出先でウォシュレットに慣れると、自宅でも利用したいものです。また、すでに設置してあるウォシュレットが壊れてしまった場合も交換が必要です。
ウォシュレットは、単体でも手に入れることができる電化製品です。そのため、家電量販店やホームセンター、インターネットなどで購入でき、専門的な知識や工具がなくても取り付けが可能です。
この場合、工事費用がかからないため費用を低く抑えられる半面、取り付け方法を誤ったり便器に合わないものを購入してしまうと、水漏れなどの危険性があります。
また、ウォシュレットは多くの場合、電源が必要です。ですから、トイレ内に電源がないと使用することができません。これまでウォシュレットを設置していないトイレだと電源がない可能性が高いため、コンセントを敷設する必要があります。
中には電源不要で水圧で動くウォシュレットもあります。しかし、電源不要のものは温水は出ませんし、便座を温める機能もありません。
そして、どのような便器にもウォシュレットが取り付けられるわけではないことに注意が必要です。既設の便器のメーカーに問い合わせて、ウォシュレットが取り付け可能かどうかを前もって調べるようにしましょう。
なお、主要トイレメーカーの便器のウォシュレット対応状況は、以下のメーカー公式サイトで知ることができます。
TOTO|ウォシュレットご購入前のチェックポイント
http://www.toto.co.jp/products/toilet/t00004/09.htm
LIXIL|シャワートイレ 取り付けチェック
http://showertoilet.jp/check/
Panasonic|温水洗浄便座 取り付け施工手順
http://panasonic.jp/toilet/howto.html
なお、このページでは温水洗浄便座とウォシュレットを同じ意味で使用しています。しかし、ウォシュレットとはTOTO株式会社の、ウォシュレットと類似する商品であるシャワートイレは株式会社株式会社LIXILの、それぞれ登録商標です。
1-3. トイレリフォームで手すりを設置する
トイレリフォームの3つ目は、手すりの設置です。特に高齢の方は膝の痛みや足腰の筋力低下が原因で、トイレの中で転倒する危険性が高くなります。そのような事故は、手すりを取り付けることにより防ぐことができます。
手すりは主にトイレ内の便座の左右両壁に取り付けます。そして立ったり座ったりするときや、座っている間に肘掛けとして利用します。
また、便座に座る姿勢を保つことが難しい方のために、はね上げタイプの手すりもあります。はね上げタイプの手すりは、トイレで座っているときに肘掛けとして利用しますが、上にはね上げることができます。そのため、介助の方がいる場合に便利です。
手すりの設置は多くの場合、住宅全体のバリアフリーリフォームの1つとして行われます。バリアフリーリフォームは、高齢の方が要介護認定などを受けていれば介護保険による補助金を受けることができます。ですので、もしバリアフリーリフォームを検討しているなら、お住まいの市町村役場に前もって相談しましょう。リフォーム後だと介護保険の補助金を受けることはできないからです。
1-4. リフォームでトイレ内に手洗い設置
トイレリフォームの4つ目は、トイレ内の手洗い設置です。トイレに独立した手洗いを設置すれば、トイレタンクを手洗いとして使用するときの水はねによる汚れを防止することができます。
また、タンクレストイレを設置する場合、たいてい独立した手洗いを合わせて設置します。タンクレストイレは名前のとおりタンクがなく、手洗いができないからです。なお、タンクレストイレについては後述します。
そして、独立した手洗いはバリアフリー化にもなります。高齢の方がタンクまで手を伸ばすことが難しい場合、独立した手洗いがあれば無理のない姿勢で手を洗うことができます。
ただし、手洗いを設置することにより、もともと狭いトイレのスペースがさらに狭くなってしまいます。ですから、独立した手洗いを設置する前には、設置後も十分なスペースが確保できるかよく確認するようにしましょう。
1-5. 便器の交換
トイレリフォームの5つ目は、便器の交換です。多くの方にとって、トイレリフォームと言えばこの便器の交換を思い浮かべるのではないでしょうか。
便器交換には、和式から洋式便器への変更と、古くなった洋式便器の新しいものへの交換、主にこの2つです。そして、交換する新しい便器には価格帯によってシンプルタイプとスタンダードタイプ、高性能タイプという3種類があります。シンプルタイプがもっとも価格が低く、高性能タイプが高くなります。そして、これら3種類にタンクありとタンクレスの2種類ずつ、合計6種類があります。
以下では、3種類の便器タイプとタンクの有無について詳しく説明致します。
1-5-1. シンプルタイプのトイレ
便器の種類の1つ目は、シンプルタイプです。シンプルタイプはもっとも価格が低く、ウォシュレットや脱臭機能、便座暖房などが一切付いていません。
そのため、シンプルタイプはトイレリフォームの費用を少しでも抑えたいと考えていたり、ウォシュレットや便座暖房の機能に必要性をまったく感じなかったりする場合に適しています。
1-5-2. スタンダードタイプのトイレ
便器の種類の2つ目は、スタンダードタイプです。スタンダードタイプは住宅だけでなく、店舗や事務所などを含めても最も主流のトイレです。そのため、多くのトイレリフォームで使用されます。
具体的にはウォシュレットや脱臭機能、便座暖房などが付いています。そのため、一般的なトイレリフォームを考えているなら、スタンダードタイプの便器が適しています。
1-5-3. 高性能タイプのトイレ
便器の種類の3つ目は、高性能タイプです。高性能タイプとは、スタンダードタイプの機能にフタの自動開閉や全自動洗浄、除菌機能が付いたタイプのことです。多機能であるためここまで説明したタイプの便器とくらべると価格はもっとも高くなっています。
ただ、トイレでフタの開閉や水を流す動作が自動である上に除菌機能まであるため、特にトイレを清潔に保つことができます。また、高齢の方にとっては負担となる動作が省略できるため、バリアフリー化にも適しています。
このように、高性能タイプはトイレを極力清潔に保ちたい場合や、高齢の方がいらっしゃる住宅に適しています。
1-5-4. タンクレストイレ
ここまで説明した3種類のタイプの便器には、それぞれタンクありとタンクレス(タンクなし)の2種類があります。タンクとは、便器の後ろ側に設置された汚物を流す水を貯蓄する容器のことです。また、トイレの水を流したときに手を洗うことができます。
タンクレストイレとは、このタンクが存在しないトイレのことです。電気を使って水道直結で水を流す仕組みになっています。
タンクレストイレの特徴は、タンクがないためその分トイレのスペースを広く活用できることと、水を連続で流すことができることです。タンクレストイレは水道直結で水を流すため、タンクに水が貯まるのを待つ必要がありません。そのため、朝など家族が続けてトイレを利用するときには便利です。
一方で欠点もあります。タンクで手洗いができないため、これまでタンクで手を洗っていた方であれば別に手洗いを設ける必要があります。ただ、今までタンクで手を洗っていなかった方にとっては特に問題はありません。
また、タンクレストイレは電気の力で水を流すため、停電時は水を流すことができません。このようなときはバケツに入れた水で流す必要があります。
そして、タンクレストイレは水圧が低いと設置できないことにも注意が必要です。住宅の2階やマンションの高層階、また住宅の立地条件によっては1階であっても水圧が低ければ使用できません。水道直結で水を流すため、十分な水圧がないと水流が悪くなったり詰まったり、そもそも水が流れない恐れがあるからです。
このようなタンクレストイレの特徴と欠点を念頭に置いた上で、タンクありとタンクなし、どちらが快適に利用できるかを判断して選びましょう。
以上のとおり、便器交換ではシンプルタイプとスタンダードタイプ、高性能タイプの3種類それぞれに、タンクあととタンクレスの2種類が用意されています。
1-6. トイレの内装リフォーム
トイレリフォームの6つ目は、内装リフォームです。トイレの床や壁、天井の張り替えは、便器交換のための取り外しと合わせて行うことがほとんどです。トイレは水に漏れたり尿などで汚れたりする可能性がある上、部屋が狭いため湿気やカビも多くなりがちです。ですから、汚れや湿気、カビに耐えられる材質を選ぶ必要があります。
1-7. トイレのスペースの拡張
トイレリフォームの7つ目は、トイレのスペース拡張です。トイレスペースを拡張することにより、高齢の方を介助する方も一緒にトイレに入ったり、車椅子での回転のような動作がスムーズになったりします。また、1人でトイレに行けない小さなお子様がいらっしゃる場合も、ゆとりを持って一緒に入ることができます。
なお、トイレのスペース拡張と手すりの設置や段差をなくしたり引き戸に変更したりしてバリアフリーリフォームを行うと、介護保険で補助金が受けられる場合があります。ですから、スペース拡張のような大規模なトイレリフォームを行うなら、介護保険の補助金が受けられないか検討することをお勧めします。
トイレのスペース拡張は、戸建住宅ならたいていの場合可能です。ただし、トイレ周辺の間取りや構造によっては拡張ができません。また、マンションはトイレを拡張できるだけのスペースがないことが多いため、ほとんどの場合拡張できません。
ここまで説明したとおり、トイレリフォームには主に便座交換とウォシュレットの設置、手すりの設置、トイレ内に手洗い設置、便器の交換、内装リフォーム、スペースの拡張という7つがあります。現状のトイレに関する不満や直面している問題を明確にして、目的に合ったトイレリフォームの方法を検討しましょう。
2. トイレリフォームの注意点
ここまでトイレリフォームの具体的な内容を説明しました。しかし、トイレリフォームには特有の注意点があります。トイレは水を使用するため水漏れや湿気が多いことに加え、特に汚れや臭いが溜まる場所でもあるからです。
トイレリフォームで注意が必要なのは、トイレの面積が限られていることと壁材や床材選びに注意が必要なことです。以下ではトイレリフォームで注意が必要なこれら2点について説明致します。
2-1. トイレの面積は限られている
トイレリフォームの1つ目の注意点は、トイレの面積が限られていることです。トイレは住宅の中でも面積が少ない部屋です。そのため、限られたスペースを有効に活用しないと、圧迫感を感じたり、開き戸の場合開け閉めの際に引っかかってしまったりという不具合が起こります。
スペース拡張を検討しているなら話は別ですが、既存のトイレ内部をリフォームしたいだけなら、リフォーム後に十分な空間が確保できるかを確認した上で行うことをお勧めします。
特に注意が必要なのは、便器を既存よりもサイズの大きいものに交換したり、手洗いを設置したりする場合です。トイレのスペースは狭いため、ほんの数cm狭くなっただけでも圧迫感があります。
また、トイレ内のスペースだけでなく、もし開き戸ならスムーズに開閉できるかも注意が必要です。特に内開きの場合、スリッパがひっかかるなど些細な点で不便になることもあります。
このように、トイレの限られた面積では、リフォーム後に圧迫感を感じたり、不便な点が出たりしないかに注意を払うようにしましょう。
2-2. トイレに適した壁材や床材を選ぶ
トイレリフォームの2つ目の注意点は、壁材や床材選びに注意が必要なことです。
トイレは水漏れによる湿気やカビ、そして汚れや臭いが多くなりがちな場所です。そのため、壁材や床材はトイレでの使用を想定した、湿気やカビに強いものを選ぶ必要があります。通常の壁材や床材だと、すぐに劣化してしまい交換の時期が早まるからです。また、トイレの内装の中には消臭効果があるものもあります。
そして床材は、耐水性が高く掃除がしやすい材質をお勧めします。木の床材を使うとシミになりやすいので、クッションフロアなど耐水性の優れたものを使用することをお勧めします。
また、タイルは耐水性や汚れが取れやすいという点で優れていますが、タイルの継ぎ目が掃除しづらいという欠点があります。そのため、タイル1枚の面積が広いものを選ぶと継ぎ目が少なくなるため、比較的掃除がしやすくなります。
高齢の方や小さなお子様がいらっしゃるなど、トイレを汚すことが多いご家庭であれば、このようなタイルは掃除がとても楽になります。ここまで説明したとおり、トイレは湿気やカビ、水濡れ、汚れに強い壁材や床材を選ぶことをお勧めします。
3. トイレリフォームのまとめ
こちらでは、トイレリフォームの具体的な内容と注意すべき点について、詳しく説明致しました。
トイレリフォームには、便座交換やウォシュレットの設置、手すりの設置、トイレ内への手洗い設置、便器交換、内装リフォーム、スペースの拡張という幅広い内容があります。
この内、便座交換やウォシュレット、手すりの設置は単独でリフォームを行うことも多くありますが、内装リフォームやスペース拡張は、多くの場合便器交換と合わせて行うことがほとんどです。
ただ、トイレリフォームではトイレの面積の狭さと壁材や床材選びに注意が必要です。これらのことに気をつけながら、ご家族がより快適に過ごせるトイレリフォームを実現しましょう。